JPH08508966A - コンテナターミナル装置及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 荷入り及び空の航洋コンテナのＡＳＲＳ取扱いを行なう方法及び装置。コンテナは、特定空間内の各コンテナを他の全てのコンテナから隔てるグリル状間隔の列及びカラム（行）からなる陸上側及び桟橋側バンク（１４、１６）における、ラック保管としてＡＳＲＳシステムと一般に呼ばれる多層荷入りコンテナ施設（１０）内に保管される。空コンテナは、荷入りコンテナ保管施設から離れているけれどもアクセス可能な別の建造物（１２）内に保管され、同じ航洋貨物船の同じコンテナは別々のセル内で直接上下に積み重ねられる。空間の陸上側バンク（１４）と桟橋側バンク（１６）との間で取り扱われるコンテナは、コンピュータ自動制御される多数の内部ブリッジクレーン（２０）により桟橋側空間と陸上側空間との間で移動される。陸上側バンク及び桟橋側バンクには外部高速移送バルコニ（２６、３６）が設けられており、該バルコニは、コンテナを、緩慢な移動をする内部ブリッジクレーン（２０）を迂回して、荷入りコンテナ施設の長さ方向に沿って迅速に移動できるように配備する。同様に、空コンテナは、高速移送空コンテナバルコニ（１８）に沿って移動でき、緩慢な移動をする内部ブリッジクレーンを迂回すべく、船に積み込まれる直前に、施設に沿う一位置から、コンテナを船に積み込む桟橋クレーンに対向する他の位置に移動される。空コンテナを船から除荷（荷降ろし）する場合には、この手順の逆を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】 コンテナターミナル装置及び方法技術分野 本発明は、一般的にコンテナの保管及び船、レールカー及びトラックへの及び これらからのコンテナの荷積み（及び荷降ろし）を行なうためのＡＳＲＳ（自動 保管及び取出しシステム、automated storage and retrieval system）高生産性 コンテナ保管装置に関する。より詳しくは、本発明は、船の除荷（荷降ろし）及 び荷積みを行なう典型的な海洋ターミナル作業に代わるものとして設計されたＡ ＳＲＳシステムであって、レールカー及びトラックへの及びこれらからのコンテ ナの移動を行なう統合コンテナ取扱い設備を備えたＡＳＲＳシステムに関する。 過大サイズで危険な貨物コンテナ（通常は１％以下）は桟橋クレーンの下に降ろ され、地上に保管される。 航洋貨物船は、これらの船の到着／発送貨物プランを、船が到着する数時間前 にコンテナターミナルに送信する。貨物プランは、特定コンテナが積み込まれる 又は積み込むべき船を正確に示すものである。システムのコンピュータは、この データを用いてシステムの作業を指令する。発明の背景 他の自動多層コンテナ保管／荷積み／荷降ろしシステム（automated multi-le vel c-ontainer storage and loading and unloading systems）では、コンテナ は、個々の垂直及び水平コンテナ空間内に保管される。一般に、このような空間 からなる数対の多層バンクがあり、バンク間の空間は、１つのバンクにおける任 意の空間からコンテナを取り出し且つ該コンテナをいずれかのバンクにおける上 下又は横方向の任意の空間に分配できるクレーンによって作業される。また、こ れらの自動コンテナ保管システムのうちの或るものには、トラック及びレールカ ー等の陸上車両に及びこれらからコンテナを分配するための受入れ／分配クレー ンが設けられている。保管施設の桟橋側すなわち海側には、一般に、荷が入った コンテナ（荷入りコンテナ）及び空のコンテナ（空コンテナ）を、航洋船に（及 びこれから）及びＡＧＶ（自動ガイド車両、automated guided vehicles）、自 動走行レールカー又はトラックシャーシに及びこれらから分配する複数の桟橋ク レーンが設けられている。これらのシステムの重要な長所は、慣用的なターミナ ル作業に比べ非常に小さな土地使用面積で済むことにある。従って、コンテナ用 パーキングロットに比べ、港の土地を非常に高度に使用できる。他のシステムに は、該システム内でのコンテナの緩慢移動を迂回して、システムの一セクション から他セクションにコンテナを迅速に移動させる手段が設けられておらず、また 、個々の保管空間の僅かなコストで建造及び作動できる、別体ではあるが一纏ま りになった空コンテナ保管手段も設けられていない。