JPS63149363A - 高融点難還元性金属箔の焼鈍方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、Ｔ１、Ｔ１合金、Ｚｒ、　Ｚｒ合金などの
高融点難還元性金属箔製造における、箔圧延後の焼鈍方
法に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、Ｔｉ、Ｔｉ合金、Ｚｒ、　Ｚｒ合金などの高融
点難還元性金属を圧延して箔を製造する場合においては
、箔の表面に酸化膜が形成されないような雰囲気中で圧
延が行なわれ、圧延が完了した後で、圧延された箔はコ
イル状に巻取られ、巻取られたコイルは高真空中あるい
は高純度の不活性ガス雰囲気中で焼鈍される。

上記の巻取られた圧延箔の表面には、酸化膜がほとんど
形成されていないので、上記焼鈍加熱中に隣接している
箔同志が接合しやすいことから、かかる焼鈍加熱中の箔
同志の接合を防ぐために、（ａ）圧延箔を、箔と箔との
間にすき間をあけた状態のルーズコイル状に巻取り、こ
の巻取ったルーズコイルを焼鈍炉にセットする方法、（
ｂ）　　圧延箔に接合防止剤を塗布して巻取り、この巻
取ったコイルを焼鈍炉にセットする方法、などの方法が
一般に用いられている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、上記（ａ）の方法においては、巻取った圧延箔
のルーズコイルの箔と箔との間のすき間は大きく、ルー
ズコイル自体の体積が大きくなるので、焼鈍炉内の限ら
れたスは−スに一度に装入できる箔の量が制限され、生
産性の低下をきたすことになるばかシでなく、コイル中
にすき間があると、焼鈍加熱中に箔が変形する場合もあ
る。

一方、上記（ｂ）の圧延箔に接合防止剤を塗布し、すき
間を設けずに巻取ったコイルを焼鈍する方法では、焼鈍
中の箔と箔との接合は防止でき、焼鈍加熱中に箔が変形
することもないが、焼鈍完了後に上記塗布されている接
合防止剤を除去しなければならず、この接合防止剤除去
工程が加わることは、生産性を低下せしめ、コストを上
昇せしめることＫなる。

〔問題点を解決するための手段〕 そこで、本発明者等は、上記の問題点を解決すべく研究
を行なった結果、 上記高融点難還元性金属箔を、表面にこの高融点難還元
性金属箔との接合を防止する処理を施したステンレス鋼
箔を重ねて巻いて二重巻きコイルとし、この二重巻きコ
イルを真空中、不活性ガス雰囲気中あるいは還元性ガス
雰囲気中で所定の温度で焼鈍すれば。

（１）　　ステンレス鋼箔の厚さは僅かなので、すき間
のあるルーズコイルよりも高融点難還元性金属箔の炉へ
のチャージ量が増える、 （２）箔同志の接合がない、 （３）箔の変形がない、 （４）接合防止処理を施したステンレス鋼箔から剥がし
た高融点難還元性金属箔の狭面は光沢があり、接合防止
剤の付着もないので接合防止剤除去工程を設ける必要も
ない、 などの有用な効果が得られるという知見を得たのである
。

この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであっ
て、 箔圧延後の高融点難還元性金属箔を、表面に接合防止処
理を施したステンレス鋼箔と重ねて巻いた状態で、真空
中、不活性ガス雰囲気中あるいは還元性ガス雰囲気中で
加熱する高融点難還元性金属箔の焼鈍方法に特徴を有す
るものである。

ここで、高融点難還元性金属箔と二重巻きする金属とし
て特にステンレス鋼箔を使用したのは、ステンレス鋼は
融点が１４００〜１５００’Ｃと比較的高い金属であり
、価格も比較的安い金属であるから、上記高融点難還元
性金属箔を接合防止処理を施したステンレス鋼箔と重ね
て巻取り、焼鈍した後、使用済みの接合防止処理したス
テンレス鋼箔は再使用することもできるが、再使用不能
となった場合には、スクラップとして破棄してもコスト
はそれほど大きくはかからないからである。

また、この発明の方法におけるステンレス鋼箔の板厚は
、０．３〜０．５０程度のものが好ましく、このステン
レス鋼箔に接合防止処理を施すには、（イ）上記ステン
レス鋼箔の表面に市販のボロンナイトライドをスプレー
塗布する方法、（ロ）上記ステンレス鋼箔を、大気中で
温度：約７００℃程度に加熱し、表面が色付く程度にま
で酸化する方法、 が用いられる。

このような方法によυ接合防止処理を施したステンレス
鋼箔は、上記高融点難還元性金属箔と共に重ねて巻かれ
、二重巻きコイルとした後、この二重巻きコイルを真空
中、不活性ガス雰囲気中あるいは還元性ガス雰囲気中に
おいて焼鈍加熱され、焼鈍終了後、上記二重巻きコイル
を焼鈍炉からとり出し、高融点難還元性金属箔をステン
レス鋼箔から剥離して巻取り、さらに圧延に供するか、
あるいは、そのまま箔材として使用する。

