JPS6315210B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、飛行機に積込まれる航空コンテナの
取扱い方法に係り、特に航空コンテナ専用の基地
を空港とは別の場所に設置して航空コンテナの積
込，積降作業の効率化を図るようにした航空コン
テナの取扱い方法に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

近年航空貨物は、従来から取扱われていた特殊
な至急輸送を要する特別貨物に限らず、速やかな
輸送により商品価値の向上が期待される一般商品
にまで非常に大きな幅をもつた物品をその取扱い
対象とするようになつてきている。

ところがこれらの物品をバラ積みすることは、
積込，積降作業の効率が非常に悪く、しかも飛行
中に荷くずれ等を生じて急激な飛行機の重心位置
変化を生じた場合には飛行継続が不可能となるお
それがあることから、ほとんどの物品は航空用コ
ンテナに格納されて航空機に積込まれるのが通例
である。

ところで、航空機の大きさはその機種により各
種あり、その胴体寸法に合致するように製作され
たコンテナのサイズも、シリーズ別に形状が決め
られてはいるものの、長いもの，短かいもの，胴
体形状に合わせて上部一方または下部一方をそぎ
落とした形状のもの等非常に多くの形状のものが
用いられている。このためその取扱いは容易でな
い。特に近時空港を新たに設置しようとすると、
その用地の取得が極めて困難であることから、そ
の用地の海上に求めて海上空港とする構想が出て
おり、最近開港した空港の中には、例えば長崎空
港のように小さな島を切りくずして海上に埋め立
て式の滑走路を設けるようにしたものがある。

このような場合、空港の敷地は埋め立て地であ
り、大きな敷地を専有して航空コンテナの荷作
り，解体，整理あるいはストツクするには無理が
あり、またこれらの航空貨物の受渡しを行なう大
型トラツクが橋を渡つて狭い空港敷地内に入つて
くること自体はなはだ問題となることが予想され
る。

この問題を解決する一つの方策として、陸地側
の一部に航空コンテナ専用の基地を設置し、そこ
で貨物トラツク等との受渡しを行なつて航空コン
テナに組み上げ、出発便となる航空機が到着する
までは分類整理して基地内にストツクしておき、
航空機が到着してから出発時刻が判明した時点ま
たはその直前に海上の空港に航空コンテナを送り
込み、直ちに航空機に積込むようにし、また航空
機から降ろされたコンテナを直ちに航空コンテナ
専用の基地に搬入することを考えれば、航空コン
テナ取扱いまたは一時保管のために海上空港に設
けられるターミナルは極めてわずかのスペースで
その目的を達成することができる。

ところがコンテナの形状は前述のように多種多
様であり、例えばB747Fに代表される大型ジヤン
ボ機でしかも機首が完全に上方に開口して前方よ
り直接搬入される形式の最も大型のLL形コンテ
ナは、長さ6.35ｍ，幅2.23ｍ，高さ2.23ｍという
寸法であり、また次に大きいＬ形コンテナは、そ
の長さがほぼ1/2で幅，高さが同一となつており、
またそれよりもさらに小型のコンテナは非常に多
くの種類になつている。このため、航空コンテナ
基地と空港のターミナルとの間をこれら各種のコ
ンテナをどのように搬送すればよいかが大きな問
題となる。

〔発明の目的〕

本発明はかかる現況に鑑みなされたもので、航
空コンテナ基地におけるコンテナの取扱いを出発
便に合わせて行ない、もつてコンテナの積込み，
積降作業を大幅に効率化できる航空コンテナの取
扱い方法を提供することを目的とする。

〔発明の概要〕

本発明は前記目的を達成する手段として、航空
コンテナ基地に不規則にに受入れた航空コンテナ
を配送手段を用い予め定められた航空コンテナラ
ツクに分類整理して一且収納するとともに、航空
コンテナラツクに収納されている航空コンテナ
を、空港のターミナルまでコンテナを搬送するた
めの搬送車に積込む順序に従つて配送手段を用い
て順次受渡し手段に送り込み、一方、搬送車に積
込まれているターミナルからのコンテナを、長手
方向一端を支点とし90度旋回して搬送車に横付け
されたターンテーブルに移載した後、ターンテー
ブルを搬送車に対し直交する状態まで90度旋回さ
せ、このターンテーブル上のコンテナを受渡し手
段に移載するとともに受渡し手段上の航空コンテ
ナをターンテーブルに移載し、さらにターンテー
ブルを逆方向に90度旋回させてターンテーブル上
の航空コンテナを搬送車に積込むようにしたこと
を特徴とする。

