JPS63149320A - 低温靭性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法 - Google Patents
低温靭性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法Info
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- JPS63149320A JPS63149320A JP29455386A JP29455386A JPS63149320A JP S63149320 A JPS63149320 A JP S63149320A JP 29455386 A JP29455386 A JP 29455386A JP 29455386 A JP29455386 A JP 29455386A JP S63149320 A JPS63149320 A JP S63149320A
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Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
この発明は低温靭性の優れたマルテンサイト系ステンレ
ス鋼管の製造方法に関する。
ス鋼管の製造方法に関する。
(従来の技術及び問題点)
従来、石油および天然ガス井用の鋼管としては、一般に
炭素鋼、低合金鋼が用いられているが、近年H2S+C
O2など腐食性の強い成分を含む石油および天然がス井
の開発も盛んに行なわれるようになるに至り、耐食性の
優れた高合金油井管の必要性が大幅に高まって@た。マ
ルテンサイト系ステンレス鋼はH2Sに対しては十分で
ないものの002腐食に対しては優れた耐食性を有する
ので、高合金油井管としては比較的早くから用いられる
ようになり、現在も多くの井戸で使用実績を蓄積しつつ
ある。
炭素鋼、低合金鋼が用いられているが、近年H2S+C
O2など腐食性の強い成分を含む石油および天然がス井
の開発も盛んに行なわれるようになるに至り、耐食性の
優れた高合金油井管の必要性が大幅に高まって@た。マ
ルテンサイト系ステンレス鋼はH2Sに対しては十分で
ないものの002腐食に対しては優れた耐食性を有する
ので、高合金油井管としては比較的早くから用いられる
ようになり、現在も多くの井戸で使用実績を蓄積しつつ
ある。
ところで石油や天然ガスは、一方で水海地区など寒冷地
区での開発も盛んになりつつあるので、耐食性に特徴の
ある高合金鋼油井管も低温靭性保証が付は加えられるケ
ースが多くなっておシ、特開昭58−147545号公
報、特開昭59−173245号公報など多くのマルテ
ンサイト系ステンレス鋼管がある。中でもマルテンサイ
ト系の代表鋼種はAl5I 420の13 Cr鋼であ
るが、この鋼は高強度の確保が容易に可能な利点をもつ
反面、成分や製造プロセス条件によって低温靭性が変動
する欠点を有する。
区での開発も盛んになりつつあるので、耐食性に特徴の
ある高合金鋼油井管も低温靭性保証が付は加えられるケ
ースが多くなっておシ、特開昭58−147545号公
報、特開昭59−173245号公報など多くのマルテ
ンサイト系ステンレス鋼管がある。中でもマルテンサイ
ト系の代表鋼種はAl5I 420の13 Cr鋼であ
るが、この鋼は高強度の確保が容易に可能な利点をもつ
反面、成分や製造プロセス条件によって低温靭性が変動
する欠点を有する。
そこで本発明者らは寒冷地におけるCO2腐食に耐えら
れる13Crを中心とするマルテンサイト系ステンレス
鋼油井管の安定した農遣方法確立を目的として成分およ
び製造プロセス条件について詳細な検討を行った。
れる13Crを中心とするマルテンサイト系ステンレス
鋼油井管の安定した農遣方法確立を目的として成分およ
び製造プロセス条件について詳細な検討を行った。
(問題を解決するための手段)
本発明は上述の目的を達する製造方法でありその要旨と
するところは、 C,、q = Cr +Mo +281 −Mn −2
Ni −15N −30G (1)ΔN=N−o、
52ht (2)である。
するところは、 C,、q = Cr +Mo +281 −Mn −2
Ni −15N −30G (1)ΔN=N−o、
52ht (2)である。
即ち本発明者らは永年の研究によシ、鋼自身の化学成分
および熱処理方法を特定の範囲内に規定することによっ
て鋼組織を良好な状態に安定して造りこむ技術を確立し
て本発明を完成し九ものである。以下本発明の技術的な
狙いと請求範囲の限定理由について順を追って説明する
