JPS6312935B2 - - Google Patents
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- JPS6312935B2 JPS6312935B2 JP54098057A JP9805779A JPS6312935B2 JP S6312935 B2 JPS6312935 B2 JP S6312935B2 JP 54098057 A JP54098057 A JP 54098057A JP 9805779 A JP9805779 A JP 9805779A JP S6312935 B2 JPS6312935 B2 JP S6312935B2
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Description
この発明は、中・高温圧力容器用Cr−Mo鋼に
関し、なかでも溶接後、とくに高温、長時間の応
力除去焼鈍を行なつても強度、靭性の劣化がな
い、耐SR脆化特性のすぐれ、引張強さ53Kg/mm2
以上の中・高温圧力容器用Cr−Mo鋼を提案する
ものである。 この発明は、たとえばASTM A387−11(1
1/4Cr−1/2Mo鋼)、同A387−12(1Cr−1/2Mo
鋼)などで代表される系統のCr−Mo鋼、すなわ
ち石油精製用反応容器をはじめとする化学工業用
の中・高温圧力容器などを製作するのに、従来か
ら一般に広く使用されている鋼材を対象として上
掲の改良を施したものである。 ここで中・高温圧力容器とは操業温度300〜600
℃、操業圧力10〜300Kgf/cm2のものを意味する。 最近この種圧力容器の操業条件は、操業の高能
率化を目的に高温化およびまたは高圧化される傾
向にあり、これに対して構造設計面で対処すべく
検討されてはいるが、材料面でもとくに各部材の
肉厚の増加、さもなくば使用材料の高級化などが
指向されている。 このような操業条件の変化に対応した上記二つ
の材料面での対策は、それぞれつぎの問題をもつ
ている。 まず材料の厚肉化は、それに伴つて溶接継手部
における残留応力を著しく上昇させるため、とく
に高温、長時間にわたるような応力除去焼鈍(以
下SR処理と略す)を余儀なくすることであり、
高温長時間にわたるSR処理の焼鈍条件は、たと
えばASTM A387−11および同A387−12または
これらに類似の鋼材として、一般に材質特性上不
適切なところとなり、それというのはこの焼鈍に
より材質、すなわち強度および靭性が著しく劣化
するからである。 ここでいう高温、長時間にわたるSR処理とは、
具体的にはT(log t+20)×10-3、(T:K、
h:hr)で示されるテンパーリング・パラメータ
が20〜21となるような温度−時間条件における処
理を意味し、この種鋼材がなお適切な品質を保ち
得るような、上記のテンパーリング・パラメータ
が19.5程度までの焼鈍と比べてA387−11および
A387−12としての所定の品質、すなわち引張強
さ53Kg/mm2以上、2mmVシヤルビー試験における
0℃の吸収エネルギー10Kg・m以上を保持すべき
要請に関してきわめて過酷な焼鈍といえる。 また一方では、操業中の材質変化感受性は、一
般にその鋼を操業温度より高い温度で前処理する
ことにより低下でき、この前処理温度が操業温度
より高ければ高いほどその効果は大きいと考えら
れていることから、圧力容器などの設計技術の面
では、操業の高温化に伴いますます高温、長時間
にわたるようなSR処理が好んで適用され勝ちで
ある。 さらに加えてこの種圧力容器には、後述の事情
により、ASTMA 387−11、12などと、これら
に対し一段ハイグレードの同A387−22(2 1/4Cr
−1Mo鋼)などとの溶接継手の混用がしばしば
みられ、これらの継手はより完全な応力除去を狙
つてグレードの高い方の2 1/4Cr−1Mo鋼に適
する条件でのSR処理が推奨されるところ、この
条件は、もう一方の1 1/4Cr−1/2Mo鋼にとつ
ては上記のように不適切な高温、長時間のSR処
理に該当することから材質の劣化が懸念されるの
である。 ところで圧力容器の高温高圧操業に伴う材料面
のもう一つの対策は、材料の高級化であり、これ
は例えば1 1/4Cr−1/2Mo鋼を使用していた部
