JPS6313431B2 - - Google Patents
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- JPS6313431B2 JPS6313431B2 JP2614482A JP2614482A JPS6313431B2 JP S6313431 B2 JPS6313431 B2 JP S6313431B2 JP 2614482 A JP2614482 A JP 2614482A JP 2614482 A JP2614482 A JP 2614482A JP S6313431 B2 JPS6313431 B2 JP S6313431B2
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Description
本発明はウレタン化合物の製造方法に関する。
さらに詳しくは酸化剤の存在下に尿素化合物を一
酸化炭素および有機ヒドロキシル化合物と反応さ
せて酸化的にカルボニル化することによつてウレ
タン化合物を製造する方法に関する。 ウレタン類はカーバメイト系農薬などに用いら
れる重要な化合物であるが、従来は相当するイソ
シアナート類とアルコール類とを反応させるか、
相当するアミン類とクロルギ酸エステル類とを反
応させる方法によつて製造されていた。しかしな
がら、これらのいずれの方法でも原料として用い
られるイソシアナート類あるいはクロルギ酸エス
テル類を製造するためには、毒性が強く腐食性の
高いホスゲンを使用しなければならないなどの欠
点があつた。 一方、ホスゲンを用いないで1級アミンと一酸
化炭素およびアルコール類から、貴金属触媒を用
いて酸化的にウレタンする方法も提案されてい
る。(特開昭55−120551号公報) さらに尿素類を酸化的にウレタン化する方法も
提案されている。(特開昭55−120552号公報) しかしながら、これらの方法はいずれも助触媒
として塩化銅、塩化鉄、オキシ塩化鉄、塩化バナ
ジウム、オキシ塩化バナジウムなど、ルイス酸で
あつてしかも反応系においてレドツクス反応を行
いうる元素の塩化物を反応系中に溶解させておく
必要があり、溶解したこれらの塩化物は反応容器
や配管、バルブなどの金属材料に対する腐食性が
大きく、このため高価な金属材料を使用しなけれ
ばならないという設備上の問題がある。さらに溶
解したこれらの塩化物を生成物であるウレタン類
から分離、回収するためには、はん雑な操作と多
大の費用を要するという欠点があつた。 本発明者らは、これらの欠点を克服すべく、尿
素化合物を酸化的にウレタン化してウレタン化合
物を製造する方法について鋭意研究を重ねた結
果、これらの欠点の主要原因となつているルイス
酸やレドツクス反応を行う元素の塩化物などを用
いないで、接触的に反応を進行させうる、まつた
く新しい触媒系を見出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、酸化剤の存在下に、脂肪
族、脂環族、芳香脂肪族の尿素化合物に一酸化炭
素及び有機ヒドロキシル化合物を反応させてウレ
タン化合物を製造するに当り、(a)白金族金属及び
白金族元素を含む化合物の中から選ばれた少なく
とも1種と、(b)陰イオンがハロゲンであるオニウ
ム化合物および反応系でこれらを生成することの
できる化合物の中から選ばれた少なくとも1種と
から成る触媒系を用いることを特徴とするウレタ
ンの製造法を提供するものである。 このように、本発明の大きな特徴は、白金族金
属及び白金族元素を含む化合物の中から選ばれた
少なくとも1種と、陰イオンがハロゲンであるオ
ニウム化合物の中から選ばれた少なくとも1種と
を組合わせた触媒系を用いることにあつて、この
触媒系を用いることによつて尿素化合物から選択
性よく、かつ高収率でウレタン化合物が得られ
る。 このような事実は今までまつたく知られていな
かつた実に驚くべきことであつて、前記の先行技
術(特開昭55−120552号公報)からもまつたく予
想できなかつたことである。すなわち、この先行
技術においては白金族化合物を主触媒とし、反応
系においてレドツクス反応を行いうる元素の塩化
物を助触媒とする触媒系、例えば代表的なものと
して実施例にみられるような塩化パラジウムにオ
キシ塩化鉄を組合わせた触媒系を用いている。こ
のような系においては2価のパラジウムが反応に
関与しており、反応の進行とともに還元されて0
価のパラジウムとなり、これが3価のオキシ塩化
鉄によつて再酸化されて2価のパラジウムに戻る
と同時に、3価の鉄は還元されて2価の鉄とな
り、さらにこの2価の鉄が酸化剤によつて再酸化
されて3価の鉄に戻るといつた、いわゆるワツカ
ー反応型の触媒サイクルによつて主生成物である
ウレタンを与えているものと考えられる。 このように先行技術の方法では、反応系におい
てレドツクス作用を有する元素の塩化物が主触媒
の再酸化剤として必須であることが示されてい
る。このような機能を有する元素としては、周期
律表のa〜a族及びb〜b族の元素の中
から選ばれたレドツクス反応を受けることのでき
るものであつて、具体的には銅、亜鉛、水銀、タ
リウム、スズ、チタン、ヒ素、アンチモン、ビス
マス、バナジウム、クロム、モリブテン、タング
ステン、マンガン、鉄、コバルト、ニツケルなど
が挙げられており、その中で銅、バナジウム、マ
ンガン、モリブテン、タングステン、アンチモン
および鉄のみが実施例に記載されているに過ぎ
ず、しかもこれらの例は芳香族尿素化合物のウレ
タン化反応のみであり、脂肪族や脂環族の尿素化
合物の反応については何ら例示されていない。 これに対して本発明方法は、陰イオンがハロゲ
ンであるオニウム化合物またはこれらを反応系で
生成することのできる化合物を用いるものであつ
て、これらの化合物は全く金属成分を含んでいな
いか、あるいは通常の反応条件下でカチオン部は
レドツクス反応を行なえないものである。 従つて本発明の反応は先行技術に記載されてい
る反応とは全く異なる反応機構で進行しているも
のと推定される。 このような陰イオンがハロゲンであるオニウム
化合物が本発明の反応においてどのような機構で
作用しているかは不明であるが、白金族金属また
は白金族元素を含む化合物と組み合わせた場合
に、尿素化合物の酸化的ウレタン化反応の触媒成
分として重要な作用をしていることは明らかであ
る。すなわち、陰イオンがハロゲンであるオニウ
ム化合物のみでは本反応のウレタン化反応はまつ
たく進行しないし、また白金族金属又は白金族元
素を含む化合物のみを用いた場合でも、本反応の
条件下ではウレタン化反応はほとんど進行しない
か、あるいは進行しても少量のウレタン化合物を
与えるに過ぎず、特に金属状態の白金族元素のみ
を用いた場合は、ウレタン化合物はほとんど得ら
れない。例えば、パラジウムは本反応に対して有
効な触媒成分の1つであるが、0価の金属パラジ
ウムであるパラジウム黒のみでは本反応は実質的
にほとんど進行しない。しかし、これに陰イオン
がハロゲンであるオニウム化合物、例えばヨウ化
テトラメチルアンモニウムなどを加えると、ほぼ
定量的にウレタン化合物が得られるようになる。 このように本発明方法においては、金属状態の
固体の白金族化合物をも触媒成分の1つとして用
いることができ、このことは高価な白金族化合物
を反応系からろ過などの簡単な方法で分離、回収
しうることを示しており、工業的に有利である。 また本発明のもう1つの大きな特徴は、陰イオ
ンがハロゲンであるオニウム化合物を用いてお
り、これらの化合物はほとんどが水溶性であるの
で生成物からの分離、回収が容易に行えることで
あつて、従来用いられているような重金属類の塩
化物とは異なり、生成物中に汚染物質として混入
することもない。 本発明方法において用いられる白金族金属及び
白金族元素を含む化合物については、成分として
パラジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、イリ
ジウム、オスミウムなどの白金族元素から選ばれ
た少なくとも1種を含むものであれば特に制限は
なく、これらの元素が金属状態であつてもよい
し、化合物を形成する成分であつてもよい。ま
た、これらの触媒成分は活性炭、グラフアイト、
シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−
チタニア、チタニア、ジルコニア、硫酸バリウ
ム、炭酸アルシウム、アスベスト、ベントナイ
ト、ケイソウ土、ポリマー、イオン交換樹脂、ゼ
オライト、モレキユラーシーブ、ケイ酸マグネシ
ウム、マグネシアなどの担体に担持されたもので
あつてもよい。 金属状態の白金族元素として、例えばパラジウ
ム、ロジウム、白金、ルテニウム、イリジウム及
びオスミウムなどの金属、これらの金属黒、これ
らの金属イオンを含む触媒成分を前記のような担
体に担持したのち、水素やホルムアルデヒドで還
元処理したもの、及びこれらの金属を含む合金あ
るいは金属間化合物などが用いられる。また、合
金あるいは金属間化合物はこれらの白金族金属同
士のものであつてもよいし、他の元素、例えばセ
レン、テルル、イオウ、アンチモン、ビスマス、
銅、銀、金、亜鉛、スズ、バナジウム、鉄、コバ
ルト、ニツケル、水銀、鉛、タリウム、クロム、
モリブテン、タングステンなどを含むものであつ
てもよい。 一方、白金族元素を含む化合物としては、例え
ばハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ホ
ウ酸塩などの無機塩類;酢酸塩、シユウ酸塩、ギ
酸塩などの有機酸塩類;シアン化物類;水酸化物
類;酸化物類;硫化物類;ニトロ基、シアノ基、
ハロゲン、シユウ酸イオンなどのアニオンを含む
金属酸塩及びアンモニア、アミン類、ホスフイン
類、一酸化炭素、キレート配位子などを含む塩又
は錯体などの金属の錯化合物類;有機配位子又は
有機基を有する有機金属化合物類などがあげられ
る。 これらの触媒成分の中では、パラジウム又はロ
ジウム若しくはその両方を含むものが特に好まし