。
および熱処理方法を特定の範囲内に規定することによっ
て鋼組織を良好な状態に安定して造りこむ技術を確立し
て本発明を完成し九ものである。以下本発明の技術的な
狙いと請求範囲の限定理由について順を追って説明する
。
実験によってまずマルテンサイト系ステンレス鋼で優れ
た低温靭性を確保するには2つの重要なポイントがある
ことがわかった。第一に。
た低温靭性を確保するには2つの重要なポイントがある
ことがわかった。第一に。
焼入れ処理においてマルテンサイト単一の均一かつ微細
組織にすることが必要である。ところがマルテンサイト
系ステンレス鋼では、圧延中もしくは焼入れ処理のため
の加熱中にδ−フェライトを生成する傾向があう、結果
としてマルテンサイトとδ−フェライトの混合組織にな
ることが少なくない。
組織にすることが必要である。ところがマルテンサイト
系ステンレス鋼では、圧延中もしくは焼入れ処理のため
の加熱中にδ−フェライトを生成する傾向があう、結果
としてマルテンサイトとδ−フェライトの混合組織にな
ることが少なくない。
δ−フェライトは、圧延中に存在すると、周辺のオース
テナイト相との変形能の違いによって與管疵が生じやす
くなる。また圧延時に存在したδ−フェライトが圧延後
の焼入れ処理の加熱で消失せずに残るか、あるいはその
加熱中に新しく生成することによって焼入れ時にδ−フ
ェライトが存在している場合には、焼入れ組織がマルテ
ンサイトとδ−フェライトの混合組織となって、これが
焼戻し後の低温靭性確保に有害な作用を及ぼすものであ
る。
テナイト相との変形能の違いによって與管疵が生じやす
くなる。また圧延時に存在したδ−フェライトが圧延後
の焼入れ処理の加熱で消失せずに残るか、あるいはその
加熱中に新しく生成することによって焼入れ時にδ−フ
ェライトが存在している場合には、焼入れ組織がマルテ
ンサイトとδ−フェライトの混合組織となって、これが
焼戻し後の低温靭性確保に有害な作用を及ぼすものであ
る。
低温靭性を向上させる第二のポイントは、焼戻し過程に
おいて析出する炭化物、とくにM23C6の粗大化を防
止することである。マルテンサイト系ステンレス鋼の焼
戻し過程では、炭化物はまずM3Cの形で析出し、M7
C3を経てM2s e t、へ変化していく。最終段階
で形成されるM23C6の析出状態がオーステナイト粒
界への粗大粒子になると靭性は著しく劣下し、一方粒内
に均一に微細析出すれば優れた靭性の得られることが確
認された。
おいて析出する炭化物、とくにM23C6の粗大化を防
止することである。マルテンサイト系ステンレス鋼の焼
戻し過程では、炭化物はまずM3Cの形で析出し、M7
C3を経てM2s e t、へ変化していく。最終段階
で形成されるM23C6の析出状態がオーステナイト粒
界への粗大粒子になると靭性は著しく劣下し、一方粒内
に均一に微細析出すれば優れた靭性の得られることが確
認された。
以上の結果をまとめると、低温靭性の優れたマルテンサ
イト系ステンレス鋼をつくるためには、δ−フェライト
が混じらず、炭化物を微細析出させた均一な焼戻しマル
テンサイト組織を得ることが必要であるとの結論に達す
る。本発明者らは次にこれらの条件を安定して実現する
ための具体的な方法について詳細に調査を進めた結果、
鋼の成分と熱処理条件に対して以下の規制を行なうこと
を手段とす名低温靭性の優れたマルテンサイト系ステン
レス鋼管の與遣方法を確立するに至った。すなわち重量
割合でC:0.16〜0.22壬 Si:0.80係以
下Mn : 0.s 04以下 Cr : 12.0
〜14.O%At: 0.10係以下 Ni:0.1
0〜0.50係Cu:O,lO’1以下 Mo :
0.15 %以下を含み、残W Feおよびその他の不
可避的不純物から成り、かつ不純物としてのPおよびS
の含有量がそれぞれ P:0.020係以下 S:0.010係以下でかつ
、下記の(1)式で与えられるC4゜、が7.5係以下
ならびに(2)式で与えられるΔNが50 ppm以上
となる成分範囲の鋼を鋼管に製管後、950〜1050
℃の範囲内に加熱したのち空冷以上の冷却速度で焼入れ
、さらにAc1変態点以下の温度で焼戻しする低温靭性
の優れ之マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法で
ある。
イト系ステンレス鋼をつくるためには、δ−フェライト
が混じらず、炭化物を微細析出させた均一な焼戻しマル
テンサイト組織を得ることが必要であるとの結論に達す
る。本発明者らは次にこれらの条件を安定して実現する
ための具体的な方法について詳細に調査を進めた結果、
