JPS6315278B2 - - Google Patents

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JPS6315278B2
JPS6315278B2 JP61104755A JP10475586A JPS6315278B2 JP S6315278 B2 JPS6315278 B2 JP S6315278B2 JP 61104755 A JP61104755 A JP 61104755A JP 10475586 A JP10475586 A JP 10475586A JP S6315278 B2 JPS6315278 B2 JP S6315278B2
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JP
Japan
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salt
acid derivative
glycerophosphoric acid
formula
test
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Application number
JP61104755A
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JPS6294A (ja
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Hiroshi Kodama
Masao Nakabayashi
Yoshifumi Nakajima
Takashi Nagai
Toshuki Matsukawa
Mikio Kawabata
Isao Myokan
Tetsuya Kajita
Masaaki Shibata
Kyoshi Goda
Takashi Sano
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyama Chemical Co Ltd
Original Assignee
Toyama Chemical Co Ltd
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【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、一般式 〔式中、R1はC14〜22のアシル基を;R2はカルボ
キシ、フエニル、アミノ、ホルミルアミノ、ハロ
アセチルアミノ、ハロベンゾイルアミノ、エトキ
シカルボニルメチルアミノ、C1〜4のアルキル置換
ジオキソピペラジニルカルボニルアミノ、フルオ
ロウラシルカルボニルアミノ、トリメチルアンモ
ニオ、トリ(2―ヒドロキシエチル)アンモニオ
もしくはカルボキシラトで置換されたC1〜4のアル
キル基、カルボキシ置換フエニル基またはカルボ
キシビニル基を;R3はC1〜3のアルキル基を表わ
す。また、式中R1およびCOR2は相互に交換可能
である。〕 で表わされる新規なグリセロリン酸誘導体[]
およびその塩並びにそれらの製造法に関する。 [従来の技術] 一般式[]で表わされる本発明化合物の原料
となるリゾレシチン類(一般式[]において―
OCOR2がヒドロキシル基である化合物)、特にL
―リゾレシチン類は天然には、動物臓器、生体膜
および体液中に存在していることが知られ、更に
純合成的にD,LおよびDL型リゾレシチン類も
得られており、これらが有する溶血作用について
も、特に詳細に検討されている。また、西独特許
第2009342号および第2009343号の明細書中にリゾ
レシチン類が生体の抵抗増大および免疫学的アジ
ユバンドとして用い得ることが開示されている。
更にリゾレシチン類が腹膜マクロフアージの食作
用を増大させることも知られている。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明者らは長年生体組織から制癌作用を有す
る物質を見出すべく研究してきた。その結果、生
体組織の抽出成分において制癌作用を有する物質
の本体の1つがリゾレシチン類であることをつき
とめた(特公昭57―42046号)。 [問題点を解決するための手段] そこで更にリゾレシチン類に関して研究を重ね
た結果、一般式[]で表わされる化合物および
その塩が癌細胞に対する殺細胞作用を低下するこ
となしに遠隔部位への投与による治療も可能にす
るとともに、安全性においても飛躍的に良い結果
をもたらすことを見出し本発明を完成した。 以下、本発明について詳説する。 一般式[]の化合物において、R1はC14〜22
アルカノイルまたはアルケノイルなどのアシル基
を表わす。 R2は、下記する置換基で置換されたC1〜4のア
ルキル基、カルボキシ置換フエニル基またはカル
ボキシビニル基を表わすが、置換されたC1〜4のア
ルキル基の置換基としては、カルボキシ;フエニ
ル;アミノ;ホルミルアミノ;クロロアセチルア
ミノ、ジクロロアセチルアミノ、トリフルオロア
セチルアミノなどのハロアセチルアミノ;p―フ
ルオロベンゾイルアミノなどのハロベンゾイルア
ミノ;エトキシカルボニルメチルアミノ;[1―
(4―メチル―3,5―ジオキソピペラジニル)]
カルボニルアミノなどのC1〜4のアルキル置換ジオ
キソピペラジニルカルボニルアミノ;[N1―(5
―フルオロウラシル)]カルボニルアミノなどの
フルオロウラシルカルボニルアミノ基などが挙げ
られ、これらの2種以上の置換基で置換されてい
てもよい。 R3はC1〜3のアルキル基を表わすが、特にメチ
ル基が好ましい。 一般式[]の本発明化合物またはその塩は、
つぎに示す方法により製造することができる。 一般式 〔式中、R1およびR3は前記した意味を有する。
