JPS63143239A

JPS63143239A - 耐食、耐摩軸受用鋼

Info

Publication number: JPS63143239A
Application number: JP28992886A
Authority: JP
Inventors: Toshio Okuno; 奥野　利夫; Atsushi Kumagai; 敦熊谷
Original assignee: Hitachi Metals Ltd
Current assignee: Proterial Ltd
Priority date: 1986-12-05
Filing date: 1986-12-05
Publication date: 1988-06-15

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は軸受として使用した場合のノイズ（騒音）がと
くに低く、かつ適度の耐食、耐摩耗性を備え、かつ被切
削性、被研削性がすぐれた新しい耐食、耐摩軸受用鋼に
関するものである。

〔従来の技術〕

従来、耐食、耐摩耗性が要求される軸受用途に、ＩＣ−
１７Ｃｒ系の５ＵＳ４４０Ｃや中Ｃ−１７Ｃｒ系鋼が使
用されているが、Ｃｒ系の巨大炭化物や凝固時の偏析に
もとすく縞状偏析が生成し、これが使用時のノイズの発
生をまねき、また被切削性や熱処理後の被研削性の低下
をまねくなどの問題があった。

一方ＩＣ−低Ｃｒ系の軸受鋼５ＵＪ−２，３はノイズの
発生は相対的に低いが、耐食性が劣り、発錆をまねきや
すく、また焼入性が小さい点に問題があった。

本発明は使用した場合のノイズがとくに低く、適度の耐
食、耐摩耗性を備え、かつ焼入性が大きく、被切削性、
被研削性にもすぐれた軸受用合金の提要を目的とするも
のである。

〔問題点を解決するための手段〕

すなわち、本願発明鋼は中Ｃ−５ｔ−ＭｎＣ−５ｔ−〜
ＱＣｒ系組成をベースとし、用途、要求条件に応じてＭ
ｏ。

Ｗ、　Ｖ、　Ｃｕ＋　Ｃｏ等を単独あるいは複合で添加
した合金であり、凝固時巨大な共晶炭化物を生ぜず、ま
た縞状偏析の生成傾向が小さく、本質的にすぐれた低ノ
イズ特性と高い転勤疲労特性を備えた合金である。また
、Ｓ量、Ｏ（酸素）量を低く管理することにより、硫化
物系、酸化物系介在物を低減し、この面からもノイズの
発生傾向を減じたもので、また点状腐食の発生を生じに
＜＜シたものである。さらに、Ｍ０．　Ｗ、　Ｖ等炭化
物形成元素の添加により耐摩耗性を高め、使用中の表面
肌の劣化によるノイズの増大を生ぜず、また用途により
Ｃｕ、　Ｃｏを添加して高い耐食性を与えたもので、巨
大炭化物、縞状偏析の生成傾向が小さいため焼なまし状
態での被切削性、熱処理後の被研削性がすぐれ、また焼
入性が大きいため急冷焼入を要せず、ＨＲＣ６０以上の
高い硬さが得られ、脱炭や歪み防止にも有利な特性を有
するものである。

つぎに本願発明鋼の成分限定の利用についてのべる。Ｃ
は本願発明鋼の熱処理硬さを高い水準に保ち、またＣｒ
、　Ｗ、　Ｍ０．　　Ｖなど炭化物形成元素との間に炭
化物を形成し、耐摩耗性を付与するために添加される。

多すぎると巨大炭化物が増加し、また縞状の偏析傾向が
大となるため０．９０％以下とし、低すぎると上記添加
の効果が得られないので０．５０％以上とする。

Ｓｉは本願発明鋼の焼もどしにおける硬さの低下をゆる
やかにし、また用途により耐酸化性を高めるために添加
される。

多すぎると靭性、熱伝導率の低下をまねくので０．９０
％以下とする。

Ｍｎは本願発明鋼の焼入性を高めるために添加される。

多すぎると焼なまし硬さを高くして被切削性を低下させ
、また焼入時過度の残留オーステナイトを生成させ、硬
さの低下をまねくので１．００％以下とする。

ＳはＭｎとの間に硫化物を形成し、熱間加工方向に伸び
て存在し、ノイズ発生の原因となり、また横方向の機械
的性質を劣化させ、また点食発生を促進するなどの弊害
をもたらすため極力低めに限定することが必要で、本願
発明鋼の特徴を維持する限界量として０．００６％以下
とする。

Ｎｉは本願発明鋼の焼入性を高め、また耐食性を向上さ
せるために目的、用途により添加される。

多すぎると焼なまし硬さを過度に高くし、被切削性を低
下させ、また焼入時過度の残留オーステナイトを生成さ
せ、硬さの低下をまねくので１．２０％以下とする。

Ｃｒは本願発明鋼の耐食性を高めるための基本的添加元
素である。またＣｒはＣとの間に炭化物を形成して耐摩
耗性を向上させ、基地に固溶して焼入性を高める効果を
もたらす。