鋼の成分と熱処理条件に対して以下の規制を行なうこと
を手段とす名低温靭性の優れたマルテンサイト系ステン
レス鋼管の與遣方法を確立するに至った。すなわち重量
割合でC:0.16〜0.22壬 Si:0.80係以
下Mn : 0.s 04以下 Cr : 12.0
〜14.O%At: 0.10係以下 Ni:0.1
0〜0.50係Cu:O,lO’1以下 Mo :
0.15 %以下を含み、残W Feおよびその他の不
可避的不純物から成り、かつ不純物としてのPおよびS
の含有量がそれぞれ P:0.020係以下 S:0.010係以下でかつ
、下記の(1)式で与えられるC4゜、が7.5係以下
ならびに(2)式で与えられるΔNが50 ppm以上
となる成分範囲の鋼を鋼管に製管後、950〜1050
℃の範囲内に加熱したのち空冷以上の冷却速度で焼入れ
、さらにAc1変態点以下の温度で焼戻しする低温靭性
の優れ之マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法で
ある。
Cyeq==cr+Mo+2si Mn 2N1
15N 30C(1)ΔN=N −0,52At(2
) 以下各底分並びに熱処理条件についての限定理由を説明
する。
15N 30C(1)ΔN=N −0,52At(2
) 以下各底分並びに熱処理条件についての限定理由を説明
する。
(a)C:
Cは鋼の強度向上およびフェライトの生成防止に有効な
元素であるが、油井管として使用される場合に必要な強
度を得るためには、Cの下限を0.164とする必要が
あり、一方0.224を越えて含有させると溶体化時に
M23C6型の粗大炭化物の残存量が多くなり靭性とと
もに耐食性が劣下する。
元素であるが、油井管として使用される場合に必要な強
度を得るためには、Cの下限を0.164とする必要が
あり、一方0.224を越えて含有させると溶体化時に
M23C6型の粗大炭化物の残存量が多くなり靭性とと
もに耐食性が劣下する。
(b)st:
Siは強度上昇に有効々成分である。しかし0.81を
越えて含有させてもその効果は飽和してしまうため、上
限を0.81とする。
越えて含有させてもその効果は飽和してしまうため、上
限を0.81とする。
(c) Mn :
Mnはオーステナイト域をひろげ、また強度、靭性の向
上にも有効であるが、0.8係を越える範囲で添加して
もその効果は飽和状、態になる。
上にも有効であるが、0.8係を越える範囲で添加して
もその効果は飽和状、態になる。
(d)Cr:
CrはCO2腐食環境下で腐食速度を減少させるのに極
めて有効であるが、12%未満ではその効果が不充分に
々る。一方14係を越えるとフェライトが生成しやすく
なり靭性が劣下するとともに熱間加工性や耐ゴーリング
性にも悪影響を及ぼす。
めて有効であるが、12%未満ではその効果が不充分に
々る。一方14係を越えるとフェライトが生成しやすく
なり靭性が劣下するとともに熱間加工性や耐ゴーリング
性にも悪影響を及ぼす。
(e)At:
Atは脱酸剤として添加されるが、0.10%を越える
とその効果は飽和し、むしろ介在物の増大による疵が発
生しやすくなる。またNとの関係で低温靭性に大きく影
響しており望ましくは0.0304以下にする方が良い
。
とその効果は飽和し、むしろ介在物の増大による疵が発
生しやすくなる。またNとの関係で低温靭性に大きく影
響しており望ましくは0.0304以下にする方が良い
。
(r) Nl
N1はフェライト量を制御するのに最も有効な元素であ
るが、0.14未満ではその効果が十分でない。一方0
.5優を越えるとCO2腐食環境下でピンティングコロ
−ジョンが発生しやすくなる。
るが、0.14未満ではその効果が十分でない。一方0
.5優を越えるとCO2腐食環境下でピンティングコロ
−ジョンが発生しやすくなる。
(g) Cu + M。
これらの元素は、一般的に鋼の耐食性を向上させる作用
を発揮するものであるが、高Cr鋼ではピッティングを
高めることがらCu含有量全0.10%以下1Mo含有
量を0.05%以下とそれぞれ定めた。゛ (h)p、s この発明の対象鋼では、靭性の向上、並びに良好な耐食
性を得るためにはPおよびSを可及的に少なくすること
が望ましいけれども、梨鋼上のコスト面を考慮してこれ
らの含有量の上限fzr、P : 0.025% 、
S : 0.01(lと定めた。
を発揮するものであるが、高Cr鋼ではピッティングを
高めることがらCu含有量全0.10%以下1Mo含有
量を0.05%以下とそれぞれ定めた。゛ (h)p、s この発明の対象鋼では、靭性の向上、並びに良好な耐食
