JPS6313925Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は乗物の屋根窓に係り、窓開口部を開閉
自在とするカバー部材のがたつきの発生を防止す
ると共に、カバー部材の姿勢保持をより確実化す
ることを目的としたものの提供に関する。

従来、乗物の屋根に窓開口部が形成され、該窓
開口部を開閉自在とするカバー部材が設けられ、
該カバー部材の後部が上方回動姿勢とされ、車輌
等乗物室内の換気がなされる構成は周知である。

そして、更に、窓開口部を開放すべく、カバー
部材を上方回動姿勢としたままで窓開口部上方位
置から後方に移動させる構成が開示されている。

然し乍ら、上記従来構成では、カバー部材を上
下回動させる構成が十分でなく、乗物の走行時等
において、がたつきの発生がある等の問題を有し
ていた。

特に、カバー部材を上方回動姿勢としてスポイ
ラ作用を発揮する状態にあつては、より確実に上
方回動姿勢で保持することが要求されるのであ
り、近時、該機能を構成簡素に発揮する装置の提
供が望まれていた。

本考案は、かかる従来の問題点に鑑み、案出さ
れたもので、従つてその特徴とするところは、乗
物の屋根１に形成される窓開口部２両側に夫々案
内レール６が設けられ、該案内レール６に沿つて
前後移動自在とされる駆動体７及び前・後移動体
８，９が設けられ、前移動体８にカバー部材１３
前部に枢支され、リフター１５の前部が後移動体
９に枢支されると共に、リフター１５の後部がカ
バー部材１３に枢支され、駆動体７とリフター１
５のいずれか一方に、後移動体９の前後に位置し
て、前後一対のカム軸１６ａ，１６ｂが設けら
れ、他方に該カム軸１６ａ，１６ｂと夫々係合す
る前後一対のカム溝１７ａ，１７ｂが設けられ、
カバー部材１３の窓開口部２対向位置における駆
動体７の前・後移動で、カム軸１６ａ，１６ｂと
カム溝１７ａ，１７ｂの相対移動によるリフター
１５の後移動体９を中心とする下・上方回動を介
して、カバー部材１３が前移動体８を中心とする
下・上方回動自在とされ、この下・上方回動姿勢
のカバー部材１３で窓開口部２が夫々閉・開状態
とされ、リフター１５前端部に設けられた補助移
動体１９が、窓開口部２対向位置におけるカバー
部材１３の前記下・上方回動に連動して案内レー
ル６に対し切欠２０を介して離脱・係合自在とさ
れ、カバー部材１３の上方回動姿勢からの駆動体
７の後方移動で、カバー部材１３の上方回動姿勢
を保持すべく、補助移動体１９が案内レール６に
沿つて前後移動自在に後方移動するよう構成され
た点にある。

以下、本考案の実施例を図に従い説明すると、
第１図乃至第４図において、乗物Ａの一例として
の車輌の屋根１には、その前部に窓開口部２が形
成され、該窓開口部２は断面Ｌ字状のシール部材
３で縁取りされている。屋根１下面には乗物室内
の上面を形成する天井板４が固着され、窓開口部
２位置で屋根１と天井板４とは離間配置され、天
井板４に窓開口部２に対応する天井開口部５が形
成されている。

窓開口部２両側で、天井板４上面に夫々案内レ
ール６が設けられ、該案内レール６に沿つて前後
移動自在とされる駆動体７及び前・後移動体８，
９が設けられる。該駆動体７は、駆動源、例えば
電動機や手動ハンドルに押・引可能のワイヤー等
連動体１０を介して連結される駆動体本体１１
と、該本体１１から突設された前後一対の摺動子
１２，１２とで構成され、これら摺動子１２，１
２及び前・後移動体８，９は側面視楕円形をなす
樹脂材等で形成され、断面コの字状等をなす案内
レール６に前後摺動自在に内嵌されている。