ただし、1位の酸素原子に結合しているR1と2
位の酸素原子に結合している水素原子は相互に交
換可能である。〕 で表わされる化合物と 一般式 R2COOH [] [式中、R2は前記した意味を有する。] で表わされる化合物を脱水剤の存在下反応させる
かまたは一般式[]で表わされる化合物と一般
式[]で表わされる化合物の酸無水物とを反応
させることにより目的とする一般式[]の化合
物またはその塩を得ることができる。一般式
[]の原料化合物は、天然レシチンから酵素分
解などで得られるL型または純合成的に製造され
たD,LもしくはDL型のいずれでもよく、特に
R1がC14〜22のアシル基およびR3がメチル基である
ものが好ましい。また、反応溶媒は特に使用しな
くてもよいが、使用する場合、反応に関与しない
溶媒、たとえば、n―ヘキサンまたはシクロヘキ
サンなどの炭化水素類;塩化メチレン、クロロホ
ルム、ジクロルエタンまたは1,1,2―トリク
ロルエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、クロルベンゼンまたはジク
ロルベンゼンなどのハロゲンで置換されていても
よい芳香族炭化水素類;N,N―ジメチルホルム
アミド;ジメチルスルホキシド;ジオキサン、テ
トラヒドロフラン、ジエチルエーテルまたはジイ
ソプロピルエーテルなどのエーテル類が挙げられ
る。 また、本反応に用いることのできる脱水剤とし
ては、たとえば、N,N′―ジシクロヘキシルカ
ルボジイミドなどのカルボジイミド類が挙げられ
る。 一般式[]の化合物およびその酸無水物が活
性基(たとえば、アミノ基、ヒドロキシル基また
はカルボキシル基など)を有する場合、通常これ
らの活性基の保護基として用いられる基で活性基
を保護しておき、一般式[]の化合物と反応さ
せた後、常套手段により適宜脱離させる。 本反応を実施するにあたつては、常温下で反応
させてもよいが、反応完結のため室温〜150℃で、
特に溶媒を用いる場合は溶媒の還流下に行うこと
が好ましい。反応時間は一般に30分〜5時間であ
り、反応終了後通常の操作により単離精製すれば
目的化合物が得られる。 斯して得られた化合物は、ナトリウム、カルシ
ウム、マグネシウムもしくは亜鉛などの無機金属
イオンとの塩またはトリエタノールアミン、ピリ
ジンもしくは塩基性アミノ酸(たとえば、D―リ
ジン、DL―リジン、L―リジン、D―ヒドロキ
シリジン、DL―ヒドロキシリジン、L―ヒドロ
キシリジン、D―アルギニン、DL―アルギニン
またはL―アルギニンなど)などの有機塩基との
塩としてもよい。 [発明の効果] つぎに本発明における代表的化合物の制癌効果
について説明する。 (A) in vitroにおける試験 各種グリセロリン酸誘導体の制癌作用(癌細胞
傷害試験)および溶血性について検討した。 試験方法 (イ) 癌細胞傷害試験(CIR) エールリツヒ腹水癌細胞および洗浄懸濁液を
種々の濃度の被検薬剤溶液と混合し、37℃で1時
間振盪させ、癌細胞が破壊されることによつて細
胞内容物が溶出するので、その反応液の遠沈上清
について260mμにおける吸光度の増加を測定し、
破壊の程度を知るという方法により検討した。な
お、完全に癌細胞を破壊しその内容物を溶出させ
ることで知られている塩化第二水銀125μg/ml
生理食塩水溶液を被検薬剤溶液と同様に処理し、
得られた吸光度の増加分を100%とした。 (ロ) 溶血性試験 溶血性は家兎赤血球浮遊液と被検薬剤溶液を混
合し、37℃で1時間振盪させ、遠沈上清の550mμ
における吸光度を測定し、溶血性の程度を知ると
いう方法により検討した。なお、蒸留水で完全に
溶血した場合の吸光度を100%とした。 上記した(イ)および(ロ)の方法により得られた結果
を記すにあたり癌細胞破壊率および溶血性の程度
の表示をつぎの如く表わす。 (+++)80%以上 (+)20〜50% (++)50〜80% (−)20%以下 試験結果を表―1に示す。また、表―1、―
2、―3のR1、R2およびR3はつぎの一般式で表
わされる化合物の基を表わすものとし、R1にお
けるnは14および16の混合物(71:29の混合比を
有する)を表わす。 (B) in vivOにおける試験 動物移植癌における治療実験をエールリツヒ腹
水癌およびエールリツヒ固型癌を用いて行つた。 (イ) エールリツヒ腹水癌に対する効果 試験方法 エールリツヒ腹水癌細胞1×106個をddN系雄
性マウスの腹腔内に接種し、24時間後に被検薬剤
40mg/Kgを腹腔内に投与した。癌接種後10日目に
腹水量を測定した。コントロール群の平均腹水量
を100%とし、被検薬剤投与群の平均腹水量の割
合を算定し、活性をつぎの如く表示する。 T/C(%) 100〜66%(−) 40〜11%(++) 65〜41%(+) 10〜0%(+++) なお、※印の付いている被検薬剤は、7日間連
続投与した。試験結果を表―2に示す。 (ロ) エールリツヒ固型癌に対する効果 試験方法 エールリツヒ腹水癌細胞1×106個をddN系マ
ウス(体重12〜20g)の鼠蹊部の皮下に接種し、
1日後より被検薬剤40mg/Kgを1日1回、7日間
腹腔内投与し、癌接種後14日目に腫瘍重量を測定
した。コントロール群の平均腫瘍重量を100%と
し、被検薬剤投与群の平均腫瘍重量の割合を算定
した。 試験結果を表―3に示す。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 以上、表―1、―2および―3の結果により、
本発明化合物は溶血性が弱く、腹水癌および固型
癌のいずれに対しても制癌作用が優れていること
が理解される。特に、リゾレシチンで効果の弱い
固型癌に対しても本発明化合物は有効であり、遠
隔部位への投与による治療も可能であることも理
