JPS6315832Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は原子炉格納容器内鉄構構造物の支持装
置に関するものである。

一般に、原子炉格納容器には、配管などを支持
するためのパイプホイツプストラクチヤ（以下
PWSと略す）と称される鉄構構造物が設けられ
ている。

第１図および第２図は前記PWSの従来構造を
示すもので、該PWS１は、原子炉格納容器２を
ドライウエル３とサプレツシヨンチエンバ４とに
区画するダイヤフラムフロア５と、原子炉圧力容
器（図示略）の基礎となるペデスタル６および原
子炉圧力容器の遮蔽壁７とにそれぞれ一体に設け
られている。

そして、前記PWS１を原子炉格納容器２に据
付ける場合には、PWS１を複数のPWSブロツク
１ａないし１ｆからなる構造とし、各ブロツク１
ａないし１ｆをさらに小ブロツクに分割して、原
子炉格納容器２の上部開口２ａから搬入し得る寸
法であらかじめ製作しておき、小ブロツクごとに
原子炉格納容器２内に搬入して据付ける工法が採
用されている。

また、前記ダイヤフラムフロア５には、該ダイ
ヤフラムフロア５を貫通するベント管８を保護す
るジエツトデフレクタ９、あるいはマンホール
（図示略）などが100個所以上に及び多くの個所で
突出しており、前記PWS１の据付けの際には、
該PWS１の下部に一体に設けた支柱１０と前記
突出物との干渉を避けることが必要とされてい
る。

しかしながら、前記PWS１は、最大径がほぼ
30メートルに及ぶ大型の構造物であり、例えば、
前記PWS１のブロツク１ａを30度施回させて位
置合わせするには、前記ブロツク１ａを周方向に
約８メートル水平移動させることが必要になる。
そして、前記原子炉格納容器２の限られたスペー
ス内でブロツク１ａを吊り上げ、あるいは横引き
して前述の位置決めを行なうには、多くの労力が
必要とされている。

本考案は前記の事情を考慮して提案されたもの
で、PWSの支柱を下部支柱と上部支柱との分割
構造とし、前記下部支柱に原子炉格納容器ダイヤ
フラムフロア上の種々の突出物より上方に位置す
る支持面を設け、PWSブロツクの据付けに先立
つてダイヤフラムフロアに据付けておくことによ
り、PWSの据付けの際の支柱とダイヤフラムフ
ロア上の突出物との干渉を避けて、据付け労力の
軽減を図ることを目的とするものである。

以下本考案を第３図および第４図に示す一実施
例に基づいて説明する。なお、図中従来例と共通
の部分には同一符号を付し、説明を簡略化する。

本考案のPWS１をダイヤフラムフロア５上で
支持する支柱１０Ａは、下部支柱１１と上部支柱
１２とから構成されている。前記下部支柱１１
は、ダイヤフラムフロア５の支持梁１３に固着さ
れるもので、その上面には、前記上部支柱１２が
載置される支持板１４が水平に取り付けられてい
る。そして、前記下部支柱１１は、ジエツトデフ
レクタ９などのダイヤフラムフロア上の突出物と
ともに前記ダイヤフラムフロア５のコンクリート
層１５に埋設されている。また、前記支持板１４
の上面には、前記突出物より上方に位置する支持
面が形成されている。

一方、前記上部支柱１２は、前記PWS１の
PWSブロツク１ａを工場などで製作する際に該
PWSブロツク１ａに固着されたもので、PWSブ
ロツク１ａをダイヤフラムフロア５上に据付けた
後、前記支持板１４を介して、前記下部支柱１１
に一体に固着されている。

このように構成されたPWSを原子炉格納容器
中に据付ける場合には、まず、ダイヤフラムフロ
ア５の支持梁１３に前記下部支柱１１を溶接など
の手段によつて固着するとともに、前記PWS１
を各PWSブロツク１ａないし１ｆごとに（ある
いはさらに小ブロツクに分割して）製作し、さら
に、前記PWSブロツク１ａに上部支柱１２を取
り付けておき、次いで、前記PWSブロツク１ａ
が完成したことを条件として、該PWSブロツク
１ａを原子炉格納容器２内に搬入し、前記下部支
柱１１の支持板１４上の支持面に上部支柱１２を
載置してこれらを一体に溶接するとともに、
PWSブロツク１ａの内側部分をペデスタル６の
支持ブラケツト６ａに支持させ、その後、PWS
ブロツク１ｂないし１ｆを順次据付ければよい。

なお、前記ダイヤフラムフロア５のコンクリー
ト層１５は、前記PWS１の据付け前後のいずれ
の段階で形成してもよい。

また、前記ダイヤフラム５の上には、第３図鎖
線で示す如き作業用プラツトホーム１６が設置さ
れるが、このプラツトホーム１６を前記下部支柱
１１とペデスタル６とに支持させてあらかじめ設
置しておくことにより、PWS１の据付け作業の
能率化を図ることができる。

さらに、前記支柱１０Ａを構成する上部支柱１
２を省略し、下部支柱１１の高さ寸法を大きくし
て、下部支柱１１上部の支特板１４に前記PWS
ブロツク１ａを直接支持させるようにしてもよ
い。

以上の説明で明らかなように、本考案は、ダイ
ヤフラムフロアに、該ダイヤフラムフロア上の突
出物より上方に位置する支持面を備えた下部支柱
を立設し、該下部支柱の支持面にPWSなどの鉄
構構造物を支持させたことを特徴とするもので、
前記支持面に鉄構構造物を据付ける際にダイヤフ
ラムフロア上の突出物が干渉することがなく、原
子炉格納容器内の鉄構構造物の据付けを容易にし
て、据付け作業に要する労力の軽減を図ることが
できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は原子炉格納容器内鉄構構
造物支持構造の一従来例を示すもので、第１図は
縦断面図、第２図は平面図、第３図および第４図
は本考案の一実施例を示すもので、第３図は要部
の縦断面図、第４図は第３図−線に沿う矢視
図である。 １……パイプホイツプストラクチヤ（PWS）、
１ａ……PWSブロツク、１ｂ……PWSブロツ
ク、２……原子炉格納容器、５……ダイヤフラム
フロア、６……ペデスタル、８……ベント管、９
……ジエツトデフレクタ、１０Ａ……支柱、１１
……下部支柱、１２……上部支柱、１３……支持
梁、１４……支持板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 原子炉格納容器のダイヤフラムフロアと、ペデ
   スタルおよび原子炉遮蔽壁に一体に設けられる鉄
   構構造物との間に、前記ダイヤフラムフロアと一
   体の下部支柱を立設し、該下部支柱に、前記ダイ
   ヤフラムフロア上の突出物より上方に位置して前
   記鉄構構造物を載置する如き支持面を水平に設け
   たことを特徴とする原子炉格納容器内鉄構構造物
   の支持構造。