カバー部材１３は窓開口部２に嵌脱自在に内嵌
されて該窓開口部２を開閉自在とするもので、透
明ガラス、金属板、樹脂板等で構成され、カバー
部材１３の窓開口部２への内嵌時には、カバー部
材１３の周縁部、特に周縁部下面がシール部材３
の下片３ａ上面に押接してシール機能が達成さ
れ、窓開口部２が閉止される。

上記カバー部材１３はブラケツト１４ａを介し
て、左右一対のカバーフレーム１４に架設支持さ
れ、カバーフレーム１４前端が前移動体８に横向
軸心回り回動自在に枢支される。

リフター１５は左右一対設けられ、各リフター
１５前後端は後移動体９とカバーフレーム１４回
動部に夫々枢支され、駆動体７とリフター１５中
途部の一方にカム軸１６、他方に該カム軸１６と
係合するカム溝１７が設けられ、これらカム軸１
６とカム溝１７はリフター１５と後移動体９との
枢支部の前方及び後方に位置して夫々前後一対と
して設けられる。即ち、駆動体７に前・後カム軸
１６ａ，１６ｂが軸心横向として突設され、リフ
ター１５中途部に直線的な前カム溝１７ａと伏倒
姿勢のくの字状後カム溝１７ｂとが形成されてい
る。

而して、カバー部材１３の窓開口部２対向位置
において、駆動源の作動による駆動体７の前方移
動でカム軸１６がカム溝１７に沿つて前方に摺動
してリフター１５が後移動体９を中心として下方
回動し、これに連動するカバーフレーム１４の前
移動体８を中心とする下方回動を介して、カバー
部材１３が下方回動され、この下方回動姿勢のカ
バー部材１３で窓開口部２が閉止状態とされる
（第２図ａ）。上記の場合、後移動体９の前後で前
カム軸１６ａが前カム溝１７ａの上面を押圧し、
後カム軸１６ｂが後カム溝１７ｂの下面を押圧
し、カバー部材１３がシール部材３を介して窓開
口部２に確実に内嵌される。また、カム軸１６が
カム溝１７に沿つて前方移動する際、カバー部材
１３前端がシール部材３の竪向片３ｂに当接し、
若しくは他のストツパー部材によりカバー部材１
３の前方移動が阻止される。

一方、カバー部材１３の窓開口部２対向位置に
おいて、駆動源の作動による駆動体７の後方移動
でカム軸１６がカム溝１７に沿つて後方に摺動し
てリフター１５が後移動体９を中心として上方回
動し、これに連動するカバーフレーム１４の前移
動体８を中心とする上方回動を介して、カバー部
材１３が上方回動され、この上方回動姿勢のカバ
ー部材１３は窓開口部２の主に後部を開放状態と
する（第２図ｂ）。

リフター１５前端は更に前方に延設され、該延
設端に補助移動体１９が突設される。該補助移動
体１９は、リフター１５が上方回動し、カバー部
材１３を上方回動姿勢とした状態で案内レール６
に摺動自在に内嵌され、カバー部材１３の窓開口
部２対向位置で、カバー部材１３が上方回動姿勢
から下方回動する間、該補助移動体１９は案内レ
ール６に形成された係合切欠２０を通過して案内
レール６に対する嵌合が解除される。そして、上
記した如く、カム軸１６がカム溝１７に沿つて後
方移動する際、補助移動体１９が係合切欠２０の
前面２０ａに押接して、カバー部材１３の後方移
動が阻止される。

カバー部材１３の上方回動姿勢からの駆動体７
の後方駆動で、案内レール６を摺動する後移動体
９と補助移動体１９とが協働してリフター１５を
上方回動姿勢に保持し、これによつて、カバー部
材１３の上方回動姿勢が保持され、窓開口部２が
開放される（第２図Ｃ）。