材を、グレードの高い2 1/4Cr−1Mo鋼で製作
することである。しかしかような材料変更の場合
は、前述の肉厚の増加という対策の場合以上に材
料費の上昇が大きく、その上2 1/4Cr−1Mo鋼
は1 1/4Cr−1/2Mo鋼と比べて操業中の脆化す
なわち焼戻し脆化の感受性がより大きいという不
利な点もある。 従つて操業の高温、高圧化に伴いかような材料
変更のごときが大幅に取り入れられることはない
と考えられるにしても、部分的な材料変更は不可
避でありその結果1 1/4Cr−1/2Mo鋼と2 1/4
Cr−1Mo鋼との組み合わせ部材、すなわち異材
溶接継手の如きも次第に増加すると思われる。 かような場合上述のSR処理に伴う問題がます
ます顕在化するのは巳む得ないところとなる。 結局、化学工業用圧力容器につき、操業の高
温、高圧化に対しては、材料面ではむしろ従来ど
おりのグレード材料のたとえばA387−11、12鋼
を使用し、単純に肉厚増加で対処することが最も
好ましいところといえるが、この場合溶接後にこ
の鋼種では従来適用されたことはなく、また適用
すべきものでもなかつたような高温、長時間の
SR処理が肉厚増加の故に不可欠となり、このよ
うなつまり上記のテンパリング・パラメータが20
〜21となる高温、長時間のSR処理を行つても強
度、靭性のすぐれた焼ならし鋼ないしはこれに適
宜焼もどしを付加した焼ならし焼もどし鋼の開発
は、ここに重要である。 しかしながらこの種圧力容器に使用される鋼材
がASTM規格製品であるため、規格を外れた大
幅な成分調整の如きは不可能なことも相まつて、
上記の要請を満たすために克服をすべき問題はき
わめて困難なことであるとされていたのである。 発明者らはこのような難題につき、この鋼種に
対する微量元素と光学顕微鏡組織ならびに機械的
性質の関係を系統的、基礎的に鋭意研究を進めた
結果、上記規格の範囲内においてごく微量のAl
とBの両者を同時に含有させることにより、厚肉
のA−387系Cr−Mo鋼に高温、長時間のSR処理
を施してもきわめてすぐれた強度、靭性が維持さ
れることを見出した。 このAlとBの共存効果は、とくにこの発明に
従う組成において焼ならし(その後に焼もどしを
付加する場合を含む。以下同じ)を施された鋼が
微細なフエライト+ベイナイトを主とする組織を
有することと密接不可分な関係がある。 つまり、この発明の組成鋼に焼ならし処理、さ
らに必要に応じ焼もどし処理を行なうことに加え
てこれにテンパーリング・パラメーターが20〜21
のSR処理(応力除去焼なまし)を付与すること
により、100μm以下の微細なフエライト+ベイ
ナイトを90%以上占める組織が得られる。この場
合のフエライトの占積率は多くの場合10〜70%で
ある。 すなわち鋼中、CrおよびまたはMoが下限とす
るところを下まわる鋼、例えばASTM A516−
70鋼のような、フエライト・パーライト鋼や、逆
にそれらが上限を上まわる鋼、例えば上記
ASTM A387−22鋼のような全面ベイナイト組
織をもつ鋼では、上記知見を由来したようなAl
とBとの共存下で、SRによる強度低下や脆化に
対する抑制効果は全く発揮されない。 ここにAlとBとの共存は、Al:0.015〜0.12%、
B:0.0003〜0.0025%においてこの発明の目的に
適合する。 加えてこの発明に用いられる鋼は、よしんば高
温、長時間SRが不要な場合、例えばA387−11と
して適切な条件でSRが施される構造物にあつて
も、AlとBによる強度ならびに靭性の上昇効果
が有利に寄与し、C、Mn、Cr、Moなどの溶接
硬化性元素、就中Cの含有量をAlおよびB無添
加鋼に比べて低減させることが可能である。 それ故この発明に用いられる鋼は、A387−11、
12系統のCr−Mo鋼につき、溶接硬化性および溶
接割れ感受性低下の面でも有用である。 この発明で鋼中成分の範囲を限定する理由は次
のとおりである。 まず鋼の成分範囲についてC含有量は化学プラ
ントなどの圧力容器用鋼材として要請される常温
ならびに中・高温域における強度を得るためには
0.03重量%(%表示について以下同じ)を最低限
必要とし、一方溶接硬化性、溶接割れ感受性を考
慮してその弊害を生じない0.20%を上限とする。 次にSiは耐焼もどし脆性や溶接熱影響部の靭性
の点では一般に少ない方が好ましいが、適当な強