性を得るためにはPおよびSを可及的に少なくすること
が望ましいけれども、梨鋼上のコスト面を考慮してこれ
らの含有量の上限fzr、P : 0.025% 、
S : 0.01(lと定めた。
(1) (1)式
δ−フェライトの生成防止の念めにN1が有効であるこ
とは既にのべた。しかしδ−フェライトの生成を防止す
るためには当然N1以外の元素の影響も考慮すべき必要
がある。各成分元素のδ−フェライト生成傾向に対する
寄与率はCraqで表現されるから、本発明のδ−フェ
ライトを防止する成分限定もとのC2゜9によって行な
う方法を採用した。この場合C28,はδ−フェライト
の生成傾向を定性的に表現する指標にすぎないから、本
発明で問題とする焼入れ時の加熱温度950〜1050
℃の範囲内で、少なくとも靭性に悪影響を与えない程度
のδ−フェライト生成量以下に抑制する之めのCreq
として、許容できる範囲をいかに設定するかは極めて重
要なポイントであった。のちに実施例中で根拠の補足説
明を行なうがb creqを7.5係以下に限定したの
は、950〜1050℃加熱後空冷以上の冷却速度で焼
入れした場合に有害な量のδ−フェライトを生成させな
い限界値であることの確認に基づく。第1図は種々のマ
ルテンサイト系ステンレス鋼を950〜1050℃に溶
体化した時に発生するδ−フェライト量をC28,に対
して示したものである。併せてこれらを焼入した後、A
c1点以下の温度で降伏点が60 kg/wm2になる
様に焼戻した鋼の衝撃破面遷移温度を示しである。
とは既にのべた。しかしδ−フェライトの生成を防止す
るためには当然N1以外の元素の影響も考慮すべき必要
がある。各成分元素のδ−フェライト生成傾向に対する
寄与率はCraqで表現されるから、本発明のδ−フェ
ライトを防止する成分限定もとのC2゜9によって行な
う方法を採用した。この場合C28,はδ−フェライト
の生成傾向を定性的に表現する指標にすぎないから、本
発明で問題とする焼入れ時の加熱温度950〜1050
℃の範囲内で、少なくとも靭性に悪影響を与えない程度
のδ−フェライト生成量以下に抑制する之めのCreq
として、許容できる範囲をいかに設定するかは極めて重
要なポイントであった。のちに実施例中で根拠の補足説
明を行なうがb creqを7.5係以下に限定したの
は、950〜1050℃加熱後空冷以上の冷却速度で焼
入れした場合に有害な量のδ−フェライトを生成させな
い限界値であることの確認に基づく。第1図は種々のマ
ルテンサイト系ステンレス鋼を950〜1050℃に溶
体化した時に発生するδ−フェライト量をC28,に対
して示したものである。併せてこれらを焼入した後、A
c1点以下の温度で降伏点が60 kg/wm2になる
様に焼戻した鋼の衝撃破面遷移温度を示しである。
Creqが7.5係以上の範囲では、δ−フェライトが
生成しており、これに呼応する様に、衝撃破面遷移温度
が上昇し、低温靭性が劣下している。つまりc req
を7.5係以下に限定することにより950〜1050
℃の溶体化時に生じるδ−フェライトの量を極力最小の
量に抑制し、低温靭性を良好な状態に保つことができる
のである。
生成しており、これに呼応する様に、衝撃破面遷移温度
が上昇し、低温靭性が劣下している。つまりc req
を7.5係以下に限定することにより950〜1050
℃の溶体化時に生じるδ−フェライトの量を極力最小の
量に抑制し、低温靭性を良好な状態に保つことができる
のである。
(j)(2)式:
先の靭性確保に対する第2のポイントとしてM23C6
の粗大化防止をあげたが、(2)式の規制はこれの具体
的な手段を与えるものである。すなわち本発明者らはマ
ルテンサイト系ステンレス鋼の焼戻し過程を詳細に調べ
、M23C6の析出成長挙動には、共存する固溶Nの量
が大きな影響を与えることを確認した。すなわち溶体化
時に固溶していたNは焼戻しの初期段階で (Fs−Cr)5CとともにCr 2Nの形で析出する
。焼戻しの進行とともに炭化物の形態はMC→M7 C
3→M23C6と変化するが、溶体化時に固溶Nが多い
場合はこの焼戻しの進行が大巾に抑制され、通常の焼戻
し温度・時間内ではM23C6は粗大化せずに微細分散
状態が維持されることおよびこのような効果をもたらす
固溶Nの世はs o ppm以上あれば良いことを見出
した。固溶NがM23”6の粗大化を抑制する機構につ
いては、M3Cと同じ時期に析出するCr2Nの形でC
rがいったん固定されることによって、M23C6中へ
のCr′の移行がさまたげられることによると思われる
。したがってCrよりNとの結合力の強いAtによりて
AtNの形で消費される分のNiは、この目的に対して