解される。 また、一般式[]の化合物またはその塩は、
従来の制癌剤に適用できる剤形に調製することが
できる。投与経路、投与回数および投与量は、一
般に患者の症状に応じて適宜最適条件が選択され
るが、一般に注射、特に皮下または患部などの局
部への注射によつて投与されるのが好ましく、そ
の注射剤の剤形としては局部麻酔剤を含んでいて
もよい懸濁液もしくは溶液または使用する前に滅
菌された水、生理食塩水もしくはブドウ糖水溶液
で溶解させる粉末であつてもよく、これらを単位
投与量アンプルまたは多投与量容器中に封入して
おく。人に投与する場合、成人1日あたり通常
0.1〜200mg/Kgを1日1〜4回に分けて投与す
る。 [実施例] つぎに、本発明を製剤例および実施例を挙げて
説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。 例 1 滅菌したL―1―アシル―2―(L―α―N―
クロロアセチル―3―フエニルアラニル)―グリ
セリン―3―ホスホリルコリン[“アシル”はパ
ルミトイルとステアロイルが71:29の構成比から
成つている天然由来型であることを意味する。ま
た、以後、化合物名称中の“アシル”は同様の意
味を有する。]1gを注射用生理食塩水100mlに溶
解させた後無菌濾過し、2mlの注射用アンプルに
封入し注射剤を得る。 例 2 滅菌したL―1―アシル―2―(L―α―N―
トリフルオロアセチル―α―アスパルチル)―グ
リセリン―3―ホスホリルコリン1gを注射用生
理食塩水100mlに溶解させた後無菌濾過し、2ml
の注射用アンプルに封入し注射剤を得る。 例 3 滅菌したL―1―アシル―2―(L―α―N―
クロロアセチル―3―フエニルアラニル)―グリ
セリン―3―ホスホリルコリン1gを注射用0.5
%リドカイン(キシロカイン)入り生理食塩水
100mlに溶解させた後無菌濾過し、2mlの注射用
アンプルに封入し注射剤を得る。 例 4 滅菌したL―1―アシル―2―(L―α―N―
トリフルオロアセチルアスパルチル)―グリセリ
ン―3―ホスホリルコリン1gを注射用0.5%リ
ドカイン(キシロカイン)入り生理食塩水100ml
に溶解させた後無菌濾過し、2mlの注射用アンプ
ルに封入し注射剤を得る。 例 5 滅菌したL―1―アシル―2―(L―α―N―
クロロアセチル―3―フエニルアラニル)―グリ
セリン―3―ホスホリルコリン1gを無菌的に注
射用オリーブ油10mlに懸濁させ、注射用アンプル
に封入し注射用懸濁液を得る。 例 6 滅菌したL―1―アシル―2―(L―α―N―
トリフルオロアセチルアスパルチル)―グリセリ
ン―3―ホスホリルコリン1gを無菌的に注射用
オリーブ油10mlに懸濁させ、注射用アンプルに封
入し注射用懸濁液を得る。 つぎに、本発明化合物の製造法を実施例を挙げ
て説明する。なお、本製造法で使用する(−)−
1―アシル―グリセリン―3―ホスホリルコリ
ン、すなわち(−)―リゾホスフアチジルコリン
[以下の実施例においては、通称(−)―リゾレ
シチンを使用する。]は、たとえば、本願発明者
ら出願の特開昭55―315号の方法、すなわち新鮮
な鶏卵黄を原料として、酵素分解にて得たもので
あり、このようにして製造された(−)―リゾレ
シチンのRf値は0.146[展開溶媒;クロロホルム:
メタノール:水=65:25:4(容量比)]、旋光度
[α]20 D=−2.75[c=11.5,溶媒:クロロホルム:
メタノール=4:1(容量比)]を示す完全な天然
型リゾレシチンである。また、アシル基を限定し
たLおよびDL型リゾレシチンは公知の方法[た
とえば、デシー.アーノルド,エツチ.ユー.ウ
エルツエンおよびオー.ウエストハル(D.
Arnold,H.U.Weltzien und O.Westphal).リ
ービツヒ.アナーレン.デア.ケミエ(Liebigs.
Ann.chem.)709巻、234頁〜239頁(1967)、エツ
チ.エイブル、デイ.アーノルド、エツチ.ユ
ー.ウエルツエンおよびオー.ウエストハル
(H.Eibl,D.Arnold,H.U.Weltzien und O.
Westphal)、同上(inbid.)709巻、226〜230頁
(1967)]にて製造し原料に供した。また、カラム
クロマトグラフイーにおける担体は、ワコーゲル
C―200を、また、カラムクロマトグラフイーお
よび薄層クロマトグラフイーにおける展開溶媒
は、クロロホルム:メタノール:水=65:25:4
(容量比)の混合溶媒を用いた。 実施例 1 乾燥ベンゼン10mlに(−)―リゾレシチン1.0
gと無水マレイン酸0.9gを加え、撹拌下に2時
間加熱還流させる。反応終了後ベンゼンを留去
し、得られた残留物をカラムクロマトグラフイー
で精製すれば、薄層クロマトグラフイーで単一な
スポツトを示す無色無定形晶状のL―1―アシル
―2―(3―カルボキシアクリロイル)―グリセ
リン―3―ホスホリルコリン1.1gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(KBr)cm-1; 1720,1630,1220,1055,965 Rf値 0.05 実施例 2 乾燥トルエン10mlに(−)―リゾレシチン1.0
gと無水フタル酸1.4gを加え、撹拌下に2時間
加熱還流させる。反応終了後トルエンを留去し、
得られた残留物を実施例1と同様にカラムクロマ
トグラフイーで精製すれば、無色無定形晶状のL
―1―アシル―2―(2―カルボキシベンゾイ
ル)―グリセリン―3―ホスホリルコリン1.1g
を得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(KBr)cm-1; 1720,1460,1230,1055,960,740 Rf値 0.09 実施例 3 乾燥トルエン10mlに(−)―リゾレシチン1.0