〔実施例〕

つぎに、この発明の焼鈍方法を、実施例により図面を参
照しながら具体的に説明する。

第１図は、高融点難還元性金属箔１と接合防止処理を施
したステンレス鋼箔２とを重ねて二重巻きコイル３に巻
取る状態を示す概略ス、第２図は、巻取った二重巻きコ
イル３を金属バンド４でしばり、固定した状態を示す概
略図である。

実施例　１ 高融点難還元性金属として、重量％で（以下チは重量％
を示す）、Ｖ：９．５チ、Ｍｏ：２．５％、Ｍ：３．０
％を含有し、残りがＴ１と不可避不純物からなる組成を
有するニア（ｎｅａｒ　）−β型Ｔ１合金を用意し、こ
のＴｉ合金から通常の条件で冷間圧延して長さ：１００
００ＩｕＥＸ幅：ｌＯＯｍＸ厚さ二〇、１鎮の寸法をも
ったＴ１合金箔１を製造し、その表面を脱脂処理し、一
方、同様に長さ：１５０００ｓｕ×幅：３００藺×厚さ
：０．３１ｍの寸法をもったＪＩＳ規格ＳＵＳ　３０４
のステンレス鋼箔２を製造し、このステンレス鋼箔２の
表面に、ボロンナイトライドをスプレー塗布の接合防止
処理を施し、このように製造したＴ１合金箔１と、接合
防止処理を施したステンレス鋼箔２とを重ねて、第１図
に示されるように巻取って二重巻きコイル３を形成し、
この二重巻きコイル３を第２図に示されるように、イン
コネル７１日製耐熱合金バンド４でしばり、コイルが開
かないようにした状態で真空熱処理炉に入れ、真空度：
　５　Ｘ　１０−５ｔｏｒｒの雰囲気中で、温度ニア７
０℃に５時間保持の焼鈍を行ない、焼鈍完了後、炉冷し
て取出し、耐熱合金バンド４をゆるめてはずし、上記ス
テンレス鋼箔２から上記Ｔ１合金箔１を剥離することに
より本発明法を実施した。

この結果得られたＴ１合金箔の表面には、上記ボロンナ
イトライドなどの不純物は何ら付着しておらず、その表
面は光沢を呈しており、変形もなかった。

実施例　２ 実施例１で用いたのと同じＴ１合金箔１とステンレス鋼
箔２とを用い、一方ステンレス鋼箔には大気中で温度ニ
ア００℃に４時間加熱保持の条件で接合防止処理として
の酸化処理を施して、その表面に酸化膜を形成せしめ、
このように接合防止処理を施したステンレス鋼箔２と上
記Ｔｉ合金箔ｌとを、第１図に示されるように巻取って
二重巻きコイル３を形成した後、第２因に示されるよう
に、インコネル７１日製耐熱合金バンド４でコイルが開
かないようにしばり、ついでこの二重巻きコイルをアル
ゴン雰囲気中で、温度＝７５０℃に６時間保持の条件で
焼鈍を行ない、焼鈍後、炉冷し、炉から取出して、Ｔｉ
合金箔１を上記ステンレス鋼箔２から剥離することによ
って本発明法を実施した。

この結果得られたＴ１合金箔には、変形もみられず、そ
の表面の光沢も失われておらず、さらに、上記酸化膜を
形成したステンレス鋼箔との間の接合も認められなかっ
た。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明の高融点難還元性金属箔の焼鈍
方法によれば、箔と箔との間にすき間のない巻取りコイ
ルとして、これを焼鈍するために、焼鈍中に不整変形を
生ずることがなく、かつ冷延時に生じた端伸びも消え、
さらに、上記高融点難還元性金属箔に直接接合防止剤を
塗布することもないので、接合防止剤を箔の表面から除
去する工程を設ける必要もなく、表面光沢のある焼鈍高
融点難還元性全属地を能率よく安価に製造できるなど工
業上優れた効果がもたらされるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、高融点難還元性金属箔と接合防止処理を施し
たステンレス鋼箔とを重ねて二重巻きコイルに巻取る状
態を示す概略図、 第２因は、巻取った二重巻きコイルを金属バンドで開か
ないようにしばった状態を示す概略図である。 １・・・高融点難還元性金属箔、 ２・・・接合防止処理したステンレス鋼箔、３・・・二
重巻きコイル、 ４・・・耐熱合金バンド。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）箔圧延後の高融点難還元性金属箔を、表面に接合
   防止処理を施したステンレス鋼箔と重ねて巻いた状態で
   、真空中、不活性ガス雰囲気中あるいは還元性ガス雰囲
   気中で加熱することを特徴とする、高融点難還元性金属
   箔の焼鈍方法。
2. （２）上記接合防止処理が、ステンレス鋼箔の表面にボ
   ロンナイトライドを塗布することからなることを特徴と
   する、特許請求の範囲第（１）項記載の高融点難還元性
   金属箔の焼鈍方法。
3. （３）上記接合防止処理が、ステンレス銅箔の表面を酸
   化することからなることを特徴とする、特許請求の範囲
   第（１）項記載の高融点難還元性金属箔の焼鈍方法。