〔発明の実施例〕

以下本発明実施の一態様を図面を参照して説明
する。

第１図および第２図において１，１Ａ，１Ｂ，
１Ｃは、図示しない空港のターミナルと航空コン
テナ基地との間に敷設されたレール２上に往復動
してコンテナの輸送を行なう搬送車であり、第１
図に示すように１台であるいは第２図に示すよう
に連結器３を介し例えば３台連結されて運行され
るようになつている。そしてこれら搬送車１，１
Ａ，１Ｂ，１Ｃの車体床面には、第１図に搬送車
１を例に採つて示すように横方向駆動用ローラコ
ンベア４が設置されている。

これらの搬送車１，１Ａ，１Ｂ，１Ｃが入線す
るプラツトホーム５Ａ上には、第１図および第２
図に示すように搬送車１，１Ａ，１Ｂ，１Ｃと平
面がほぼ同一寸法形状をなすターンテーブル６，
６Ａ，６Ｂ，６Ｃが設置されており、各ターンテ
ーブル６，６Ａ，６Ｂ，６Ｃは、旋回用レール７
Ａ，７Ｂ上を転動する旋回用車輪８Ａ，８Ｂ（第
１図参照）により長手方向一端の回転中心６，６
Ａ，６Ｂ，６Ｃを支点として搬送車１，１Ａ，１
Ｂ，１Ｃに横付けされた状態から搬送車１，１
Ａ，１Ｂ，１Ｃに直交する状態まで90度旋回する
ようになつている。これらのターンテーブル６，
６Ａ，６Ｂ，６Ｃ上には、第１図にターンテーブ
ル６の例で示すように横送りホイルコンベア１０
と縦送りローラコンベア１１とが組合わされて設
置され、必要に応じていずれかのコンベア１０ま
たは１１が上方に突出して航空コンテナ１２Ａ，
１２Ｂ，１２Ｃを長手方向または幅方向に送り出
すようになつている。

搬送車１，１Ａ，１Ｂ，１Ｃに対して直交する
状態まで旋回した各ターンテーブル６，６Ａ，６
Ｂ，６Ｃの自由端側には、ターンテーブル６，６
Ａ，６Ｂ，６Ｃの長さと同一寸法の縦送り長とタ
ーンテーブル６，６Ａ，６Ｂ，６Ｃの幅の３倍の
横送り長とを有するコンテナ受渡し用のコンベア
装置１３，１３Ａ，１３Ｂ，１３Ｃが、その縦送
り方向がターンテーブル６，６Ａ，６Ｂ，６Ｃの
延在方向と同一でかつ横送り方向中心がターンテ
ーブル６，６Ａ，６Ｂ，６Ｃの幅方向中心線と一
致した状態でそれぞれ設置されている。これら各
コンベア装置１３，１３Ａ，１３Ｂ，１３Ｃは、
第１図に示すように縦送りローラコンベア１４
Ａ，１４Ｂ，１４Ｃと横送りホイルコンベア１５
Ａ，１５Ｂ，１５Ｃとの組合わせ、あるいは第２
図に示すように縦送り横送り兼用コンベア１６で
構成され、例えば第１図に示すようにコンベア装
置１３上の航空コンテナ１２Ｄ，１２Ｅ，１２Ｆ
を縦方向または横方向に移動させるようになつて
いる。