度の付与ならびに化学プラントなどでは耐酸化性
の向上のために靭性を損わない量すなわち0.03〜
1.00%を含有することが必要である。 Mnは母材に延性と強度を与えるために0.30%
以上を必要とする反面、強度確保に対してむしろ
CrおよびMoが大きく寄与するため、強度の点で
Mnを大量に使用する必要がない上に、0.70%を
越えると逆に溶接硬化性が上昇し問題が生じるの
で0.70%以下に限定する。 Crは常温ならびに中・高温域における強度、
靭性および耐酸化性を付与するため0.70%以上必
要であり、添加量が増すほどそれらは向上する
が、加工性および溶接性の低下が懸念されるとこ
ろから上限を1.6%とした。 Moは高温短時間強度およびクリープ強度を著
しく高める元素であり、良好な高温特性を付与す
るため少なくとも0.40%必要であり、多ければ多
いほどその効果は大きいが、高価な上多すぎると
溶接性を低下させるので上限を0.70%とした。 Alとくに酸可溶Alは、脱酸および結晶粒微細
化による強度および靭性の向上に大きく寄与する
という従来から熟知される効果のほか、この発明
に従う組成範囲内でBとの共存がとくに溶接後の
高温、長時間焼鈍すなわちT(log t+20)(T:
K、t:hr)で表わしたテンパーリング・パラメ
ータの値20〜21におけるSR処理を受けても高強
度、高靭性を維持させるという、SRによる強度
低下および脆化を抑制する効果をとくに0.015〜
0.12%好ましくは0.05〜0.12%の範囲で発揮する
のでこの範囲に限定した。 Bは上記Alとの共存で、前述SR処理による強
度低下および脆化を抑制させる効果が0.0003%未
満では十分にあらわれず、一方0.0025%を超える
と溶接性を阻害する弊害をもたらすので0.0003〜
0.0025%に限定した。 第2の発明においてCu:0.5%以下、Ni:0.5%
以下およびNb:0.05%以下の一種または二種以
上を含有させる理由は、これらがいずれも靭性を
大きく損うことなく強度を上昇させるのに均しく
役立つところにある。これらの元素のそれぞれの
上限値は、これらを超えるとこの種鋼材として必
要な溶接性が失われると同時に経済性の点でも好
ましくないことによる。 またV、TiおよびZrのように溶接性などの改
良に寄与する元素も0.05%を限度としてさらに含
有させてもよい。 なおこの発明において、通常の製鋼工程で含有
される程度の不可避的な混入不純物は許容でき
る。すなわちその一般的な限度は、PおよびSに
ついてはいずれも溶接部の高温割れ感受性を高く
するため、それぞれ0.030%以下にすることが好
ましく、一方Nは、AlやVとの共存で結晶粒を
微細化し靭性の向上に役立つので、通常の製鋼工
程で含有される0.0020〜0.0150%は有効である
が、0.0150%を超えるとブローホールなどの発生
により鋼塊性状がわるくなるとともに溶接性も劣
化するので上記の範囲であることが好ましい。 以上この発明の鋼組成の限定理由を説明した
が、かような成分調整の下に溶製したのち常法に
よる圧延又鍛造工程を経てから焼ならし、またさ
らに引続く焼もどしを施して所定の製品とする。 すなわちASTM A387−11、A387−12などで
代表される中・高温圧力容器用Cr−Mo鋼のとく
にSR後の強度および靭性の改善効果は、焼なら
し焼もどし鋼および単に焼ならしのみが施された
鋼において溶接後高温、長時間SRを受けたとき
に現われ、焼入れ焼もどし鋼のごときにあつては
この発明の効果は発揮されない。 従つてこの発明では、一般的な鋼の製造工程、
つまり通常の溶製→圧延または鍛造工程を経てか
らとくに加熱温度900〜950℃の焼きならしの工程
またはその後適宜加熱温度650〜700℃で数時間す
なわちT.P.20.0未満となる時間の焼もどしを施す
工程を経て製品とする。ちなみにこの種Cr−Mo
鋼は焼きならしのままでは靭性は低いが、焼もど
しにより高靭性が付与され、一方焼入れ焼もどし
鋼では、焼入れの急冷処理により全面マルテンサ
イト組識となるのでAlとBによるこの発明の効
果は発揮され得ない。 この発明に基づく実施例について以下説明す
る。 表1に示す化学組成の鋼のうち記号A、Bおよ
びCはこの発明の鋼成分範囲に属し、また記号D