gとメチルコハク酸無水物1.1gを加え、撹拌下
に2.5時間加熱還流させる。反応終了後トルエン
を留去し、得られた残留物を実施例1と同様にカ
ラムクロマトグラフイーで精製すれば、無色無定
形晶状のL―1―アシル―2―(DL―3―カル
ボキシブタノイル)―グリセリン―3―ホスホリ
ルコリン1.0gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(KBr)cm-1; 1730,1720,1460,1230,1200,1170,
1075,970 Rf値 0.13 実施例 4 乾燥ベンゼン10mlに(−)―リゾレシチン1.0
gとN―トリフルオロアセチルアスパラギン酸無
水物[m.p.133℃;IR(KBr)cm-1;3340,1850,
1790,1705,1545]0.8gを加え、15分間加熱還
流させる。反応終了後ベンゼンを留去し、得られ
た実施例1と同様にカラムクロマトグラフイーで
精製すれば、薄層クロマトグラフイーで単一なス
ポツトを示すL―1―アシル―2―(L―α―N
―トリフルオロアセチルアスパルチル)―グリセ
リン―3―ホスホリルコリン1.2gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(KBr)cm-1; 1710,1540,1460,1180,1050,960 Rf値 0.05 旋光度 [α]20 D−6.40(C=12.4,溶媒;ク
ロロホルム:メタノール=4:1) 実施例 5 乾燥ベンゼン15mlに(−)―リゾレシチン2.0
gとN―(p―フルオロベンゾイル)アスパラギ
ン酸無水物[IR(KBr)cm-1;3300,1855,
1780,1640,]2.3gを加え、30分間加熱還流させ
る。反応終了後ベンゼンを留去し、得られた残留
物を実施例1と同様にカラムクロマトグラフイー
で精製すれば、薄層クロマトグラフイーで単一な
スポツトを示すL―1―アシル―2―[L―α―
N―(p―フルオロベンゾイル)アスパルチル]
―グリセリン―3―ホスホリルコリン1.5gを得
る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(KBr)cm-1; 1710,1650,1530,1210,1050,960 Rf値 0.06 旋光度 [α]20 D+4.53(C=12.0,溶媒;ク
ロロホルム:メタノール=4:1) 実施例 6 乾燥アセトニトリル200mlにN―(ベンジルオ
キシカルボニル)グリシン31.4gを溶解させ、こ
れにN,N′―ジシクロヘキシルカルボジイミド
(以後D.C.C.と称する。)18.6gを乾燥アセトニト
リル100mlに溶解させた溶液を撹拌下、20〜25℃
を保ちながら滴下反応させる。滴下終了後、1時
間更に撹拌し、反応を完結させる。ついで、析出
する結晶を濾去した後、減圧下に濾去を濃縮す
る。得られた残留物を乾燥ベンゼン200mlに溶解
させ、(−)―リゾレシチン11.1gを加え、2時
間加熱還流させる。反応終了後ベンゼンを留去
し、得られた残留物を実施例1と同様にカラムク
ロマトグラフイーで精製すれば、無色無定形晶状
のL―1―アシル―2―[N―(ベンジルオキシ
カルボニル)グリシル]―グリセリン―3―ホス
ホリルコリン6.2gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(ヌジヨール)cm-1; 1720,1520,1240,1190,1050,960 Rf値 0.22 上記で得られた化合物を、tert―ブタノール
200mlに溶解させ、これにパラジウム―炭素(パ
ラジウム5%含有)5.0gを加え、75℃で6時間
水素添加反応を行う。ついで、反応液を熱時濾過
する。その後ケーキを熱エタノールで数回洗浄
し、濾液と洗浄液を合わせて減圧下に溶媒を留去
すれば、薄層クロマトグラフイーで単一なスポツ
トを示す無色無定形晶状のL―1―アシル―2―
グリシル―グリセリン―3―ホスホリルコリン
3.3gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(KBr)cm-1; 1730,1665,1204,1080,960 Rf値 0.02 実施例 7 O,O′―ジ―トリメチルシリル―5―フルオ
ロウラシル1.37gを塩化メチレン20mlに溶解さ
せ、氷冷下トリクロロメチルクロロホルマート
0.33mlを溶解させた2mlの塩化メチレン溶液を撹
拌下に滴下反応させる。滴下終了後、さらに氷冷
下で1時間撹拌し反応を完結させ、(N1―4―O
―トリメチルシリル―5―フルオロウラシル)カ
ルバモイルクロリドの塩化メチレン溶液を得る。
別の反応容器中で実施例6で得たL―1―アシル
―2―グリシル―グリセリン―3―ホスホリルコ
リン2.3gを塩化メチレン10mlに加え、トリエチ
ルアミン0.6mlを加え溶解させる。これに、氷冷
下トリメチルシリルクロリド0.56mlを溶解させた
2mlの塩化メチレン溶液を撹拌下に滴下反応させ
る。滴下終了後、1時間氷冷下で撹拌し、先に調
製した(N1―4―O―トリメチルシリル―5―
フルオロウラシル)カルバモイルクロリドの塩化
メチレン溶液を氷冷下に滴下反応させ、滴下終了
後1時間同温度で撹拌し、反応を完結させる。つ
いで、反応液を氷塊20gに一気に加え、その後、
1N―塩酸でPH6に調整する。この溶液にクロロ
ホルム―メタノールを加え、有機層を分取し水洗
した後、無水硫酸ソーダで乾燥させる。ついで、
この溶液から減圧下に溶媒を留去し、2.4gの残
渣を得る。それを実施例1と同様にカラムクロマ
トグラフイーで精製し、Rf値0.2のフラクシヨン
を集め減圧下に溶媒を留去すれば、無色結晶状の
L―1―アシル―2―{N―[N1―5―フルオ
ロウラシルカルボニル]グリシル}―グリセリン