上記において、カバー部材１３が上方回動姿勢
とされる場合、後移動体９の前後で前カム軸１６
ａが前カム溝１７ａの下面を押圧し、後カム軸１
６ｂが後カム溝１７ｂの上面を押圧して、リフタ
ー１５の後移動体９を中心とする回動が阻止さ
れ、これによるリフター１５の上方回動姿勢によ
つてカバー部材１３の上方回動姿勢が保持される
と共に、補助移動体１９の案内レール６への係合
によつて、カバー部材３がより確実に上方回動姿
勢に保持される。

第５図において、カム溝１７は断面コの字状と
され有底溝に形成されている。他の構成は前記実
施例と同じである。

本考案によれば、カバー部材１３の上方回動
で、補助移動体１９が案内レール６に対し、係脱
自在に係合し、かつ、カバー部材１３の上方回動
姿勢からの後方移動で、補助移動体１９が案内レ
ール６に沿つて後方移動するため、該補助移動体
１９と、案内レール６に係合している後移動体９
とが協働してリフター１５を上方回動姿勢に保持
し、これによつて、カバー部材１３が上方回動姿
勢に保持される。従つて、窓開口部２に対しカバ
ー部材１３を後方移動させて窓開口部２を所望の
開放状態にする場合、カバー部材１３が上方回動
姿勢に確実に保持されることとなり、カバー部材
１３にがたつきの発生がなく有益である。

また、リフター１５の上下回動が後移動体９の
前後に位置して設けられた前後一対のカム軸１６
ａ，１６ｂとカム溝１７ａ，１７ｂにより行なわ
れるため、単一のカム軸、カム溝の係合のものに
比して駆動体７にリフター１５が正確に追従し、
よつて、カバー部材１３のがたつき発生がより効
果的に防止され、かつ、カバー部材１３の窓開口
部２に対する開姿勢や閉姿勢が確実に保持される
のであり、構成簡素であることと相俟つて実益大
なる考案である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図はその全体
平面図、第２図各図は第１図の−線矢視断面
図で、各動作状態を示す側面図、第３図は第２図
ａの−線矢視断面図、第４図は第２図ａの
−線矢視断面図、第５図は案内レールの他の実
施例を示す断面図である。 １……屋根、２……窓開口部、６……案内レー
ル、７……駆動体、８……前移動体、９……後移
動体、１３……カバー部材、１５……リフター、
１６ａ，１６ｂ……カム軸、１７ａ，１７ｂ……
カム溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乗物の屋根１に形成される窓開口部２両側に
   夫々案内レール６が設けられ、該案内レール６に
   沿つて前後移動自在とされる駆動体７及び前・後
   移動体８，９が設けられ、前移動体８にカバー部
   材１３前部に枢支され、リフター１５の前部が後
   移動体９に枢支されると共に、リフター１５の後
   部がカバー部材１３に枢支され、駆動体７とリフ
   ター１５のいずれか一方に、後移動体９の前後に
   位置して、前後一対のカム軸１６ａ，１６ｂが設
   けられ、他方に該カム軸１６ａ，１６ｂと夫々係
   合する前後一対のカム溝１７ａ，１７ｂが設けら
   れ、カバー部材１３の窓開口部２対向位置におけ
   る駆動体７の前・後移動で、カム軸１６ａ，１６
   ｂとカム溝１７ａ，１７ｂの相対移動によるリフ
   ター１５の後移動体９を中心とする下・上方回動
   を介して、カバー部材１３が前移動体８を中心と
   する下・上方回動自在とされ、この下・上方回動
   姿勢のカバー部材１３で窓開口部２が夫々閉・開
   状態とされ、リフター１５前端部に設けられた補
   助移動体１９が、窓開口部２対向位置におけるカ
   バー部材１３の前記下・上方回動に連動して案内
   レール６に対し切欠２０を介して離脱・係合自在
   とされ、カバー部材１３の上方回動姿勢からの駆
   動体７の後方移動で、カバー部材１３の上方回動
   姿勢を保持すべく、補助移動体１９が案内レール
   ６に沿つて前後移動自在に後方移動するよう構成
   されたことを特徴とする乗物の屋根窓。