JPS6314315Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、真空脱ガス炉に装着される浸漬管等
の、溶鋼により侵食された内・外周面又は下面を
吹付けにより補修する装置に係るものである。

たとえばRH法による溶鋼の真空脱ガス操作に
おいては、吸い上げ管及び吐き出し管が取鍋の溶
鋼中に浸漬され、そして溶鋼を真空容器内に吸入
し又は取鍋へ排出するために、これらの浸漬管は
内・外周面並びに下端面は溶鋼により浸食されて
損耗し、さらに内周面は付着地金に対する酸素洗
浄による高熱のために激しく損耗する。従つて、
これらの浸漬管等は頻繁に補修をしなければなら
ず、補修ピリオドの短いことと侵食の状態に対応
し易い点とより専ら耐火材の吹付けにより補修が
行なわれており、その目的にそつた種種の装置が
提案されそれぞれに実効を奏していることは周知
のとおりである。特開昭58−19447号公報により
開示されている技術事項もこのような目的のもの
であるが、このものも含めて在来の技術手段は、
たとえばRH真空容器の浸漬管の補修等に際し
て、浸漬管の取外しを必要としたり若しくは真空
容器浸漬管の孔内周面又は外周面にそれぞれ対応
する吹付ノズルを個別に設置するものであつたり
して、装置も複雑な形態となつていた。さらに在
来の吹付装置では浸漬管の下端面に生ずる損耗部
への耐火物吹付補修について考慮されておらず、
別途この部分への吹付補修を行なう等の迂遠な手
段が余儀なくされていたのである。

本考案は斯かる現況に鑑がみなされたもので、
溶鋼に侵食され、又は酸素洗浄により損耗を生じ
た浸漬管を、たとえば真空容器等より解脱するこ
となく、装着した状態のままで必要に応じて酸素
洗浄に引き続いて浸漬管の内・外周面への耐火材
吹付補修と同じく下端面への耐火材吹付補修とを
単一装置の微差動のみで容易に施工することがで
きる吹付補修装置の提供を目的としている。

以下本考案の１実施例を図面に基づき説明す
る。第１図に示すように真空容器が移動可能な個
所を中心に敷設した床上レール１には、床上レー
ル１と直角方向のレール２′を設けたレール台車
２を載置する。レール台車２のレール２゜上には
装架台車３を載置し、この装架台車３の上面に
は、円周状の軌跡をたどる複数のコロ車を有する
転動座６を介し、ピポツト９を中心にして旋回可
能な基幹室５を設置してあり、この基幹室５の下
端胴周面にガースギヤ７を周設し、これと噛合う
駆動ピニオン８の原動機駆動により装架台車３上
にて基幹室５が任意の向きに任意の角度だけ旋回
できると共に、装架台車３に装着した移動モータ
４により装架台車３はレール台車２上のレール
２′に従つて進退できる構造となつている。

基幹室５内には、天板を遊挿通してそれぞれ昇
降又は旋回可能な内外周面吹付ノズル１０及び下
面吹付ノズル１１を装着する。内外周面吹付ノズ
ル１０の昇降は、該ノズルを取付けた内外周面吹
付ノズル取付板１６を螺挿通する垂直な内外周面
吹付ノズル用スクリユー１２を適当な駆動原動機
により回転させることによつてノズル取付板１６
と共に行なうことができる。さらに、内外周面吹
付ノズル１０の旋回は、ノズル取付板１６に設け
た内外周面吹付ノズル旋回モータ１４のギヤとノ
ズル管に周設したリングギヤとの噛合わせ駆動に
より行なうことができる。一方、下面吹付ノズル
１１の昇降、旋回は内外周面吹付ノズル１０の場
合と同様に下面吹付ノズル用スクリユー１３の回
転によりこれに螺嵌する下面吹付ノズル取付板１
７と共に昇降を行ない、又旋回はノズル取付板１
７に設けた下面吹付ノズル旋回モータ１５により
ギア噛合いを介して行なうことができる。

また、レール台車２の床上レール１に沿つての
移動は、酸素洗浄用のバーナー台車と連結し、こ
れに牽引させて行なうが、レール台車２に駆動用
モーターを装備して自走式となし得ることはいう
までもない。

内外周面吹付ノズル１０又は下面吹付ノズル１
１への吹付耐火材又は水の供給は、材料圧送管路
及び水管（共に図示せず。）を通じ、外部装置よ
り基幹室５内に導き入れられる。吹付ノズルにお
ける吹付け耐火材の噴出口部分の構造は、各ノズ
ルの管体部分の直立長さ又は彎曲部分の状況を勘
案し、耐火材スラリーのノズル詰りを防止すると
共に吹付面域の設定が容易な実願昭57−107984号
又は実願昭56−184822号に開示されるものが好ま
しいが、これにこだわらない。