は無効となるので(2)式で算出した有効固溶N量を5
0 ppm以上とすることがM2S”6の粗大化防止に
必要な下限条件となるわけである。
の粗大化防止をあげたが、(2)式の規制はこれの具体
的な手段を与えるものである。すなわち本発明者らはマ
ルテンサイト系ステンレス鋼の焼戻し過程を詳細に調べ
、M23C6の析出成長挙動には、共存する固溶Nの量
が大きな影響を与えることを確認した。すなわち溶体化
時に固溶していたNは焼戻しの初期段階で (Fs−Cr)5CとともにCr 2Nの形で析出する
。焼戻しの進行とともに炭化物の形態はMC→M7 C
3→M23C6と変化するが、溶体化時に固溶Nが多い
場合はこの焼戻しの進行が大巾に抑制され、通常の焼戻
し温度・時間内ではM23C6は粗大化せずに微細分散
状態が維持されることおよびこのような効果をもたらす
固溶Nの世はs o ppm以上あれば良いことを見出
した。固溶NがM23”6の粗大化を抑制する機構につ
いては、M3Cと同じ時期に析出するCr2Nの形でC
rがいったん固定されることによって、M23C6中へ
のCr′の移行がさまたげられることによると思われる
。したがってCrよりNとの結合力の強いAtによりて
AtNの形で消費される分のNiは、この目的に対して
は無効となるので(2)式で算出した有効固溶N量を5
0 ppm以上とすることがM2S”6の粗大化防止に
必要な下限条件となるわけである。
(ト))焼入れ加熱温度(溶体化温度)焼入れの際の加
熱温度が950℃未満では、炭化物の固溶状態にばらつ
きが生じやすく、強度・靭性が安定しにくい。一方10
50℃を越えて加熱するとオーステナイト粒が粗大化し
てしまって靭性が劣下する。
熱温度が950℃未満では、炭化物の固溶状態にばらつ
きが生じやすく、強度・靭性が安定しにくい。一方10
50℃を越えて加熱するとオーステナイト粒が粗大化し
てしまって靭性が劣下する。
<1> 焼戻し温度
焼戻し温度がAc1点を越えると、靭性が大幅に劣下す
るために、該温度をAc1点以下と定めた。
るために、該温度をAc1点以下と定めた。
(実施例)
次いで本発明の第2のポイントである固溶窒素の低温靭
性に及ぼす影響を示す実施例を用いて具体的に説明する
。
性に及ぼす影響を示す実施例を用いて具体的に説明する
。
表1に示したような化学成分組成の鋼1〜5を20kl
?真空溶解炉で溶製し、鋼片にした後、厚さ10臨に板
圧延した。次いで980℃に焼入れ加熱、空冷した後、
降伏点が60 ’q/m2程度に焼戻す熱処理(温度7
10℃)を施してから、それぞれについて低温靭性を調
査した。
?真空溶解炉で溶製し、鋼片にした後、厚さ10臨に板
圧延した。次いで980℃に焼入れ加熱、空冷した後、
降伏点が60 ’q/m2程度に焼戻す熱処理(温度7
10℃)を施してから、それぞれについて低温靭性を調
査した。
表1に示される試験結果からも明白な様に。
本発明法によって得られた鋼材は、衝撃破面遷移温度が
一25℃以下と極めて優れている。
一25℃以下と極めて優れている。
これに対して番号3〜5によって得られた鋼材は固溶N
量が本発明条件の下限から外れて低いために、本発明の
方法によって得られた鋼材に比較して衝撃破面遷移温度
が高く低温靭性が劣下していることがわかる。この様子
をグラフにし念のが第2図である。
量が本発明条件の下限から外れて低いために、本発明の
方法によって得られた鋼材に比較して衝撃破面遷移温度
が高く低温靭性が劣下していることがわかる。この様子
をグラフにし念のが第2図である。
(発明の効果)
上述のように、本発明法によれば、耐炭酸ガス腐食性を
有しかつ低温靭性に優れたマルテンサイト系ステンレス
鋼管を安く製造することが可能となるのである。
有しかつ低温靭性に優れたマルテンサイト系ステンレス
鋼管を安く製造することが可能となるのである。
第1図はマルテンサイト系ステンレス鋼の成分と950
〜1050℃に溶体化時に発生するδ−フェライト量及
び衝撃破面遷移温度との関係を示した図、 第2図は固溶N、ΔNと衝撃破面遷移温度の関係を示す
図である。 代理人 谷 山 輝 雄、“、諌 ・i、’:’ f−ffl −゛−゛−: 本多小平
〜1050℃に溶体化時に発生するδ−フェライト量及
び衝撃破面遷移温度との関係を示した図、 第2図は固溶N、ΔNと衝撃破面遷移温度の関係を示す
図である。 代理人 谷 山 輝 雄、“、諌 ・i、’:’ f−ffl −゛−゛−: 本多小平