く、このようなものとしては、例えばPd黒;Pd
−C、Pd−Al2O3、Pd−SiO2、Pd−TiO2、Pd−
ZrO2、Pd−BaSO4、Pd−CaCO3、Pd−アスベ
スト、Pd−ゼオライト、Pd−モレキユラーシー
ブなどの担持パラジウム触媒類;Pd−Pb、Pd−
Se、Pd−Te、Pd−Hg、Pd−Tl、Pd−P、Pd
−Cu、Pd−Ag、Pd−Fe、Pd−Co、Pd−Ni、
Pd−Rhなどの合金又は金属間化合物類;及びこ
れらの合金又は金属間化合物を前記のような担体
に担持したもの;PdCl2、PdBr2、PdI2、Pd
(NO3)2、PdSO4などの無機塩類;Pd
(OCOCH3)2、シユウ酸パラジウムなどの有機酸
塩類;Pd(CN)2;PdO;PdS;M2〔PdX4〕、M2
〔PdX6〕で表わされるパラジウム酸塩類(Mはア
ルカリ金属またはアンモニウムイオンを表わし、
Xはニトロ基またはシアノ基またはハロゲンを表
わす。);〔Pd(NH3)4〕X2、〔Pd(en)2〕X2などの
パラジウムのアンミン錯体類(Xは上記と同じ意
味をもち、enはエチレンジアミンを表わす);
PdCl2(PhCN)2PdCl2(PR3)2、Pd(CO)(PR3)3、
Pd(PPh3)4、PdCl(R)(PPh3)2、Pd(C2H4)
(PPh3)2、Pd(C3H5)2などの錯化合物又は有機金
属化合物類(Rは有機基を表わす);Pd(acac)2
などのキレート配位子が配位した錯化合物類;
Rh黒;Pdと同様な担持ロジウム触媒類;Pdと同
様なRh合金又は金属間化合物類及びこれらを担
体に担持したもの;RhCl3及び水和物、RhBr3及
び水和物、RhI3及び水和物、Rh2(SO4)3及び水和
物などの無機塩類;Rh2(OCOCH3)4;Rh2O3、
RhO2;M3〔RhX6〕及び水和物(M、Xは前記と
同じ意味をもつ);〔Ph(NH8)5〕X3、〔Rh(en)3〕
X3などのロジウムのアンミン錯体類;Rh4
(CO)12、Rh6(CO)16などのロジウムカルボニル
クラスター類;〔RhCl(CO)2〕2、RhCl3(PR3)3、
RhCl(PPh3)3、RhX(CO)L2(Xは前記と同じ意
味をもち、Lは有機リン化合物及び有機ヒ素化合
物からなる配位子である)、RhH(CO)(PPh3)3
などの錯化合物又は有機金属化合物類があげられ
る。 本発明においては、これらの白金族金属又は白
金族元素を含む化合物を1種だけ用いてもよい
し、また2種以上混合して用いてもよく、その使
用量については特に制限はないが、通常白金族元
素を含む成分が尿素化合物に対して、0.0001〜50
モル%の範囲であるのが望ましい。 また本発明で用いられる、陰イオンがハロゲン
であるオニウム化合物とは、孤立電子対をもつ元
素を含む化合物において、これらの孤立電子対に
プロトンあるいは他の陽イオン形の試薬が結合し
て孤立電子対をもつ元素が共有結合原子価1を増
加して陽イオンとなつているものであつて、対イ
オンとしてハロゲンアニオンを有するものであ
る。 このようなオニウム化合物としては、アンモニ
ウム化合物(〔R1R2R3R4N〕X)、ホスホニ
ウム化合物(〔R1R2R3R4P〕X)、アルソニ
ウム化合物(〔R1R2R3R4As〕X)、スチボニ
ウム化合物(〔R1R2R3R4Sb〕X)、オキソニ
ウム化合物(〔R1R2R3O〕X)、スルホニウム
化合物(〔R1R2R3S〕X)、オキシスルホニウ
ム化合物(〔R1R2R3S(O)X)、セレノニウ
ム化合物(〔R1R2R3Se〕X)、テルロニウム
化合物(〔R1R2R3Te〕X)、スタンノニウム
化合物(〔R1R2R3Sn〕X)、ヨウドニウム化
合物(〔R1R2I〕X)などがあげられる。ここ
でR1、R2、R3、R4は水素または脂肪族基、芳香
族基、脂環族基、芳香脂肪族基から選ばれた基を
表わし、それぞれが同じであつてもよいし、また
場合によつては孤立電子対を有する元素を含む環
の構成要素であつてもよい。またXは前記の通り
でF、Cl、Br、Iから選ばれたハロゲンを表わ
す。 このようなハロゲン化オニウム化合物は、ハロ
ゲン化水素または有機ハロゲン化物と相当するア
ンモニア、アミン、ホスフイン化合物、アルシン
化合物、スチビン化合物、オキシ化合物、スルフ
イド化合物、スルホキシド化合物、セレニド化合
物、テルリド化合物などとの反応によつて容易に
得られるものであり、これらは反応系外で製造さ
れたものを用いてもよいし、反応系内でこれらを
生成させてもよい。もちろん他の方法で製造され
たものであつてもよいし、他の方法によつて反応
系内で生成させたものであつてもよい。 これらの中で好ましいのはハロゲン化アンモニ
ウム化合物、ハロゲン化ホスホニウム化合物、ハ
ロゲン化アルソニウム化合物およびハロゲン化ス
ルホニウム化合物で、特に好ましいのはハロゲン
化アンモニウム化合物およびハロゲン化ホスホニ
ウム化合物である。 ハロゲン化アンモニウム化合物とは通常、一般
式()
さらに詳しくは酸化剤の存在下に尿素化合物を一
酸化炭素および有機ヒドロキシル化合物と反応さ
せて酸化的にカルボニル化することによつてウレ
タン化合物を製造する方法に関する。 ウレタン類はカーバメイト系農薬などに用いら
れる重要な化合物であるが、従来は相当するイソ
シアナート類とアルコール類とを反応させるか、
相当するアミン類とクロルギ酸エステル類とを反
応させる方法によつて製造されていた。しかしな
がら、これらのいずれの方法でも原料として用い
られるイソシアナート類あるいはクロルギ酸エス
テル類を製造するためには、毒性が強く腐食性の
高いホスゲンを使用しなければならないなどの欠
点があつた。 一方、ホスゲンを用いないで1級アミンと一酸
化炭素およびアルコール類から、貴金属触媒を用
いて酸化的にウレタンする方法も提案されてい
る。(特開昭55−120551号公報) さらに尿素類を酸化的にウレタン化する方法も
提案されている。(特開昭55−120552号公報) しかしながら、これらの方法はいずれも助触媒
として塩化銅、塩化鉄、オキシ塩化鉄、塩化バナ
ジウム、オキシ塩化バナジウムなど、ルイス酸で
あつてしかも反応系においてレドツクス反応を行
いうる元素の塩化物を反応系中に溶解させておく
必要があり、溶解したこれらの塩化物は反応容器
や配管、バルブなどの金属材料に対する腐食性が
大きく、このため高価な金属材料を使用しなけれ
ばならないという設備上の問題がある。さらに溶
解したこれらの塩化物を生成物であるウレタン類
から分離、回収するためには、はん雑な操作と多
大の費用を要するという欠点があつた。 本発明者らは、これらの欠点を克服すべく、尿
素化合物を酸化的にウレタン化してウレタン化合
物を製造する方法について鋭意研究を重ねた結
果、これらの欠点の主要原因となつているルイス
酸やレドツクス反応を行う元素の塩化物などを用
いないで、接触的に反応を進行させうる、まつた
く新しい触媒系を見出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、酸化剤の存在下に、脂肪
族、脂環族、芳香脂肪族の尿素化合物に一酸化炭
素及び有機ヒドロキシル化合物を反応させてウレ
タン化合物を製造するに当り、(a)白金族金属及び
白金族元素を含む化合物の中から選ばれた少なく
とも1種と、(b)陰イオンがハロゲンであるオニウ
ム化合物および反応系でこれらを生成することの
できる化合物の中から選ばれた少なくとも1種と
から成る触媒系を用いることを特徴とするウレタ
ンの製造法を提供するものである。 このように、本発明の大きな特徴は、白金族金
属及び白金族元素を含む化合物の中から選ばれた
少なくとも1種と、陰イオンがハロゲンであるオ
ニウム化合物の中から選ばれた少なくとも1種と
を組合わせた触媒系を用いることにあつて、この
触媒系を用いることによつて尿素化合物から選択
性よく、かつ高収率でウレタン化合物が得られ
る。 このような事実は今までまつたく知られていな
かつた実に驚くべきことであつて、前記の先行技
術(特開昭55−120552号公報)からもまつたく予
想できなかつたことである。すなわち、この先行
技術においては白金族化合物を主触媒とし、反応
系においてレドツクス反応を行いうる元素の塩化
物を助触媒とする触媒系、例えば代表的なものと
して実施例にみられるような塩化パラジウムにオ
キシ塩化鉄を組合わせた触媒系を用いている。こ
のような系においては2価のパラジウムが反応に
関与しており、反応の進行とともに還元されて0
価のパラジウムとなり、これが3価のオキシ塩化
鉄によつて再酸化されて2価のパラジウムに戻る
と同時に、3価の鉄は還元されて2価の鉄とな
り、さらにこの2価の鉄が酸化剤によつて再酸化
されて3価の鉄に戻るといつた、いわゆるワツカ
ー反応型の触媒サイクルによつて主生成物である
ウレタンを与えているものと考えられる。 このように先行技術の方法では、反応系におい
てレドツクス作用を有する元素の塩化物が主触媒
の再酸化剤として必須であることが示されてい
る。このような機能を有する元素としては、周期
律表のa〜a族及びb〜b族の元素の中
から選ばれたレドツクス反応を受けることのでき
るものであつて、具体的には銅、亜鉛、水銀、タ
リウム、スズ、チタン、ヒ素、アンチモン、ビス
マス、バナジウム、クロム、モリブテン、タング
ステン、マンガン、鉄、コバルト、ニツケルなど
が挙げられており、その中で銅、バナジウム、マ
ンガン、モリブテン、タングステン、アンチモン
および鉄のみが実施例に記載されているに過ぎ
ず、しかもこれらの例は芳香族尿素化合物のウレ
タン化反応のみであり、脂肪族や脂環族の尿素化
合物の反応については何ら例示されていない。 これに対して本発明方法は、陰イオンがハロゲ
ンであるオニウム化合物またはこれらを反応系で
生成することのできる化合物を用いるものであつ
て、これらの化合物は全く金属成分を含んでいな
いか、あるいは通常の反応条件下でカチオン部は
レドツクス反応を行なえないものである。 従つて本発明の反応は先行技術に記載されてい
る反応とは全く異なる反応機構で進行しているも
