JPS63150377A - 高軟化点ピッチの連続的製造方法 - Google Patents

高軟化点ピッチの連続的製造方法

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JPS63150377A
JPS63150377A JP29752686A JP29752686A JPS63150377A JP S63150377 A JPS63150377 A JP S63150377A JP 29752686 A JP29752686 A JP 29752686A JP 29752686 A JP29752686 A JP 29752686A JP S63150377 A JPS63150377 A JP S63150377A
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pitch
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coal tar
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関口 優紀
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用〕 本発明はコールタール又はコールタール軟ピツチからな
る石炭系炭化水素原料から、炭素材原料として好適なメ
ソフェーズピッチの製造方法に関するものである。
〔従来技術〕
コールタール中における沸点280℃以上の重質成分は
、アントラセン、アセナフテン、カルバゾールなどの有
用物質が分離精製されるという一部例外的な場合を除い
ては、大部分は軟ピツチとしてカーボンブラック、ピッ
チコークスなどの原料として使用されるのが一般的であ
る。
これとは別に、近年では、炭素材原料としての高度利用
を計るために、水素化を用いたピッチの改質研究が積極
的に行われている。
例えば、特開昭51−136704号公報では、上記の
ような軟ピツチや、石炭液化油などの少なくとも0.5
重量%の窒素を含有する原料を50%以上水素化説窒素
する方法を開示している。
また、特開昭57−198788号公報では、タールピ
ッチ、石油ピッチまたは石炭を溶媒抽出し、あるいは水
添処理して得られるトルエン不溶分を10重量2以上含
むピッチ状物を、珪酸マグネシウムやシリカなどの非酸
性多孔質担体にニッケル、モリブデンなどの水素化活性
成分を担持させた触媒によって水素化処理を行う方法を
開示している。
さらにタールピッチをコークス原料として使用するに当
っては、前処理として水素化反応を行うことは、特開昭
49−11602号公報、特公昭51−41129号公
報あるいは特開昭59−122585号公報などで開示
している。
これらのうち、最初のものは、タールピッチ中の締金環
化合物の環の一部をアルキル側鎖に変換することについ
て、また2番目の技術は、タールピッチを先ずアルキル
化した後水素化分解して改質することについて、また3
番目のものは、コールタール系原料から良質のニードル
コークスを得る方法について、それぞれ述べている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このような炭素材原料としてのピッチの液相炭化反応に
おいては、原料タールまたはピッチは。
液相での重縮合反応を経て固体炭素に至るのであるが、
その精製炭素材の構造ひいては物性は、その化学的、物
理的な要因によって形成されるのであるが、この重縮合
反応の期間中でその両者の特性が決定されるように作り
込まわる。
つまり、固体炭素に至る中間体の化学的、物理的性状が
製品の特性を決定するのである。
この中間体は、メソフェーズと称される分子の規則的な
集合体であって液体のように自由に形を変えることが可
能なもので、集合体の大きさが光学顕微鏡の分解能を超
える大きさになると偏光下に異方性小球(球晶)として
確認できるようになる(持田勲、光来要三、燃協誌64
,796.191115年)。
このメソフェーズは、反応の進行に伴って成長し、メソ
フェーズ同士が合体して大きくなり、最終的にはピッチ
が殆んど異方性を示す流れ構造となる0M科料中含まれ
るスラッジ及びフリーカーボンは、加熱処理し、メソフ
ェーズを生成させた時、メソフェーズ周囲に凝集し、そ
の成長を阻げることから、最終製品、すなわちコークス
の組織、強度に大きく影響し、それを除去することは不
可欠の要素である。
また、炭素原料中の窒素や硫黄は、人造黒鉛電極製造時
にはパフィング現象の原因(cpc研究会編、炭素原料
の有効利用■、p167−p180.1985)になる
とも言われ、その低減が望まれている。
このようなペテロ原子は1等方性炭素材料製造時におい
ても悪影響を与えることは、容易に推察でき、原料中の
へテロ原子含有量を低減させることは必要である。
一方、メソフェーズをコントロールすることを目的にし
