JPS6314650Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は金属製時計バンドの中留金具付き三つ
折れ金具に関し、より詳しくは金属製時計バンド
のスライド手段を有する中留金具付き三つ折れ金
具に関する。

従来から金属製時計バンドの止金具として着脱
容易なことから三つ折れ形式の種々のものが広く
使用されているが、これ等の場合バンドの長さの
調節は表金具に設けた係合孔とのバンド端部の軸
支を調節金具を使用してはずし別の係合孔へ軸支
変更することによりなされたり、またバンドが駒
組みにより形成されているものでは、駒数を上記
と同様に調節金具を使用して増減して調節されて
いる。したがつて長さの調節はいずれも道具を必
要とし、手間が繁雑であるという欠点があつた。

一方バンドの止金具として中留金具もまた広く
使用されている。即ち普通の中留金具としては二
つ折れ金具にヒツカケ金具を通し上蓋を喰いつか
せて固定するようにし、長さの調節は上記金具に
附設した調節金具によるようにしたもの、またス
ライド手段を有する中留金具としては、６時側バ
ンドについているスライドする金具に設けたピン
に、12時側のヒツカケ金具をかけて上蓋をするこ
とにより上蓋に設けた喰い付きで固定するように
したもの等である。しかしこれ等には着脱の操作
が面倒或いはバンドの長さの調節が容易でないと
いう面があつた。

さらに一方において三つ折れ止金具に中留部を
組込んだもの、或いはスライド手段を有する中留
金具と三つ折れ金具を組合せたものの提案もある
が、構造が複雑であつたり、デザイン的に問題が
あるという欠点があつた。

本考案は上記の点に鑑み中留金具と三つ折れ金
具を組合せたものであつて、中留金具にバンドス
ライド手段を有し、かつ係止機能に優れ、しかも
構造簡単で、バンド調節操作及び着脱簡単な金属
製時計バンドの中留金具付き三つ折れ金具を提供
するものであつて、本考案の要旨とするところ
は、表金具、従片中間片、中留金具を枢軸にて連
結してなる金属時計バンドのバンドスライド手段
を有する中留金具付き三つ折れ金具において、底
板の両側に上向きの側壁に設けて表金具に係合す
るよう形成してなる中留金具のバンド方向の一方
側側壁に、中間片の端部を折曲し、折曲最深部よ
り折曲端部方向へずれた位置に枢着軸を形成して
枢着し、中間片をバンド側へ回動したとき中間片
端部にバンド側への偏心面を形成するようにし、
他方側の側壁を内方向へ張り出して中間片と係合
するように係合部を形成し、さらに中留金具の底
板に対し平行に位置すること可能に平板状のバン
ド押え板を、前記他方側の側壁に設けた遊嵌口に
押え板に設けた突起を介して取着け、一方におい
て底板には突起を形成し、前記底板及び押え板間
にバンドを挿入し、前記中間片をバンド側へ回動
して前記偏心面で押え板を介してバンドを押圧係
止するように形成したことを特徴とする金属製時
計バンドの中留金具付き三折れ金具にある。

以下図面に示す実施例に基いて本考案を詳述す
るが、本考案は実施例に限定されるものでないこ
とはいうまでもない。

第１図は本考案に係る金属製時計バンドの中留
金具付き三つ折れ金具の斜視図。第２図は同中留
金具部の側面図でその構造及び機能を説明するも
のである。

第１図及びまたは第２図において、本考案に係
る金具は表金具１、従片２、中間片３、中留金具
４を、それぞれ枢軸５，６，７で連結することに
より構成され、かつ従片２は鞘片２ａと摺動片２
ｂとの２枚よりなり、摺動片２ｂは鞘片２ａ内を
その長手方向に摺動可能に形成されている。一方
中留金具４の両側には上向きの側壁８が形成され
表金具１と嵌合するように形成されている。また
中間片３はその端部が折曲されて折曲部９が形成
され、折曲部９の最深部９ａから端部９ｂ方向へ
ずれた位置に前記枢軸７が形成されて側壁８のバ
ンド方向の一方側に枢着されている。したがつて
中間片３には最深部９ａ側に偏心面９ｅが形成さ
れ、中間片３を枢軸７を中心にバンド側（図で矢
印方向へ）へ回動させると枢軸７を中心に偏心回
動し、後述するようにバンドを押え板を介して弾
性的に押圧することができる。尚折曲部９の端部
９ｂはさらに延伸して屈曲されて突片部９ｄが設
けられ、表金具１を中留金具４に嵌着係合したと
き、表金具１の枢軸５に係合するようになされて
いる。また側壁８のバンド方向の他方側壁はその
上方部において内方向へ張り出し折曲され、折曲
部１０が設けられ、中間片３を該位置で係止する
ようなされている。

