JPS6315255Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は複数線材巻き取り用ガイド部材に関す
るものである。更に詳述すれば本考案は、線材が
巻いてある複数個のボビンからそれぞれ線材を引
き出し、これらの複数本の線材をガイドして帯状
線材としてボビンに巻き取ることができるガイド
部材に関するものである。

従来の技術 高圧ホースは内層チユーブの上層に線材、例え
ば糸や鋼線を編組して成る編組層を設け、その上
層に外層材料を押出して製造される。この編組作
業は複数本、例えば３〜５本の糸や鋼線を同時に
引き出して編組される。編組作業は予め１個のボ
ビンにこれらのこれらの３〜５本の糸や鋼線を巻
き取つておき、そのボビンから同時に引き出すよ
うになつている。

第１図は４本の糸５を１個のボビン２に巻き取
る作業の説明図である。

第１図において１は巻き取り機で、７は糸５の
送り出し装置で、この送り出し装置７には４個の
送り出しボビン６が掛けられている。そして４個
の送り出しボビン６から引き出された糸５はトラ
バーサー４とガイド装置３により１個の巻き取り
ボビン２に巻き取られるようになつている。

第２図は従来のガイド部材１０が装着されてい
る従来のガイド装置３を示した平面図である。

第２図において８はガイドアーム、９は固定ボ
ルト、１０は従来のガイド部材、１１はガイドサ
ポート、１２はボルトである。この従来のガイド
装置３のガイド部材１０は太い金属線等をスネー
ク状に巻いて複数線材の通過穴を形成してある。
４本の糸５はこの開口部内を通過して集合糸とし
て巻き取りボビン２に巻き取られるようになつて
いる。

しかしながら従来ガイド部材１０で巻き取つた
集合糸は、４本の糸５が円状の挿通孔に誘導され
たとき、それぞれ半径方向に力を受けて孔の一点
に４本の糸が重なるようになる。第８図はこのよ
うに４本の糸５が重なりあつて成る集合糸を巻き
取りボビン２に巻き取つた状態を示した説明図で
ある。

このように４本の糸５が重なりあつた集合糸
は、４本の糸の長さが互にずれたり、或いは弛ん
だりするため、巻き取りボビン２からこの集合糸
を引き出して４本の糸５としてホースの内層チユ
ーブ上に編組するときには均一な編組作業ができ
なく、その結果捕強効果が優れた高圧ホースが得
られない難点がある。

考案が解決しようとする問題点 本発明はかかる点に立つて為されたものであつ
て、その目的とするところは、前記した従来技術
の欠点を解消し、複数本の糸、或いは鋼線等の線
材を互いに重ならないように帯状線材として整列
巻きできる複数線材巻き取り用ガイド部材を提供
することにある。

問題点を解決するための手段 本考案の要旨とするところは、複数本の線材が
強制的に並列に整列できる矩形状ガイドスリツト
が形成されるように第１ガイド部材と第２ガイド
部材とを組立てて成ることを特徴とする複数線材
巻き取り用ガイド部材にある。

本考案において、第１ガイド部材と第２ガイド
部材とは、組合せたとき複数本の線材を強制的に
並列にガイドできるガイドスリツトが形成できる
ものならよく、例えば断面が円状の金属線をＵ字
型に折曲げた上型ガイド棒と下側ガイド棒との井
桁状重ね合わせ、凹状メスガイドチツプと凸状オ
スガイドチツプとの嵌め合わせ、固定ローラーと
可動ローラーとの引張バネによる組合せのもの等
がある。また、本考案において、ガイドスリツト
の形状は矩形等がよく、またその矩形の高さは巻
き取る線材の直径より若干大きく、そしてその幅
は巻き取る線材の直径と本数との積より若干大き
くするように設定するのが適切である。なお、ガ
イドスリツトは巻き取る線材の直径と本数とによ
り大きさを変えられるように作成してもよい。