のと推定される。 このような陰イオンがハロゲンであるオニウム
化合物が本発明の反応においてどのような機構で
作用しているかは不明であるが、白金族金属また
は白金族元素を含む化合物と組み合わせた場合
に、尿素化合物の酸化的ウレタン化反応の触媒成
分として重要な作用をしていることは明らかであ
る。すなわち、陰イオンがハロゲンであるオニウ
ム化合物のみでは本反応のウレタン化反応はまつ
たく進行しないし、また白金族金属又は白金族元
素を含む化合物のみを用いた場合でも、本反応の
条件下ではウレタン化反応はほとんど進行しない
か、あるいは進行しても少量のウレタン化合物を
与えるに過ぎず、特に金属状態の白金族元素のみ
を用いた場合は、ウレタン化合物はほとんど得ら
れない。例えば、パラジウムは本反応に対して有
効な触媒成分の1つであるが、0価の金属パラジ
ウムであるパラジウム黒のみでは本反応は実質的
にほとんど進行しない。しかし、これに陰イオン
がハロゲンであるオニウム化合物、例えばヨウ化
テトラメチルアンモニウムなどを加えると、ほぼ
定量的にウレタン化合物が得られるようになる。 このように本発明方法においては、金属状態の
固体の白金族化合物をも触媒成分の1つとして用
いることができ、このことは高価な白金族化合物
を反応系からろ過などの簡単な方法で分離、回収
しうることを示しており、工業的に有利である。 また本発明のもう1つの大きな特徴は、陰イオ
ンがハロゲンであるオニウム化合物を用いてお
り、これらの化合物はほとんどが水溶性であるの
で生成物からの分離、回収が容易に行えることで
あつて、従来用いられているような重金属類の塩
化物とは異なり、生成物中に汚染物質として混入
することもない。 本発明方法において用いられる白金族金属及び
白金族元素を含む化合物については、成分として
パラジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、イリ
ジウム、オスミウムなどの白金族元素から選ばれ
た少なくとも1種を含むものであれば特に制限は
なく、これらの元素が金属状態であつてもよい
し、化合物を形成する成分であつてもよい。ま
た、これらの触媒成分は活性炭、グラフアイト、
シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−
チタニア、チタニア、ジルコニア、硫酸バリウ
ム、炭酸アルシウム、アスベスト、ベントナイ
ト、ケイソウ土、ポリマー、イオン交換樹脂、ゼ
オライト、モレキユラーシーブ、ケイ酸マグネシ
ウム、マグネシアなどの担体に担持されたもので
あつてもよい。 金属状態の白金族元素として、例えばパラジウ
ム、ロジウム、白金、ルテニウム、イリジウム及
びオスミウムなどの金属、これらの金属黒、これ
らの金属イオンを含む触媒成分を前記のような担
体に担持したのち、水素やホルムアルデヒドで還
元処理したもの、及びこれらの金属を含む合金あ
るいは金属間化合物などが用いられる。また、合
金あるいは金属間化合物はこれらの白金族金属同
士のものであつてもよいし、他の元素、例えばセ
レン、テルル、イオウ、アンチモン、ビスマス、
銅、銀、金、亜鉛、スズ、バナジウム、鉄、コバ
ルト、ニツケル、水銀、鉛、タリウム、クロム、
モリブテン、タングステンなどを含むものであつ
てもよい。 一方、白金族元素を含む化合物としては、例え
ばハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ホ
ウ酸塩などの無機塩類;酢酸塩、シユウ酸塩、ギ
酸塩などの有機酸塩類;シアン化物類;水酸化物
類;酸化物類;硫化物類;ニトロ基、シアノ基、
ハロゲン、シユウ酸イオンなどのアニオンを含む
金属酸塩及びアンモニア、アミン類、ホスフイン
類、一酸化炭素、キレート配位子などを含む塩又
は錯体などの金属の錯化合物類;有機配位子又は
有機基を有する有機金属化合物類などがあげられ
る。 これらの触媒成分の中では、パラジウム又はロ
ジウム若しくはその両方を含むものが特に好まし
く、このようなものとしては、例えばPd黒;Pd
−C、Pd−Al2O3、Pd−SiO2、Pd−TiO2、Pd−
ZrO2、Pd−BaSO4、Pd−CaCO3、Pd−アスベ
スト、Pd−ゼオライト、Pd−モレキユラーシー
ブなどの担持パラジウム触媒類;Pd−Pb、Pd−
Se、Pd−Te、Pd−Hg、Pd−Tl、Pd−P、Pd
−Cu、Pd−Ag、Pd−Fe、Pd−Co、Pd−Ni、
Pd−Rhなどの合金又は金属間化合物類;及びこ
れらの合金又は金属間化合物を前記のような担体
に担持したもの;PdCl2、PdBr2、PdI2、Pd
(NO3)2、PdSO4などの無機塩類;Pd
(OCOCH3)2、シユウ酸パラジウムなどの有機酸
塩類;Pd(CN)2;PdO;PdS;M2〔PdX4〕、M2
〔PdX6〕で表わされるパラジウム酸塩類(Mはア
ルカリ金属またはアンモニウムイオンを表わし、
Xはニトロ基またはシアノ基またはハロゲンを表
わす。);〔Pd(NH3)4〕X2、〔Pd(en)2〕X2などの
パラジウムのアンミン錯体類(Xは上記と同じ意
味をもち、enはエチレンジアミンを表わす);
PdCl2(PhCN)2PdCl2(PR3)2、Pd(CO)(PR3)3、
Pd(PPh3)4、PdCl(R)(PPh3)2、Pd(C2H4)
(PPh3)2、Pd(C3H5)2などの錯化合物又は有機金
属化合物類(Rは有機基を表わす);Pd(acac)2
などのキレート配位子が配位した錯化合物類;
Rh黒;Pdと同様な担持ロジウム触媒類;Pdと同
様なRh合金又は金属間化合物類及びこれらを担
体に担持したもの;RhCl3及び水和物、RhBr3及
び水和物、RhI3及び水和物、Rh2(SO4)3及び水和
物などの無機塩類;Rh2(OCOCH3)4;Rh2O3、
RhO2;M3〔RhX6〕及び水和物(M、Xは前記と
同じ意味をもつ);〔Ph(NH8)5〕X3、〔Rh(en)3〕
X3などのロジウムのアンミン錯体類;Rh4
(CO)12、Rh6(CO)16などのロジウムカルボニル
クラスター類;〔RhCl(CO)2〕2、RhCl3(PR3)3、
RhCl(PPh3)3、RhX(CO)L2(Xは前記と同じ意
味をもち、Lは有機リン化合物及び有機ヒ素化合
物からなる配位子である)、RhH(CO)(PPh3)3
などの錯化合物又は有機金属化合物類があげられ
る。 本発明においては、これらの白金族金属又は白
金族元素を含む化合物を1種だけ用いてもよい
し、また2種以上混合して用いてもよく、その使
用量については特に制限はないが、通常白金族元
素を含む成分が尿素化合物に対して、0.0001〜50
モル%の範囲であるのが望ましい。 また本発明で用いられる、陰イオンがハロゲン
であるオニウム化合物とは、孤立電子対をもつ元
素を含む化合物において、これらの孤立電子対に
プロトンあるいは他の陽イオン形の試薬が結合し
て孤立電子対をもつ元素が共有結合原子価1を増
加して陽イオンとなつているものであつて、対イ
オンとしてハロゲンアニオンを有するものであ
る。 このようなオニウム化合物としては、アンモニ
ウム化合物(〔R1R2R3R4N〕X)、ホスホニ
ウム化合物(〔R1R2R3R4P〕X)、アルソニ
ウム化合物(〔R1R2R3R4As〕X)、スチボニ
ウム化合物(〔R1R2R3R4Sb〕X)、オキソニ
ウム化合物(〔R1R2R3O〕X)、スルホニウム
化合物(〔R1R2R3S〕X)、オキシスルホニウ
ム化合物(〔R1R2R3S(O)X)、セレノニウ
ム化合物(〔R1R2R3Se〕X)、テルロニウム
化合物(〔R1R2R3Te〕X)、スタンノニウム
化合物(〔R1R2R3Sn〕X)、ヨウドニウム化
合物(〔R1R2I〕X)などがあげられる。ここ
でR1、R2、R3、R4は水素または脂肪族基、芳香
族基、脂環族基、芳香脂肪族基から選ばれた基を
表わし、それぞれが同じであつてもよいし、また
場合によつては孤立電子対を有する元素を含む環
の構成要素であつてもよい。またXは前記の通り
でF、Cl、Br、Iから選ばれたハロゲンを表わ
す。 このようなハロゲン化オニウム化合物は、ハロ
ゲン化水素または有機ハロゲン化物と相当するア
ンモニア、アミン、ホスフイン化合物、アルシン
化合物、スチビン化合物、オキシ化合物、スルフ
イド化合物、スルホキシド化合物、セレニド化合
物、テルリド化合物などとの反応によつて容易に
得られるものであり、これらは反応系外で製造さ
れたものを用いてもよいし、反応系内でこれらを
生成させてもよい。もちろん他の方法で製造され
たものであつてもよいし、他の方法によつて反応
系内で生成させたものであつてもよい。 これらの中で好ましいのはハロゲン化アンモニ
ウム化合物、ハロゲン化ホスホニウム化合物、ハ
ロゲン化アルソニウム化合物およびハロゲン化ス
ルホニウム化合物で、特に好ましいのはハロゲン
化アンモニウム化合物およびハロゲン化ホスホニ
ウム化合物である。 ハロゲン化アンモニウム化合物とは通常、一般
式()
【式】及び
【式】
で表わされるグループを有する含窒素化合物のハ
ロゲン化水素塩及び4級アンモニウムハライドの
ことである。ここで、Nに連なる3本又は4本の
線は、窒素原子と他の原子又は基との結合手を表
わし、Xは前記の通りF、Cl、Br、Iを表わす。 式()において、窒素に結合する原子又は基
としては例えば水素、アルカリ金属原子、ヒドロ
キシル基、脂肪族基、脂環族基、芳香族基、芳香
脂肪族基、複素環式基などがある。また式()
において窒素は、例えばピペリジン、ピリジン、
キノリンのように、それ自身が環を構成する要素
となつていてもよい。 さらに式()で表わされるグループを分子内
に2個以上存在するものであつてもよい。 このようなハロゲン化アンモニウム化合物は、
相当する含窒素化合物とハロゲン化水素との反
応、含窒素化合物とハロゲン化アルキルあるいは
ハロゲン化アリールとの反応などによつて容易に
得ることができる。 このようなハロゲン化水素、ハロゲン化アルキ
ル又はハロゲン化アリールと塩又は4級アンモニ
ウムハライドを形成することのできる含窒素化合