前記プラツトホーム５Ａの対向端のプラツトホ
ーム５Ｂとこれに対位するプラツトホーム５Ｃと
の間およびプラツトホーム５Ｃの対向端のプラツ
トホーム５Ｄとこれに対位するプラツトホーム５
Ｅとの間には、第１図および第２図に示すように
前記レール２と平行な横行レール１７，１７Ａ，
１７Ｂ上を横行コンテナ搬送車１８，１８Ａ，１
８Ｂが横行するようになつており、その上面に
は、第１図に横行コンテナ搬送車１８を例に採つ
て示すように縦送り用のローラコンベア１９が設
置され、航空コンテナ１２Ｇの積込，積降が自由
に行なえるようになつている。また第２図に示す
横行コンテナ搬送車１８Ａ，１８Ｂは、図示する
ように小型コンテナラツク２０Ａおよび大型コン
テナラツク２０Ｂと接合してコンテナの受渡しを
行なうようになつている。

これら各コンテナラツク２０Ａ，２０Ｂ間に
は、第２図に示すように所定間隔で縦送りローラ
コンベア２１，２２がそれぞれ設置されており、
縦送りローラコンベア２２には、縦送り横送り兼
用コンベア２３，２４，２５を介して横送りロー
ラコンベア２６，搬出ローラコンベア２７，搬入
ローラコンベア２８が接続されている。

次に図面を参照して航空コンテナの取扱い方法
を説明する。

航空コンテナは、第２図に示す搬入口ローラコ
ンベア２８からコンテナ基地に受入れられるが、
搬入される時間は不確定で飛行機への積込に都合
のよい順序では搬入されてこない。

そこで、航空コンテナが搬入ローラコンベア２
８に運び込まれたならば、当該航空コンテナが積
込まれるべきフライトナンバー，コンテナの形
状，重さ等を手動または自動的にコンテナ基地制
御用のコンピユータに入力する。すると、コンピ
ユータからはどのコンテナラツクに仮格納すべき
かの指令が出力され、この指令に基づいて各コン
ベア２３，２４，２５が駆動され、航空コンテナ
は縦送りローラコンベア２２上まで送られてく
る。

ここで、指令されたコンテナラツクが横行コン
テナ搬送車１８Ｂのみにより配送できる位置にあ
る場合には、この搬送車１８Ｂによりコンテナラ
ツクに収納されるが、横行コンテナ搬送車１８Ａ
を用いなければ配送できない位置にコンテナラツ
クがある場合には、前記搬送車１８Ｂは両縦送り
ローラコンベア２１，２２の間の橋渡しを行な
う。

このようにして航空コンテナが所定のコンテナ
ラツク２０Ａ，２０Ｂに格納されると、前記コン
ピユータにはフライトナンバー，コンテナの大き
さ，重さ等とともに現在どのコンテナラツク２０
Ａ，２０Ｂに格納されているかがメモリされ、コ
ンテナを積込むべき出発便がいつからローデイン
グ開始可能かのインフオーメーシヨンを待つこと
になる。

一方飛行場では、飛行機の到着時間，整備に必
要な時間等のデータが端末器を介して前記コンピ
ユータに入力される。するとコンピユータは、い
つコンテナターミナルから航空コンテナを発送す
れば飛行場で待ち時間を少なくして飛行機に積込
めるか、積込むべき各コンテナの大きさと重量と
からどの順序に積込めば飛行機の重心調整がよく
なるか、およびどの順序に積込めば次の着地点で
のコンテナ降しが便利か等を演算し、どのコンテ
ナラツク２０Ａ，２０Ｂから最初に航空コンテナ
を出しかつどのような順序に出すかの指令を出力
する。

この指令に基づいて、コンテナ基地では横行コ
ンテナ搬送車１８Ａ，１８Ｂ等が駆動されてコン
テナラツク２０Ａ，２０Ｂから航空コンテナが引
出され、最終的には横行コンテナ搬送車１５Ａ
（第１図においては横行コンテナ搬送車１５）に
受渡される。そしてこれらの搬送車１５，１５Ａ
からコンベア装置１３，１３Ａ，１３Ｂ，１３Ｃ
に航空コンテナが押し込まれる。

ここで、各コンベア装置１３，１３Ａ，１３Ｃ
に押し込まれる航空コンテナは、各コンベア装置
１３，１３Ａ，１３Ｂ，１３Ｃの横送り方向中央
部（ターンテーブル６，６Ａ，６Ｂ，６Ｃへの連
結部）に押し込まれることはなく、左右いずれか
の側（仮置部）、例えば第１図に示すように図中
右端側のローラコンベア１４Ａ上に順次押し込ま
れる。