たピッチの水素化処理方法については、別に報告されて
いる。
その代表的なものに、特開昭58−18421号公報、
特開昭58−196292号公報などがある。
二九らは、先に説明した触媒を用いる水素化法とは異な
り、例えば、前者に記載されている技術は、テトラヒド
ロキノリン等の水素供与性溶剤を用いて水素化処理して
メソフェーズ用ピッチを調製している。
この手法は、炭素繊維用の原料ピッチ調製法として開発
されたものであるが、yK科料ピッチ中脱窒素あるいは
脱硫黄などの処理に対しては効果が低いものであった。
優れた炭素原料としては、これまで説明した要件ととも
に、メソフェーズが十分に合体して流れ構造を作ること
ができ、かつ高炭化収率となるように、重質分ができる
限り除かれたもの、すなわち、軟化点の高いものが望ま
れる。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、前述のような解決すべき問題点に関して、コ
ールタールまたはコールタールピッチについての組成、
構造特性と改質方法との関係につき1種々検討を加えた
結果、脱スラッジしたコールタールまたはコールタール
軟ピツチを水素化触媒の存在下で水素化し、その水素化
生成油中がら蒸留により重質分を留去させ、軟化点が1
30”c以上の高軟化点ピッチを得、この高軟化点ピッ
チを加熱処理してメソフェーズピッチを得ることからな
る炭素材用原料メソフェーズピッチの製造方法に到達し
たのである。
〔作  用〕
本発明は。
(1)コールタール又はコールタールピッチに対する脱
スラッジ処理、必要ならばコールタールを脱スラッジ処
理をしたのちコールタールの蒸留による重質分の除去。
(2)触媒による水素化の実施と、さらに必要ならば次
いで熱処理を行った上。
(3)水素化生成油の蒸留により重質分の除去、(4)
得られた高軟化点ピッチの加熱処理、という4段階を経
てはじめて目的が達成されるものである。
さらに詳細に述べると、(1)の段階では、水素化に供
する原料コールタール中のQIスラッジ分が200pp
m以下になるように、機械的な濾過処理等の分離法を用
いて脱スラッジ処理を行い、次いで必要ならば、沸点約
280℃以下の留分を蒸留により留去させることを含ん
でいる。
出発原料中におけるQIスラッジ分が、200ppmよ
り多く存在している場合には、後続の水素化処理工程に
おいて、触媒被毒や触媒層閉塞の問題等が起り、工業的
に有利なプロセスを構成することが困難になる。
このような工程により得られたQIスラッジ分含有量2
00ppm以下のコールタールまたは沸点280℃以上
の重質分(コールタール軟ピツチ)は、次の(2)の段
階において、水素化を行う。
この水素化は1通常、固定床または流動床式の流通系装
置を使用し、周期律表第VI−B族、第■族の金属、す
なわち、クロム、モリブデン、タングステン、鉄、コバ
ルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、
オスミウム、イリジウム。
プラチナ等の金属から選ばれたものを、シリカ、アルミ
ナ、シリカアルミナ、チタニア等の多孔性無機質担体に
担持させた水素化触媒を用いて行うことができる。
本発明で用いる好ましい触媒は、アルミナを主成分とす
る無機質担体に、第1触媒金属成分としてモリブデン、
第2触媒金属成分としてニッケル又はコバルトあるいは
その両者を担持させたものである。この場合、触媒全重
量に対し、第1触媒金屓成分の添加量は10−30重量
≦及び第2触媒金属成分の添加量は1〜6重量2の割合
である。触媒の好ましい物性は、平均細孔直径=90〜
160人、好ましくは、100−150人、細孔直径3
5Å以上の細孔の会則孔容積0.4−1.0cc/ g
、好ましくは0.5−0.8cc/ g 。
全表面積:100ボ/g以上、好ましくは120ボ/g
以上、全細孔容積に対する細孔直径80−180人の細
孔容積の割合ニアB以上、好ましくは8囲以上である。
また触媒粒子の平均相当直径は0.8〜3mmである。
下記に本発明で用いる好ましい触媒の細孔直径に対する
細孔容積分布を示す。
細孔直径領域   刺孔容積(cc/ g )35〜5
0人     0.1以下 50〜80人     0.3以下 80〜180A    0.2〜0.5180〜300
人     0.2以下300Å以上     0.1
以下 なお、前記の平均細孔直径の値は1次式によって与えら
れるもので、単位は人で表わされるものである。
Pv: 触媒単位重量当り細孔直径35Å以上の細孔が
有する細孔容積の合計(cc/ g )SA:、、触媒
単位重量当り細孔直径35Å以上の細孔が有する表面積
の合計(m/g) 水素化の反応条件は、温度:300−420℃、好まし
くは320〜400℃、水素圧:50〜180kg/c
d、好ましくは80−140kg/a1.液空間速度(
LH3V):0.2−2.0hr−1゜好ましくは0.