空コンテナは、荷入りコン テナよりも遥に長時間保管状態に維持される。他のシステムがいずれも建造され ていない理由が、これらの特徴の欠如にあることで説明がつくであろう。 一般的なコンテナ船は、一回の大洋横断航海で数百万ドルの収益を生み出す。 従って、最短時間で船から除荷（荷降ろし）及び荷積みし、１年間の間に行い得 る大洋横断航海の回数を増大させることにより船に最高収益を生み出させること が重要である。また、コンテナ船が桟橋に停泊する限り、遊休乗組員への賃金、 停泊料その他の一般費用を支払わなければならない。従って、船の所有者又は経 営者にとって、港湾施設での荷積み及び荷降ろし時間を最短にすることが最も重 要である。ターミナルでのコンテナ取扱いコストを大幅に軽減でき、従って航洋 貨物船の利益を増大させるシステムに対する大きな要望がある。発明の要約 従って本発明の主目的は、高効率のコンテナ取扱い／保管システムであって、 コンテナがシステムを通って移動する時間及びコストを最小にできるコンテナ取 扱い／保管システムを提供することにある。 本発明の他の目的は、非常に高価な荷入りコンテナ保管施設の個々の空間のバ ンクとは異なるユニークな空コンテナ保管方法で更にコストを節約することにあ る。 本発明は、コンテナ船、レールカー及びあらゆる路上装置等の種々の形式のコ ンテナ輸送システム間に、より効率的にコンテナを移送する。このようなターミ ナル統合施設では、コンテナは、コンテナ船、レールカー又はトラック等から頻 繁に荷降ろしされ、他の移送装置に荷積みされる前に一時的な保管場所に置かれ る。他の移送装置は、第２の船等のように同じ種類の移送装置でもよいし、異な る種類の移送装置でもよい。 本願は、より優れたコスト有効性をもってコンテナを保管し且つこれらのコン テナを小さなコストで効率的に移動させるための２つの別々の新規な特徴及びこ れらの組合せを開示する。 本発明の第１の特徴は、空コンテナを、荷入りコンテナ保管施設内のより高価 な個々の空間とは分離されてはいるがアクセス可能な高層（コンテナ１２個分以 上の高さ）分離空コンテナ保管施設に保管することである。荷入りコンテナ保管 施設では施設の各空間が識別され、コンテナは、施設の他の全てのコンテナから 分離されて保持された空間内に挿入される。しかしながら、空コンテナ保管施設 では、施設は垂直セルとして構成され、同じ航洋貨物船の同じコンテナが、これ らの個々のセル内でコンテナ１２個分以上の高さまで互いに上下に積み重ねられ る。スタック（積重ね）における最上方のコンテナではない特定の空コンテナに アクセスすることは、あるといっても極めて稀である。従って、殆ど全ての場合 に、最後に積み重ねられたコンテナすなわち頂部のコンテナが最初に取り出され る。スタッキングセルを使用することの１つの長所は、施設の作動コストが個々 の空間内に入れられるコンテナの場合の約２５％に過ぎないことである。また、 空コンテナ保管施設（この施設は、荷入りコンテナの莫大な重量を収容する必要 はない）を建造するコストは、同数のコンテナを保管する荷入りコンテナ保管施 設の建造コストの１０〜２０％である。空コンテナ施設に必要な空間の体積は、 分離形空間すなわち隔室内に同数のコンテナを個々に保管するのに必要な体積の 約４０％であるのに対し、荷入りコンテナ保管施設に見られる空間のバンクを建 造し且つ作動させるのは非常に高価である。かくして、本発明は、分離されては いるが一纏まりになった空コンテナ用保管施設を新規に提供し、保管／取扱い施 設全体の作動コスト及び建造コスト及び必要な土地を減少させ、且つ空コンテナ 用コンテナ保管施設に空間を不必要に負担すなわち拘束しない。空コンテナは、 時たま、船に積み込まれる直前に、荷入りコンテナと一緒に荷入りコンテナ保管 施設内に数時間保管されることがある。 本発明の第２の特徴は荷入りコンテナ保管施設の外部に沿う高速移送バルコニ を提供することにあり、これにより、個々のコンテナは、クレーン自体のゾーン 内を緩慢に移動する多数のクレーンを迂回して、荷入りコンテナ施設内の空間の バンク間を迅速に移動できる。これらの高速移送バルコニは、コンテナが１つの ゾーンから、他のゾーンを迂回して別のゾーンに移動すること、又は短時間で荷 入りコンテナ保管施設の一端から他端へと移動することを可能にし、これにより 、コンテナ時間及び取扱いコストが大幅に減少される。 