―3―ホスホリルコリン1.5gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(KBr)cm-1; 1740,1520,1240,1080,960 UV吸光度 λnax264nm(ε=1170) Rf値 0.22 実施例 8 98%ギ酸100mlにL―アスパラギン酸6.7gを溶
解させる。ついで、5〜15℃に冷却しながら、無
水酢酸35mlを約30分で滴下反応させる。更に室温
で1時間撹拌し、反応を完結させる。ついで、減
圧下に無水酢酸、ギ酸および酢酸を留去し、結晶
を得る。これを無水エーテルで更に洗浄し、濾取
すれば、無色針状晶の融点130〜131℃を示すN―
ホルミルアスパラギン酸無水物約7.0gを得る。 IR(KBr)cm-1; 3340,1850,1770,1640 このN―ホルミルアスパラギン酸無水物1.6g
と(−)―リゾレシチン2.1gを乾燥ベンゼンに
添加し、2時間加熱還流させる。反応終了後ベン
ゼンを留去し、得られた残留物を実施例1と同様
にカラムクロマトグラフイーで精製すれば、無色
泡沫晶状のL―1―アシル―2―(L―α―N―
ホルミルアスパルチル)―グリセリン―3―ホス
ホリルコリン1.7gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(KBr)cm-1; 1720,1670,1200,1050,960 旋光度 [α]20 D+2.88(C=12.6,溶媒;ク
ロロホルム:エタノール=4:1) 実施例 9 乾燥トルエン50mlにDL―1―パルミトイル―
グリセリン―3―ホスホリルコリン4.0gおよび
L―α―N―クロロアセチル―3―フエニルアラ
ニン無水物[IR(KBr)cm-1;3340,1805,
1780,1650]7.0gを加え、2時間加熱還流させ
る。反応終了後トルエンを留去し、得られた残留
物を実施例1と同様にカラムクロマトグラフイー
で精製すれば、無色無定形晶状のDL―1―パル
ミトイル―2―(L―α―N―クロロアセチル―
3―フエニルアラニル)―グリセリン―3―ホス
ホリルコリンの1水和物1.1gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + バイエルシユタイン試験 + 元素分析値(%)C35H60N2O9PCI・H2O C H N P 計算値 57.02 8.48 3.80 4.20 実測値 56.89 8.51 3.63 4.31 実施例 10 DL―1―パルミトイル―グリセリン―3―ホ
スホリルコリン3.3gとN―[p―フルオロベン
ゾイル]アスパルギン酸無水物[IR(KBr)cm
-1;3300,1855,1780,1640]2.7gを乾燥トル
エン30mlに加え、2時間加熱還流させた後トルエ
ンを留去し、得られた残留物を実施例1と同様に
カラムクロマトグラフイーで精製すれば、無色無
定形晶状のDL―1―パルミトイル―2―[L―
α―N―(p―フルオロベンゾイル)アスパルチ
ル]―グリセリン―3―ホスホリルコリンの1水
和物2.2gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(ヌジヨール)cm-1; 1710,1650,1530,1210,1050,960 Rf値 0.06 元素分析値(%)C35H58N2O11PF・H2O C H N P 計算値 55.99 8.05 3.73 4.13 実測値 55.81 8.14 3.62 4.25 実施例 11 実施例3で得たL―1―アシル―2―(DL―
3―カルボキシブタノイル)―グリセリン―3―
ホスホリルコリン1.3gをメタノール10mlに溶解
させ、これにトリエタノールアミン300mlを溶解
させたメタノール溶液10mlを加え、均一溶液とす
る。ついで、25〜30℃で1時間撹拌した後、溶媒
を留去すれば、無色無定形晶状のL―1―アシル
―2―(DL―3―カルボキシブタノイル)―グ
リセリン―3―ホスホリルコリンのトリエタノー
ルアミン塩1.6gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(ヌジヨール)cm-1; 1730,1580,1240,1060,960 実施例 12 3―ブロモプロピオン酸17.6gを乾燥アセトニ
トリル100mlに溶解させ、これにD.C.C.23.8gを
乾燥アセトニトリル300mlに溶解させた溶液を15
〜20℃で滴下反応させる。滴下終了後、室温で1
時間撹拌させた後、不溶物を濾去する。ついで、
減圧下にアセトニトリルを留去すれば、3―ブロ
モプロピオン酸無水物が得られる。これに(−)
―リゾレシチン6.0gを乾燥ベンゼン200mlに溶解
させた溶液を添加し、3時間加熱還流させる。反
応終了後、析出した不溶物を濾去し、減圧下に濾
液の溶媒を留去すれば、淡褐色の油状物が得られ
る。これを実施例1と同様にカラムクロマトグラ
フイーで精製すれば、淡黄橙色無定形晶状のL―
1―アシル―2―(3―ブロモプロピオニル)―
グリセリン―3―ホスホリルコリン1.8gを得る。
ついで、これをメチルエチルケトン30mlに懸濁さ
せ、トリメチルアミンの飽和メチルエチルケトン
溶液10mlを加え、40〜50℃で24時間封管中で反応
させる。生成した結晶を濾取し、ジエチルエーテ
ルで洗浄後、実施例1と同様にカラムクロマトグ
ラフイーで精製すれば、無色泡沫晶状のL―1―
アシル―2―[3―(トリメチルアンモニオ)プ
ロピオニル]―グリセリン―3―ホスホリルコリ
ンブロミド800mgを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + バイエルシユタイン試験 + IR(KBr)cm-1; 1720,1460,1230,1075,965,785 Rf値 0.03 実施例 13 DL―1―エイコサノイル―グリセリン―3―