3−1.5hr−’、 H,/油: 100−200O
N Q/ Q、であり、目的とする水素化の程度に応じ
た範囲の条件が適宜選択される。
以上のような条件下で処理を行って得た水素化生成油は
、必要ならば温和な熱分解を加えてトルエン不溶成分(
TI成分)のコントロールを行う。
具体的には、例えば、25〜40kg/cm2G程度の
圧力に保持されている管状加熱炉中で、470〜520
℃程度の出口温度に維持しておくことにより反応を達成
させる。この場合、滞留時間を調節してメソフェーズが
実質上生成しないように配慮する。
この様にして取得した水素化生成油を、次の(3)の蒸
留段階に送って蒸留を行う。
この工程では、蒸留装置に導かれた水素化生成油、を減
圧1例えば100ma+Hg以下の減圧条件下において
得られるピッチの軟化点が130℃以上になる様に重質
分を留去する。この場合、減圧条件とは、単に100m
mHg以下という圧力条件ではなく、スチーム、イナー
トガスあるいは軽質炭化水素ガスの混入による減圧効果
も含むものである。
本発明で対象とするコールタール原料は、種々の多環芳
香族を含み、また分子中にN、 S、0などのへテロ原
子を有するものもあることから、本発明における水素化
反応機能を一元的に規定することはできないが、主たる
水素化反応は説へテロ原子および縮合芳香族環の一部ナ
フテン化と考えられる。
コールタール系の軟ピツチなど、芳香族性の高い油を水
素化処理すると、上述のような水素化反応が起とるが、
水素の消費量を増加させるに伴ってその芳香族性は低下
していく。
この芳香族性の変化は、iH−NMRスペクトルから次
式で定義される芳香族性指数(fa)により定量的に把
握することができる。
C/H C/Hは試料中の炭素と水素の原子比、パラメータX、
 yは、芳香族環へ置換されたフェニルアルキル側鎖の
水素原子数を示し、この場合それぞれ2とみなしてよい
C/H:試料中の炭素と水素の原子比。
Ha:芳香環のα位の側鎖メチル基、メチレン、メチン
基およびナフテン環の水素、Hr:芳香環のβ位以上の
側鎖メチレン基およびパラフィンのメチレン、メチン 基の水素、ナフテン化合物の水素およ び芳香環からβ位以上のナフテン環の 水素、 Hr:芳香環のγ位以上の側鎖およびパラフィンの末端
のメチル基の水素。
水素消費量とfaの関係について一例を示すと。
例えば、fa:0.95のコールタール軟ピツチを水素
化処理するにあたり、水素消費量を8O−55ON Q
 / Qとすると、 fa=0.91−0.55と低下
する挙動を認めた。
1H−NMRの測定には、二硫化炭素を溶媒として試料
濃度約3重量%に調整し、内部基準物質としてテトラメ
チルシラン(TMS)を用い、ロック剤として100%
重クロロホルムを使用した。
測定条件は、共鳴周波数270.05MHzで、45°
パルス(パルス幅6.8μ5ec)を用い、32にのデ
ータポイントを観測スペクトル幅4000Hz、パルス
幅3secで積算回数8〜10回の範囲で測定した。
1H−NMRスペクトルにおける各種結合水素の帰属は
、次式で定義される化学シフトのパラメータδ値に基づ
いて行った・ Hr Hr、 Hsは、それぞれ試料およびTMSの共鳴周波
数であり、δ値自体は無次元であるが+ TMSのδ値
をOとして共鳴周波数が相対的に百万分のいくつシフト
するかを表すことからppmで表示するのが普通である
次に、ピッチ中の水素の結合状態を前記δ値により分別
すると次のようになる。
δ値(ppm) Hr  0.5〜1.0 Hr  1.0〜2.0 Ha  2.0〜4.2 Ha   6.2〜9.2 (Ha:  芳香環の水素) なお、当然のことながら、’H−NMRスペクトルのそ
れぞれの面積強度比から試料中に含まれる前記4つの結
合形態の水素の割合を定量することができる。
本発明に従って水素化を行うにあたっては、温和な反応
を行わせる必要があるが、Hβ/Hαで表される部分水
素化度を0.35〜1.9、好ましくは0.4〜1.7
の範囲に規定する。この部分水素化度Hβ/Hαは反応
の際の水素消費量と直線関係にあることからこの水素消
費量をおよそ80〜55ON Q / Qとすることに
よって調節することができる。この関係は一定の水素化
触媒の存在下で成り立つものであり、触媒が変ると所望