物としては、アンモニア;1級アミン、2級アミ
ン、3級アミン等のアミン類;ヒドロキシルアミ
ン類;ヒドラジン類;ヒドラゾン類;アミノ酸
類;オキシム類、;イミドエステル類;アミド類
及び種々の含窒素複素環式化合物等がある。 好ましい含窒素化合物のハロゲン化水素塩とし
ては、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨ
ウ化アンモニウム等のアンモニアの塩類;ジフエ
ニルアミン、トリフエニルアミン等の芳香族アミ
ンの塩類;メチルアミン、エチルアミン、プロピ
ルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オク
チルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジプロ
ピルアミン、トリプロピルアミン、ジブチルアミ
ン、トリプロピルアミン、メチルエチルアミン、
ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、
エチルブチルアミン、ジブチルメチルアミン、ト
リブチルアミン、トリヘキシルアミン、エチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ア
ミンの塩類;シクロプロピルアミン、シクロヘキ
シルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン等
の脂環族アミンの塩類;ベンジルアミン、N−メ
チルベンジルアミン、;N,N−ジエチルベンジ
ルアミン、ジベンジルアミン等の芳香脂肪族アミ
ンの塩類、ピペリジン、ピペラジン、モルホリ
ン、ピリジン、キノリン、ヘキサメチレンテトラ
ミン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾー
ル、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ジアザ
ビシクロウンデセン等の含窒素複素環式化合物の
塩類;ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリ
ドン等のアミドの塩類などが用いられる。 また4級アンモニウムハライドとしては、ハロ
ゲン化テトラメチルアンモニウム、ハロゲン化テ
トラエチルアンモニウム、ハロゲン化テトラプロ
ピルアンモニウム、ハロゲン化テトラブチルアン
モニウム、ハロゲン化トリメチルエチルアンモニ
ウム、ハロゲン化トリメチルブチルアンモニウ
ム、ハロゲン化ジエチルジブチルアンモニウム等
の脂肪族4級アンモニウムハライド類;ハロゲン
化N,N,N−トリメチルシクロヘキシルアンモ
ニウム等の脂環族4級アンモニウムハライド類;
ハロゲン化テトラベンジルアンモニウム、ハロゲ
ン化トリメチルベンジルアンモニウム等の芳香脂
肪族4級アンモニウムハライド類;ハロゲン化
N,N,N−トリメチルフエニルアンモニウム、
ハロゲン化N,N,N−トリエチルフエニルアン
モニウム等の芳香族4級アンモニウムハライド
類;ハロゲン化N−メチルピリジニウム、ハロゲ
ン化N−エチルピリジニウム、ハロゲン化N−メ
チルキノリニウム、ハロゲン化N−エチルキノリ
ニウム、ハロゲン化N,N−ジメチルピペリジニ
ウム、ハロゲン化N,N′−ジメチルイミダゾリ
ニウム等の複素環式4級アンモニウムハライド等
が好ましく用いられる。 ハロゲン化ホスホニウム化合物としては例え
ば、ハロゲン化テトラメチルホスホニウム、ハロ
ゲン化テトラエチルホスホニウム、ハロゲン化テ
トラプロピルホスホニウム、ハロゲン化テトラブ
チルホスホニウム、ハロゲン化テトラヘキシルホ
スホニウム等の対称形テトラアルキルホスホニウ
ム化合物類;ハロゲン化エチルトリメチルホスホ
ニウム、ハロゲン化ジエチルジメチルホスホニウ
ム等の非対称形テトラアルキルホスホニウム化合
物類;ハロゲン化テトラフエニルホスホニウム、
ハロゲン化テトラ(p−トリル)ホスホニウム等
の対称形テトラアリールホスホニウム化合物類;
ハロゲン化(α−ナフチル)トリフエニルホスホ
ニウム等の非対称形テトラアリールホスホニウム
化合物類;ハロゲン化メチルトリフエニルホスホ
ニウム、ハロゲン化エチルトリフエニルホスホニ
ウム、ハロゲン化フエニルトリメチルホスホニウ
ム等のアルキルアリール混合ホスホニウム化合物
類;ハロゲン化テトラベンジルホスホニウム等の
テトラアラルキルホスホニウム化合物類などが好
ましく用いられる。 ハロゲン化アルソニウム化合物としては例えば
ハロゲン化テトラメチルアルソニウム、ハロゲン
化テトラエチルアルソニウム等の対称形テトラア
ルキルアルソニウム化合物類;ハロゲン化メチル
トリエチルアルソニウム、ハロゲン化ジメチルジ
エチルアルソニウム等の非対称形テトラアルキル
アルソニウム化合物類;ハロゲン化テトラフエニ
ルアルソニウム等の対称形テトラアリールアルソ
ニウム化合物類;ハロゲン化メチルトリフエニル
アルソニウム、ハロゲン化エチルトリフエニルア
ルソニウム、ハロゲン化フエニルトリメチルアル
ソニウム等のアルキルアリール混合アルソニウム
化合物類などが好ましく用いられる。 またハロゲン化スルホニウム化合物としては例
えば、ハロゲン化トリメチルスルホニウム、ハロ
ゲン化トリエチルスルホニウム、ハロゲン化メチ
ルジエチルスルホニウム等の対称又は非対称形ア
ルキルスルホニウム化合物類;ハロゲン化トリフ
エニルスルホニウム等のアリールスルホニウム化
合物類;ハロゲン化ジメチルフエニルスルホニウ
ム、ハロゲン化メチルジフエニルスルホニウム等
のアルキルアリールスルホニウム化合物類;ハロ
ゲン化ビシクロ−(2,2,1′)−ヘプタン−1−
スルホニウム、ハロゲン化チオピリリウム等の環
状スルホニウム化合物類などが好ましく用いられ
る。 これらのハロゲン化オニウム化合物は1種だけ
で用いることもできるし、2種以上を混合して用
いることもできる。もちろん1分子内に同じかま
たは異なるハロゲン化オニウムグループを2個以
上含むものであつてもよい。 またこのようなハロゲン化オニウム化合物の中
ではハロゲン種が臭素またはヨウ素であるものが
好ましく用いられ、特に好ましいのはヨウ素を含
むものである。 本発明において用いられる前記のハロゲン化オ
ニウム化合物の量については、特に制限はない
が、使用される白金族元素を含む成分の中の金属
元素の量に対して、通常0.001〜10000倍モルの範
囲で使用されるのが好ましい。 本発明の原料として用いられる脂肪族、脂環
族、芳香脂肪族の尿素化合物とは、次式 で示されるような尿素結合を1分子中に少なくと
も1つ含む化合物のことであつて、こゝで、Nに
連なる2本の線は水素、脂肪族基、脂環族基、芳
香脂肪族基との結合手を表わすものである。また
これらの窒素はそれ自身、環を構成する要素をな
つていてもよいし、尿素結合自身が環を構成する
一部となつているようなものであつてもよい。 このような尿素化合物としては未置換尿素、モ
ノ置換尿素、ジ置換尿素、トリ置換尿素、テトラ
置換尿素などいずれであつてもよい。モノ置換尿
素としては例えば、メチル尿素、エチル尿素、プ
ロピル尿素、ブチル尿素、ヘキシル尿素等の脂肪
族モノ置換尿素類;シクロプロピル尿素、シクロ
ブチル尿素、シクロヘキシル尿素等の脂環族モノ
置換尿素類;ベンジル尿素、β−フエネチル尿素
等の芳香脂肪族モノ置換尿素類などが用いられ
る。ジ置換尿素としては例えば、N,N−ジメチ
ル尿素、N,N−ジエチル尿素、N,N−ジプロ
ピル尿素、N,N−ジブチル尿素、N,N−ジヘ
キシル尿素、N−エチル−N−メチル尿素、N−
エチル−N−ブチル尿素等の脂肪族N,N−ジ置
換尿素類;N,N−ジシクロプロピル尿素、N,
N−ジシクロブチル尿素、N,N−ジシクロヘキ
シル尿素、N−シクロプロピル−N−メチル尿
素、N−シクロヘキシル−N−エチル尿素等の脂
環族N,N−ジ置換尿素類;N,N−ジベンジル
尿素、N−ベンジル−N−メチル尿素等の芳香脂
肪族N,N−ジ置換尿素類;N,N′−ジメチル
尿素、N,N′−ジエチル尿素、N,N′−ジプロ
ピル尿素、N,N′−ジブチル尿素、N,N′−ジ
ヘキシル尿素、N−エチル−N′−メチル尿素、
N−エチル−N′−ブチル尿素、N−ヘキシル−
N′−メチル尿素などの脂肪族N,N′−ジ置換尿
素類;N,N′−ジシクロプロピル尿素、N,
N′−ジシクロブチル尿素、N,N′−ジシクロヘ
キシル尿素、N−シクロプロピル−N′−メチル
尿素、N−シクロヘキシル−N′−エチル尿素等
の脂環族N,N′−ジ置換尿素類;N,N′−ジベ
ンジル尿素、N−ベンジル−N′−メチル尿素等
の芳香脂肪族N,N′−ジ置換尿素類;ピペリジ
ル尿素、ピロリジニル尿素等の環状窒素化合物の
尿素類などが用いられる。トリ置換尿素類として
は例えば、トリメチル尿素、トリエチル尿素、ト
リプロピル尿素、トリブチル尿素、トリヘキシル
尿素、N,N−ジメチル−N′−エチル尿素、N,
N−ジエチル−N′−ブチル尿素、N−メチル−
N−エチル−N′−ブチル尿素等の脂肪族トリ置
換尿素類;トリシクロプロピル尿素、トリシクロ
ヘキシル尿素、N,N′−ジシクロヘキシル−
N′−メチル尿素、N−シクロヘキシル−N−エ
チル−N′−ブチル尿素、N,N−ジエチル−
N′−シクロブチル尿素等の脂環族トリ置換尿素
類;N−エチルピペリジル尿素、N−メチルピロ
リジニル尿素等の環状窒素化合物の尿素類などが
用いられる。テトラ置換尿素としては例えばテト
ラメチル尿素、テトラエチル尿素、テトラプロピ
ル尿素、テトラヘキシル尿素、ジエチルジメチル
尿素、エチルトリメチル尿素等の脂肪族テトラ置
換尿素類;テトラシクロプロピル尿素、テトラシ
クロヘキシル尿素、ジシクロヘキシルジエチル尿
素、シクロブチルトリメチル尿素等の脂環族テト
ラ置換尿素類;テトラベンジル尿素、トリベンジ
ルメチル尿素、ジベンジルジエチル尿素、ベンジ
ルトリメチル尿素等の芳香脂肪族テトラ置換尿素
類などが用いられる。環状尿素としては2−イミ
ダゾロン、2−イミダゾリドン、ビオチン、ヒダ