ホスホリルコリン3.3gとL―N―(トリフルオ
ロアセチル)アスパラギン酸無水物4.0gを実施
例4と同様に反応させ、ついで、実施例1と同様
にカラムクロマトグラフイーで精製すれば、無色
無定形晶状のDL―1―エイコサノイル―2―
[L―α―N―(トリフルオロアセチル)アスパ
ルチル]―グリセリン―3―ホスホリルコリンの
1水和物3.4gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(ヌジヨール)cm-1; 1710,1540,1460,1180,1050,960 元素分析値(%)C34H63N2O11PF3・H2O C H N P 計算値 52.23 8.38 3.58 3.96 実測値 52.09 8.41 3.51 3.89 実施例 14 無水ジオキサン200mlにα―N―(ベンジルオ
キシカルボニル)―3―フエニルアラニン18.0g
を溶解させ、これにD.C.C.12.3gを無水ジオキサ
ン150mlに溶解させた溶液を室温で滴下し、反応
させる。更に、同温度で1時間撹拌を続け、反応
を完結させる。析出した結晶を濾去し、減圧下に
濾液を留去し、得られた残留物に乾燥ベンゼンを
添加し、更に、(−)―リゾレシチン3.0gを加
え、2時間加熱還流させる。ついで、ベンゼンを
留去し、得られた残留物を実施例1と同様にカラ
ムクロマトグラフイーで精製すれば、L―1―ア
シル―2―(L―α―N―ベンジルオキシカルボ
ニル―3―フエニルアラニル)―グリセリン―3
―ホスホリルコリン1.7gを得る。これをtert―ブ
タノール100mlに溶解させ、パラジウム―炭素
(パラジウム5%含有)1.0gを加え、75℃で6時
間水素添加反応を行い、反応終了後、熱時濾過
し、更にケーキを熱エタノール100mlで数回洗浄
し、濾液と洗浄液を合わせて減圧下に溶媒を留去
すれば、無色泡沫状のL―1―アシル―2―(α
―3―フエニルアラニル)―グリセリン―3―ホ
スホリルコリン1.2gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(ヌジヨール)cm-1; 1730,1665,1240,1080,960 Rf値 0.03 実施例 15 L―1―アシル―2―(α―3―フエニルアラ
ニル)―グリセリン―3―ホスホリルコリン2.7
gをエタノール20mlに溶解させ、これにホルマリ
ン37%水溶液1.3mlを添加し、50℃で1時間撹拌
する。ついで、室温まで放冷した後、撹拌下にエ
タノール4mlに溶解させたカルバミン酸エチル
0.43gを滴下反応させる。滴下後、室温で一昼夜
放置した後、反応液を30mlまで濃縮し、これにク
ロロホルム150mlおよびメタノール70mlを加え、
抽出処理を行う。得られた抽出液から減圧下に溶
媒を留去し、得られた残留物を実施例1と同様に
カラムクロマトグラフイーで精製すれば、無色無
定形晶状のL―1―アシル―2―(α―N―エト
キシカルボニルメチル―3―フエニルアラニル)
―グリセリン―3―ホスホリルコリン0.31gを得
る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + Rf値 0.05 実施例 16 乾燥トルエン100mlに(−)―リゾレシチン4.0
gとL―α―N―ジクロロアセチルアラニン無水
物[IR(KBr)cm-1;3340,1810,1780,1655]
7.5gを添加し、2.5時間加熱還流させる。反応終
了後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物を
実施例1と同様にカラムクロマトグラフイーで精
製すれば、無色無定形晶状のL―1―アシル―2
―(α―N―ジクロロアセチルアラニル)―グリ
セリン―3―ホスホリルコリン2.0gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + バイエルシユタイン試験 + IR(ヌジヨール)cm-1; 1725,1620,1240,1160,1040,970 Rf値 0.25 実施例 17 乾燥アセトニトリル200mlにβ―N―(ベンジ
ルオキシカルボニル)アラニン32.5gを溶解さ
せ、これにD.C.C.18.6gを乾燥アセトニトリル
100mlに溶解させた溶液を撹拌下、20〜25℃で滴
下反応させる。滴下終了後、1時間更に撹拌し、
反応を完結させる。ついで、析出晶を濾去し、減
圧下に濾液を濃縮する。得られた残留物を乾燥ベ
ンゼン200mlに溶解させ、(−)―リゾレシチン
11.1gを加え、2時間加熱還流させる。反応終了
後、ベンゼンを留去し、得られた残留物を実施例
1と同様にカラムクロマトグラフイーで精製すれ
ば、無色無定形晶状のL―1―アシル―2―[β
―N―(ベンジルオキシカルボニル)アラニル]
―グリセリン―3―ホスホリルコリン6.8gを得
る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(KBr)cm-1; 1725,1250,1070,960 Rf値 0.22 上記で得られた化合物を、tert―ブタノール
200mlに溶解させ、これにパラジウム―炭素(パ
ラジウム5%含有)5.0gを加え、75℃で6時間
水素添加反応を行い、ついで、反応液を熱時濾過
する。その後、ケーキを熱エタノールで数回洗浄
し、濾液と洗浄液を合わせて減圧下に溶媒を留去
すれば、無色無定形晶状のL―1―アシル―2―
β―アラニル―グリセリン―3―ホスホリルコリ
ン3.2gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(KBr)cm-1; 1730,1640,1240,1080,960 Rf値 0.03 実施例 18 乾燥トルエン20mlにDL―1―ステアロイル―
