JPH0757425B2 - チタンクラッド鋼板の熱間圧延方法 - Google Patents

チタンクラッド鋼板の熱間圧延方法

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JPH0757425B2 JP2241470A JP24147090A JPH0757425B2 JP H0757425 B2 JPH0757425 B2 JP H0757425B2 JP 2241470 A JP2241470 A JP 2241470A JP 24147090 A JP24147090 A JP 24147090A JP H0757425 B2 JPH0757425 B2 JP H0757425B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、チタンクラッド鋼板の製造方法に関するもの
である。
鋼は、安価で良好な機械的、熱的、電気的特性を有して
いるため、古くから非常に広い用途に使用されてきた。
しかし、鋼にはそのまま使用すると短時間で錆びたり腐
食したりするという致命的な欠点がある。一方チタン
は、鋼に比べると著しく耐食性が優れているので、腐食
や防錆の問題は解決するが、他の特性、例えば熱伝導性
などは鋼とはかなり異なった特性を示すために、チタン
で完全に代替することは必ずしも容易ではないのであ
る。さらに、チタンは鋼に比べると著しく高価であるた
めに、資源的経済的にも困難といわざるをえないのが実
情である。
これらの問題を解決する方法として、表面をチタン、中
心部を鋼としたクラッド鋼が使用されている。クラッド
鋼は、母材に目的とする特性に合致した炭素鋼ないしス
テンレス鋼を利用し、表面に耐食性の優れたチタンを用
いることで、優れた耐食性を有しかつ目的とする特性を
満足する材料が得られるために、熱交換機などの化学装
置では広く利用されている。
本発明は、このようなチタンクラッド鋼板ないし帯を技
術的に容易に、そして安価に製造する方法を提供するも
のである。
[従来の技術] いわゆるクラッド鋼板の製造方法には大きく分けて2種
類がある。すなわち、溶鋼レベルで複合化を行なういわ
ゆる鋳包み法と固相レベルで接合させる方法である。
チタンクラッド鋼の場合、チタンと鋼の界面に脆いFe−
Ti金属間化合物やTiCなどの層が生成すると界面で剥離
する。従って、溶鋼レベルで行なう鋳包み法は適用でき
ず、固相レベルでの接合が採用されている。中でも爆着
による方法は、中間媒接材を使用せずしかも接合強度に
対して信頼性が高いことから、現在最も広く使用されて
いる方法である。しかし、爆着法は強力な爆発の力を利
用するために、どこでも実施が可能というわけにはいか
ず、通常人里離れた山中などで行なわざるを得ない。し
かも、大量生産には不向きであることなどから非常に高
価な材料である。また、爆着法ではサイズも限定され特
に薄板の製造は困難である。
圧接による方法は、生産性が高く板厚は比較的自由にと
れることや従来の製造工程が適用できることなどから爆
着法に比べて有利な方法である。しかし、圧接による方
法では接合界面に金属間化合物等の脆い層が生成する可
能性が非常に高い上に、界面に酸化物などが存在すると
接合が不可能になる。特に熱間圧接の場合、拡散速度や
酸化速度がはやいので、これらの危険性は高くなる。
界面の脆い中間層の生成を抑制して接合させる方法とし
て、特開昭62−6783号には熱延加熱条件の限定が、また
例えば特開昭55−48468号、特開昭57−109588号、特開
昭57−112985号や特開昭57−192256号には、クラッド界
面に純鉄やニッケル、銅などの板ないし箔を中間媒接材
として挟み込む方法が提案されている。
一方接合界面の酸化を防止するには、少なくとも合せ面
を真空にしたり不活性雰囲気にする以外に適切な方法が
ない。例えば特開昭57−109588号では環境を1Torr以下
の真空にすることを必須条件としている。このために、
コストの低下をはかることができず、安価であるという
クラッド鋼の特徴を生かすことが必ずしも容易ではない
状況にある。従って、通常チタンクラッド鋼板は厚板と