ントイン、パラバン酸などが用いられる。 さらにこれらの置換尿素類において置換基の1
個以上の水素が他の置換基、例えば低級脂肪族
基、アミノ基、カルボキシル基、エステル基、ア
ルコキシ基、シアノ基、ハロゲン、ニトロ基、ウ
レタン基、スルホキシド基、スルホン基、カルボ
ニル基、アミド基、芳香族基、芳香脂肪族基など
によつて置換されているものであつてもよい。 これらの尿素化合物は1種またはそれ以上で用
いられる。 本発明に用いる有機ヒドロキシル化合物は、1
価又は多価のアルコール類、あるいは1価又は多
価のフエノール類であり、このようなアルコール
類としては、例えば炭素数1〜20の直鎖又は分枝
鎖の1価又は多価アルカノールやアルケノール、
1価又は多価のシクロアルカノールやシクロアル
ケノールやアラルキルアルコールなどがあげられ
る。さらにこれらのアルコール類は不活性な他の
置換基、例えばハロゲン原子、シアノ基、アルコ
キシ基、スルホキシド基、スルホン基、カルボニ
ル基、エステル基、アミド基などを含んでいても
よい。 このようなアルコール類の具体例として、メタ
ノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、
ブタノール(各異性体)、ペンタノール(各異性
体)、ヘキサノール(各異性体)、ヘプタノール
(各異性体)、オクタノール(各異性体)、ノニル
アルコール(各異性体)、デシルアルコール(各
異性体)、ウンデシルアルコール(各異性体)、ラ
ウリルアルコール(各異性体)、トリデシルアル
コール(各異性体)、テトラデシルアルコール
(各異性体)、ペンタデシルアルコール(各異性
体)などの脂肪族アルコール類;シクロヘキサノ
ール、シクロヘプタノールなどのシクロアルカノ
ール類;エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノエチルエーテルなどのアルキレングリコー
ルモノエーテル類;エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオ
ール、トリメチロールプロパンなどの多価アルコ
ール類;ベンジルアルコールなどのアラルキルア
ルコール類などがある。 またフエノール類としては例えば、フエノー
ル、各種アルキルフエノール、各種アルコキシフ
エノール、各種ハロゲン化フエノール、ジヒドロ
キシベンゼン、4,4′−ジヒドロキシ−ジフエニ
ルメタン、ビスフエノール−A、ヒドロキシナフ
タレンなどが用いられる。 本発明において用いられる酸化剤としては、通
常の酸化剤を使用しうるが、好ましいものは分子
状酸素又は有機ニトロ化合物若しくはこれらの混
合物である。特に好ましいのは分子状酸素であ
る。この分子状酸素とは純酸素又は酸素を含むも
のであつて空気でもよいし、あるいは空気又は純
酸素に反応を阻害しない他のガス、例えば窒素、
アルゴン、ヘリウム、炭酸ガスなどの不活性ガス
を加えて希釈したものであつてもよい。また場合
によつては、水素、一酸化炭素、炭化水素、ハロ
ゲン化炭化水素などのガスを含んでいてもよい。 また、有機ニトロ化合物としては脂環族、脂肪
族及び芳香族のいずれのニトロ化合物であつても
よい。脂環族ニトロ化合物としては、例えばニト
ロシクロブタン、ニトロシクロペンタン、ニトロ
シクロヘキサン、ジニトロシクロヘキサン(各異
性体)、ビス−(ニトロシクロヘキシル)−メタン
などが、脂肪族ニトロ化合物としては、例えばニ
トロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン(各
異性体)、ニトロブタン(各異性体)、ニトロペン
タン(各異性体)、ニトロヘキサン(各異性体)、
ニトロデカン(各異性体)、1,2−ジニトロエ
タン、ジニトロプロパン(各異性体)、ジニトロ
ブタン(各異性体)、ジニトロペンタン(各異性
体)、ジニトロヘキサン(各異性体)、ジニトロデ
カン(各異性体)、フエニルニトロメタン、ビス
−(ニトロメチル)−シクロヘキサン、ビス−(ニ
トロメチル)−ベンゼンなどが、芳香族ニトロ化
合物としては、例えばニトロベンゼン、ジニトロ
ベンゼン(各異性体)、ニトロトルエン(各異性
体)、ジニトロトルエン(各異性体)、ニトロピリ
ジン(各異性体)、ジニトロピリジン(各異性
体)、ニトロナフタレン(各異性体)、ジニトロナ
フタレン(各異性体)等があげられる。 また、これらのニトロ化合物において、少なく
とも1個の水素が他の置換基、例えばハロゲン原
子、アミノ基、シアノ基、アルキル基、脂環族
基、芳香族基、アラルキル基、アルコキシ基、ス
ルホキシド基、スルホン基、カルボニル基、エス
テル基、アミド基などで置換されていてもよい。 本発明において酸化剤が分子状酸素の場合は、
次のような一般的な反応式に従つて進行する。 (ここでR5、R6、R7、R8は水素、脂肪族基、脂
環族基、芳香脂肪族基から選ばれた原子又は基
を、Rは有機基を表わす。) 分子状酸素は当量よりも少なくても、多くても
よいが、酸素/一酸化炭素又は酸素/有機ヒドロ
キシル化合物の混合物は爆発限界外で使用すべき
である。 また、有機ニトロ化合物を酸化剤として用いる
場合、有機ニトロ化合物自体も反応に与かりウレ
タンとなるので、その有機基の構造が尿素化合物
の置換基と異なれば、それぞれの構造に応じたウ
レタン化合物が得られ、両者の構造が同じであれ
ば同じウレタン化合物が得られることはいうまで
もない。 この場合、ウレタン化反応は例えば次のような
反応式に従つて進行する。 (ここでR5、R6、R7、R8およびRは前記と同じ
意味をもち、R9は有機ニトロ化合物の有機残基
を表わす。) 有機ニトロ化合物だけを酸化剤として用いる場
合、尿素化合物と有機ニトロ化合物の量比は、尿
素基2モル当りニトロ基1モルとなるようにする
のが好ましいが、もちろんこの化学量論量比から
離れたところで実施してもかまわない。一般に尿
素基のニトロ基に対する当量比は1.1:1ないし
4:1、好ましくは1.5:1ないし2.5:1で実施
される。 もちろん分子状酸素あるいはその他の酸化剤を
同時に使用する場合には有機ニトロ化合物は化学
量論量より少なくてもよい。 本発明方法においては、反応溶媒として有機ヒ
ドロキシル化合物を過剰に用いることが好ましい
が、必要に応じて反応に悪影響を及ぼさない溶媒
を用いることもできる。このような溶媒として
は、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシ
チレンなどの芳香族炭化水素類;クロルベンゼ
ン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン、フ
ルオロベンゼン、クロルトルエン、クロルナフタ
レン、ブロムナフタレンなどのハロゲン化芳香族
炭化水素類;クロルヘキサン、クロルシクロヘキ
サン、トリクロルトリフルオロエタン、塩化メチ
レン、四塩化炭素などのハロゲン化脂肪族炭化水
素あるいはハロゲン化脂環族炭化水素類;アセト
ニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;ス
ルホラン、メチルスルホラン、ジメチルスルホラ
ンなどのスルホン類;テトラヒドロフラン、1,
4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなど
のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン類;酢酸エチル、安息香酸エチルなど
のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドン、ヘキサメチルホスホルアミドなどのアミ
ド類などがあげられる。 本発明方法において、反応をより効率的に行う
ために必要に応じて他の添加物を反応系に加える
こともできる。このような添加物として、例えば
ゼオライト類、3級アミン類、およびホウ酸、ア
ルミン酸、炭酸、ケイ酸、有機酸などの酸のアル
カリ金属塩やアルカリ土類金属塩類が好適であ
る。 本発明方法において、反応は通常80〜300℃、
好ましくは120〜220℃の温度範囲で行われる。ま
た反応圧力は1〜500Kg/cm2、好ましくは20〜300
Kg/cm2の範囲であり、反応時間は反応系、触媒系
及びその他の反応条件によつて異なるが、通常数
分〜数時間である。 また、本発明の反応は回分式でも実施しうる
し、連続的に反応成分を供給しながら連続的に反
応液を抜き出す連続方式でも実施しうる。 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 実施例 1 内容積140mlのかきまぜ式オートクレーブにN,
N′−ジシクロヘキシル尿素20mmol、エタノール
40ml、パラジウム黒0.5mgatom、ヨウ化テトラメ
チルアンモニウム2mmolを入れて系内を一酸化
炭素で置換したのち、一酸化炭素を80Kg/cm2、次
いで酸素6Kg/cm2を圧入した。かきまぜながら
160℃で1時間反応させた後、反応混合物をろ過
して淡黄色溶液を得た。この溶液を分析した結
果、N,N′−ジシクロヘキシル尿素の反応率は
96%、N−シクロヘキシルカルバミン酸エチルの
収率は94%で選択率は98%であつた。 実施例 2〜16 実施例1におけるヨウ化テトラメチルアンモニ
ウムの代りに種々のハロゲン化オニウム化合物2
mmolを用いた以外は実施例1と同様の反応を行
つた結果を第1表に示す。
ロゲン化水素塩及び4級アンモニウムハライドの
ことである。ここで、Nに連なる3本又は4本の
線は、窒素原子と他の原子又は基との結合手を表
わし、Xは前記の通りF、Cl、Br、Iを表わす。 式()において、窒素に結合する原子又は基
としては例えば水素、アルカリ金属原子、ヒドロ
キシル基、脂肪族基、脂環族基、芳香族基、芳香
脂肪族基、複素環式基などがある。また式()
において窒素は、例えばピペリジン、ピリジン、
キノリンのように、それ自身が環を構成する要素
となつていてもよい。 さらに式()で表わされるグループを分子内