ただし、Ｃとの関係において低ノイズ特性をもたらすた
めの凝固時の一時巨大炭化物の低減や縞状偏析の低減の
ためにその成分範囲の設定はきわめて重要である。多す
ぎると上記巨大炭化物の生成や縞状偏析の傾向を増大し
、低ノイズ特性を劣化させるので９．００％とし、低す
ぎると上記添加の効果が得られないので６．００％以上
とする。

ＷおよびＭｏは炭化物を形成して耐摩耗性を高め、また
基地に固溶して耐食性や焼入性を高めるために目的、用
途により添加される。

多すぎると縞状偏析を助長し、却って低ノイズ性を劣化
させるので％Ｗ＋Ｍｏで３．００％以下とし、低すぎる
と上記添加の効果が得られないのでｚＷ＋Ｍｏで０．２
０％以上とする。

なお、Ｗ添加は耐摩耗性の面でＭｏ添加の場合より有利
であり、偏析低減や焼入性増大の点でＭｏの方が有利で
あり、目的、用途によりＭ０．　Ｗ単味あるいは複合添
加を行なうものである。

■は炭化物を形成し、耐摩耗性を高め、また結晶粒を微
細化、疲労強度を向上させるために添加を行なう。

多すぎるとＶＣ系巨大炭化物を形成し、耐ノイズ性を劣
化させ、また被切削性および被研削性を劣化させるので
１．００％以下とし、低すぎると上記添加の効果が得ら
れないので０．０３％以上とする。

Ｃｕは本願発明鋼の耐食性を向上させるために添加され
るもので、とくに耐ＩＣＩ　ｇ食性改善の効果が大きい
。多すぎると熱間加工性を低下させるので２．５０％以
下とし、低すぎると上記添加の効果が得られないので０
．１０％以上とする。

Ｇｏは本願発明鋼の耐食性を同上させ、またベアリング
として使用時相手材との間の摩擦係数を減じ、低ノイズ
性を一層向上させるために添加を行なう。耐食性につい
ては耐ＨＣＩ　、耐Ｈ！ＳＯ４耐食性改善に関する効果
が大きい。

多量の添加は必要なく、多すぎると靭性を低下させるの
で３．００％以下とし、低すぎると上記添加の効果が得
られないので０．２０％以上とする。

０は酸化物系介在物を形成し、ノイズ発生の原因となり
また転勤疲労寿命を低下させるため極力低いことがのぞ
ましく、低ノイズ材としての本願発明鋼の特徴を維持さ
せるために５０ｐｐｍ以下に限定する。

〔実施例〕

以下本発明を実施例に基づき説明する。

第１表に本願発明鋼の実施例と比較鋼の化学組成を示す
。本願発明材は耐食性向上元素としてＣｒ単独添加の場
合には１３Ｃｒ系の比較鋼Ｏよりも耐食性はやや劣るが
、Ｍ０．　Ｗ、　Ｃｕ、　Ｃｏなど耐食性向上元素の添
加により、比較鋼Ｏより明らかにすぐれた耐食性を示し
、また比較鋼Ｐ　（ＳＵＪ２）よりも全般的組織範囲に
おいて明らかにすぐれた耐食性を示す。第２表に本願発
明鋼試料をスラスト軸受のレース材として使用して作動
させた場合のノイズ試験におけるノイズ音の大きさ比を
示す。

ノイズ音は比較鋼Ｏのそれを１００として指数で示した
。

第　　　２　　　表本願発明鋼は比較ｇｏより明らかにノイズの大きさが小
さいことがわかる。これはノイズ音の原因となるＣｒ系
はかの巨大炭化物が生成せず、また凝固時の偏析に起因
する縞状偏析の傾向が小さく、また低酸素化により酸化
物系介在物がとくに少ないことや低Ｓ化による硫化物介
在物等が少なく、均一微細な炭化物の分布した組織を呈
しているためである。

第３表に本願発明鋼の被研削性を示す。目砥石を用いた
平面研削における被加工材の削除体積を砥石滅失体積で
割った値で被研削性を表示し、比較鋼Ｐの値を１００と
して指数で示したものである。

第　　　３　　　表本願発明鋼は１３Ｃｒ系の比較鋼より明らかに被研削性
が良く、比較鋼Ｐ　（ＳＵＪ２）のそれに準する被研削
性を示している。これは本願発明鋼の組織が均一で、被
研削性を低下させるような巨大炭化物や縞状偏析が存在
しないことによるものである。

第４表に本願発明鋼の塩水雰囲気中における耐発錆試験
の結果を示す。試料は２５ｎＸ２５１■で、ペーパーバ
フ鏡面仕上げののち塩水雰囲気に２時間放置した場合の
点食の発生個数をカウントし、比較１ｉｉｉｌＯのそれ
を１００として比で示したものである。

第　　　４　　　表本願発明鋼はすぐれた耐食性と併せて発錆の起点となる
酸化物系や硫化物系の介在物が存在せず、またＣｒを主
体とするミクロ偏析の傾向が小さく、均一な成分分布を
示すことなどにより比較口０に対してすぐれた対発錆性
を示すものである。