は発明の効果を得るにはBが必須であることを示
す比較鋼さらにEは従来から市販されている鋼で
ある。 なおこれらの鋼は、いずれも小型高周波誘導加
熱式真空解炉を用いて溶製した100Kg鋼塊を小型
圧延機により板厚20mm、幅230mmに熱間圧延した
ものであり、さらに焼ならし−焼鈍の熱処理を施
した。この焼ならし処理は930℃の加熱炉に装入、
2時間保持後抽出し、とくに12.5mm厚のセラミツ
クス・フアイバー2枚重ねの保温を行なうことに
より板厚中心部の冷却速度を板厚150mm材のそれ
に相当するところの800〜400℃間で4℃/minに
調整したものである。 従つてこれらの各供試鋼は板厚150mm相当の焼
ならし処理を行つた後、670℃×15h{T(log t+
20)×10-3:20.0}および720℃×14h{T(log t
+20)×10-3:21.0}の焼なましを行ない、耐SR
脆化特性を比較した。 この発明における要請は、高温高圧操業される
化学プラント用圧力容器に使用される極厚鋼板で
あり、厚板としてもつとも厚い部類に属する板厚
150mmの鋼板の品質が重視されるので、かような
板厚における鋼板に相当する試験材の機械的性質
を上記のようにして調べたわけである。 引張り試験には直径6mm、平行部30mmの丸棒試
片をまた衝撃試験には2mmVノツチシヤルビー試
片を用いた。引張りおよび衝撃試験結果を表2お
よび第1図に示す。
関し、なかでも溶接後、とくに高温、長時間の応
力除去焼鈍を行なつても強度、靭性の劣化がな
い、耐SR脆化特性のすぐれ、引張強さ53Kg/mm2
以上の中・高温圧力容器用Cr−Mo鋼を提案する
ものである。 この発明は、たとえばASTM A387−11(1
1/4Cr−1/2Mo鋼)、同A387−12(1Cr−1/2Mo
鋼)などで代表される系統のCr−Mo鋼、すなわ
ち石油精製用反応容器をはじめとする化学工業用
の中・高温圧力容器などを製作するのに、従来か
ら一般に広く使用されている鋼材を対象として上
掲の改良を施したものである。 ここで中・高温圧力容器とは操業温度300〜600
℃、操業圧力10〜300Kgf/cm2のものを意味する。 最近この種圧力容器の操業条件は、操業の高能
率化を目的に高温化およびまたは高圧化される傾
向にあり、これに対して構造設計面で対処すべく
検討されてはいるが、材料面でもとくに各部材の
肉厚の増加、さもなくば使用材料の高級化などが
指向されている。 このような操業条件の変化に対応した上記二つ
の材料面での対策は、それぞれつぎの問題をもつ
ている。 まず材料の厚肉化は、それに伴つて溶接継手部
における残留応力を著しく上昇させるため、とく
に高温、長時間にわたるような応力除去焼鈍(以
下SR処理と略す)を余儀なくすることであり、
高温長時間にわたるSR処理の焼鈍条件は、たと
えばASTM A387−11および同A387−12または
これらに類似の鋼材として、一般に材質特性上不
適切なところとなり、それというのはこの焼鈍に
より材質、すなわち強度および靭性が著しく劣化
するからである。 ここでいう高温、長時間にわたるSR処理とは、
具体的にはT(log t+20)×10-3、(T:K、
h:hr)で示されるテンパーリング・パラメータ
が20〜21となるような温度−時間条件における処
理を意味し、この種鋼材がなお適切な品質を保ち
得るような、上記のテンパーリング・パラメータ
が19.5程度までの焼鈍と比べてA387−11および
A387−12としての所定の品質、すなわち引張強
さ53Kg/mm2以上、2mmVシヤルビー試験における
0℃の吸収エネルギー10Kg・m以上を保持すべき
要請に関してきわめて過酷な焼鈍といえる。 また一方では、操業中の材質変化感受性は、一
般にその鋼を操業温度より高い温度で前処理する
ことにより低下でき、この前処理温度が操業温度
より高ければ高いほどその効果は大きいと考えら
れていることから、圧力容器などの設計技術の面
では、操業の高温化に伴いますます高温、長時間
にわたるようなSR処理が好んで適用され勝ちで
ある。 さらに加えてこの種圧力容器には、後述の事情
により、ASTMA 387−11、12などと、これら
に対し一段ハイグレードの同A387−22(2 1/4Cr
−1Mo鋼)などとの溶接継手の混用がしばしば
