JPS62253720A - 硫化物応力割れ抵抗性に優れた低合金高張力油井用鋼の製造方法 - Google Patents

硫化物応力割れ抵抗性に優れた低合金高張力油井用鋼の製造方法

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JPS62253720A
JPS62253720A JP9647586A JP9647586A JPS62253720A JP S62253720 A JPS62253720 A JP S62253720A JP 9647586 A JP9647586 A JP 9647586A JP 9647586 A JP9647586 A JP 9647586A JP S62253720 A JPS62253720 A JP S62253720A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は降伏強度56Kf/−以上の高強度と優れた
硫化物応力割れ抵抗性(以下耐SSC性という)を兼ね
備え1%に油井やガス井で使用される鋼管、例えば掘削
用のドリルバイブや生産用のチュービングおよびケーシ
ング、さらには油井用のバルブ類、輸送管、貯蔵設備な
どに適した油井用鋼の製造に関するものである。
(従来の技術) 近年エネルギー事情の急迫に伴ない、硫化水素を含む原
油の掘削、輸送、貯蔵用に鉄鋼材料が使用に供せられる
場合が増えてきている。特に原油掘削用として用いられ
る油井管に使用される鋼は。
深井戸化の傾向に伴い厳しい腐食環境にさらされること
になり、高い降伏強度と優れた耐SSC性を兼ね備えた
鋼が必要とされている。まだ経済的な要求から、大部分
の要求に対しては低合金鋼で対処する必要がある。
(発明が解決しようとする問題点) 硫化水素による硫化物応力割れは、鋼材表面が腐食され
る際に発生する水素が、鋼材中に拡散することによって
引き起こされる水素脆化が原因とされている。低合金を
基本とする化学成分の鋼材において、鋼材強度が上昇す
るにつれて、との脆化感受性が高まるため、鋼材強度お
よび優れた耐SSC性を同時に具備させることは困難′
Cあった。
従来耐SSC特性に優れた鋼材の製造は、個々の合金元
素を規制することにより達成されてきた。
例えば特公昭56−33459号公報に示されている様
にMn量を低減することや、粒界脆化に有害とされるP
などの不純物を低減すること、又はM。
を多量に添加することが行なわれてきたが、これらは結
果として、使用できる合金成分範囲をいたずらに狭め、
また製造コストを上昇させていた。
また耐SSC特性は、材料強度が高まるにつれ劣下する
ため、比較的低強度の鋼を、高強度の鋼を製造できる化
学成分で製造することは、製造コストの大巾な上昇をま
ねくことがある。
しかし耐SSC特性に対する合金元素の役割は、本質的
に相互作用を持つものであり、相互作用を考えることK
より、又は強度に対応した合金元素の役割を考えること
により、耐SSC特性に優れた鋼の製造可能範囲が広が
り、より安価に耐SSC特性に優れた鋼材が製造できる
可能性を与えることができるのである。
(問題点を解決するだめの手段) 本発明者は、上述の観点から研究を行った結果、耐SS
C特性の低下は、割れが進展する経路が、旧オーステナ
イト粒の粒界を通ること(即わち粒界破面が現われるこ
と)を明らかにし、予め実験で求めた同一化学成分の鋼
で、粒界破面が現われ始めるある降伏強度(これをσC
と書く)以上で、又降伏強度がσC以下ではMn、P、
Mo  の影響がほとんど見られないことを明らかにし
た。
本発明はこのような知見に基づき、しかも十分な厚さの
鋼材を製造できることを考慮に入れ構成要件を決定した
ものである。
即わち重量%にて、C:O,lO〜0.35チ。
Si:0.35%以下、S:0.O05チ以下、Nb:
0.01〜0.10%、 Cr : 0.2〜1.5%
、N:o、 o o sチ以下、Ti:0.028−以
下で、かつ−0,005%≦Ti −3,4N≦0.0
1俤、 Ail : 0.01〜010%、B : 0