に2個以上存在するものであつてもよい。 このようなハロゲン化アンモニウム化合物は、
相当する含窒素化合物とハロゲン化水素との反
応、含窒素化合物とハロゲン化アルキルあるいは
ハロゲン化アリールとの反応などによつて容易に
得ることができる。 このようなハロゲン化水素、ハロゲン化アルキ
ル又はハロゲン化アリールと塩又は4級アンモニ
ウムハライドを形成することのできる含窒素化合
物としては、アンモニア;1級アミン、2級アミ
ン、3級アミン等のアミン類;ヒドロキシルアミ
ン類;ヒドラジン類;ヒドラゾン類;アミノ酸
類;オキシム類、;イミドエステル類;アミド類
及び種々の含窒素複素環式化合物等がある。 好ましい含窒素化合物のハロゲン化水素塩とし
ては、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨ
ウ化アンモニウム等のアンモニアの塩類;ジフエ
ニルアミン、トリフエニルアミン等の芳香族アミ
ンの塩類;メチルアミン、エチルアミン、プロピ
ルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オク
チルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジプロ
ピルアミン、トリプロピルアミン、ジブチルアミ
ン、トリプロピルアミン、メチルエチルアミン、
ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、
エチルブチルアミン、ジブチルメチルアミン、ト
リブチルアミン、トリヘキシルアミン、エチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ア
ミンの塩類;シクロプロピルアミン、シクロヘキ
シルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン等
の脂環族アミンの塩類;ベンジルアミン、N−メ
チルベンジルアミン、;N,N−ジエチルベンジ
ルアミン、ジベンジルアミン等の芳香脂肪族アミ
ンの塩類、ピペリジン、ピペラジン、モルホリ
ン、ピリジン、キノリン、ヘキサメチレンテトラ
ミン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾー
ル、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ジアザ
ビシクロウンデセン等の含窒素複素環式化合物の
塩類;ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリ
ドン等のアミドの塩類などが用いられる。 また4級アンモニウムハライドとしては、ハロ
ゲン化テトラメチルアンモニウム、ハロゲン化テ
トラエチルアンモニウム、ハロゲン化テトラプロ
ピルアンモニウム、ハロゲン化テトラブチルアン
モニウム、ハロゲン化トリメチルエチルアンモニ
ウム、ハロゲン化トリメチルブチルアンモニウ
ム、ハロゲン化ジエチルジブチルアンモニウム等
の脂肪族4級アンモニウムハライド類;ハロゲン
化N,N,N−トリメチルシクロヘキシルアンモ
ニウム等の脂環族4級アンモニウムハライド類;
ハロゲン化テトラベンジルアンモニウム、ハロゲ
ン化トリメチルベンジルアンモニウム等の芳香脂
肪族4級アンモニウムハライド類;ハロゲン化
N,N,N−トリメチルフエニルアンモニウム、
ハロゲン化N,N,N−トリエチルフエニルアン
モニウム等の芳香族4級アンモニウムハライド
類;ハロゲン化N−メチルピリジニウム、ハロゲ
ン化N−エチルピリジニウム、ハロゲン化N−メ
チルキノリニウム、ハロゲン化N−エチルキノリ
ニウム、ハロゲン化N,N−ジメチルピペリジニ
ウム、ハロゲン化N,N′−ジメチルイミダゾリ
ニウム等の複素環式4級アンモニウムハライド等
が好ましく用いられる。 ハロゲン化ホスホニウム化合物としては例え
ば、ハロゲン化テトラメチルホスホニウム、ハロ
ゲン化テトラエチルホスホニウム、ハロゲン化テ
トラプロピルホスホニウム、ハロゲン化テトラブ
チルホスホニウム、ハロゲン化テトラヘキシルホ
スホニウム等の対称形テトラアルキルホスホニウ
ム化合物類;ハロゲン化エチルトリメチルホスホ
ニウム、ハロゲン化ジエチルジメチルホスホニウ
ム等の非対称形テトラアルキルホスホニウム化合
物類;ハロゲン化テトラフエニルホスホニウム、
ハロゲン化テトラ(p−トリル)ホスホニウム等
の対称形テトラアリールホスホニウム化合物類;
ハロゲン化(α−ナフチル)トリフエニルホスホ
ニウム等の非対称形テトラアリールホスホニウム
化合物類;ハロゲン化メチルトリフエニルホスホ
ニウム、ハロゲン化エチルトリフエニルホスホニ
ウム、ハロゲン化フエニルトリメチルホスホニウ
ム等のアルキルアリール混合ホスホニウム化合物
類;ハロゲン化テトラベンジルホスホニウム等の
テトラアラルキルホスホニウム化合物類などが好
ましく用いられる。 ハロゲン化アルソニウム化合物としては例えば
ハロゲン化テトラメチルアルソニウム、ハロゲン
化テトラエチルアルソニウム等の対称形テトラア
ルキルアルソニウム化合物類;ハロゲン化メチル
トリエチルアルソニウム、ハロゲン化ジメチルジ
エチルアルソニウム等の非対称形テトラアルキル
アルソニウム化合物類;ハロゲン化テトラフエニ
ルアルソニウム等の対称形テトラアリールアルソ
ニウム化合物類;ハロゲン化メチルトリフエニル
アルソニウム、ハロゲン化エチルトリフエニルア
ルソニウム、ハロゲン化フエニルトリメチルアル
ソニウム等のアルキルアリール混合アルソニウム
化合物類などが好ましく用いられる。 またハロゲン化スルホニウム化合物としては例
えば、ハロゲン化トリメチルスルホニウム、ハロ
ゲン化トリエチルスルホニウム、ハロゲン化メチ
ルジエチルスルホニウム等の対称又は非対称形ア
ルキルスルホニウム化合物類;ハロゲン化トリフ
エニルスルホニウム等のアリールスルホニウム化
合物類;ハロゲン化ジメチルフエニルスルホニウ
ム、ハロゲン化メチルジフエニルスルホニウム等
のアルキルアリールスルホニウム化合物類;ハロ
ゲン化ビシクロ−(2,2,1′)−ヘプタン−1−
スルホニウム、ハロゲン化チオピリリウム等の環
状スルホニウム化合物類などが好ましく用いられ
る。 これらのハロゲン化オニウム化合物は1種だけ
で用いることもできるし、2種以上を混合して用
いることもできる。もちろん1分子内に同じかま
たは異なるハロゲン化オニウムグループを2個以
上含むものであつてもよい。 またこのようなハロゲン化オニウム化合物の中
ではハロゲン種が臭素またはヨウ素であるものが
好ましく用いられ、特に好ましいのはヨウ素を含
むものである。 本発明において用いられる前記のハロゲン化オ
ニウム化合物の量については、特に制限はない
が、使用される白金族元素を含む成分の中の金属
元素の量に対して、通常0.001〜10000倍モルの範
囲で使用されるのが好ましい。 本発明の原料として用いられる脂肪族、脂環
族、芳香脂肪族の尿素化合物とは、次式 で示されるような尿素結合を1分子中に少なくと
も1つ含む化合物のことであつて、こゝで、Nに
連なる2本の線は水素、脂肪族基、脂環族基、芳
香脂肪族基との結合手を表わすものである。また
これらの窒素はそれ自身、環を構成する要素をな
つていてもよいし、尿素結合自身が環を構成する
一部となつているようなものであつてもよい。 このような尿素化合物としては未置換尿素、モ
ノ置換尿素、ジ置換尿素、トリ置換尿素、テトラ
置換尿素などいずれであつてもよい。モノ置換尿
素としては例えば、メチル尿素、エチル尿素、プ
ロピル尿素、ブチル尿素、ヘキシル尿素等の脂肪
族モノ置換尿素類;シクロプロピル尿素、シクロ
ブチル尿素、シクロヘキシル尿素等の脂環族モノ
置換尿素類;ベンジル尿素、β−フエネチル尿素
等の芳香脂肪族モノ置換尿素類などが用いられ
る。ジ置換尿素としては例えば、N,N−ジメチ
ル尿素、N,N−ジエチル尿素、N,N−ジプロ
ピル尿素、N,N−ジブチル尿素、N,N−ジヘ
キシル尿素、N−エチル−N−メチル尿素、N−
エチル−N−ブチル尿素等の脂肪族N,N−ジ置
換尿素類;N,N−ジシクロプロピル尿素、N,
N−ジシクロブチル尿素、N,N−ジシクロヘキ
シル尿素、N−シクロプロピル−N−メチル尿
素、N−シクロヘキシル−N−エチル尿素等の脂
環族N,N−ジ置換尿素類;N,N−ジベンジル
尿素、N−ベンジル−N−メチル尿素等の芳香脂
肪族N,N−ジ置換尿素類;N,N′−ジメチル
尿素、N,N′−ジエチル尿素、N,N′−ジプロ
ピル尿素、N,N′−ジブチル尿素、N,N′−ジ
ヘキシル尿素、N−エチル−N′−メチル尿素、
N−エチル−N′−ブチル尿素、N−ヘキシル−
N′−メチル尿素などの脂肪族N,N′−ジ置換尿
素類;N,N′−ジシクロプロピル尿素、N,
N′−ジシクロブチル尿素、N,N′−ジシクロヘ
キシル尿素、N−シクロプロピル−N′−メチル
尿素、N−シクロヘキシル−N′−エチル尿素等
の脂環族N,N′−ジ置換尿素類;N,N′−ジベ
ンジル尿素、N−ベンジル−N′−メチル尿素等
の芳香脂肪族N,N′−ジ置換尿素類;ピペリジ
ル尿素、ピロリジニル尿素等の環状窒素化合物の
尿素類などが用いられる。トリ置換尿素類として
は例えば、トリメチル尿素、トリエチル尿素、ト
リプロピル尿素、トリブチル尿素、トリヘキシル
尿素、N,N−ジメチル−N′−エチル尿素、N,
N−ジエチル−N′−ブチル尿素、N−メチル−
N−エチル−N′−ブチル尿素等の脂肪族トリ置
換尿素類;トリシクロプロピル尿素、トリシクロ
ヘキシル尿素、N,N′−ジシクロヘキシル−
N′−メチル尿素、N−シクロヘキシル−N−エ
チル−N′−ブチル尿素、N,N−ジエチル−
N′−シクロブチル尿素等の脂環族トリ置換尿素
類;N−エチルピペリジル尿素、N−メチルピロ
リジニル尿素等の環状窒素化合物の尿素類などが
用いられる。テトラ置換尿素としては例えばテト
ラメチル尿素、テトラエチル尿素、テトラプロピ
ル尿素、テトラヘキシル尿素、ジエチルジメチル
尿素、エチルトリメチル尿素等の脂肪族テトラ置