作 用 本考案の複数線材巻き取り用ガイド部材は、複
数本の線材が強制的に並列に整列できる矩形状ガ
イドスリツトが形成されるように第１ガイド部材
と第２ガイド部材とを組立てることにより、巻き
取りボビンに巻き取る複数本の線材を強制的に並
列に並べさせ、その状態で帯状線材としてボビン
に巻き取れるようにしたことにある。

実施例 次に、本考案の複数線材巻き取り用ガイド部材
の実施例を図面により説明する。

本考案の複数線材巻き取り用ガイド部材は、ピ
ン型ガイド部材とローラ型ガイド部材とに大別さ
れる。

まず、ピン型ガイド部材について説明する。

第３図は本考案の複数線材巻き取り用ガイド部
材の第１実施例であるピン型ガイド部材を用いた
ガイド装置の平面図、第４図はその側面図であ
る。

第３図、第４図において、８はガイドアーム、
１１はガイドサポート、１２はボルト、１３は下
側ガイド棒、１４は上側ガイド棒、１５は帯状線
材、１６は開口部である。

第３図からわかるように第１実施例であるピン
型ガイド部材は、断面が円形のピン棒でＵ字状に
曲げられた下側ガイド棒１３と上側ガイド棒１４
とから成る。その内上側ガイド棒１４は一端側が
突出た形状となつている。そして上側ガイド棒１
４はその突出た一端側がガイドサポート１１に差
込んでからボルト１２により固定されている。そ
して通過する複数本の線材が強制的に並列に整列
できるようなガイドスリツトが形成されるよう
に、上側ガイド棒１４に対して下側ガイド棒１３
が井桁状に重ねられる。第３図において１５はガ
イドスリツトにより強制的に並列に整列した帯状
線材である。また、第３図、第４図からわかるよ
うに、井桁状に重ねた上側ガイド棒１４と下側ガ
イド棒１３とは３箇所で接触し、サイドサポート
１１側に位置する１箇所が段取り作業時に糸や鋼
線等の線材が出し入れしやすいように開口部１６
となつている。この場合上側ガイド棒１４と下側
ガイド棒１３との３箇所の接触部分は溶接でも接
着材による接着でもよい。

第５図は本考案の複数線材巻き取り用ガイド部
材の第２実施例であるピン型ガイド部材を用いた
ガイド装置の平面図である。

第５図からわかるように第２実施例であるピン
型ガイド部材は、凹状のメスガイドチツプ１７
と、凸状オスガイドチツプ１８とから成り、これ
らの凹部と凸部とを係合して通過する複数本の線
材が強制的に並列に整列できるようなガイドスリ
ツトが形成される。この場合段取り作業時に糸や
鋼線等の線材を通す前にはメスガイドチツプ１７
と凸状オスガイドチツプ１８とが離してあり、線
材を通してから係合するようになつている。

第６図は本考案の複数線材巻き取り用ガイド部
材の第３実施例であるピン型ガイド部材を用いた
ガイド装置の平面図であつて、第１実施例である
ピン型ガイド部材の変形例に相当する。

第６図からわかるように第３実施例であるピン
型ガイド部材は、通過する複数本の線材が強制的
に並列に整列できるようなガイドスリツト２５が
形成されるように、上側ガイド棒２１，２２と、
下側ガイド棒１９，２０とを井桁状に重ねて成
る。これらのガイド棒のうち下側ガイド棒２０と
上側ガイド棒２１とは固定してあり、下側ガイド
棒１９と上側ガイド棒２２とは通過する複数本の
線材の直径と本数により移動できるようになつて
いる。従つて通過する複数本の線材の直径が太い
ときにはガイドスリツトの高さを高くし、逆に通
過する複数本の線材の直径が細いときにはガイド
スリツト２５の高さを低くする。また、通過する
複数本の線材の本数が多いときにはガイドスリツ
ト２５を拡げ、逆に通過する複数本の線材の本数
が少ないときにはガイドスリツト２５を狭めるよ
うになつている。