グリセリン―3―ホスホリルコリン2.0gとメチ
ルコハク酸無水物2.2gとを加え、撹拌下2.5時間
加熱還流させる。反応終了後、溶媒を留去し、得
られた残留物を実施例1と同様にカラムクロマト
グラフイーで精製すれば、無色無定形晶状のDL
―1―ステアロイル―2―(DL――3―カルボ
キシブタノイル)―グリセリン―3―ホスホリル
コリンの1水和物2.0gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(ヌジヨール)cm-1; 1740,1235,1080,970 元素分析値(%)C31H60NO10P・H2O C H N P 計算値 56.78 9.53 2.14 4.72 実測値 56.79 9.56 2.32 4.91 Rf値 0.13 実施例 19 乾燥ベンゼン50mlに(−)―リゾレシチン4.0
gとDL―フエニルコハク酸無水物2.8gを添加
し、ついで、撹拌下に、1.5時間加熱還流させる。
反応終了後、ベンゼンを留去し、得られた残留物
を実施例1と同様に精製すれば、無色無定形晶状
のL―1―アシル―2―(DL―3―カルボキシ
―3―フエニルプロピオニル)―グリセリン―3
―ホスホリルコリン4.2gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(KBr)cm-1; 1725,1460,1220,1070,970 Rf値 0.15 実施例 20 乾燥トルエン50mlに(−)―リゾレシチン4.0
gとL―N―クロロアセチルアスパラギン酸無水
物[IR(KBr)cm-1;1885,1775,1640,1510,
1400,1340,1230,1065,1020,965,895]3.7
gを添加し、撹拌下に2.5時間加熱還流させる。
反応終了後、溶媒を留去し、得られた残留物を実
施例1と同様にカラムクロマトグラフイーで精製
すれば、無色無定形晶状のL―1―アシル―2―
(L―α―N―モノクロロアセチルアスパルチル)
―グリセリン―3―ホスホリルコリン1.1gを得
る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + バイエルシユタイン試験 + IR(KBr)cm-1; 1720,1680,1180,1060,960 Rf値 0.05 実施例 21 1―メチル―2,6―ジオキソピペラジン1.3
gを塩化メチレン50mlに懸濁させ、更にトリエチ
ルアミン1.5gを加える。ついで、これに氷冷下
にトリクロロメチルクロロホルマート1.5gを溶
解させた30mlの塩化メチレン溶液を撹拌下に滴下
させる。滴下終了後、更に室温で2時間撹拌し、
反応を完結させる。 一方、別に実施例6の方法で製造したL―1―
アシル―2―グリシル―グリセリン―3―ホスホ
リルコリン5.8gを塩化メチレン50mlに加え、更
にトリエチルアミン2.1mlを加えて溶解させ、こ
れに、先に調製した4―メチル―3,5―ジオキ
ソピペラジニル―1―カルボニルクロリドの塩化
メチレン溶液を0〜5℃で滴下反応させる。滴下
終了後、同温度で更に1時間撹拌し、反応を完結
させる。ついで、反応液を氷水中に添加し、氷冷
下、1N―塩酸でPH3に調整する。この溶液にク
ロロホルム―メタノール溶液を加える。有機層を
分取し、水洗後、無水硫酸ソーダで乾燥させる。
ついで、減圧下に溶媒を留去すれば、粗の目的物
6.2gを得る。これを実施例1と同様にカラムク
ロマトグラフイーで精製し、Rf値0.2のフラクシ
ヨンを集め、減圧下に溶媒を留去すれば、無色無
定形晶状のL―1―アシル―2―[N―(4―メ
チル―3,5―ジオキソ―1―ピペラジニルカル
ボニル)グリシル]―グリセリン―3―ホスホリ
ルコリン2.8gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(KBr)cm-1; 1735,1680,1640,1520,1240,1060,
960 Rf値 0.20 実施例 22 乾燥トルエン60mlに(−)―リゾレシチン5.0
gとコハク酸無水物5.0gを添加し、撹拌下1.5時
間加熱還流させる。反応終了後、減圧下に溶媒を
留去し、得られた残留物を実施例1と同様にカラ
ムクロマトグラフイーで精製すれば、無色無定形
晶状のL―1―アシル―2―(3―カルボキシプ
ロピオニル)―グリセリン―3―ホスホリルコリ
ン4.5gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + IR(KBr)cm-1; 1730,1220,1070,970 Rf値 0.13 実施例 23 乾燥トルエン100mlに(−)―リゾレシチン4.0
gとL―α―N―(モノクロロアセチル)アラニ
ン無水物[IR(KBr)cm-1;3340,1810,1785,
1620]7.4gを添加し、2時間加熱還流させる。
ついで、減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物
を実施例1と同様にカラムクロマトグラフイーで
精製すれば、無色無定形晶状のL―1―アシル―
2―(L―α―N―モノクロロアセチルアラニ
ル)―グリセリン―3―ホスホリルコリン3.2g
を得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + バイエルシユタイン試験 + IR(KBr)cm-1; 1730,1620,1230,1150,1070,960 実施例 24 乾燥トルエン100mlに(−)―リゾレシチン4.0
gとL―α―N―モノクロロアセチルフエニルア
ラニン無水物7.0gを添加し、2時間加熱還流さ
せる。反応終了後、減圧下に溶媒を留去し、得ら