一方、プラツトホーム５Ａに入線してきた搬送
車１，１Ａ，１Ｂ，１Ｃ上には、飛行場からの航
空コンテナが積載されている。そこでまず、空の
ターンテーブル６，６Ａ，６Ｂ，６Ｃを旋回させ
て搬送車１，１Ａ，１Ｂ，１Ｃに横付けされた状
態とする。そして搬送車１，１Ａ，１Ｂ，１Ｃ上
の航空コンテナをターンテーブル６，６Ａ，６
Ｂ，６Ｃ上に移載し、その後ターンテーブル６，
６Ａ，６Ｂ，６Ｃを逆方向に90度旋回させてコン
ベア装置１３，１３Ａ，１３Ｂ，１３Ｃと対向さ
せる。

次いで、例えば第１図にターンテーブル６の例
を示すようにターンテーブル６上の航空コンテナ
１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃを中央部のローラコンベ
ア１４Ｂ上に移載する。

ターンテーブル６上の航空コンテナ１２Ａ，１
２Ｂ，１２Ｃがローラコンベア１４Ｂ上に移載さ
れると、第１図に示すように横送りホイルコンベ
ア１３Ａ，１３Ｂが上昇し、航空コンテナ１２
Ａ，１２Ｂ，１２Ｃはローラコンベア１４Ｃ上
に、また航空コンテナ１２Ｄ，１２Ｅ，１２Ｆは
ローラコンベア１４Ｂ上に一斉に横送りされる。
そしてその後、航空コンテナ１２Ｄ，１２Ｅ，１
２Ｆはターンテーブル６上に移載されるととも
に、ターンテーブル６は逆方向に旋回して搬送車
１に横付けされた状態となり、その後航空コンテ
ナ１２Ｄ，１２Ｅ，１２Ｆは搬送車１上に移載さ
れる。これらの操作は、第２図に示す場合にも全
く同一に行なわれ、航空コンテナが積込まれた搬
送車１，１Ａ，１Ｂ，１Ｃは空港に向けて出発す
る。

一方、搬送車１，１Ａ，１Ｂ，１Ｃからコンベ
ア装置１３，１３Ａ，１３Ｂ，１３Ｃに搬入され
た航空コンテナは、横行コンテナ搬送車１８，１
８Ａに順次移載され、前述とは逆の手順に従つて
第２図に示す搬出ローラコンベア２７に送られ、
その後コンテナ基地外に搬出される。

なお、すぐに搬出できない航空コンテナは、必
要に応じて一時コンテナラツク２０Ａ，２０Ｂに
保管される。

しかして、コンテナ基地からは、空港の条件に
合わせて最適な時間に必要量の航空コンテナが最
適な順序で輸送されることになり、積込，積降作
業の大幅な省力化が可能となる。また空港に設け
るコンテナターミナルのスペースは狭いものでよ
く、今後多くなることが予想される海上空港に充
分対応することができる。

なお第２図においては、各搬送車１Ａ，１Ｂ，
１Ｃに対応する数のターンテーブル６Ａ，６Ｂ，
６Ｃを設ける場合を示しているが、例えばターン
テーブルを１つおきに省略するとともにコンベア
装置１３Ａ，１３Ｂ，１３Ｃの収容量を２倍に増
やし、まず奇数号車の積込，積降作業を行なつた
後、搬送車を１両分だけ移動させて偶数号車の積
込，積降作業を行なうようにすれば、ターンテー
ブルの削除が可能となる。また理論的にはターン
テーブルの数をさらに削除することも可能であ
る。

