JPS6314620Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、大小径木にかかわらず、常に好適
な枝打ができる枝打機におけるチエンソー平行移
動構造に関するものである。

すなわち、木の幹１の外周に接当する駆動輪２
……（この実施例では上段左側を遊動輪４として
いる）を装着した弓状の主フレーム３と、同じく
遊動輪４……を装着した副フレーム５を連結支点
６で枢着するとともに、連結支点６と反対側にお
いてスプリング７等で両フレーム３，５を引張り
合うよう構成し、一方エンジン８の動力はミツシ
ヨンケース９内において適宜変速され、主フレー
ム３側に固設された駆動輪２……と遊動輪４間に
上向して装備されたチエンソー１０に伝達される
他、前記駆動輪２……にも伝達され、幹１に対し
て螺旋状に登るとともに、チエンソー１０で途中
の枝１１を切断するのである。さらに、ミツシヨ
ンケース９はエンジン８、チエンソー１０と一体
的に揺動支点０を中心に揺動自在に構成され、か
つこの揺動支点０はミツシヨンケース９等の重心
より進行方向前側に設定してあるので、上行の
際、チエンソー１０はその慣性力、伝動反力によ
つて幹１側にスイングして吸い寄せられ、チエン
ソー１０を案内している偏平な板状のチエンソー
バー１２に装設された当て１３によつて幹１との
間の間隔が決められ、切断すべき枝１１の突出量
を一定に保つのであり、下行の際は同じくその慣
性力によつてチエンソー１０は幹１から離反する
のである。

なお、この枝打機は、一定距離登ると上下行切
換機構１４が働き、上下行切換レバー１５を自動
的に切換え、今度は駆動輪２……を逆転させ、同
じく螺旋状に舞い降りるのである。

ところで、このように揺動支点０を中心にして
ミツシヨンケース９が揺動すると、このミツシヨ
ンケース９に固設されているチエンソーバー１２
も同様に、このチエーンソバー１２に膨出状に設
けられた当て１３が、幹１に接当状態となるまで
スイングすることとなり、このチエンソーバー１
２に案内されるチエンソー１０もこれに伴つて同
じくスイングすることから、チエンソー１０の前
縁側切断刃先１０ａが幹１径によつては大きく離
れ、しかもこの状態でチエンソー１０は幹１の周
囲に沿つて進行しているので枝１１が幹１に沿つ
て低く切断されなくなり良好な枝打ができなくな
る等の不具合があつた。

そこでこの考案は、平行リンク機構によつて、
チエンソーを、木の幹の縦断面、またはチエンソ
ー両側に配置される左右の駆動輪の中心を結ぶ線
に対して平行移動させ、幹に対するチエンソーの
切断角度を常に一定にすることで、前記欠点に対
処したものである。

以下、この考案の具体的な実施例を図面を参照
して説明する。

第３図はこの考案を実施した自昇型枝打機を示
す一部破断正面図、第４図は第３図のＡ−Ａ線に
おける断面図であるが、従来のミツシヨンケース
９を駆動輪２……の駆動輪取付ケース２ａに対し
て回動自在な走行用回動ミツシヨンケース１６
と、チエンソー駆動用伝達ケース１７に分割し、
前者１６に対して後者１７を回動自在に構成す
る。エンジン８の動力は、この出力軸８ａを走行
用回動ミツシヨンケース１６内に嵌挿し、このミ
ツシヨンケース１６内で適宜変速して前記駆動輪
２……に伝達し、これを駆動する一方、走行用回
動ミツシヨンケース１６内の前記出力軸８ａとチ
エンソー駆動用伝達ケース１７の入力軸１７ａを
一対のベベルギヤ１８ａ，１８ｂを介してこの入
力軸１７ａへ入力し、チエンソー１０に伝達され
るよう構成されている。

次に駆動輪取付ケース２ａとチエンソー駆動用
伝達ケース１７間に２本のリンク２０，２１から
なる平行リンク機構１９が設けられている。

平行リンク機構１９を構成する一つのリンク２
０の一端は、走行用回動ミツシヨンケース１６の
回動中心である駆動輪取付ケース２ａに同芯状に
回動自在に取付け、他端はチエンソー駆動用伝達
ケース１７に対して、同様に回動自在に取付け
る。