換尿素類;テトラシクロプロピル尿素、テトラシ
クロヘキシル尿素、ジシクロヘキシルジエチル尿
素、シクロブチルトリメチル尿素等の脂環族テト
ラ置換尿素類;テトラベンジル尿素、トリベンジ
ルメチル尿素、ジベンジルジエチル尿素、ベンジ
ルトリメチル尿素等の芳香脂肪族テトラ置換尿素
類などが用いられる。環状尿素としては2−イミ
ダゾロン、2−イミダゾリドン、ビオチン、ヒダ
ントイン、パラバン酸などが用いられる。 さらにこれらの置換尿素類において置換基の1
個以上の水素が他の置換基、例えば低級脂肪族
基、アミノ基、カルボキシル基、エステル基、ア
ルコキシ基、シアノ基、ハロゲン、ニトロ基、ウ
レタン基、スルホキシド基、スルホン基、カルボ
ニル基、アミド基、芳香族基、芳香脂肪族基など
によつて置換されているものであつてもよい。 これらの尿素化合物は1種またはそれ以上で用
いられる。 本発明に用いる有機ヒドロキシル化合物は、1
価又は多価のアルコール類、あるいは1価又は多
価のフエノール類であり、このようなアルコール
類としては、例えば炭素数1〜20の直鎖又は分枝
鎖の1価又は多価アルカノールやアルケノール、
1価又は多価のシクロアルカノールやシクロアル
ケノールやアラルキルアルコールなどがあげられ
る。さらにこれらのアルコール類は不活性な他の
置換基、例えばハロゲン原子、シアノ基、アルコ
キシ基、スルホキシド基、スルホン基、カルボニ
ル基、エステル基、アミド基などを含んでいても
よい。 このようなアルコール類の具体例として、メタ
ノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、
ブタノール(各異性体)、ペンタノール(各異性
体)、ヘキサノール(各異性体)、ヘプタノール
(各異性体)、オクタノール(各異性体)、ノニル
アルコール(各異性体)、デシルアルコール(各
異性体)、ウンデシルアルコール(各異性体)、ラ
ウリルアルコール(各異性体)、トリデシルアル
コール(各異性体)、テトラデシルアルコール
(各異性体)、ペンタデシルアルコール(各異性
体)などの脂肪族アルコール類;シクロヘキサノ
ール、シクロヘプタノールなどのシクロアルカノ
ール類;エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノエチルエーテルなどのアルキレングリコー
ルモノエーテル類;エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオ
ール、トリメチロールプロパンなどの多価アルコ
ール類;ベンジルアルコールなどのアラルキルア
ルコール類などがある。 またフエノール類としては例えば、フエノー
ル、各種アルキルフエノール、各種アルコキシフ
エノール、各種ハロゲン化フエノール、ジヒドロ
キシベンゼン、4,4′−ジヒドロキシ−ジフエニ
ルメタン、ビスフエノール−A、ヒドロキシナフ
タレンなどが用いられる。 本発明において用いられる酸化剤としては、通
常の酸化剤を使用しうるが、好ましいものは分子
状酸素又は有機ニトロ化合物若しくはこれらの混
合物である。特に好ましいのは分子状酸素であ
る。この分子状酸素とは純酸素又は酸素を含むも
のであつて空気でもよいし、あるいは空気又は純
酸素に反応を阻害しない他のガス、例えば窒素、
アルゴン、ヘリウム、炭酸ガスなどの不活性ガス
を加えて希釈したものであつてもよい。また場合
によつては、水素、一酸化炭素、炭化水素、ハロ
ゲン化炭化水素などのガスを含んでいてもよい。 また、有機ニトロ化合物としては脂環族、脂肪
族及び芳香族のいずれのニトロ化合物であつても
よい。脂環族ニトロ化合物としては、例えばニト
ロシクロブタン、ニトロシクロペンタン、ニトロ
シクロヘキサン、ジニトロシクロヘキサン(各異
性体)、ビス−(ニトロシクロヘキシル)−メタン
などが、脂肪族ニトロ化合物としては、例えばニ
トロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン(各
異性体)、ニトロブタン(各異性体)、ニトロペン
タン(各異性体)、ニトロヘキサン(各異性体)、
ニトロデカン(各異性体)、1,2−ジニトロエ
タン、ジニトロプロパン(各異性体)、ジニトロ
ブタン(各異性体)、ジニトロペンタン(各異性
体)、ジニトロヘキサン(各異性体)、ジニトロデ
カン(各異性体)、フエニルニトロメタン、ビス
−(ニトロメチル)−シクロヘキサン、ビス−(ニ
トロメチル)−ベンゼンなどが、芳香族ニトロ化
合物としては、例えばニトロベンゼン、ジニトロ
ベンゼン(各異性体)、ニトロトルエン(各異性
体)、ジニトロトルエン(各異性体)、ニトロピリ
ジン(各異性体)、ジニトロピリジン(各異性
体)、ニトロナフタレン(各異性体)、ジニトロナ
フタレン(各異性体)等があげられる。 また、これらのニトロ化合物において、少なく
とも1個の水素が他の置換基、例えばハロゲン原
子、アミノ基、シアノ基、アルキル基、脂環族
基、芳香族基、アラルキル基、アルコキシ基、ス
ルホキシド基、スルホン基、カルボニル基、エス
テル基、アミド基などで置換されていてもよい。 本発明において酸化剤が分子状酸素の場合は、
次のような一般的な反応式に従つて進行する。 (ここでR5、R6、R7、R8は水素、脂肪族基、脂
環族基、芳香脂肪族基から選ばれた原子又は基
を、Rは有機基を表わす。) 分子状酸素は当量よりも少なくても、多くても
よいが、酸素/一酸化炭素又は酸素/有機ヒドロ
キシル化合物の混合物は爆発限界外で使用すべき
である。 また、有機ニトロ化合物を酸化剤として用いる
場合、有機ニトロ化合物自体も反応に与かりウレ
タンとなるので、その有機基の構造が尿素化合物
の置換基と異なれば、それぞれの構造に応じたウ
レタン化合物が得られ、両者の構造が同じであれ
ば同じウレタン化合物が得られることはいうまで
もない。 この場合、ウレタン化反応は例えば次のような
反応式に従つて進行する。 (ここでR5、R6、R7、R8およびRは前記と同じ
意味をもち、R9は有機ニトロ化合物の有機残基
を表わす。) 有機ニトロ化合物だけを酸化剤として用いる場
合、尿素化合物と有機ニトロ化合物の量比は、尿
素基2モル当りニトロ基1モルとなるようにする
のが好ましいが、もちろんこの化学量論量比から
離れたところで実施してもかまわない。一般に尿
素基のニトロ基に対する当量比は1.1:1ないし
4:1、好ましくは1.5:1ないし2.5:1で実施
される。 もちろん分子状酸素あるいはその他の酸化剤を
同時に使用する場合には有機ニトロ化合物は化学
量論量より少なくてもよい。 本発明方法においては、反応溶媒として有機ヒ
ドロキシル化合物を過剰に用いることが好ましい
が、必要に応じて反応に悪影響を及ぼさない溶媒
を用いることもできる。このような溶媒として
は、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシ
チレンなどの芳香族炭化水素類;クロルベンゼ
ン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン、フ
ルオロベンゼン、クロルトルエン、クロルナフタ
レン、ブロムナフタレンなどのハロゲン化芳香族
炭化水素類;クロルヘキサン、クロルシクロヘキ
サン、トリクロルトリフルオロエタン、塩化メチ
レン、四塩化炭素などのハロゲン化脂肪族炭化水
素あるいはハロゲン化脂環族炭化水素類;アセト
ニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;ス
ルホラン、メチルスルホラン、ジメチルスルホラ
ンなどのスルホン類;テトラヒドロフラン、1,
4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなど
のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン類;酢酸エチル、安息香酸エチルなど
のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドン、ヘキサメチルホスホルアミドなどのアミ
ド類などがあげられる。 本発明方法において、反応をより効率的に行う
ために必要に応じて他の添加物を反応系に加える
こともできる。このような添加物として、例えば
ゼオライト類、3級アミン類、およびホウ酸、ア
ルミン酸、炭酸、ケイ酸、有機酸などの酸のアル
カリ金属塩やアルカリ土類金属塩類が好適であ
る。 本発明方法において、反応は通常80〜300℃、
好ましくは120〜220℃の温度範囲で行われる。ま
た反応圧力は1〜500Kg/cm2、好ましくは20〜300
Kg/cm2の範囲であり、反応時間は反応系、触媒系
及びその他の反応条件によつて異なるが、通常数
分〜数時間である。 また、本発明の反応は回分式でも実施しうる
し、連続的に反応成分を供給しながら連続的に反
応液を抜き出す連続方式でも実施しうる。 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 実施例 1 内容積140mlのかきまぜ式オートクレーブにN,
N′−ジシクロヘキシル尿素20mmol、エタノール
40ml、パラジウム黒0.5mgatom、ヨウ化テトラメ
チルアンモニウム2mmolを入れて系内を一酸化
炭素で置換したのち、一酸化炭素を80Kg/cm2、次
いで酸素6Kg/cm2を圧入した。かきまぜながら
160℃で1時間反応させた後、反応混合物をろ過
して淡黄色溶液を得た。この溶液を分析した結
果、N,N′−ジシクロヘキシル尿素の反応率は
96%、N−シクロヘキシルカルバミン酸エチルの
収率は94%で選択率は98%であつた。 実施例 2〜16 実施例1におけるヨウ化テトラメチルアンモニ
ウムの代りに種々のハロゲン化オニウム化合物2
mmolを用いた以外は実施例1と同様の反応を行
つた結果を第1表に示す。
【表】
【表】
比較例 1
ハロゲン化オニウム化合物を全く用いないでパ
ラジウム黒のみを用いて実施例1と同様の反応を