みられ、これらの継手はより完全な応力除去を狙
つてグレードの高い方の2 1/4Cr−1Mo鋼に適
する条件でのSR処理が推奨されるところ、この
条件は、もう一方の1 1/4Cr−1/2Mo鋼にとつ
ては上記のように不適切な高温、長時間のSR処
理に該当することから材質の劣化が懸念されるの
である。 ところで圧力容器の高温高圧操業に伴う材料面
のもう一つの対策は、材料の高級化であり、これ
は例えば1 1/4Cr−1/2Mo鋼を使用していた部
材を、グレードの高い2 1/4Cr−1Mo鋼で製作
することである。しかしかような材料変更の場合
は、前述の肉厚の増加という対策の場合以上に材
料費の上昇が大きく、その上2 1/4Cr−1Mo鋼
は1 1/4Cr−1/2Mo鋼と比べて操業中の脆化す
なわち焼戻し脆化の感受性がより大きいという不
利な点もある。 従つて操業の高温、高圧化に伴いかような材料
変更のごときが大幅に取り入れられることはない
と考えられるにしても、部分的な材料変更は不可
避でありその結果1 1/4Cr−1/2Mo鋼と2 1/4
Cr−1Mo鋼との組み合わせ部材、すなわち異材
溶接継手の如きも次第に増加すると思われる。 かような場合上述のSR処理に伴う問題がます
ます顕在化するのは巳む得ないところとなる。 結局、化学工業用圧力容器につき、操業の高
温、高圧化に対しては、材料面ではむしろ従来ど
おりのグレード材料のたとえばA387−11、12鋼
を使用し、単純に肉厚増加で対処することが最も
好ましいところといえるが、この場合溶接後にこ
の鋼種では従来適用されたことはなく、また適用
すべきものでもなかつたような高温、長時間の
SR処理が肉厚増加の故に不可欠となり、このよ
うなつまり上記のテンパリング・パラメータが20
〜21となる高温、長時間のSR処理を行つても強
度、靭性のすぐれた焼ならし鋼ないしはこれに適
宜焼もどしを付加した焼ならし焼もどし鋼の開発
は、ここに重要である。 しかしながらこの種圧力容器に使用される鋼材
がASTM規格製品であるため、規格を外れた大
幅な成分調整の如きは不可能なことも相まつて、
上記の要請を満たすために克服をすべき問題はき
わめて困難なことであるとされていたのである。 発明者らはこのような難題につき、この鋼種に
対する微量元素と光学顕微鏡組織ならびに機械的
性質の関係を系統的、基礎的に鋭意研究を進めた
結果、上記規格の範囲内においてごく微量のAl
とBの両者を同時に含有させることにより、厚肉
のA−387系Cr−Mo鋼に高温、長時間のSR処理
を施してもきわめてすぐれた強度、靭性が維持さ
れることを見出した。 このAlとBの共存効果は、とくにこの発明に
従う組成において焼ならし(その後に焼もどしを
付加する場合を含む。以下同じ)を施された鋼が
微細なフエライト+ベイナイトを主とする組織を
有することと密接不可分な関係がある。 つまり、この発明の組成鋼に焼ならし処理、さ
らに必要に応じ焼もどし処理を行なうことに加え
てこれにテンパーリング・パラメーターが20〜21
のSR処理(応力除去焼なまし)を付与すること
により、100μm以下の微細なフエライト+ベイ
ナイトを90%以上占める組織が得られる。この場
合のフエライトの占積率は多くの場合10〜70%で
ある。 すなわち鋼中、CrおよびまたはMoが下限とす
るところを下まわる鋼、例えばASTM A516−
70鋼のような、フエライト・パーライト鋼や、逆
にそれらが上限を上まわる鋼、例えば上記
ASTM A387−22鋼のような全面ベイナイト組
織をもつ鋼では、上記知見を由来したようなAl
とBとの共存下で、SRによる強度低下や脆化に
対する抑制効果は全く発揮されない。 ここにAlとBとの共存は、Al:0.015〜0.12%、
B:0.0003〜0.0025%においてこの発明の目的に
適合する。 加えてこの発明に用いられる鋼は、よしんば高
温、長時間SRが不要な場合、例えばA387−11と
して適切な条件でSRが施される構造物にあつて
も、AlとBによる強度ならびに靭性の上昇効果
が有利に寄与し、C、Mn、Cr、Moなどの溶接
硬化性元素、就中Cの含有量をAlおよびB無添
加鋼に比べて低減させることが可能である。 それ故この発明に用いられる鋼は、A387−11、
12系統のCr−Mo鋼につき、溶接硬化性および溶