次に、ローラ型型ガイド部材について説明す
る。

第７図は本考案の複数線材巻き取り用ガイド部
材の第４実施例であるローラ型ガイド部材を用い
たガイド装置の平面図である。

第７図からわかるように第４実施例であるロー
ラ型ガイド部材は、ローラサポート２６に固定ロ
ーラー２７と、ローラサポート２６の上下方向に
可動及び取外しができる可動ローラー２９とから
成るものである。第７図において２８は、固定ロ
ーラー２７と可動ローラー２９とを互いに引張り
合せる引張バネである。段取り作業時に糸や鋼線
の出し入れするときには可動ローラー２９を取り
はずすようになつている。この第４実施例である
ローラ型ガイド部材は、巻き取り作業時に固定ロ
ーラー２７とローラサポート２６のロールが回転
するためスムーズに巻き取ることができる。

第９図は本考案のガイド部材を用いて４本の糸
をボビン２に帯状糸として整列巻き取りした状態
を示した説明図である。第９図からわかるように
４本の糸は帯状糸としてボビン２にきちんと整列
巻き取りされている。

考案の効果 本考案の複数線材巻き取り用ガイド部材は、複
数本の線材を強制的に並列させ、そのままの状態
で帯状線材としてボビンに整列巻き取りができ、
その結果この巻き取りした帯状線材は高圧ホース
の編組作業時に均一な長さで張力の変動がなく引
き出すことができ、それにより強力な編組層を形
成できるものであり、工業上有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は４本の線材を１個のボビンに巻き取る
作業の説明図、第２図は従来のガイド装置３を示
した平面図、第３図は本考案の複数線材巻き取り
用ガイド部材の第１実施例であるピン型ガイド部
材を用いたガイド装置の平面図、第４図はその側
面図、第５図は本考案の第２実施例であるピン型
ガイド部材を用いたガイド装置の平面図、第６図
は本考案の第３実施例であるピン型ガイド部材を
用いたガイド装置の平面図、第７図は本考案の第
４実施例であるローラ型ガイド部材を用いたガイ
ド装置の平面図、第８図は従来のガイド部材で線
材をボビンに巻き取つた状態を示した説明図、第
９図は本考案のガイド部材を用いて線材を帯状線
材としてボビンに整列巻き取りした状態を示した
説明図である。 １：巻き取り機、２：巻き取りボビン、３：従
来のガイド装置、４：トラバーサー、５：線材、
６：送り出しボビン、７：送り出し装置、８：ガ
イドアーム、９：固定ボルト、１０：従来のガイ
ド部材、１１，２３：ガイドサポート、１２：ボ
ルト、１３：下側ガイド棒、１４：上側ガイド
棒、１５：帯状線材、１６：開口部、１７：凹状
メスガイドチツプ、１８：凸状オスガイドチツ
プ、１９：下側可動ガイド棒、２０：下側固定ガ
イド棒、２１：上側固定ガイド棒、２２：上側可
動ガイド棒、２４：ガイド棒固定ボルト、２５：
ガイドスリツト、２６：ローラーサポート、２
７：固定ローラー、２８：引張バネ、２９：可動
ローラー、３０：従来のガイド部材で巻き取つた
集合糸、３１：本考案のガイド部材で巻き取つた
帯状線材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 糸或いは鋼線等の線材が巻いてある複数個のボ
   ビンからそれぞれ線材を引き出し、これらの複数
   本の線材をガイドして帯状線材としてボビンに巻
   き取ることができる複数線材巻き取り用ガイド部
   材であつて、前記複数本の線材が強制的に並列に
   整列できる矩形状ガイドスリツトが形成するよう
   に第１ガイド部材と第２ガイド部材とを組立てて
   成ることを特徴とする複数線材巻き取り用ガイド
   部材。