JPS6316305Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、扁平で製作簡単な部品数の少ない小
型偏平モーターに関するものである。

従来から使用されている小型モーターは少なく
とも３極以上の極数を有し、そのため巻線を巻く
作業が複雑となり巻線作業は頗る困難であつた。

これを解決する手段として２極のものが簡単で
あるが、２極のものは整流子の位置により短絡し
たり給電不能を生ずるので実用化が困難であり、
又巻線が左右に張出すためモーター全体を扁平と
し難しい欠点があつた。

さらには、従来の扁平モーターは中心から離れ
た場所で軸方向に力が働き大きなモーメントの変
動を生じるため振動を発生し、ベアリング間隔を
大とするため軸部の厚さを薄く出来ぬ等の欠点が
あつた。

本考案はこれらの欠点を解消した考案であり、
特に扁平にでき、かつ製作簡単で部品数の少ない
小型偏平モーターを提供することを目的としたも
のである。

本考案は励磁用の磁石２を内周面に設けている
ケース１の中央に立設している軸９と絶縁周設し
ている鉄心７に軸方向に狭い巾で、かつ外方へ厚
く多数巻回している円形二相コイル４の上面及び
下面に対の板状の極片５，６を直角方向に挟持す
るとともに、対の極片５，６が互いに接触するこ
となく極片５，６の先端部を直角に内方に折曲さ
せ、前記円形二相コイル４のセンタータツプの共
通端子ａを軸７に接続するとともに、円形二相コ
イル４の他の両端子ｂ，ｃを一方の極片５の回転
中心の同心に設けている四分割した整流子１１，
１１′に一つおきに接続したことを特徴とする小
型偏平モータである。

本考案を図面の一実施例に基づいて更に詳細に
説明すると、第１図に示すように１はケースで非
磁性体で製造され、第１図に示すように４極着磁
された磁石２を有し、その外側には磁力を強める
鉄板３を巻いてある。

４は円形二相コイルであり、コイル中央にセン
タータツプの共通端子ａを引出し二相コイルとし
て形成してある。このセンタータツプの共通端子
ａは絶縁された軸９に接続され、その巻始め及び
巻終りの両端子ｂ，ｃは極片５の上面に設けた絶
縁板１０を介して取付けられ、一つおきに連結さ
れた整流子１１の相隣る極片５に夫々接続されて
いる。

なお第３図に於いては製作上の簡易化等より４
個の整流子は相対する２個をそれぞれ一体とし製
作した２枚の整流子１１，１１′で製作している。
その電気回路結線状態は第３図に示した如くで符
号は夫々第１図、第２図の部分に対応する。又、
鉄心７の中心には孔が設けられ、その内部にはベ
アリング８が回転自在に軸９を支持し、軸９の底
端には接点板１２が設けられている。

又ケース１の上面にはブラシ１３を有し整流子
１１上に摺動自在に当接している。

なおブラシ１３の位置は整流子１１，１１′の
位置により異なるが通常磁石２に対応させ切換る
ように配置している。

而して、本実施例では極片５，６は４極である
が、極片５，６を片方のみとすれば他の実施例と
してバランス重りを付して２極とすることが出来
るし整流子１１を円筒にすることも可能である。
又軸９を接点で支えず、スリツプリングを設けて
もよい。ただし上述極片５，６にバランス重りを
付し２極とする場合には、二相コイルに十分な磁
界が生ずる必要があること、コギング防止等の観
点より、４極とする方が製作上有利である。

又環状の磁石は特に環状に限定するわけでなく
極片に回動に十分な磁場を提供するものであれば
良く形状を限定するものではない。

なお、極片５，６の外周円弧の半径を磁石内面
より少なくすればコギングを緩和することができ
る。

本考案は以上のように構成されているから、一
本のブラシ１３より給電すれば整流子１１の回転
に従い円形二相コイル４の端子ｂ，ｃに交互に給
電され円形二相コイル４は切換り90゜ごとに極片
５，６の極性は反転してモーターは回転し、前記
した従来のモーターの不都合をすべて解消するこ
とが出来る。

したがつて本考案によれば、構造が簡単で組立
が容易でありコイルを容易に、かつ同時に多数巻
くことができ、巻線作業は頗る容易にできる等の
効果を有するだけでなく、コイルが軸と直角方向
に張出すことがなく又、駆動力が軸と直角方向に
働くので短いベアリングを長手方向の中心に設け
ることができモーター全体を薄形にできる等の効
果を有し、さらにはブラシが１個でよいから摩擦
による損失が少なく、従来の２極モーターの２本
ブラシによる整流子のシヨート並びに起動不良を
起すこともない。かつまた上下の極片は対向しな
いので磁束のリーケージが少ない等の効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案実施の一例を示すもので、第１図
は本考案の上部横断の平面図、第２図は第１図の
縦断面図、第３図は本考案の電気回路結線図であ
る。 １はケース、２は磁石、３は鉄板（スペーサ
ー）、４は円形二相コイル、５，６は極片、７は
鉄心、８はベアリング、９は軸、１０は絶縁板、
１１，１１′は整流子、１２は接点板、１３はブ
ラシ、ａは円形二相コイルのセンタータツプの共
通端子、ｂ，ｃは円形二相コイルの端子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 励磁用の磁石を内周面に設けているケースの中
   央に立設している軸と絶縁周設している鉄心に軸
   方向に狭い巾で、かつ外方へ厚く多数巻回してい
   る円形二相コイルの上面及び下面に対の板状の極
   片を直角方向に挟持するとともに、対の極片が互
   いに接触することなく極片の先端部を直角に内方
   に折曲させ、前記円形二相コイルのセンタータツ
   プの共通端子を軸に接続するとともに、円形二相
   コイルの他の両端子を一方の磁片の回転中心の同
   心に設けている四分割した整流子に一つおきに接
   続したことを特徴とする、小型偏平モーター。