さらに側壁８の他方側の側壁には、底板１１に
対し平行に位置することが出来る平板状のバンド
押え板１２が、該板の両側に設けた突起１３を、
前記側壁に設けた遊嵌口１４に遊嵌することによ
り取付けられている。さらに底板１１の両側に近
くかつ側壁方向に対し垂直の位置に複数の突起１
５が設けられている。

本考案に係る中留金具４は以上のように構成さ
れているが、各部材の位置関係及びその機能につ
いて以下に説明する。

バンド押え板１２と底板１１との間に、駒組み
により形成された金属バンド１６がスライドして
挿入され、該バンド１６はバンド長さの所望調節
位置で、かつバンド裏面に形成されている凹部の
位置に、突起１５が合わされて係止され、ついで
中間片３はバンド側（図で矢印方向）へ回動さ
れ、折曲部１０に係止するが、その際偏心面９ｅ
は平板状のバンド押え板１２を押圧し、押え板１
２はその平板部全体によりバンド表面に密接した
状態即ち摩擦力が強化されたかたちでバンド１６
を中留金具４の底板１１方向へ押圧し、底板１１
上の突起１５と相俟つてバンド１６を中留金具４
上にずれないように確実に固定係止する。この場
合、係止固定は中間片３をバンド側へ手で回動す
るだけで良く、何等の道具を必要としない。尚前
述した各部材即ち枢軸７、折曲部１０、中間片３
及びその偏心面９ｅ等の取付け位置及び関係は上
記の機能を発現し得るようになされていることは
いうまでもない。また腕にバンドを取付けるとき
には前述したようにして所望の位置にバンドを調
節固定した後、従片２及び表金具１を折り畳んで
表金具を係止部９ｄに係合することにより装着す
ることができ、取りはずすときには係止部９ｄと
表金具１との係合をはずし、従片２及び表金具１
とを引き起すだけではずすことが可能であり、通
常は中間片３と折曲部１０との係合は、はずす必
要がない。さらにまた金属バンドは通常駒組み或
いは網目に組んで形成されているのでその裏面に
は前記突起１５とはまり合うような多数の溝また
は凹孔等の凹部が必然的に形成されている。した
がつて本考案に係る構造の金具は金属バンドの大
部分のものに対し、即ち汎用的に使用し得るもの
である。

以上の次第で本考案によるときは、簡単な構造
で広い範囲の金属バンドに適用することができ、
しかもバンド長さの調節は道具を用いずに簡単な
操作で行うことができ、係止固定機能に優れた着
脱容易な金属製時計バンドの中留金具付き三つ折
れ金具を提供することができる。

特にバンドの長さを調節しながら、ないしは調
節と同時に腕に装着できる点は本考案の優れた特
徴である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る金属製時計バンドの中留
金具付き三つ折れ金具の斜視図。第２図は同中留
金具部の側面図である。 符号の説明、１……表金具、２……従片、３…
…中間片、４……中留金具、５，６，７……枢
軸、８……側壁、９……折曲部、１０……折曲
部、１１……底板、１２……バンド押え板、１３
……突起、１４……遊嵌口、１５……突起、１６
……バンド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 表金具、従片、中間片、中留金具を枢軸にて
   連結してなる金属時計バンドのバンドスライド
   手段を有する中留金具付き三つ折れ金具におい
   て、底板の両側に上向きの側壁に設けて表金具
   に係合するよう形成してなる中留金具のバンド
   方向の一方側側壁に、中間片の端部を折曲し、
   折曲最深部より折曲端部方向へずれた位置に枢
   着軸を形成して枢着し、中間片をバンド側へ回
   動したとき中間片端部にバンド側への偏心面を
   形成するようにし、他方側の側壁を内方向へ張
   り出して中間片と係合するように係合部を形成
   し、さらに中留金具の底板に対し平行に位置す
   ること可能に平板状のバンド押え板を、前記他
   方側の側壁に設けた遊嵌口に押え板に設けた突
   起を介して取着け、一方において底板には突起
   を形成し、前記底板及び押え板間にバンドを挿
   入し、前記中間片をバンド側へ回動して前記偏
   心面で押え板を介してバンドを押圧係止するよ
   うに形成したことを特徴とする金属製時計バン
   ドの中留金具付き三折れ金具。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項に記載の三折
   れ金具において、折曲端部を延伸して突片を形
   成し、表金具と従片との連結枢軸に係合するよ
   うになしたことを特徴とする金属製時計バンド
   の中留金具付き三つ折れ金具。 (3) 実用新案登録請求の範囲第１項に記載の三折
   れ金具において従片が鞘片と摺動片との２枚構
   成であることを特徴とする金属製時計バンドの
   中留金具付き三つ折れ金具。