のHβ/Hαが得られるように水素消費量を適宜変化さ
せる。
本発明における水素化生成油の蒸留処理は、重質分を除
去し、軟化点130℃以上の高軟化点ピッチが得られる
ように行う、炭素材原料ピッチは、その炭化収率の点か
ら高軟化点のものの方が好ましいが、実際上の点からは
、軟化点130〜200℃のピッチが得られるように蒸
留処理を行う、また、この蒸留処理は、蒸留処理に際し
ての加熱によるQI酸成分実質上生成しないように、即
ち、得られる高軟化点ピッチ中に含まれるQ工成分が1
1000pp以下、好ましくは500ppm以下となる
ように行う。
この蒸留処理における圧力は、低い程好ましいが、通常
、100mIIIHg以下までの減圧条件が採用される
水素化処理を行わないピッチは、蒸留によって。
高軟化点のものとしても、軟化点上昇特性が太きすぎ、
急激に炭素化してしまい、メソフェーズの生成コントロ
ールがしすらい。
一方、本発明で得られるピッチは、上述したように水素
化処理がなされていることから、蒸留によってピッチの
軟化点を上げたものでも、軟化点上昇特性が小さいので
メソフェーズの生成コントロールがしやすい6本発明で
は、蒸留条件によって130℃以上、更には200℃程
度の高軟化点ピッチを製造できる。
本発明者らの研究によれば、水素化処理されたピッチ(
水素化ピッチ)を熱処理してメソフェーズピッチとする
場合、そのメソフェーズ生成速度は。
未水素化ピッチに比較して著しく低下されたものである
ことが見出された。このメソフェーズ生成速度の低下は
炭素材を工業的に安定して製造する点からは非常に有利
な結果を与える。即ち、炭素材原料としてのピッチは、
流れ構造というメソフェースが合体してピッチ全体が光
学的異方性を示すことが、スーパーニードルコークス等
の炭素材原料ピッチとして必須条件となるが、それを可
能にするにはピッチの軟化点上昇が加熱に際して急激で
ない方が望ましい、一方、ピッチの軟化点上昇が急激す
ぎると、メソフェーズの合体が充分なされる前にピッチ
が固化してしまい、流れ構造へと進行しなくなる。
本発明においては、水素化度を調節することにより、種
々の軟化点上昇特性を示す高軟化点ピッチを得ることが
できるが、炭素材原料ピッチとしての観点からは、軟化
点上昇特性が3℃/分以下。
好ましくは2.8−1.4℃/分の高軟化点ピッチを得
るのが好ましい、なお、この場合の軟化点上昇特性とは
、ピッチ60gを入れた測定管を440℃に予熱調整し
であるメタルバスにつけ、この温度に60分間保持した
時に得られるピッチの軟化点を測定し。
次の式で算出したものである。
R= (A、−A、) /60 R: ピッチの軟化点上昇特性(’C/分)A1: 測
定前のピッチの軟化点(”C)A、: 測定後のピッチ
の軟化点(’C)次に、本発明で軟化点上昇特性の測定
に用いる測定装置を第1図に示す、第1図において、1
は測定管、2は撹拌器、3はメタルバス、4は凝縮器、
5は受器を示す、測定管1は、ステンレス製で、全長5
20mmの中心部が太くなった円筒管である。aは測定
管下部に設けられた試料収容部であり1円径23 、9
mm、長さ215mm、肉厚1 、65mmの円筒部分
からなり、試料ピッチ60gをこの円筒部分に仕込む。
この装置を用いて試料ピッチの軟化点上昇特性を測定す
るには、前記試料ピッチ60gを仕込み、減圧度14m
mHgに調節した測定管1を440℃に予熱調整したメ
タルバスにつけ、この温度に60分間保持した後、メタ
ルバスを取りはずして測定管を氷水バスにつけて冷却す
る。冷却後、測定管を切断して試料ピッチを全量回収し
、その軟化点を測定する。この場合の軟化点の測定は、
Ring & Ba1l法(ムSTM 02319)に
よって行った。
なお1反応中に留出する軽質油は凝縮器4を通って受器
5に収容される。
本発明では、前記のようにして得られた特定性状を示す
高軟化点ピッチを加熱処理し、メソフェ−ズピッチとす
る。この場合、熱処理温度は400−480℃、好まし
くは430〜460℃であり、圧力は1〜700+am
Hg (絶対圧)、好ましくは10−310−3O0(
絶対圧)である、この場合、減圧条件は、スチーム、イ
ナートガスあるいは軽質炭化水素ガスの吹込みにより調
節することができる0本発明においてメソフェーズピッ