以上のごとく構成された本考案の浸漬管等の吹
付補修装置の実際使用時には、たとえば真空容器
の移動又は床上レールに沿う吹付補修装置の移動
により基幹室５が被補修浸漬管２０の下方位置を
占めるようにし、さらに床上レール１上のレール
台車２の移動と、この移動方向に直角方向を採る
装架台車３の移動により正確に位置決めする。

次に浸漬管２０の内周面２１に対し吹付補修を
行なうときは、第１図に示すような相対位置とな
し、内外周面吹付ノズル用スクリユー１２の回転
によりノズル取付板１６を上昇させ、下部管も装
着したままの浸漬管２０の孔内に内外周面吹付ノ
ズル１０を進達させる。耐火材料及び水の給送を
開始し耐火材スラリーを噴出させながら、内外周
面吹付ノズル旋回モータ１４により吹付ノズル１
０を旋回させ、同時に内外周面吹付ノズル用スク
リユー１２の回転により吹付ノズル１０を昇降さ
せると浸漬管２０の内周面２１に対し吹付補修を
行なうことができる。

また、浸漬管２０の外周面２２に対しては、レ
ール台車２及び装架台車３の移動操作により吹付
ノズル１０を外周面２２に近接させ、レール台車
２又は装架台車３の関連動作並びに吹付ノズル旋
回モータ１４による吹付ノズル１０の旋回若しく
は吹付ノズル用スクリユー１２の回転による吹付
ノズル１０の昇降により、常に吹付ノズル１０の
噴出口を浸漬管２０の外周面２２の補修必要部域
に臨ませつつ吹付補修を行なうことができる。

さらに、浸漬管２０の下面２３の補修を行なう
ときには、レール台車２又は装架台車３の開連動
作並びに下面吹付ノズル旋回モータ１５による下
面吹付ノズル１１の旋回若しくは下面吹付ノズル
用スクリユー１３の回転による下面吹付ノズル１
１の昇降により、下面吹付ノズルの噴出口を浸漬
管２０の下面２３の補修必要部域に対して最適の
位置を順次占めながら万遍なく吹付補修を行なう
ことができる。

このようにして、たとえば吸入浸漬管の内周面
及び外周面並びに排出浸漬管の下面に対する補修
が終つたならば、基幹室５に周設したガースギヤ
７と噛合う駆動ピニオン８の駆動操作により基幹
室５を約180度回動させ、吸入浸漬管には下面吹
付ノズル１１を、又排出浸漬管には内外周面吹付
ノズル１０をそれぞれ対向させ、内周面及び外周
面の補修が終つた吸入浸漬管の下面並びに下面の
補修が終つた排出浸漬管の内周面及び外周面に対
し、上記同様の手段により耐火材の吹付けを施
し、侵食又は酸素洗浄による損耗個所の補修が完
了する。

本考案の吹付補修装置においては、各吹付ノズ
ル取付板１６，１７はいずれも各吹付ノズル用ス
クリユー１２，１３と螺合し、その上各ガイドポ
スト１８，１８に案内されているので、各吹付ノ
ズル１０，１１の昇降及び旋回は滑らかに且つ正
確に行なうことができ、レール台車２の横動、装
架台車３の進退及び基幹室５の回動と相互に関連
させつつ、一切を遠隔制御により行ない得るので
能率の向上と作業場の安全性に貢献するところは
大で、産業上の利用性はすこぶる高いのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の断面と真空容器の
浸漬管の補修に適用したときの例とを併せ示す図
である。 １……床上レール、２……レール台車、３……
装架台車、４…移動モータ、５……基幹室、６…
…転動座、７……ガースギヤ、８……駆動ピニオ
ン、９……ピボツト、１０……内外周面吹付ノズ
ル、１１……下面吹付ノズル、１２……内外周面
吹付ノズル用スクリユー、１３……下面吹付ノズ
ル用スクリユー、１４……内外周面吹付ノズル旋
回モータ、１５……下面吹付ノズル旋回モータ、
１６……内外周面吹付ノズル取付板、１７……下
面吹付ノズル取付板、１８……ガイドポスト、２
０……浸漬管、２１……内周面、２２……外周
面、２３……下面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床上レールには、この床上レールに直交する向
   きのレールを備えたレール台車を載置し、該レー
   ル台車上には装架台車を載置し、該装架台車上に
   は転動座を介しピボツトを中心にして回動可能な
   基幹室を載置し、基幹室内にはスクリユーシヤフ
   トを２本立設してこれらにはそれぞれ旋回用モー
   タを付設した各取付板を介して内外周面吹付ノズ
   ル及び下面吹付ノズルを取付け、これらの各ノズ
   ルと外部の吹付耐火材料圧送部及び圧水管との間
   には各連結管路を設けたものとなし、レール台車
   の縦動、装架台車の横動及び基幹室の回動並びに
   内外周面吹付ノズル又は下面吹付ノズルの昇降・
   旋回により各ノズルの噴出口が被補修浸漬管の内
   外周面又は下面に臨む構成としたことを特徴とす
   る浸漬管等の吹付補修装置。