れた残留物を実施例1と同様にカラムクロマトグ
ラフイーで精製すれば、無定形晶状のL―1―ア
シル―2―(L―α―N―モノクロロアセチルフ
エニルアラニル)―グリセリン―3―ホスホリル
コリン3.5gを得る。 デイツトマー試験 + ドラーゲンドルフ試験 + バイエルシユタイン試験 + IR(KBr)cm-1; 1730,1620,1230,1150,1070,960 Rf値 0.25

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 〔式中、R1はC14〜22のアシル基を;R2はカルボ
    キシ、フエニル、アミノ、ホルミルアミノ、ハロ
    アセチルアミノ、ハロベンゾイルアミノ、エトキ
    シカルボニルメチルアミノ、C1〜4のアルキル置換
    ジオキソピペラジニルカルボニルアミノ、フルオ
    ロウラシルカルボニルアミノ、トリメチルアンモ
    ニオ、トリ(2―ヒドロキシエチル)アンモニオ
    もしくはカルボキシラトで置換されたC1〜4のアル
    キル基、カルボキシ置換フエニル基またはカルボ
    キシビニル基を;R3はC1〜3のアルキル基を表わ
    す。また、式中R1およびCOR2は相互に交換可能
    である。〕 で表わされるグリセロリン酸誘導体およびその
    塩。 2 R1が1位およびCOR2が2位の酸素原子に結
    合している特許請求の範囲第1項記載のグリセロ
    リン酸誘導体およびその塩。 3 R3がメチル基である特許請求の範囲第2項
    記載のグリセロリン酸誘導体およびその塩。 4 R2が【式】 ―CH2CH2N+(CH33Br-【式】または―CH=CHCOOH である特許請求の範囲第3項記載のグリセロリン
    酸誘導体およびその塩。 5 化合物がL型である特許請求の範囲第1〜4
    項いずれかの項記載のグリセロリン酸誘導体およ
    びその塩。 6 化合物がDL型である特許請求の範囲第1〜
    5項いずれかの項記載のグリセロリン酸誘導体お
    よびその塩。 7 塩が有機塩基または無機金属イオンとの塩で
    ある特許請求の範囲第1〜6項いずれかの項記載
    のグリセロリン酸誘導体の塩。 8 有機塩基との塩がトリエタノールアミン塩で
    ある特許請求の範囲第7項記載のグリセロリン酸
    誘導体の塩。 9 無機金属イオンとの塩がカルシウム塩または
    マグネシウム塩である特許請求の範囲第7項記載
    のグリセロリン酸誘導体の塩。 10 一般式 R2COOH 〔式中、R2はカルボキシ、フエニル、アミノ、
    ホルミルアミノ、ハロアセチルアミノ、ハロベン
    ゾイルアミノ、エトキシカルボニルメチルアミ
    ノ、C1〜4のアルキル置換ジオキソピペラジニルカ
    ルボニルアミノ、フルオロウラシルカルボニルア
    ミノ、トリメチルアンモニオ、トリ(2―ヒドロ
    キシエチル)アンモニオもしくはカルボキシラト
    で置換されたC1〜4のアルキル基、カルボキシ置換
    フエニル基またはカルボキシビニル基を表わす。〕 で表わされる化合物を脱水剤の存在下または、そ
    れらの酸無水物を、一般式 〔式中、R1はC14〜22のアシル基を;R3はC1〜3
    アルキル基を表わす。ただし、1位の酸素原子に
    結合しているR1と2位の酸素原子に結合してい
    る水素原子は相互に交換可能である。〕 で表わされる化合物(リゾレシチン類)と反応さ
    せることを特徴とする一般式 〔式中、R1、R2およびR3は前記した意味を有
    する。また、式中R1およびCOR2は相互に交換可
    能である。〕 で表わされるグリセロリン酸誘導体またはその塩
    の製造法。 11 R1が1位およびCOR2が2位の酸素原子に
    結合している特許請求の範囲第10項記載のグリ
    セロリン酸誘導体またはその塩の製造法。 12 R3がメチル基である特許請求の範囲第1
    1項記載のグリセロリン酸誘導体またはその塩の
    製造法。 13 R2が【式】 ―CH2CH2N+(CH33Br-【式】または―CH=CHCOOH である特許請求の範囲第12項記載のグリセロリ
    ン酸誘導体またはその塩の製造法。 14 化合物がL型である特許請求の範囲第10
    項〜13項いずれかの項記載のグリセロリン酸誘
    導体またはその塩の製造法。 15 化合物がDL型である特許請求の範囲第1
    0〜13項いずれかの項記載のグリセロリン酸誘
    導体またはその塩の製造法。 16 塩が有機塩基または無機金属イオンとの塩
    である特許請求の範囲第10〜15項いずれかの
    項記載のグリセロリン酸誘導体の塩の製造法。 17 有機塩基との塩がトリエタノールアミン塩
    である特許請求の範囲第16項記載のグリセロリ
    ン酸誘導体の塩の製造法。 18 無機金属イオンとの塩がカルシウム塩また
    はマグネシウム塩である特許請求の範囲第16項
    記載のグリセロリン酸誘導体の塩の製造法。
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JPS49126624A (ja) * 1973-04-18 1974-12-04
JPS52134027A (en) * 1976-05-04 1977-11-09 Max Planck Gesellschaft Antiitumor agent

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JPS6294A (ja) 1987-01-06

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