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 重量割合で C:0.16〜0.22% Si:0.80%以下 Mn:0.80%以下 Cr:12.0〜14.0% Al:0.10%以下 Ni:0.10〜0.50% Cu:0.10%以下 Mo:0.15%以下 を含み残部Feおよびその他の不可避的不純物からなり
、不純物としてのPおよびSの含有量がそれぞれ P:0.020%以下 S:0.010%以下 でかつ下記の(1)式で与えられるC_r_e_qが7
.5%以下ならびに(2)式で与えられるΔNが50p
pm以上を満足する成分範囲の鋼を鋼管に製管後950
〜1050℃の範囲内に加熱した後、空冷以上の冷却速
度で焼入れ、さらにAc_1変態点以下の温度で焼戻し
することを特徴とする低温靭性の優れたマルテンサイト
系ステンレス鋼管の製造方法 C_r_e_q=Cr+Mo+2Si−Mn−2Ni−
15N−30C(1) ΔN=N−0.52Al(2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29455386A JPS63149320A (ja) | 1986-12-10 | 1986-12-10 | 低温靭性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29455386A JPS63149320A (ja) | 1986-12-10 | 1986-12-10 | 低温靭性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63149320A true JPS63149320A (ja) | 1988-06-22 |
Family
ID=17809279
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29455386A Pending JPS63149320A (ja) | 1986-12-10 | 1986-12-10 | 低温靭性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63149320A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2643648A1 (fr) * | 1989-02-28 | 1990-08-31 | Mannesmann Ag | Procede pour realiser des oleoducs ou analogues sans soudure |
JPH08188827A (ja) * | 1995-01-09 | 1996-07-23 | Sumitomo Metal Ind Ltd | マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法 |
US6090230A (en) * | 1996-06-05 | 2000-07-18 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Method of cooling a steel pipe |
JP3700582B2 (ja) * | 1999-05-18 | 2005-09-28 | 住友金属工業株式会社 | 継目無鋼管用マルテンサイト系ステンレス鋼 |
CN103740913A (zh) * | 2014-01-10 | 2014-04-23 | 隆英(上海)企业有限公司 | 高温锻制马氏体不锈钢热处理方法 |
-
1986
- 1986-12-10 JP JP29455386A patent/JPS63149320A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2643648A1 (fr) * | 1989-02-28 | 1990-08-31 | Mannesmann Ag | Procede pour realiser des oleoducs ou analogues sans soudure |
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CN103740913A (zh) * | 2014-01-10 | 2014-04-23 | 隆英(上海)企业有限公司 | 高温锻制马氏体不锈钢热处理方法 |
CN103740913B (zh) * | 2014-01-10 | 2015-11-25 | 隆英(上海)企业有限公司 | 高温锻制马氏体不锈钢热处理方法 |
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