本発明の他の特徴は、空コンテナ保管施設と一体に高速移送バルコニを組み込 み、荷入りコンテナ保管施設に沿う外部で空コンテナを独立的に移動させて内部 クレーンゾーンを迂回させ、これにより船への又はこれからの空コンテナの分配 をスピードアップすることにある。空コンテナ施設は、クレーンによりその高速 移送バルコニにリンクされる。また、これらのクレーンは、空コンテナの下で移 動するトラックに又はこれから空コンテナを荷積み及び荷降ろしする。図面の簡単な説明 第１図は、本発明の原理を具現する一般的なコンテナ取扱い／保管施設を示す 斜視図である。 第２図は、コンテナ取扱い／保管施設の桟橋側の一部を示す概略斜視図である 。 第２Ａ図は、第２図に示す施設の一部を示す部分詳細図である。 第３図は、本発明の原理を具現する空コンテナ保管施設の陸上側を示す部分斜 視図である。 第３Ａ図は、第３図に示す施設の一部を示す部分詳細図である。 第４図は、空コンテナ、荷入りコンテナ及びシャーシ保管施設及びこれらの荷 積み／荷降ろしクレーン、及び制御センタ、税関及び補修部の建屋を示す概略平 面図である。 第５図は、保管施設及びこれらのクレーン、及び高速輸送／桟橋クレーンバル コニを示す概略端面図である。発明の詳細な説明 本発明のコンテナ保管／取扱い施設は、単位時間当たり多くのコンテナ（コン テナは、２０フィート（又は６０フィートまで）の長さを有する）を取り扱うこ とができるように設計されている。全てのコンテナには個々の番号が付されてい る。すなわち、全てのコンテナは慣用的な自動機械識別タッグ（ＡＥＩ）を付し てコード化され、且つ各コンテナを識別するため当業界で良く知られた形式のコ ンピュータ化された制御システムが設けられている。ＡＥＩ識別タッグは、コン テナがシステムに入るとき又は出るときに走査される。システムは、そのコンピ ュータを介して、全てのコンテナの位置の記録をシステム内に維持し、これによ りシステムが必要とするＡＳＲＳ取扱い装置を保管位置に送ってコンテナを分配 又は取出しできるようにする。 第４図に最も良く示すように、コンテナ保管施設は、荷入りコンテナ保管施設 １０と、空コンテナ保管施設１２と、荷入りコンテナ保管空間の陸上側バンク１ ４と、荷入りコンテナ保管空間の桟橋側バンク１６とを有する。両バンク１４、 １６の間には、複数の内部ブリッジクレーン２０のための内部ブリッジクレーン 空間１８が設けられている。 第２図及び第２Ａ図に示すように、荷入りコンテナ保管施設の全体は一体構造 からなり、個々のフレーム構造形コンテナ保管空間のグリル構造すなわち「ラッ ク」配列を覆う全体的なルーフ２２を備えている。個々のフレーム形空間は、Ａ ＳＲＳシステムにおいて良く知られているように、他の全てのコンテナから分離 されたフレーム構造内に各コンテナを独立的に支持する。 最初に桟橋側バンク１６で、船Ｓは、バックリーチが伸長されている慣用的な 桟橋クレーン２４により荷降ろしされる。桟橋クレーンは、船の長さに沿って変 位でき、且つコンテナＣをピックアップして、該コンテナをクレーンの下のトラ ックＴ又はレールカーＲ（第５図）上に置くか、９０°回転した後、桟橋側バン クの桟橋側の桟橋クレーンバルコニ２６上に置く。本願明細書の全体を通じて、 「桟橋（pier）」、「桟橋側（pier side）」、「陸上（upland）」又は「陸上 側（up-land side）」なる用語は、荷入りコンテナ保管施設の両側の構造を区別 する のに使用される。しかしながら、本発明がコンテナをレールカー及び／又はトラ ックに又はこれらから移送する統合施設として専ら使用される場合のように、こ の施設は、船から荷降ろしする用途以外の用途についてコンテナの保管、仕分け 、荷積み及び荷降ろしを取り扱うのにも使用できることを理解すべきである。 第２図に最も良く示すように、桟橋クレーン２４は、慣用的な方法でコンテナ をピックアップし、該コンテナを旋回させ、且つ第７層の桟橋バルコニ２６に沿 うゾーン上で移動する移送体２８に分配する。桟橋クレーンバルコニ上の移送体 のゾーンは、桟橋クレーンが船の他のハッチ位置に移動するときには必ず、手動 又はコンピュータにより調節される。荷入りコンテナ保管施設は、垂直方向に１ ２以上の空間を有し、且つ各バンクの長さ方向に沿って２００以上の空間を有す る。システムは多数の船を同時に処理でき且つ多数のコンテナを保管できるよう になっている。従って、層数及び長さは港湾毎に異なる（長さ方向に沿って２０ ０以上の空間を設ければ、同時に２隻の船を処理できるであろう）。