して、チタンの耐食性が不可欠な熱交換機などの化学装
置に利用されているに過ぎない。
ステンレス鋼などのクラッド鋼板の場合、合せ面を溶接
してから圧延などを行なう方法も提案されているが、チ
タンクラッド鋼板の場合はFe−Tiの金属間化合物が生成
して適用することはできない。
このほかに、接合界面の酸化を防止する方法として、特
開昭57−112985号ではフラックスで界面を覆うことを提
案している。しかし、特殊な設備が必要であることから
やはりコスト低下には致らない。
さらにこれに対して本発明者らは、特開平1−122677号
公報でTiとCuの金属間化合物を積極的に利用し真空を不
要とするチタンクラッド薄鋼板の製造方法を発明した。
この結果、従来の厚板のチタンクラッド鋼板に比べて飛
躍的にコストが低いチタンクラッド薄鋼板の製造が可能
になったのである。
[発明が解決しようとする課題] しかし、以上の方法を適用した熱延によりチタンクラッ
ド鋼の薄板を製造した場合、本発明者らが前に発明し
た、TiとCuの金属間化合物を積極的に利用し真空を不要
とするチタンクラッド薄鋼板の製造方法でも、界面を真
空にし中間媒接材を使用しない組立スラブを圧延する従
来から行なわれていた方法によっても、接合強度が極端
に低い場合を生ずることがあった。
本発明は、以上の問題を解決すべく、安定して接合強度
の高いチタンクラッド薄鋼板の熱延による製造方法を提
供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、チタンクラッド鋼板をシャー切断したと
ころ破断面で剥離開孔するものとしないものがあること
を見出した。そしてシャーで剥離するチタンクラッド鋼
板の界面を詳細に調査したとこと、剥離しないものに比
べて界面の金属間化合物層に局部的にかなり厚い噛み込
み状態を呈した部分があった。この結果から、シャー切
断で界面が剥離しないような接合強度の高いチタンクラ
ッド鋼板は、金属間化合物が単に薄いだけでなく、厚さ
にばらつきがないことが必要であることが判明した。
さらに、界面の金属間化合物層の厚さに影響を及ぼす因
子を検討したところ、素材スラブの加熱温度や加熱時間
と同時に、圧下パスの間隔が重要な影響を及ぼしている
ことを見出した。すなわち、圧下後保定される時間が長
いほど金属間化合物層が厚くなることがわかったのであ
る。この理由については、鋭意研究中であるが、次のよ
うに考えている。金属間化合物の成長はおのおのの金属
原子の拡散に依存しているので、圧下後の保定されると
それだけ拡散が進行し、金属間化合物層が厚くなる。す
なわち、出来る限り保定時間を無くし、所定の厚さまで
圧下して冷却することが好ましいのである。また、バス
間隔が長く比較的厚く金属間化合物層が成長すると、界
面と母材あるいは合せ材との間の熱間変形抵抗の差が大
きくなり、界面の変形にむらを生ずるため、金属間化合
物層の厚さにばらつきが生ずることとなる。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものである。
界面の金属化化合物層の厚さ及び噛み込み状の金属間化
合物の有無に及ぼす圧延パス間時間の影響を検討するた
めに、銅を中間媒接材としたチタンクラッド鋼板の製造
圧延試験を行なった。圧延条件は、加熱温度を900℃、
各パス20〜25%の圧下を5パスとし、1パス目と2パス
目の保定時間を種々変えた。金属間化合物の厚さは、圧
延後の板を斜研磨し、ナイタールを腐食を行なって認め
られた変色域とした。この結果を、第1図に示した。な
お、図において、金属間化合物の厚さは測定視野内で特
例的に厚い噛み込み状部分を除いた最大の厚さを数視野
平均して示した。また、●印のデータは、図上で示した
厚さの金属間化合物のほかに、局所的に著しく厚い噛み
込み状の金属間化合物が認められたことを示した。
図から明らかなように、界面の金属間化合物層の平均的
な厚さは、1パス目と2パス目のパス間保定時間が長く
なるほど厚くなる傾向が認められたが、その程度はわず
かで、例え1min保定してもせいぜい平均的には2.0μm
程度の厚さで、最短時間(7秒)での圧延に比べて1.5
倍程度にしかならない。実験装置上の制限から7秒以内