行つた結果、N,N′−ジシクロヘキシル尿素の
反応率は8%で、N−シクロヘキシルカルバミン
酸エチルは、わずか2%の収率で生成しているに
過ぎなかつた。 実施例 17 実施例1におけるN,N′−ジシクロヘキシル
尿素の代りに尿素20mmolを用いた以外は、まつ
たく実施例1と同様の反応を行つた結果、尿素の
反応率は88%でカルバミン酸エチルの収率は84
%、選択率は95%であつた。 実施例 18 実施例1におけるN,N′−ジシクロヘキシル
尿素の代りにテトラメチル尿素20mmolを用いた
以外は、まつたく実施例1と同様の反応を行つた
結果、テトラメチル尿素の反応率は72%で、N,
N−ジメチルカルバミン酸エチルの収率は65%で
選択率は90%であつた。 実施例 19 実施例1におけるN,N′−ジシクロヘキシル
尿素の代りにN,N′−ジ(n−ブチル)尿素20
mmolを用いた以外は、まつたく実施例1と同様
の反応を行つた結果、N,N′−ジ(n−ブチル)
尿素の反応率は94%で、N−n−ブチルカルバミ
ン酸エチルの収率は88%で選択率は94%であつ
た。 実施例 20 内容積200mlのかきまぜ式オートクレーブにN,
N′−ジ(β−フエネチル)尿素20mmol、エタノ
ール50ml、活性炭に5w%のロジウムを担持した
Rh/C1g、ヨウ化テトラメチルアンモニウム3
mmolを入れ、系内を一酸化炭素で置換した後、
一酸化炭素を80Kg/cm2、次いで酸素6Kg/cm2を圧
入した。かきまぜながら160℃で1時間反応させ
た後、反応混合物をろ過してろ液を分析した結
果、N,N′−ジ(β−フエネチル)尿素の反応
率は92%、N−(β−フエネチル)カルバミン酸
エチルの収率は85%で選択率は92%であつた。 比較例 2 ヨウ化テトラメチルアンモニウムを用いないで
実施例20と同じ反応を行つたが、N,N′−ジ
(β−フエネチル)尿素の反応率は9%で、N−
(β−フエネチル)カルバミン酸エチルの収率は
2%以下であつた。 実施例 21 内容積200mlのかきまぜ式オートクレーブにN,
N′−ジ(n−ヘキシル)尿素30mmol、ニトロベ
ンゼン15mmol、メタノール50ml、塩化パラジウ
ム0.5mmol、ヨウ化テトラブチルアンモニウム
3mmolを入れ、系内を一酸化炭素で置換した
後、一酸化炭素140Kg/cm2を圧入した。かきまぜ
ながら180℃で5時間反応させた。反応液を分析
した結果、N,N′−ジ(n−ヘキシル)尿素及
びニトロベンゼンの反応率はそれぞれ34%及び38
%で、N−n−ヘキシルカルバミン酸メチル及び
N−フエニルカルバミン酸メチルがそれぞれ13m
mol及び3mmol生成していた。 実施例 22〜29 実施例1においてパラジウム黒の代りに種々の
白金族金属又は白金族元素を含む化合物を用いて
同様の反応を行つた結果を第2表に示す。
ラジウム黒のみを用いて実施例1と同様の反応を
行つた結果、N,N′−ジシクロヘキシル尿素の
反応率は8%で、N−シクロヘキシルカルバミン
酸エチルは、わずか2%の収率で生成しているに
過ぎなかつた。 実施例 17 実施例1におけるN,N′−ジシクロヘキシル
尿素の代りに尿素20mmolを用いた以外は、まつ
たく実施例1と同様の反応を行つた結果、尿素の
反応率は88%でカルバミン酸エチルの収率は84
%、選択率は95%であつた。 実施例 18 実施例1におけるN,N′−ジシクロヘキシル
尿素の代りにテトラメチル尿素20mmolを用いた
以外は、まつたく実施例1と同様の反応を行つた
結果、テトラメチル尿素の反応率は72%で、N,
N−ジメチルカルバミン酸エチルの収率は65%で
選択率は90%であつた。 実施例 19 実施例1におけるN,N′−ジシクロヘキシル
尿素の代りにN,N′−ジ(n−ブチル)尿素20
mmolを用いた以外は、まつたく実施例1と同様
の反応を行つた結果、N,N′−ジ(n−ブチル)
尿素の反応率は94%で、N−n−ブチルカルバミ
ン酸エチルの収率は88%で選択率は94%であつ
た。 実施例 20 内容積200mlのかきまぜ式オートクレーブにN,
N′−ジ(β−フエネチル)尿素20mmol、エタノ
ール50ml、活性炭に5w%のロジウムを担持した
Rh/C1g、ヨウ化テトラメチルアンモニウム3
mmolを入れ、系内を一酸化炭素で置換した後、
一酸化炭素を80Kg/cm2、次いで酸素6Kg/cm2を圧
入した。かきまぜながら160℃で1時間反応させ
た後、反応混合物をろ過してろ液を分析した結
果、N,N′−ジ(β−フエネチル)尿素の反応
率は92%、N−(β−フエネチル)カルバミン酸
エチルの収率は85%で選択率は92%であつた。 比較例 2 ヨウ化テトラメチルアンモニウムを用いないで
実施例20と同じ反応を行つたが、N,N′−ジ
(β−フエネチル)尿素の反応率は9%で、N−
(β−フエネチル)カルバミン酸エチルの収率は
2%以下であつた。 実施例 21 内容積200mlのかきまぜ式オートクレーブにN,
N′−ジ(n−ヘキシル)尿素30mmol、ニトロベ
ンゼン15mmol、メタノール50ml、塩化パラジウ
ム0.5mmol、ヨウ化テトラブチルアンモニウム
3mmolを入れ、系内を一酸化炭素で置換した
後、一酸化炭素140Kg/cm2を圧入した。かきまぜ
ながら180℃で5時間反応させた。反応液を分析
した結果、N,N′−ジ(n−ヘキシル)尿素及
びニトロベンゼンの反応率はそれぞれ34%及び38
%で、N−n−ヘキシルカルバミン酸メチル及び
N−フエニルカルバミン酸メチルがそれぞれ13m
mol及び3mmol生成していた。 実施例 22〜29 実施例1においてパラジウム黒の代りに種々の
白金族金属又は白金族元素を含む化合物を用いて
同様の反応を行つた結果を第2表に示す。
【表】
なおこれらの実施例において白金族金属又は白
金族化合物は金属元素として0.5mgatomを用い、
%表示は担持された触媒成分の重量%を示す。
(Pd−Te)/Cは活性炭に塩化パラジウム二酸
化テルルをモル比で10:3の割合で共担持したの
ち、350℃で水素還元したものである。
金族化合物は金属元素として0.5mgatomを用い、
%表示は担持された触媒成分の重量%を示す。
(Pd−Te)/Cは活性炭に塩化パラジウム二酸
化テルルをモル比で10:3の割合で共担持したの
ち、350℃で水素還元したものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 酸化剤の存在下、脂肪族、脂環族、芳香脂肪
族の尿素化合物に一酸化炭素および有機ヒドロキ
シル化合物を反応させてウレタン化合物を製造す
るに当り、 (a) 白金族金属および白金族元素を含む化合物の
中から選ばれた少くとも1種と (b) 陰イオンがハロゲンであるオニウム化合物お
よび反応系でこれらを生成することのできる化
合物の中から選ばれた少くとも1種 とから成る触媒系を用いることを特徴とするウレ
タン化合物の製造法。 2 酸化剤が、分子状酸素または有機ニトロ化合
物若しくはその両方である特許請求の範囲第1項
記載の方法。 3 酸化剤が、分子状酸素である特許請求の範囲
第2項記載の方法。 4 白金族金属及び白金族元素を含む化合物が、
パラジウム、ロジウム、パラジウム化合物及びロ
ジウム化合物である特許請求の範囲第1項、第2
項または第3項の何れかに記載の方法。 5 オニウム化合物が、アンモニウム化合物、ホ
スホニウム化合物、アルソニウム化合物、スルホ
ニウム化合物である特許請求の範囲第1項、第2
項、第3項または第4項の何れかに記載の方法。 6 ハロゲン種が、ヨウ素である特許請求の範囲
第1項、第2項、第3項、第4項または第5項の
何れかに記載の方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2614482A JPS58144359A (ja) | 1982-02-22 | 1982-02-22 | ウレタン化合物の製造法 |
DE8282111989T DE3275464D1 (en) | 1981-12-25 | 1982-12-24 | Production of urethane compounds |
EP19820111989 EP0083096B1 (en) | 1981-12-25 | 1982-12-24 | Production of urethane compounds |
US06/681,061 US4621149A (en) | 1981-12-25 | 1984-12-10 | Production of urethane compounds |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2614482A JPS58144359A (ja) | 1982-02-22 | 1982-02-22 | ウレタン化合物の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58144359A JPS58144359A (ja) | 1983-08-27 |
JPS6313431B2 true JPS6313431B2 (ja) | 1988-03-25 |
Family
ID=12185346
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2614482A Granted JPS58144359A (ja) | 1981-12-25 | 1982-02-22 | ウレタン化合物の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58144359A (ja) |
-
1982
- 1982-02-22 JP JP2614482A patent/JPS58144359A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58144359A (ja) | 1983-08-27 |
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