従って、一 般的な施設に、１０，０００個までのコンテナ（各コンテナが６０フィートまで の長さをもつ）を保管できる。荷入りコンテナは短時間の間のみシステム内に停 まるのに対し、空コンテナは１年以上保管される。従って、作業効率を高め且つ 建造コストを低減させる上で、別の保管施設を設けることが必須になる。 移送体２８は、桟橋クレーンバルコニ２６上で横方向に移動する遠隔自動制御 形又はコンピュータ制御形レールカーである。移送体２８の慣用的構造は、その 両端部にホイール３０を備え、該ホイールが各バルコニ上のトラック２９に沿っ て走行する構造である。トラック２９は、第２図に示すようにバルコニの一端か ら他端まで、すなわち左端から右端まで延びており且つバルコニ内で反転してい る。また、各移送体２８は慣用的なＡＳＲＳ挿入／取出し機構３２を有し、該機 構３２は、ＡＳＲＳシステムで良く知られた方法により、コンテナＣを指定空間 に入れ又は該空間から出すように移動させる。別の構成では、移送体は空間から コンテナを取り出し、該コンテナを船に積み込むべく桟橋クレーンまで移動させ る。各桟橋クレーンには、移動可能な桟橋クレーンの位置と整合する調節可能な 水平ゾーン内で移動する２つ以上の移送体がある。桟橋クレーンバルコニに加え 、第５層の高速移送バルコニ２７があり、該バルコニ２７は２つの高速移送体を 支 持している。高速移送バルコニ２７、３４、３６、３８（後述）の場合には、移 送体は、荷入りコンテナ施設内のバンク間のクレーンの緩慢移動を迂回して横方 向に移動する。各高速移送バルコニは２つの移送体を有している。２隻の船が処 理されるとき両移送体が使用され、各移送体がそのゾーン内で移動する。移送体 はバルコニの全長を移動できるため、一方の船が処理されるときには、各高速移 送バルコニ上で一方の移送体のみが使用される。このとき、他方の高速移送体は バルコニの端部で停止している。 桟橋クレーンバルコニ２６上の一方の移送体は船からコンテナを受け入れるこ とができ、一方、他方の移送体はコンテナを船に積み込むため、コンテナを保管 場所から桟橋クレーンへと分配する。かくして、桟橋クレーンは二重サイクルで ある。すなわち、桟橋クレーンは、その一回の船内側移動（inboard movement） で船からコンテナを取り出し、該コンテナを１つの移送体上に置き、次に、第２ 移送体からコンテナをピックアップして、船への戻り移動時にこの新しいコンテ ナを船に積み込む。桟橋クレーンの取扱い速度と、荷入りコンテナ施設の取扱い 速度との間のバッファとして機能する別の移送体（単一又は複数）を設けること もできる。 高速移送体２８は高速移送バルコニ上で作動するけれども、保管施設の当該層 に沿う全ての空間にコンテナを分配できる。例えば、２隻の船が処理され且つ２ つの移送体が作動しているとき、コンテナを保管施設の一端から、該保管施設の 他端まで一気に移動させる必要がある場合には、移送体を桟橋側バンクの長さ方 向に沿う中間位置まで移動させ、コンテナを１つの空間内に置き、高速移送バル コニ上の第２移送体により前記空間からコンテナを取り出し、該コンテナをバル コニの他端に向かって所望の空間まで更に搬送する必要がある。桟橋に船が１隻 のみ存在する場合には、もちろん、第１移送体は高速移送バルコニの全長を走行 し、コンテナを空間の桟橋側バンクの反対側端部まで迅速に搬送する。この間、 第２移送体はバルコニの一端に停止している。 また、第２層の桟橋側バンクには、その長さ方向に沿って、６つの慣用的な受 入れ／分配クレーン４３が互いに間隔を隔てて配置されている。 荷入りコンテナ保管施設内では、内部クレーン２０（各桟橋クレーンについて ２つの内部クレーンがある）が、これらの作業ゾーン内の任意の空間の間のコン テナを、１つのバンクの１つの空間から、同じバンクの別の空間（又は、ＡＳＲ Ｓシステムで普通に見られるように、平行な反対側バンクの別の空間）へと移送 できることが好ましい。内部クレーンは、保管施設の長さ方向に移動するだけで なく、コンテナを垂直方向にも移動しなくてはならないので、これらのクレーン がコンテナを受け入れ且つ該コンテナを別のクレーン内に再配置する時間は、高 速移送体よりも長時間を要する。かくして、各桟橋クレーンにはこれらの２つの クレーンが必要になる。バンク間の各クレーンは約１２の水平方向に間隔を隔て た空間のカラム（行）ゾーンを取り扱い、且つバンクの空間の内部からコンテナ を取り出し、該コンテナを他の位置に移動し且つ桟橋側バンク又は陸上側バンク のいずれかの空間内に挿入する。