チ原料として用いるピッチは、前記したように130℃
以上の高軟化点のものであることから、そのメンフェー
ズ化は容易に行うことができる。その上、本発明の場合
は、そのメソフェーズ化用原料ピッチの軟化点上昇特性
は小さく、メソフェーズ生成速度も小さいために、熱処
理時間を比較的長くとることができる。その結果、メソ
フェーズ生成量を容易にコントロールすることができる
0本発明によりメソフェーズピッチを製造する場合、そ
のメソフェーズ生成量を40〜100%の範囲において
容易にコントロールすることができる。また、本発明の
場合、熱処理時間としては、通常30分以上、好ましく
は40〜180分という比較的長い時間を採月すること
ができる1本発明によれば、メソフェーズ含有量が70
〜100%、融点280〜360℃のメソフェーズピッ
チを、熱処理温度430−460℃及び熱処理時間60
−180分で得ることができる。
〔実施例〕
以下実施例を用いて具体的に説明する。
実施例1 表−1(コールタール性状) 表−1に性状を示したコールタールを1円周面にブレコ
ーノ材層を形成させた表面積0.0+mの回転ドラム型
加圧濾過機を用いて濾過した。プレコート材としては、
コークス粉を篩い分けし、30メツシユ以下の粒子にそ
ろえて使用し1回転ドラムの周面に50mmの厚みのプ
レコート材層を形成させた。
コールタール濾過は温度150℃、圧力3kg/cm2
Gで実施し、回転ドラムの局面に堆積するケーク層は、
カッターによりはく離させながら濾過操作を行なった。
この際のドラムの回転速度は1回転当り3分であり、ま
た、カッター送り速度は3 、2 (mm/時)であり
、コールタールの濾過速度は、250(kg/ボ・hr
)であった、このようにして得られた濾過済みコールタ
ールのQI酸成分、80ppH1に減少していることが
確認された。また、このコールタールの顕微鏡写真(6
00倍)によれば、固形分の存在は全く観察されなかっ
た。
次に連続式常圧蒸留装置を用いて、前記で得た脱スラッ
ジ化コールタールの蒸留を実施した。コールタールは、
2 Q /hrの流量で定量ポンプにより供給し、蒸留
塔に導入する前にプレヒーターにより300℃に加熱し
、ひき続きキャノンバッキングを充填した蒸留塔で塔底
温度320℃、塔頂温度280℃で蒸留した。この際、
得られたコールタール軟ピツチの収率は8部であった。
得られたコールタール軟ピツチの性状を表−2に示しし
た。
次に、このコールタール軟ピツチを、ニッケルーモリブ
デン系触媒200gを充填した固定床型連続水素化反応
装置を用い、反応温度360℃、水素圧100kg/c
d、液空間速度(LH5V)1.2hr−”、 H,/
オイル比100ON Q / Qで水素化処理した。こ
の場合、水素化度Hβ/Hαは0.59であった。
次に減圧蒸留装置(減圧度: 2m+++Hg)を用い
、常圧換算最高沸点が538℃で留出する成分を除き、
軟化点153℃のピッチを得た。
実施例2 実施例1で示したコールタール軟ピツチを、触媒充填量
200m Qの固定床連続水素化装置を用い、反応温度
360℃、水素圧100kg/cd、液空間速度1.0
hr−1、H,10il比100ON 12/ 12、
水素化度Hβ/Ha 0.76の条件下で水素化処理し
た。
次に減圧蒸留装置(減圧度: 2mmHg)を用い、常
圧換算最高沸点が538℃で留出する成分までを除き軟
化点166℃のピッチを得た。
実施例3 実施例1で示したコールタール軟ピツチを、反応温度3
60℃、水素圧140kg/cd、液空間速度0.4h
r−1、Hz10il比100ON Q / Q、水素
化度Hβ/H(El、7で水素化処理した。
次に、減圧蒸留装置により得られた水素化ピッチ中から
重質分を除き軟化点153℃のピッチを得た。
比較例 実施例1で示したコールタール軟ピツチを水素化処理せ
ずにそのまま減圧蒸留(減圧度2mmHg) L/。
最高沸点が521℃で留出する成分までを除き軟化点1
51℃のピッチを得た。
以上に述べた実施例1−3および比較例によった得たピ
ッチについて、その性状を測定したが、この結果をまと
めて次表に示した。
表−3 この表から、水素化処理を行った場合のピッチに含有さ
れている窒素および硫黄の量は、比較例に示した水素化