第　　　５　　　表第５表は本願発明鋼の対摩耗試験（大成式）における比
較摩耗量を比較鋼Ｏのそれを１００とした指数で示す。

本願発明鋼はＷ、　Ｍ０．　　Ｖ等の添加により比較鋼
より明らかにすぐれた耐摩耗性を付与することができる
。

〔発明の効果〕

以上に記述のように、本願発明は従来の１７Ｃｒ系や１
３Ｃｒ系軸受鋼における高ノイズ性の問題点を解決し、
低ノイズで同等の耐食性を維持し、かつ５ＵＪ２の問題
点であった耐食性不足や焼入性不足の問題点を解消する
新しい耐食耐摩軸受用鋼を提供するものである。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）重量％でＣ０．５０〜０．９０％、Ｓｉ≦０．９
０％、Ｍｎ≦１．００％、Ｃｒ６．００〜９．００％、
Ｓ≦０．００６％、Ｏ≦５０ｐｐｍ、残部Ｆｅおよび通
常の不純物よりなることを特徴とする耐食、耐摩軸受用
鋼。
（２）重量％でＣ０．５０〜０．９０％、Ｓｉ≦０．９
０％、Ｍｎ≦１．００％、Ｎｉ≦１．２０％、Ｃｒ６．
００〜９．００％、Ｓ≦０．００６％、Ｏ≦５０ｐｐｍ
、残部Ｆｅおよび通常の不純物よりなることを特徴とす
る耐食、耐摩軸受用鋼。
（３）重量％でＣ０．５０〜０．９０％、Ｓｉ≦０．９
０％、Ｍｎ≦１．００％、Ｎｉ≦１．２０％、Ｃｒ６．
００〜９．００％、Ｓ≦０．００６％、Ｏ≦５０ｐｐｍ
、これに１／２Ｗ＋Ｍｏ０．２０〜３．００％、Ｖ０．
０３〜１．００％の一種または二種、残部Ｆｅおよび通
常の不純物よりなることを特徴とする耐食、耐摩軸受用
鋼。
（４）重量％でＣ０．５０〜０．９０％、Ｓｉ≦０．９
０％、Ｍｎ≦１．００％、Ｎｉ≦１．２０％、Ｃｒ６．
００〜９．００％、Ｓ≦０．００６％、Ｏ≦５０ｐｐｍ
、これにＣｕ０．１０〜２．５０％、Ｃｏ０．２０〜３
．００％の一種または二種、残部Ｆｅおよび通常の不純
物よりなることを特徴とする耐食、耐摩軸受用鋼。
（５）重量％でＣ０．５０〜０．９０％、Ｓｉ≦０．９
０％、Ｍｎ≦１．００％、Ｎｉ≦１．２０％、Ｃｒ６．
００〜９．００％、Ｓ≦０．００６％、Ｏ≦５０ｐｐｍ
、さらに１／２Ｗ＋Ｍｏ０．２０〜３．００％、Ｖ０．
０３〜１．００％の一種または二種、残部Ｆｅおよび通
常の不純物よりなることを特徴とする耐食、耐摩軸受用
鋼。
（６）重量％でＣ０．５０〜０．９０％、Ｓｉ≦０．９
０％、Ｍｎ≦１．００％、Ｎｉ≦１．２０％、Ｃｒ６．
００〜９．００％、Ｓ≦０．００６％、Ｏ≦５０ｐｐｍ
、さらにＣｕ０．１０〜２．５０％、Ｃｏ０．２０〜３
．００％の一種又は二種、残部Ｆｅおよび通常の不純物
よりなることを特徴とする耐食、耐摩軸受用鋼。
（７）重量％でＣ０．５０〜０．９０％、Ｓｉ≦０．９
０％、Ｍｎ≦１．００％、Ｃｒ６．００〜９．００％、
Ｓ≦０．００６％、Ｏ≦５０ｐｐｍ、これに１／２Ｗ＋
Ｍｏ０．２０〜３．００％、Ｖ０．０３〜１．００％の
一種又は二種、さらにＣｕ０．１０〜２．５０％、Ｃｏ
０．２０〜３．００％の一種又は二種、残部Ｆｅおよび
通常の不純物よりなることを特徴とする耐食、耐摩軸受
用鋼。
（８）重量％でＣ０．５０〜０．９０％、Ｓｉ≦０．９
０％、Ｍｎ≦１．００％、Ｎｉ≦１．２０％、Ｃｒ６．
００〜９．００％、Ｓ≦０．００６％、Ｏ≦５０ｐｐｍ
、これに１／２Ｗ＋Ｍｏ０．２０〜３．００％、Ｖ０．
０３〜１．００％の一種または二種、さらにＣｕ０．１
０〜２．５０％、Ｃｏ０．２０〜３．００％の一種また
は二種、残部Ｆｅおよび通常の不純物よりなることを特
徴とする耐食、耐摩軸受用鋼。