剛性フレーム構造が吊り下げられ且つ横方向及 び垂直方向の両方向に移動できるこの形式のＡＳＲＳブリッジクレーンはＡＳＲ Ｓシステムの技術分野で良く知られており、本発明の理解のためにこれ以上の詳 細は不要である。これらの各内部クレーンが制限された移動ゾーン内でのみ作動 し且つコンテナを１つの内部クレーンのゾーンから空間のバンク間の次のゾーン に移動させるのにより長時間を要するので、幾つかの内部クレーンのゾーンを通 過してコンテナを迅速移動させるには、これらの内部クレーンのゾーンをバイパ スできるようにするのが好ましいと述べておくだけで充分である。かくして、１ つ又は多くの独立ゾーン（該ゾーン内で内部クレーンが作動する）を通過してコ ンテナを移動させるのに、内部クレーン空間の外部に高速移送バルコニを設ける と有効であるかの理由が明らかである。 第３図に最も良く示すように、陸上側バンク１４には、バンクの第６層に高速 移送バルコニ３４が設けられ、且つ第８層には高速移送バルコニ３６が設けられ ている。また、第１０層には、空コンテナを取り扱うための高速移送バルコニ３ ８が設けられている。 高速移送バルコニ３４、３６の各々には、移送バルコニ２６に高速移送体２８ を設けたのと同様にして、２つの高速移送体２８が設けられている。同様に、空 コンテナ用の高速移送バルコニ３８も、前述のものと同じ形式の高速移送体２８ を有している。空コンテナ用高速移送バルコニ及び軽量荷入りコンテナを施設の できる限り高い位置に配置するのが好ましい。なぜならば、軽量荷入りコンテナ 及び空コンテナのみを取り扱うのであれば、施設の高層の構造的荷重支持能力を 得るのに少量の鋼材で済み、従って、このバルコニ及び上層の構造に対する荷重 支持条件及び建造物強度条件は、下層のバルコニ及び構造と同様に大きくする必 要はない。 陸上側受入れ／分配クレーン４４は、施設の第２層から作動する。荷入りコン テナ施設の陸上側には、６つの受入れ／分配クレーン４４が設けられている。こ れらのクレーンは慣用的な構造を有し、且つ陸上側バンクの第２層の空間にコン テナを分配し又は該空間からコンテナを取り出して、該コンテナをレールカー又 はトラック上に置くか、レールカー、トラック又は他の陸上車両からコンテナを 取り出して、処理のために荷入りコンテナ施設に運び込む。 このシステムには、ＡＳＲＳシステムの業界で良く知られた形式の集中制御セ ンタ４６が設けられている。この制御センタでは、オペレータが、遠隔制御によ り桟橋、空コンテナ及び受入れ／分配クレーンを制御すると同時に、テレビジョ ンモニタ及び他のゲージを観察する。内部クレーンはコンピュータにより制御さ れ、緊急時には、制御センタのオペレータによりモニタリングされるテレビジョ ンモニタ及び距離ゲージを用いて遠隔制御される。やがては、これらの全てのク レーンが完全自動化され且つコンピュータ制御されるであろう。 システムを効率的に機能させるには、荷入りコンテナ施設１０の陸上側の長さ に沿う中間で且つ荷入りコンテナ施設の陸上側にアクセスできるように空コンテ ナ施設１２を配置することが重要である。空コンテナ施設は、該空コンテナ施設 に第３図の破断部分図に示す複数の垂直セル４８が設けられている点で、荷入り コンテナ施設１０とは異なっている。コンテナは垂直コーナポスト４９により案 内され且つ上下に重ねて置かれ、荷入り保管コンテナ施設におけるような高価な 分離形コンテナ保管空間又はフレーム構造内に置かれることはない。これにより 、所要全陸揚げ費用、この空コンテナ保管施設の建造に必要な鋼材の体積及び量 、並びに空コンテナの取扱い時間及びコストが低減される。いずれか１つのセル 内のコンテナは全て同サイズであり且つ同じ航洋貨物船からのものであるので、 各コンテナを別々に検索し且つ取り出す必要はない。個々のセルは、所与の機械 を 用いて航洋貨物船の全てのコンテナを収容する。貨物船及びコンテナのサイズが 変わると、コンテナを収容するためセルのサイズを調節できる。 空コンテナ保管施設のコンテナは複数の空保管コンテナクレーン５０により取 り扱われ、該クレーン５０は、任意のセルに到達でき且つコンテナをセルに移動 させるか、セルから高速移送空コンテナバルコニ３８又はクレーンの下のトラッ ク又はレールカーに移動させることができる。前述のように、高速移送バルコニ は、空コンテナの取扱いに有効に使用され且つ第１０層の全部の高速移送バルコ ニは空コンテナに専用化されるであろう。