処理を行わないものに比して低くなっていることが明ら
かに認められる。
実施例1.2.3および比較例で得られた4種類のピッ
チについて、その炭素材としての性能を見るために反応
温3430℃において熱処理を行い、それによって生ず
るメソフェーズの量の測定を行い、第2図にその結果を
示した。
メソフェーズ量の定量値は、偏光顕微鏡下に観察できる
メソフェーズをポインカウント法にもとづく測定法で得
た。 (JIS M−8816準拠)〔効  果〕 第2図で示したように、反応時間の増大にともない、メ
ソフェーズの生成量は増加するが、その生成速度は、水
素化処理を行っていない比較例(第2図、曲線4)では
、極めて大きい、即ち、わずか30分の間にメソフェー
ズ量が70%にも達してしまい、その量のコントロール
が見しいばかりか、流れ構造を示さず、モザイク状とな
る。
これに対し、水素化処理を施している実施例1−3(第
2図、曲線1〜3)で得たピッチは、その生成速度が小
さくなり、メソフェーズ量のコントロールが容易になる
ばかりか、容易に流れ構造へと進、み、さらに、水素化
条件を変えることにより、望ましいメソフェーズ生成速
度をもったピッチの開裂が可能となる。
また、ピッチの水素化度と軟化点との関係を示す表−3
かられかるように、水素化度が高くなるとピッチの軟化
点上昇特性は小さくなる。即ち、比較例の未水素化ピッ
チの軟化点上昇特性は約3.5℃/分であるのに対し、
水素化度(Hβ/Hα)が、0.59.0.76、及び
1.7である実施例1〜3の水素化ピッチの軟化点上昇
特性は、それぞれ、2.4℃/分、2.3℃/分及び1
.7℃/分であり、著しく低下されている。そして、水
素化処理を行わないピッチでは、反応後わずかに10分
間で軟化点が300℃を超えるので、実際にはこれ以後
のコントロールはできなくなる。一方、水素化処理を施
したピッチは軟化点の急激な上昇が抑制されているばか
りでなく、その水素化処理の程度に応じて軟化点の上昇
割合もコントロールできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は資料ピッチの軟化点上昇特性測定装置の説明図
であり、第2図は反応時間の経過に伴うメソフ、ニー、
ズ量の挙動を示したグラフである。 1・・・測定管、2・・・撹拌器、3・・・メタルバス
、4・・・凝縮器、5・・・受器。 第  1  図 第  2  図 反応時間(分) 手続ネ山正書(方式) 1、事件の表示 特願昭61−297526号 2、発明の名称 高軟化点ピッチの連続的製造方法 3、補正をする者 事件との関係 特許出願人 東京都千代田区丸の内−丁目1番2舅 昭和62年2月24日 6、補正の対象 図   面 7、補正の内容 願書に添附した図面「第1図」及び「第2図]は各々2
つあるため、うら第1葉目の「第1図」、第2葉月の「
第2図」をそれぞれ削除する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)脱スラッジしたコールタール又はコールタールピ
    ッチからなる石炭系炭化水素原料を、温度300〜42
    0℃及び水素圧50−150kg/cm^2Gの条件下
    水素化触媒を用いて水素化処理する工程と、該水素化処
    理工程から得られた水素化生成油を減圧蒸留処理して軟
    化点130℃以上の高軟化点ピッチを得る工程と、該高
    軟化点ピッチを加熱してメソフェーズピッチを得る工程
    とからなり、該水素化処理工程における石炭系炭化水素
    原料の水素化度及び該減圧蒸留処理工程における減圧度
    をそれぞれ調節して、該蒸留処理工程から得られる高軟
    化点ピッチの軟化点上昇特性を3℃/分以下及びキノリ
    ン不溶分を1000ppm以下に保持し、かつ該メソフ
    ェーズ生成工程を温度400〜480℃、反応時間30
    〜180分の条件で行うことを特徴とする高軟化点ピッ
    チの連続的製造方法。
JP29752686A 1986-12-16 1986-12-16 高軟化点ピッチの連続的製造方法 Granted JPS63150377A (ja)

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