JPS6313016Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、プラテンに被印刷紙を弛みなく挿
着できるようにしたプリンタの紙挿着装置に関す
るものである。

従来のプリンタの紙挿着装置を感熱多色刷りの
プリンタを例にとり、第１図の構成略図、第２図
ａ，ｂ，ｃ，ｄの動作説明図で説明する。第１図
において、１は筐体、２はモータ、３はプーリ、
４はプラテンで、モータ２のプーリ，プーリ３，
プラテン４にはベルト５が掛けられている。６は
感熱ヘツド、７はカセツトホルダで、中にリボン
８が収納されたカセツト９が挿入され、リボン８
はプラテン４と感熱ヘツド６で狭着されるように
してある。１０Ａ，１０Ｂはリボン駆動用のモー
タである。１１は給紙台、１２は紙ガイド、１３
は蓋、１４は操作ハンドル、１５はレバーで、操
作ハンドル１４はスプリング（図示省略）等で図
示の位置に付勢されており、操作ハンドル１４の
操作でレバー１５も回転し、レバー１５のピン１
６が応動片１８に当接するように構成されてい
る。そして、応動片１８は保持片１９で摺動可能
にプラテン４の側面に取り付ける。２０は紙保持
機構（第２図ａ参照）で、プラテン４の側面に取
り付けた保持片２１Ａ，２１Ｂ、被押圧片２２，
係止片２３を設け軸２４で保持片２１Ａ，２１Ｂ
に支持された押圧具２５、係止片２３とプラテン
４とに張架された押圧具２５を常時プラテン方向
に付勢するスプリング２６で構成される。Ｐは被
印刷紙（以下、単に紙と言う。）である。なお、
紙保持機構２０は円柱状のプラテン４の外周の一
部を軸方向に切り欠いた部分に設けられ、プラテ
ン４の外周円の線よりも外に突出しないように取
り付ける。また、応動片１８の一端はピン１６と
対向し、他端は被押圧片２２と対向している。

次に、第２図ａ〜ｄを参照して動作を説明す
る。

給紙台１１に仮想線で示すように紙Ｐを乗せて
紙ガイド１２に挿入し押圧すると、紙Ｐは紙ガイ
ド１２で紙保持機構２０の下まで案内される。そ
して、操作ハンドル１４を矢印Ａ方向に軸１７を
中心に回転操作すると、ピン１６は応動片１８を
押圧し、応動片１８は被押圧片２２を押圧する。
その結果、押圧具２５は軸２４を中心としてスプ
リング２６に抗して回転し、プラテン４との間に
間隙が生ずる。したがつて、紙Ｐをこの間隙内に
挿入し（第２図ａ）、操作ハンドル１４の操作力
を解除すると、押圧具２５はスプリング２６が復
帰する力で軸２４を中心に回転し、プラテン４と
で紙Ｐを保持する。さらに、応動片１８も被押圧
片２２で押しもどされる。これで紙Ｐの挿着は完
了する（第２図ｂ）。

しかし、挿着する紙Ｐの先端が紙保持機構２０
と反対側にカールしている場合、第２図ｃに示す
ように紙ガイド１２と紙保持機構２０との間で紙
Ｐが紙保持機構２０と反対側に進入してしまい、
押圧具２５とプラテン４との間に紙Ｐを保持する
ことが困難になる。また、第２図ｄに示すように
紙Ｐのカールが第２図ｃと反対の場合、紙Ｐは弛
んだ状態で保持され、多色刷りでプラテン４を所
定回数回転させて一枚の紙Ｐに印刷して合成色を
作ろうとしても、色ずれが生ずる等の欠点があつ
た。

この考案は、上記の点にかんがみなされたもの
で、紙ガイドの紙保持機構と対向する一端に紙保
持機構の方向に紙を規制する紙規制手段を、例え
ば、あらかじめ紙保持機構の方向にカールした可
撓性のフイルムで構成し、紙の装着が確実に行わ
れるようにした紙挿着装置を提供するものであ
る。以下、この考案を図面に基づいて説明する。

第３図ａ，ｂはこの考案の一実施例を示す主要
部の拡大構成略図およびその斜視図、第４図ａ，
ｂは動作説明図である。

これらの図において、２７は紙規制手段として
の可撓性を有するフイルムで、例えば厚さ0.1mm
のポリエステルフイルム等で、一端は紙ガイド１
２に接着等の適宜な手段で取り付け、他端は紙保
持機構２０の方向へカールしている。

次に、第１図，第４図ａ，ｂを参照して動作を
説明する。

給紙台１１に紙Ｐを乗せて押圧すると、紙Ｐの
先端がカールしている場合でも紙ガイド１２とフ
イルム２７とで確実に紙保持機構２０の下に紙Ｐ
は案内される。そして、前述のように操作ハンド
ル１４を操作して紙Ｐを紙保持機構２０に、すな
わち第４図ａに示すように保持させる。その後、
プラテン４が回転して印刷が開始されるが、第４
図ｂのようにフイルム２７が紙Ｐをプラテン４側
に押圧しているので、紙Ｐは弛みなくプラテン４
に巻き付く。したがつて、一枚の紙Ｐに多色刷り
で印刷を行う場合、紙Ｐとプラテン４との密着が
よくなり、色ずれは生じない。

上記実施例は感熱プリンタで説明したが、感熱
プリンタに限定されるものではない。

紙保持機構２０は操作ハンドル１４の操作で紙
Ｐを保持、開放する構成としたが、印刷開始時又
は印刷終了時に操作される蓋１３の開放又は閉成
動作に連動して操作ハンドル１４を回動させ紙Ｐ
の保持，開放を行わせるようにしてもよい。

以上説明したように、この考案のプリンタの紙
挿着装置は紙ガイドの紙保持機構と対向する一端
に紙保持機構の方向にカールしている可撓性のフ
イルムを紙規制手段として設けたので、挿入され
た印刷紙を紙保持機構に確実に、しかもプラテン
に弛みなく巻き付かせることができる。したがつ
て、プラテンを所定回数回転させて多色刷りを行
う場合、色ずれが生じない等の利点がある。又、
可撓性のフイルムは安価で、かつ紙への当りが軟
かいから印刷後に損傷を与えることがなく、その
取付もきわめて容易であるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のプリンタの紙挿着装置を示す構
成略図、第２図ａ〜ｄは動作説明図、第３図ａ，
ｂはこの考案の一実施例を示す主要部の拡大構成
略図およびその斜視図、第４図ａ，ｂは動作説明
図である。 図中、１は筐体、４はプラテン、６は感熱ヘツ
ド、８はリボン、１２は紙ガイド、１３は蓋、１
４は操作ハンドル、１５はレバー、１６はピン、
１８は応動片、２０は可撓性のフイルムで構成し
た紙保持機構、２５は押圧具、２７はフイルム、
Ｐは紙である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラテンの切り欠き部に設けた紙保持機構に紙
   ガイドで案内された被印刷紙を保持するプリンタ
   の紙挿着装置において、前記紙ガイドの前記紙保
   持機構と対向する一端に前記紙保持機構の方向へ
   前記被印刷紙を案内規制する紙規制手段を設け、
   この紙規制手段を前記紙保持機構の方向にカール
   した合成樹脂材からなる可撓性フイルムで構成し
   たことを特徴とするプリンタの紙挿着装置。