.0007〜0.0020チさらに、MO:0.1%以
上で、かつ下記の計算式で求められた降伏強度σC σc=−3,9(Mn+4.3P+17.0MnXP)
+5(Mo−0,1)+83.2が実際に求められる鋼
の降伏強度YSと較べて、YS≦σCとなるような組み
合わせで、Mn、P、M。
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼下の温
度で、オーステナイト化した後焼入れ処理を施して、9
0%以上のマルテンサイト組織とし、続いて560°C
以上Ac1点以下の温度で焼戻す硫化物応力割れ抵抗性
に優れた低合金高張力油井用鋼の製造法である。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明において鋼成分は、次のような理由からその含有
範囲を規定した。
C;低合金鋼材の強度を確保し、焼入性を増すために必
須な元素として、その含有量を01%以上とした。しか
し0.351%を超える多量な含有は。
焼入れ時に割れを生じることがあるため、0.35チを
上限とした。
Sl;  粒界強度を低下させる元素であるため少量化
することが望ましく、最大その含有量を0.35係とし
た。
S : 製鋼上完全に除去できない不純物で、多量に含
むとMnSを形成し、これが割れ起点となることがある
ので含有量の上限を0005%とした。
Nb : Nbは再加熱焼入れ鋼の粒度を細かくする効
果を有すが、o、o1%以下ではその効果は十分でなく
、多量に添加しても一層の細粒化効果を期待できないば
かりか、熱間加工時のキズを発生しやすくする恐れもあ
るので、含有量の上限を0.1チとした。
Cr ; Crは焼入性を高め、さらに添加したMOの
多くを固溶状態にしておく作用があるため、02チ以上
を添加する。Crは含有量が少ない時には゛、耐SSC
特性を低下させないが、多量に添加すると、明らかに耐
SSC特性を低下させるので上限を1.5%とした。
M;Mは製鋼工程で十分にキルド鋼とするために必要で
あり、o、 Ol 4以上含有させる。しかし多量の添
加は、アルミナ系の介在物を増し、割れ起点となるおそ
れもあるため、含有量の上限を0.1チとした。
BIBは焼入性を著しく向上させる元素であるが、o、
 o o O7%以下ではその効果は十分ではなく、多
量に添加してもその効果が飽和するのみならず、熱間加
工時の割れ、キズの発生が懸念されるため、上限をo、
 o O20%とした。まだBの含有はMn、Crの含
有量を低減させて、耐SSC性の低下傾向を抑制する作
用効果を奏する。
Ti : TiはNをTiNとして固定し、Bの焼入性
向上機能を維持し、B含有鋼の鋳造時の表面割れを抑制
する効果を有する。しかしT1の過剰添加は、粗大なT
iNの析出を助長し、耐SSC性を低下させるので、T
i −3,4Nとなる関係において、−0,005〜0
01%とし、且つ総Tl量の上限を0.02B%とした
Ni;N量は総Tl量を減少させる上で低い方が望まし
いが、製鋼上不可避的に含有されるため、上限をo、 
o o s%とじた。
耐SSC特性はMn、P 含有量を低下させ、MO含有
量を高めることで改善されるが、これについて実験的に
詳細に検討した結果、Mo含有量0.1%以上で、かつ
、σC=−3,9(Mn+ 4.3P+ 17.QMn
XP ) +s (MO−0,1) +83.2が、実
際−に求め−られる鋼の降伏強度YSと較べて、YS≦
σ。となるような組み合わせで、Mn 、 P 、 M
oを含有させれば粒界破面ば現われず、優れた耐SSC
特性を持たせることができることを明らかにした。
即ちYS≦σCとなる条件においては、どのような:M
m 、 P 、 Moの含有量であっても、はぼ等しい
耐SSc特性を有する鋼材を設計することが可能であっ
て、最も製造しやすい組み合わせ、低コストとなる組み
合わせを選択できる。この点が本発明の主眼点となるわ
けである。
これらの関係を図示すると、Mn、P、Mo量と粒界破
面の現われる強度の範囲は第1図の通りであり、また−
例として0.24 Mo  の時、降伏強度77Kf/