或る船は５０％以上の空コンテナを積 載することがあり、このため空コンテナの取扱いは極めて重要である。また、商 品又は腐敗し易い製品が充満されたコンテナとは異なり、空コンテナは、必要な いものとして１年以上程の長期間保管される。空コンテナ（単一又は複数）を得 たい場合には、一般に船が到達する数時間前に、必要とするコンテナ数が知らさ れる。次に、これらのコンテナがクレーン５０によりセルから取り出され、高速 移送バルコニ３８に分配される。ここで、コンテナは迅速に移動されるが、内部 クレーンを迂回して、これらの空コンテナの分配をスピードアップする。次に、 空コンテナは、船に積み込まれる数時間前に荷入りコンテナ施設に配置され、コ ンテナを船に積み込む桟橋クレーンが接近する。 種々の形式のコンテナの一般的な作動を説明する。桟橋クレーンは、船からコ ンテナを持ち上げ、保管空間の桟橋側バンクに隣接する桟橋上のトラック又はレ ールカー上に置く。これは、過大サイズのコンテナ、幾つかのフラットラック又 は危険性のある荷物が入ったコンテナに必要なことである。 冷凍コンテナは桟橋クレーンにより船から取り出され、次に移送体２８上に置 かれる。次に、移送体２８はコンテナを１つの空間内に入れ、内部ブリッジクレ ーンが該空間から冷凍コンテナを取り出し且つ該冷凍コンテナを第１層又は第２ 層の下方の空間の１つに再び入れる。これらの層には電源ケーブルが設けられて おり、必要に応じて、電源ケーブルを手でプラグに差し込むことにより冷凍コン テナの冷凍装置を作動できる（コンテナがこのシステムに数時間滞在するに過ぎ ない場合には、コンテナを電源に接続する必要はない）。 任意のサイズ、例えば識別番号すなわちＡＥＩ識別番号で識別される標準形の 荷入りコンテナは、桟橋クレーンにより持ち上げられ且つ９０°回転されて、移 送体２８上に置かれる。次に、移送体はこの層における空の空間内にコンテナを 入れる。次に、このゾーンにおける内部クレーン２０が該空間からコンテナを取 り出し、コンテナを、保管のためにより低い位置、より高い位置又は他の横方向 位置に再び置く。コンテナをレールカー又はトラック（シャーシ）上に直ちに置 きたい場合には、内部クレーンは、コンテナを、第２層の陸上側又は海側の受入 れ／分配クレーンの空間内に入れる。次に、受入れ／分配クレーンは、このコン テナを、直接レールカー又はシャーシ（トレーラ）上に置く。 別の構成として、荷入りコンテナを、船から取り出し、移送体２８上に置き、 １つの空間内に挿入し、次に内部ブリッジクレーンにより取り出して、保管のた めに数時間又は数日別の空間内に再び置くことができる。 コンテナを、桟橋側バンクの一端から、荷入りコンテナ保管施設の反対側端部 に近接した空間、又は簡単に内部ブリッジクレーンの遠いゾーンへと移動させる 必要がある場合には、桟橋クレーンは、先ず、コンテナを移送体２８上に置く。 移送体はコンテナを空間内に挿入する。内部ブリッジクレーンは該コンテナを取 り出し、次に（そのＡＳＲＳ装置を用いて）陸上側又は海側の空間内に挿入して 、高速移送バルコニにアクセスできるようにする。高速移送バルコニの高速移送 体は、コンテナを自動的に取り出して、高速移送バルコニ２６の全長に亘って走 行する。或いは、２隻の船が処理される場合には第２移送体が作動し、該移送体 はコンテナを構造の中央における空間内に置く。次に、第２高速移送体は、当該 空間のコンテナを取り出し、該コンテナをバルコニに沿って所望空間へと迅速に 移動させる。次に、高速移送体はコンテナを空間内に置き、内部ブリッジクレー ンが該コンテナを取り出して、陸上側バンク又は桟橋側バンクの他の位置に再び 置くか、受入れ／分配クレーンの位置に移動させる。 逆の作動モードすなわち陸上車両から船に分配する場合には、単に上記手順を 逆に行なえばよい。例えば、レールカーは、荷入りコンテナを受入れ／分配クレ ーン４４又は４３に分配し、該受入れ／分配クレーンは、コンテナをピックアッ プし、該コンテナを９０°回転させて、陸上側又は海側の第２層の空間内に移動 させる。次に、当該ゾーンの内部ブリッジクレーンがコンテナを取り出し、該コ ンテナを桟橋側バンクの第７層の空間内に移動させる（ここで、移送体がコンテ ナを適当な桟橋クレーンに分配できる）。必要ならば、１つの高速移送体を用い て、コンテナを所望の桟橋クレーン位置に移動させることができる。或いは、シ ステムは、高速移送体を使用して（又は使用しないで）、コンテナを、後で船に 積み込むための桟橋クレーンに近接した保管空間に自動的に移動させることがで きる。 必要な場合には、個々の空間における幾つかの空シャーシを１８段まで上下に 重ねて保管するための空シャーシ保管施設５２を設けることができる。最初は、 シャーシは、同じ地上空間上に慣用的な方法で保管される。 以上、本発明の好ましい実施例を例示し且つ説明したが、当業者には種々の変 更が明らかであろう。従って、本発明は図示の実施例のみに限定されるものでは ない。