の短時間パス間保定は出来なかったが、金属間化合物層
の厚さに及ぼすパス間保定時間の影響は小さいことがわ
かった。しかし、30秒を超えると局所的に5μmを超え
るような厚い噛み込み状の金属間化合物が残存するのが
認められたのである。
以上の知見に基づいて、熱延のパス間時間を限定するチ
タンクラッド鋼板の製造方法、すなわち、 (1)「母材が鋼、合せ材がチタンまたチタン合金であ
るチタンクラッド組立スラブを、複数回の圧下によって
熱間圧延鋼板を製造する工程において、750℃以上の圧
延における圧下パス間隔を30秒以内とするチタンクラッ
ド鋼板の熱間圧延方法。」 を発明した。
本発明においては、Tiと鋼の界面に中間媒接材を挟んだ
方法でも、あるいは本発明者らの発明した前記特開平1
−122677号に示したTiとCuの金属間化合物を積極的に利
用して真空を不要としたチタンクラッド薄鋼板の製造方
法でも同じ効果が得られる。従って、第2および第3の
発明として、 (2)「母材が鋼、合せ材がチタンまたはチタン合金
で、母材と合せ材の間に接合のための中間媒接材を挟ん
だチタンクラッド組立スラブを、複数回の圧下によって
熱間圧延鋼板を製造する工程において、750℃以上の圧
延における圧下パス間隔を30秒以内とするチタンクラッ
ド鋼板の熱間圧延方法。」 (3)「母材が鋼、合せ材がチタンまたはチタン合金
で、母材と合せ材の間に接合のための中間媒接材として
銅または銅を30%以上含有する銅合金を挟んだチタンク
ラッド組立スラブを、複数回の圧下によって熱間圧延鋼
板を製造する工程において、850℃超1000℃以下の温度
で、10%以上の圧下率で少なくとも1パス圧下して、溶
融したチタンと銅の金属間化合物ないし合金層を押出
し、かつ750℃以上の圧延における圧下パス間隔を30秒
以内とするチタンクラッド鋼板の熱間圧延方法。」 を発明した。
また、本発明を有効に実施するには、その装置は従来チ
タンクラッド鋼の製造に用いられていたリバース型の熱
延機より、炭素鋼などの熱間圧延に利用されている連続
熱間圧延機の方が適している。すなわち、本発明は複数
回の圧下を1台ないし複数台の粗圧延機および複数台の
仕上げ圧延機からなる連続熱間圧延機で行なうことで最
も効果が発揮される。従って、第4の発明として (4)「前記(1),(2)または(3)において、複
数回の圧下を1台ないし複数台の粗圧延機および複数台
の仕上げ圧延機からなる連続熱間圧延機で行なうチタン
クラッド鋼板の熱間圧延方法。」 を発明した。
次に、本発明の限定条件を説明する。
パス間保定時間は、第1図の結果から厚い噛み込み状の
金属間化合物の存在しない30秒を上限とした。一方、パ
ス間隔は短いほど金属間化合物の成長が抑制され厚い噛
み込み状の金属間化合物の生成もないことが明らかなの
で、下限は装置に依存する最短のパス間時間で全く問題
がない。従って、下限は設定しない。
パス間隔を限定する温度域は、金属間化合物の成長が起
こる温度域である。すなわち長時間放置しても金属間化
合物の成長が起きなければ限定する必要はない。従っ
て、下限温度は750℃とした。一方上限は、加熱温度で
限定されるので本発明では限定しない。
中間媒接材として使用する銅または銅合金は、合わせ材
のチタンと相互拡散して固相反応を起こし金属間化合物
となる必要があるので、銅の含有率が80%以上とした。
圧下によって溶融した中間層を端部より絞り出すために
は、中間層が溶融している必要があるので、チタンと銅
の合金の溶融している温度域すなわち850℃を超える温
度で圧下を加えることを限定した。しかし、接合の温度
が高すぎるとチタンと銅の固相反応が進行しすぎてチタ
ンの厚さが低下するのみならず、溶融層の粘度が低下し
て接合せずに滑りを生ずるために、上限温度を1000℃と
した。
この圧下は、1パスでも十分に目的を達せられるし、2
パス以上となっても障害がないが、加えないと接合しな
かったり例え接合してもクラッド鋼としての十分な品質
が得られないので、1パス以上の圧下を加えることと限
定した。
また、圧下率は10%未満では溶融した中間媒接材の絞り
出しが不十分なため、10%以上で圧下することを限定し
た。
[作用] 以上示したとおり、圧延のパス間隔を適切に限定するこ