−以下τ、粒界割れの発生しないMnとPの許される含
有量は、第2図のハツチングの範囲である。
上述の化学成分を有する鋼を転炉、電気炉等で溶製し鋳
造、通常の熱間加工工程を経て希望の形状を得る。
次に細粒でかつ整粒の均質なマルテンサイトを得るため
に、オーステナイト死後焼入れを行う必要がある。その
ために十分な溶体化を行うため、Ac3点+20℃以上
の加熱温度とし、また1020℃以上では、Nbによる
結晶粒抑制効果が失われるため、加熱温度の上限を10
20°Cとした。
またこのような焼入処理によって得られた鋼の組織が、
マルテンサイト組織で、90条以上とした理由は次のよ
うな理由からである。
耐SSC性は組織的に不均質な部分が存在すると、応力
集中や部分的な降伏現象が起き劣化するため、焼入れ時
のマルテンサイト組織の割合が高い方が望ましい。さら
にマルテンサイト組織以外の部分には、一般に粗大な炭
化物が形成されており、割れ発生の起点になり易い。従
ってマルテンサイト組織の割合は、高い方が望ましいが
、低合金鋼で工業的に安定して得られる水準も考慮して
90%以上としだ。
さらに焼入れした鋼の耐SSC性を増し、希望の強度を
得るため焼戻しを行なう必要がある。焼戻し温度につい
ては、560°C以下では粒界へのPの偏析が著しく、
耐SSC性を低下させ、またAc、以上に加熱すると、
オーステナイト相が析出し冷却後フェライトに変態し、
不均一な組織になる為、耐SSC性に対し好ましくない
。従って焼戻し温度は、560℃〜Ac、点と定めた。
以上のような低合金鋼は、極めて優れた耐SSC特性を
有する。
(実施例) 表1に示された化学成分と、熱処理条件で本発明鋼1〜
B及び比較鋼9〜13をそれぞれ製造゛した。
耐SSC性の評価は、定荷重型の応力腐食割れ評価試験
機を用い、平行部の直径6Iの丸棒引張り試験片に、1
気圧の硫化水素を飽和した0、 5%C)T、C0OH
+ 5チN、(J水溶液中で、降伏強度の75俤の応力
を付加して、720 hr  での破断の有無で行った
第1表の耐SSC特性の欄において、パ○印のものは耐
SSC特性が優れているもの、X印は劣っているもので
あり、本発明による鋼は、極めて優れた耐SSC特性を
具備しており、本発明の範囲から外れると、特性が劣っ
たものになることが明らかである。
(発明の効果) 本発明によれば、油井用の鋼として求められる耐SSC
特性などに優れた鋼が得られ、工業的効果は犬である。
【図面の簡単な説明】
第1図はMn、P、Moの含有量と降伏強度との関係で
粒界破面生成範囲を示すグラフ、第2図はMnおよびP
 の含有量が優れた耐SSC特性が得られる許容範囲を
示すグラフである。 代理人 弁理士  茶野木 立 夫 第1図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 重量%で C:0.10〜0.35% Si:0.35%以下 S:0.005%以下 Nb:0.01〜0.10% Cr:0.2〜1.5% N:0.008%以下 Ti:0.028%以下でかつ−0.005%≦Ti−
    3.4N≦0.01% Al:0.01〜0.1% B:0.0007〜0.0020% さらにMo:0.1%以上で、かつ予め下記の計算で求
    められた降伏強度σ_c σ_c=−3.9(Mn+4.3P+17.0Mn×P
    )+5(Mo−0.1)+83.2 が実際に求められる鋼の降伏強度YSと較べて、Ys≦
    σ_cとなるような組み合わせで、Mn、P、Moを含
    有して残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼を、熱間加
    工後Ac_3点+20℃以上1020℃以下の温度で、
    オーステナイト化した後焼入れ処理を施して、90%以
    上のマルテンサイト組織とし、続いて560℃以上Ac
    _1点以下の温度で焼戻すことを特徴とする硫化物応力
    割れ抵抗性に優れた低合金高張力油井用鋼の製造法。
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