また、他のリンク２１は駆動輪取付ケース２ａ
のリンク取付突出部２ｃとチエンソー駆動用伝達
ケース１７のリンク取付突出部１７ｂ間にそれぞ
れ軸着されている。

このような構成になるので、木の幹径が変化し
た場合、この考案は以下のように作用することと
なる。

木の幹径が変化したとき、チエンソー１０が、
これに対応するために、揺動支点を中心としてス
イングすることは前述のとうりであり、この考案
では、このスイングに伴ない以下のように作動す
る。

すなわち、第４図にはその一例を示すもので、
この図において、幹径の変化があつても揺動支点
付近に位置するためスイングの影響が少なく、チ
エンソー駆動用伝達ケース１７側に比べ、相対的
に、その位置が固定状態に維持されるところの、
駆動輪取付ケース２ａと、これから突出形成され
たリンク取付突出部２ｃ（正確には駆動輪の垂直
駆動軸２ｂと、リンク２１と突出部２ｃとが連結
される回動支点とを結ぶ軸線）とを固定軸線とし
てチエンソー駆動用伝達ケース１７側が主として
スイングすることとなる。

ところで、チエンソー駆動用伝達ケース１７、
および、これから突出形成されたリンク取付突出
部１７ｂの動きは、前記のようにリンク２０、お
よびリンク２１によつて規制されており、これら
の各リンク２０，２１は相互に平行運動のみ可能
なリンク機構を構成している。

そして、前記のように駆動輪取付ケース２ａ側
は、チエンソー駆動用伝達ケース１７側に比べ相
対的に固定状態にあるものであるから、前記リン
ク２０，２１の平行移動に伴ない、チエンソー駆
動用伝達ケース１７および、これに突出形成され
たリンク取付突出部１７ｂは、駆動輪取付ケース
２ａ側を回動支点として、それぞれの軸線を相互
に平行状態に維持しながらスイングすることとな
る。

このため、第４図に示すように、チエンソー駆
動用伝達ケース１７側が、実線位置から二点鎖線
位置に移動したとき、チエンソー駆動用伝達ケー
ス側に付設されたチエンソー１０も、傾斜するこ
となく平行移動することが可能となるのである。

この考案は以上の構成からなり、また作用をす
るので、異なる径木および同一径木の幹１が径変
化してもチエンソー１０の幹１に対する切断角度
は常に一定になり、この前縁側切断刃先１０ａは
常に好適な切断位置を確保でき、従来のように幹
１径変化により切断角度が変化したり前縁側刃先
１０ａが大きく離れたり、極度に接近したりする
ことがなくなり、許容幹１径の範囲を拡大できる
他、常に幹１に沿つて枝１１を低く切断できるの
で、後の皮巻きが良好であつて、木の品質を向上
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は自昇型枝打機の正面図、平面
図、第３図はこの考案を実施した自昇型枝打機を
示す一部破断正面図、第４図は第３図のＡ−Ａ線
における断面図である。 符号、１……幹、２……駆動輪、２ａ……駆動
輪取付ケース、４……遊動輪、１０……チエンソ
ー、１１……枝、１６……走行用回動ミツシヨン
ケース、１７……チエンソー駆動用伝達ケース、
１９……平行リンク機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動輪２……および遊動輪４……によつて木の
   幹１を周囲から抱持し、前記駆動輪２……を駆動
   して前記幹１を登る一方、上方へ起立して装備し
   たチエンソー１０を前記幹１に対して螺旋状に回
   動させ、途中の枝１１を切断する自昇型の枝打機
   におけるチエンソー平行移動構造において、駆動
   輪取付ケース２ａおよびチエンソー駆動用伝達ケ
   ース１７を走行用回動ミツシヨンケース１６に対
   して回動自在に装着するとともに、これら駆動輪
   取付ケース２ａおよびチエンソー駆動用伝達ケー
   ス１７間を一つのリンク２０で、また、駆動輪取
   付ケース２ａに突出形成されたリンク取付突出部
   ２ｃと、チエンソー駆動用伝達ケース１７から突
   出形成されたリンク取付突出部１７ｂ間を他のリ
   ンク２１で、これら両リンク２０，２１がそれぞ
   れ平行運動可能な平行リンク機構１９となるよう
   に連結構成されたことを特徴とする自昇型の枝打
   機におけるチエンソー平行移動構造。