とで、界面の金属間化合物層の肥厚化を抑制し、しかも
噛み込み状の金属間化合物の生成を防止することに成功
した。この結果、チタンクラッド鋼の薄鋼板を通常の鋼
と同じ設備工程で製造することが可能となった。さら
に、連続熱間圧延機を用いてチタンクラッド鋼の薄鋼帯
を史上初めて製造することも可能となった。
本発明によるチタンクラッド鋼は、界面の金属間化合物
層が薄くしかも噛み込み状の金属間化合物がないため
に、界面の接合性をはじめ、クラッド薄鋼板としての品
質の劣化は認められなかった。また、薄鋼板としての加
工性(曲げ性)は、ほぼ溶融亜鉛めっき材並みの特性を
有していた。
[実 施 例] (1)合せ材としての4.0mm厚のJIS 2種の純チタン板
を、母材として0.07%のCおよび0.05%のTiを含有する
25mm厚の炭素鋼の鋳片をサンドイッチ状に重ね、さらに
チタンの上からAl2O3系分離材を介して同じ組合せのチ
タンおよび炭素鋼を重ね、端面および側面に2.0mm厚の
母材と同じ成分組成の鋼板を当て内部を真空にして端面
および側面を溶接し固定した。この素材の表面は、Hmax
で5μm以下に機械仕上げしてから組み立てた。その
後、900℃に加熱して850℃以上で2パス、750℃までに
4パス、さらに700℃までに4パス板厚4mmまで圧延し、
610〜630℃で熱延板とした。その後冷却し、Al2O3系分
離材の部分で上下に剥離し2mmの熱延板とした。この
際、3パス目までの2回のパス間の内最長保定時間およ
び3から6パス目までの3回のパス間の内最長保定時間
と、圧延後のチタンクラッド薄鋼板界面の観察から判定
した噛み込み状の金属間化合物の有無との関係を第1表
の実施例No.1、2および比較例No.3、4に示した。パス
間保定時間が、いずれも30秒以内であると噛み込み状の
金属間化合物が光学顕微鏡では観察できず、シャー切断
したところ破断面には剥離開孔が見られなかった。しか
し、パス間保定時間が1回でも30秒を超えると、噛み込
み状の金属間化合物が光学顕微鏡で観察可能なレベルま
で厚くなり、シャー切断で破断面の一部に剥離開孔を生
じた。
(2)次に、合せ材としての4.0mm厚のJIS 2種の純チタ
ン板を、中間媒接材として99.9%以上の純度を持つ0.2m
m厚の純鉄板を、母材として0.14%のCを含有する25mm
厚の炭素鋼の鋳片をサンドイッチ状に重ね、さらにチタ
ンの上からAl2O3系分離材を介して同じ組合せのチタン
および炭素鋼を重ね、端面および側面に2.0mm厚の母材
と同じ成分組成の鋼板を当て内部を真空にして端面およ
び側面を溶接し固定した。この素材の表面は、Hmaxで5
μm以下に機械仕上げしてから組み立てた。その後、90
0℃に加熱して850℃以上で2パス、750℃までに4パ
ス、さらに700℃までに4パス板厚4mmまで圧延し、610
〜630℃で熱延板とした。その後冷却し、Al2O3系分離材
の部分で上下に剥離し2mmの熱延板とした。この際、3
パス目までの2回のパス間の内最長保定時間および3か
ら6パス目までの3回のパス間の内最長保定時間と、圧
延後のチタンクラッド薄鋼板界面の観察から判定した噛
み込み状の金属間化合物の有無との関係を第1表の実施
例No.5、6およひ比較例No.7、8に示した。パス間保定
時間が、いずれも30秒以内であると噛み込み状の金属間
化合物が光学顕微鏡では観察できず、シャー切断したと
ころ破断面には剥離開孔が見られなかった。しかし、パ
ス間保定時間が1回でも30秒を超えると、噛み込み状の
金属間化合物が光学顕微鏡で観察可能なレベルまで厚く
なり、シャー切断で破断面の一部に剥離開孔を生じた。
(3)次に、合せ材としての4.0mm厚のJIS 1種の純チタ
ン板を、中間媒接材として99.9%以上の純度を持つ1.0m
m厚の銅板を、母材として0.12%のCを含有する50mm厚
の炭素鋼の鋳片をサンドイッチ状に重ね、さらにチタン
の上からAl2O3系分離材を介して同じ組合せのチタン、
銅および炭素鋼を重ね、端面および側面に2.0mm厚の母
材と同じ成分組成を鋼板を当て端面および側面を空気抜
きの穴を数箇所残して溶接し固定した。これらの素材の