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 ニ（１８）に沿って移動でき、緩慢な移動をする内部ブ リッジクレーンを迂回すべく、船に積み込まれる直前 に、施設に沿う一位置から、コンテナを船に積み込む桟 橋クレーンに対向する他の位置に移動される。空コンテ ナを船から除荷（荷降ろし）する場合には、この手順の 逆を行なう。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．海洋又は陸上ターミナルで、航洋コンテナをレールカー、トラック及び／又 は船に又はこれらから荷積み及び荷降ろしさせる作業を行なうコンテナ取扱い／ 保管装置において、 互いに分離された個々のコンテナを保持するための複数の個々のフレーム形 分離空間を備えた多層荷入りコンテナ保管施設と、 該コンテナ保管施設に及びこれからコンテナを分配し且つ受け入れる手段と 、 前記荷入りコンテナ保管施設の位置に対して戦略的に配置された独立の空コ ンテナ保管施設とを有し、該空コンテナ保管施設は、同じ航洋貨物船の同じサイ ズの幾つかの空コンテナを受け入れ且つ保管するための垂直セルを備え、空コン テナは個々のセル内に互いに上下に直接積み重ねられた配列をなして受け入れら れ且つ保管され、 前記戦略的に配置された空コンテナ保管施設及び荷入りコンテナ保管施設に 及びこれらから空コンテナを分配し且つ受け入れる手段を更に有することを特徴 とするコンテナ取扱い／保管装置。 ２．前記荷入りコンテナ保管施設は少なくとも第１及び第２の長い長手方向の垂 直バンクに前記空間を備え、前記第１バンクが桟橋側を備え、前記第２バンクが 陸上側を備え、桟橋側と陸上側との間の内部ブリッジクレーン空間と、該クレー ン空間における前記２つのバンク間のＡＳＲＳコンテナブリッジクレーンとを更 に有し、前記空コンテナは、船に積み込まれる直前に、前記第２バンクの前記陸 上側を通り、次にクレーン空間を通って前記空コンテナ保管施設から移動できる ことを特徴とする請求の範囲第１項に記載のコンテナ取扱い／保管装置。 ３．前記第２バンクの前記陸上側の高速移送バルコニと、前記内部クレーン空間 内の内部コンテナブリッジクレーンのゾーンを迂回して前記長い第２バンクに沿 って空コンテナを移動させる少なくとも１つの高速コンテナ移送体を備えた主空 コンテナ高速移送バルコニとを備えていることを特徴とする請求の範囲第２項に 記載のコンテナ取扱い／保管装置。 ４．前記積重ね形空コンテナ保管施設は、前記第２バンクのいずれの端部にも近 接するように、前記長い長手方向の第２バンクの長さに沿う中間に配置されてい ることを特徴とする請求の範囲第２項に記載のコンテナ取扱い／保管装置。 ５．前記高速移送バルコニは前記主空コンテナ高速移送バルコニの下に配置され ていることを特徴とする請求の範囲第３項に記載のコンテナ取扱い／保管装置。 ６．高層コンテナ輸送／受入れ施設内で空コンテナを保管し且つ移動させる方法 において、同じ航洋貨物船の複数の同じ空コンテナをセル内に互いに上下に直接 積み重ねて配置し、互いに分離された荷入りコンテナを保持するための桟橋側バ ンク及び陸上側バンクの空間を備えた高層荷入りコンテナ保管施設を備え、前記 空コンテナを垂直スタックから荷入りコンテナ保管施設を通して航洋貨物船に移 動させることを特徴とする方法。 ７．船に積み込む直前に、前記空コンテナを荷入りコンテナ保管施設の空間に移 動させ、空コンテナを一時的に保持するステップを更に有することを特徴とする 請求の範囲第６項に記載の方法。 ８．前記荷入りコンテナ保管施設は、内部ブリッジクレーンを備えた内部ブリッ ジクレーン領域により連結されたコンテナ保管空間の２つのバンクを有し、前記 空コンテナを移送する前記ステップが、前記内部ブリッジクレーンのゾーンを外 部を通って、従って前記内部ブリッジクレーンの緩慢な移動を迂回して、一方の バンクに沿ってコンテナを移動させることからなることを特徴とする請求の範囲 第６項に記載の方法。 ９．前記荷入りコンテナ保管施設が多数の水平高速移送コンテナバルコニを備え 、前記一方のバンクに沿ってコンテナを移動させるステップが、高速移送バルコ ニに沿って、従って前記緩慢な内部ブリッジクレーンを迂回して、コンテナを移 動させることからなることを特徴とする請求の範囲第８項に記載の方法。 10．前記空コンテナを移送するステップが、空コンテナを、保管空間を通して前 記内部ブリッジクレーン移送領域に移動させ、次に前記内部クレーン移送領域を 通して前記桟橋側バンクに移動させ、次に該桟橋側バンクを通すことからなるこ とを特徴とする請求の範囲第８項に記載の方法。 11．対向側部を備え、間隔を隔てたカラムの形態に配置された水平方向及び垂直 方向に間隔を隔てた複数の荷入りコンテナ保管空間と、海側及び陸上側とを有し 、相互空間取扱いブリッジクレーン空間が海側及び陸上側に隣接しており、前記 ブリッジクレーン空間内には自動ブリッジクレーンが設けられ、前記荷入りコン テナ保管空間の海側の桟橋クレーンと、高層の保管空間の海側及び陸上側の両方 に沿う高速移送バルコニと、前記相互空間取扱いブリッジ空間のクレーン空間の １つ以上の自動化された相互空間取扱いブリッジクレーンを迂回させるべく、少 なくとも１つの前記相互空間取扱いブリッジクレーンのゾーンを越えた空間まで 、前記空間に沿って水平方向に移動させるための、前記高速移送バルコニの高速 移送手段とを更に有することを特徴とするコンテナ取扱い／保管装置。 12．垂直方向及び水平方向に間隔を隔てたカラムからなる第１及び第２の間隔を 隔てたバンク（海側及び陸上側のバンク）を有し、前記相互空間取扱いブリッジ クレーン空間が、前記２つのバンク間の内部ブリッジクレーン空間であり、前記 自動化された取扱いブリッジクレーンが内部ブリッジクレーンであり、前記内部 ブリッジクレーン空間内の２つの桟橋クレーンの各々が、前記内部ブリッジクレ ーン空間の長さ内の間隔を隔てたゾーン内で作動することを特徴とする請求の範 囲第１１項に記載のコンテナ取扱い／保管装置。 13．荷入りコンテナ保管空間の各バンクは、保管空間のバンクの外部の少なくと も１つの前記高速移送バルコニと、該バルコニの自動化された高速レールカーコ ンテナ移送手段とを備えていることを特徴とする請求の範囲第１２項に記載のコ ンテナ取扱い／保管装置。 14．前記各バルコニがトラックを備え、前記移送手段が、前記バルコニの前記ト ラックを走行する車輪付き自動車両からなることを特徴とする請求の範囲第１１ 項に記載のコンテナ取扱い／保管装置。 15．前記各バルコニがトラックを備え、前記移送手段が、前記バルコニの前記ト ラックを走行するコンピュータ自動制御の車輪付き車両からなることを特徴とす る請求の範囲第１３項に記載のコンテナ取扱い／保管装置。 16．垂直方向及び水平方向に間隔を隔てたコンテナ保管空間の２つのバンク及び 対向側部を有し、前記バンクがその第１側部のブリッジクレーン空間及び該ブ リッジクレーン空間内の少なくとも２つのブリッジクレーンとを備えた保管施設 内でコンテナを移動させる方法において、前記コンテナを、前記空間のバンクの 外部で、前記ブリッジクレーンの少なくとも一方を通る前記第１側部に対向する バンクの第２側部に沿うバンクの長さに沿って、これによりブリッジクレーンを 迂回して移動させることを特徴とする方法。 17．前記空間の互いに間隔を隔てた第１及び第２バンクを有し、前記ブリッジク レーン空間がバンク間の内部ブリッジクレーン空間であり、前記ブリッジクレー ンは前記内部ブリッジクレーン空間内の内部ブリッジクレーンであり、各内部ブ リッジクレーンが、前記内部ブリッジクレーン空間内でコンピュータ制御により 別々のゾーン内で作動することを特徴とする請求の範囲第１６項に記載の方法。 18．前記内部ブリッジクレーン空間内の少なくとも１つのブリッジクレーンのゾ ーンを迂回して、前記内部ブリッジクレーン空間の外部で前記保管空間の第２バ ンクに沿ってコンテナを移動させるステップを有することを特徴とする請求の範 囲第１７項に記載の方法。 19．高速移送体を用いてコンピュータ制御形自動内部ブリッジクレーンを迂回し 、次に他の内部ブリッジクレーンを用いてコンテナを１つのバンクの１つの空間 から第２バンクの保管空間に移動させた後に、保管空間内にコンテナを置くステ ップを更に有することを特徴とする請求の範囲第１８項に記載の方法。