ただし、その分搬送車の停車時間が長くなるの
で、空港側へのコンテナ搬送量および設備費等を
考慮して最適ターンテーブル数を決決めるように
すればよい。

また、第２図においては、縦送りローラコンベ
ア２１をコンベア装置１３Ａ，１３Ｂ，１３Ｃの
図中左端側に位置させているが、これをコンベア
装置１３Ａ，１３Ｂ，１３Ｃの中央部に位置させ
てターンテーブル６Ａ，６Ｂ，６Ｃと一直線状に
なるようにし、ターンテーブル６Ａ，６Ｂ，６Ｃ
からコンベア装置１３Ａ，１３Ｂ，１３Ｃ上に移
載された航空コンテナを横行コンテナ搬送車１５
Ａを介して直ちにローラコンベア２１上に送るよ
うにし、搬送車１Ａ，１Ｂ，１Ｃへのコンテナの
積込作業が完了するまでこのローラコンベア２１
上に空港からのコンテナをストツクしておくよう
にしてもよい。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、空港側の
条件に合わせてコンテナ基地から航空コンテナが
送られるので、飛行機への積込作業が極めて容易
になる。また空港にはコンテナ用として広いスペ
ースを確保する必要がないので、狭い空港で大量
のコンテナを取扱う場合に極めて有効である。

また、搬送車とコンテナ基地との間のコンテナ
の移載は、90度旋回するターンテーブルと受渡し
手段とを用いて行なわれるので、車長がそれほど
長くない搬送車上のコンテナを非常に短時間にか
つ一斉に積降すことが可能となり、また搬送車へ
のコンテナの積込作業も短時間で行なうことがで
きる。この結果、搬送車の停車時間が短かくなつ
て搬送車の回転効率の向上および両数削減に効果
があるばかりでなく、コンテナ基地の収容能力も
搬送車の全長と無関係に自由に選定することがで
きる。また、受渡し手段で両方向からくるコンテ
ナの切換えを行うので、飛行機へのコンテナの積
込、積降し作業を迅速に行うことができる。さら
に、搬送車およびターンテーブル相互間で横方向
の積込み、積降し作業を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の実施態様をそれ
ぞれ示す説明図である。 １，１Ａ，１Ｂ，１Ｃ……搬送車、６，６Ａ，
６Ｂ，６Ｃ……ターンテーブル、９，９Ａ，９
Ｂ，９Ｃ……回転中心、１３，１３Ａ，１３Ｂ，
１３Ｃ……コンベア装置、１８，１８Ａ，１８Ｂ
……横行コンテナ搬送車、２０Ａ……小型コンテ
ナラツク、２０Ｂ……大型コンテナラツク、２
１，２２……縦送りローラコンベア。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 空港内に設置された航空コンテナ積込，積降
   用の狭いターミナルと空港外に設置された航空コ
   ンテナ基地のコンテナ積込ホームとの間を往復す
   るとともに横方向コンベアを有する搬送車と、コ
   ンテナ積込ホーム上に設置され入線した搬送車に
   横付けされた状態から搬送車と直交する状態まで
   長手方向一端を支点として搬送車と干渉しないで
   90度旋回するとともに、横送りコンベアと縦送り
   コンベアとを有するターンテーブルと、搬送車と
   直交する状態となつたターンテーブルの自由端側
   に位置しターンテーブルとの間で航空コンテナの
   受渡しを行なう受渡し手段と、航空コンテナ基地
   内で航空コンテナを配送する配送手段と、航空コ
   ンテナを収納する航空コンテナラツクとを備え、
   航空コンテナ基地に不規則に受入れた航空コンテ
   ナを前記搬送手段を用い予め定められた航空コン
   テナラツクに分類整理して一旦収納するととも
   に、航空コンテナラツクに収納されている航空コ
   ンテナを配送手段を用い前記搬送車に積込む順に
   受渡し手段の１つの仮置部に順次送り込み、一
   方、搬送車に積込まれている前記ターミナルから
   のコンテナを、搬送車に横付けされたターンテー
   ブルに搬送車の横方向コンベアおよびターンテー
   ブルの横方向コンベアによつて移載した後、ター
   ンテーブルを90度旋回させ、このコンテナを受渡
   し手段の連結部に移載し、この連結部のコンテナ
   を他の仮置部に移載するとともに、１つの仮置部
   のコンテナを連結部に移載し、この連結部のコン
   テナをターンテーブルに移載し、さらにターンテ
   ーブルを逆方向に90゜旋回させて、ターンテーブ
   ル上のコンテナを搬送車にターンテーブルの横方
   向コンベアおよび搬送車の横方向コンベアによつ
   て積込むことを特徴とする航空コンテナの取扱い
   方法。