表面は、Hmaxで5μm以下に機械仕上げしてから組み立
てた。その後、910℃に加熱して850℃以上で3パス(平
均圧下率15%)、750℃までに8パス、さらに700℃まで
に5パス板厚4mmまで圧延し、610〜630℃で熱延コイル
として巻取った。この際、9パス目までは1台の粗圧延
機を用いてリバース圧延を行ない、10パス目以降は1台
の中間圧延機および6台の仕上圧延機で連続して圧下し
た。その後冷却し、Al2O3系分離材の部分で上下に剥離
し2mmの熱延コイルとした。この際、4パス目までの3
回のパス間の内最長保定時間および4から11パス目まで
の7回のパス間の内最長保定時間と、圧延後のチタンク
ラッド薄鋼板界面の観察から判定した噛み込み状の金属
間化合物の有無との関係を第1表の実施例No.9、10およ
び比較例No.11、12に示した。パス間保定時間が、いず
れも30秒以内であると噛み込み状の金属間化合物が光学
顕微鏡では観察できず、シャー切断したところ破断面に
は剥離開孔が見られなかった。しかし、パス間保定時間
が1回でも30秒を超えると、噛み込み状の金属間化合物
が光学顕微鏡で観察可能なレベルまで厚くなり、シャー
切断で破断面の一部に剥離開孔を生じた。
[発明の効果] 本発明により、特殊な工程や設備が必要とせず通常の鋼
製造設備や工程をそのまま利用してチタンクラッド薄鋼
板および鋼帯を量産することが可能となった。この結
果、チタンクラッド薄鋼板の工業的に実用可能となり、
しかもコスト的には従来の厚板から予想される価格より
もはるかに安価になるので、チタンの優れた耐食性を低
コストで享受することができ、資源的経済的な利益は大
きいものである。また、本発明により量産されるチタン
クラッド薄鋼板および鋼帯は、従来の厚板と異なりTi厚
さが薄いために、使用時の注意や取扱要領がクラッド材
と認識するよりめっき材料と考えた方が適切となるた
め、従来の特殊な用途や苛酷な腐食環境以外にも多くの
分野で使用可能となる。この結果、種々の工業設計にお
いて、材料選択の幅を拡大せしめることで、設計基準が
容易になるなど、工業的社会的利益は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、チタンクラッド鋼界面の金属間化合物層の厚
さに及ぼす熱延パス間時間の影響を示した図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】母材が鋼、合せ材がチタンまたはチタン合
    金であるチタンクラッド組立スラブを、複数回の圧下に
    よって熱間圧延鋼板を製造する工程において、750℃以
    上の圧延における圧下パス間隔を30秒以内とするチタン
    クラッド鋼板の熱間圧延方法。
  2. 【請求項2】母材が鋼、合せ材がチタンまたはチタン合
    金で、母材と合せ材の間に接合のための中間媒接材を挟
    んだチタンクラッド組立スラブを、複数回の圧下によっ
    て熱間圧延鋼板を製造する工程において、750℃以上の
    圧延における圧下パス間隔を30秒以内とするチタンクラ
    ッド鋼板の熱間圧延方法。
  3. 【請求項3】母材が鋼、合せ材がチタンまたチタン合金
    で、母材と合せ材の間に接合のための中間媒接材として
    銅または銅を30%以上含有する銅合金を挟んだチタンク
    ラッド組立スラブを、複数回の圧下によって熱間圧延鋼
    板を製造する工程において、850℃超1000℃以下の温度
    で、10%以上の圧下率で少なくとも1パス圧下して、溶
    融したチタンと銅の金属間化合物ないし合金層を押出
    し、かつ750℃以上の圧延における圧下パス間隔を30秒
    以内とするチタンクラッド鋼板の熱間圧延方法。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3において、複数回の
    圧下を1台ないし複数台の粗圧延機および複数台の仕上
    げ圧延機からなる連続熱間圧延機で行なうチタンクラッ
    ド鋼板の熱間圧延方法。
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