接割れ感受性低下の面でも有用である。 この発明で鋼中成分の範囲を限定する理由は次
のとおりである。 まず鋼の成分範囲についてC含有量は化学プラ
ントなどの圧力容器用鋼材として要請される常温
ならびに中・高温域における強度を得るためには
0.03重量%(%表示について以下同じ)を最低限
必要とし、一方溶接硬化性、溶接割れ感受性を考
慮してその弊害を生じない0.20%を上限とする。 次にSiは耐焼もどし脆性や溶接熱影響部の靭性
の点では一般に少ない方が好ましいが、適当な強
度の付与ならびに化学プラントなどでは耐酸化性
の向上のために靭性を損わない量すなわち0.03〜
1.00%を含有することが必要である。 Mnは母材に延性と強度を与えるために0.30%
以上を必要とする反面、強度確保に対してむしろ
CrおよびMoが大きく寄与するため、強度の点で
Mnを大量に使用する必要がない上に、0.70%を
越えると逆に溶接硬化性が上昇し問題が生じるの
で0.70%以下に限定する。 Crは常温ならびに中・高温域における強度、
靭性および耐酸化性を付与するため0.70%以上必
要であり、添加量が増すほどそれらは向上する
が、加工性および溶接性の低下が懸念されるとこ
ろから上限を1.6%とした。 Moは高温短時間強度およびクリープ強度を著
しく高める元素であり、良好な高温特性を付与す
るため少なくとも0.40%必要であり、多ければ多
いほどその効果は大きいが、高価な上多すぎると
溶接性を低下させるので上限を0.70%とした。 Alとくに酸可溶Alは、脱酸および結晶粒微細
化による強度および靭性の向上に大きく寄与する
という従来から熟知される効果のほか、この発明
に従う組成範囲内でBとの共存がとくに溶接後の
高温、長時間焼鈍すなわちT(log t+20)(T:
K、t:hr)で表わしたテンパーリング・パラメ
ータの値20〜21におけるSR処理を受けても高強
度、高靭性を維持させるという、SRによる強度
低下および脆化を抑制する効果をとくに0.015〜
0.12%好ましくは0.05〜0.12%の範囲で発揮する
のでこの範囲に限定した。 Bは上記Alとの共存で、前述SR処理による強
度低下および脆化を抑制させる効果が0.0003%未
満では十分にあらわれず、一方0.0025%を超える
と溶接性を阻害する弊害をもたらすので0.0003〜
0.0025%に限定した。 第2の発明においてCu:0.5%以下、Ni:0.5%
以下およびNb:0.05%以下の一種または二種以
上を含有させる理由は、これらがいずれも靭性を
大きく損うことなく強度を上昇させるのに均しく
役立つところにある。これらの元素のそれぞれの
上限値は、これらを超えるとこの種鋼材として必
要な溶接性が失われると同時に経済性の点でも好
ましくないことによる。 またV、TiおよびZrのように溶接性などの改
良に寄与する元素も0.05%を限度としてさらに含
有させてもよい。 なおこの発明において、通常の製鋼工程で含有
される程度の不可避的な混入不純物は許容でき
る。すなわちその一般的な限度は、PおよびSに
ついてはいずれも溶接部の高温割れ感受性を高く
するため、それぞれ0.030%以下にすることが好
ましく、一方Nは、AlやVとの共存で結晶粒を
微細化し靭性の向上に役立つので、通常の製鋼工
程で含有される0.0020〜0.0150%は有効である
が、0.0150%を超えるとブローホールなどの発生
により鋼塊性状がわるくなるとともに溶接性も劣
化するので上記の範囲であることが好ましい。 以上この発明の鋼組成の限定理由を説明した
が、かような成分調整の下に溶製したのち常法に
よる圧延又鍛造工程を経てから焼ならし、またさ
らに引続く焼もどしを施して所定の製品とする。 すなわちASTM A387−11、A387−12などで
代表される中・高温圧力容器用Cr−Mo鋼のとく
にSR後の強度および靭性の改善効果は、焼なら
し焼もどし鋼および単に焼ならしのみが施された
鋼において溶接後高温、長時間SRを受けたとき
に現われ、焼入れ焼もどし鋼のごときにあつては
この発明の効果は発揮されない。 従つてこの発明では、一般的な鋼の製造工程、
つまり通常の溶製→圧延または鍛造工程を経てか
らとくに加熱温度900〜950℃の焼きならしの工程
またはその後適宜加熱温度650〜700℃で数時間す
なわちT.P.20.0未満となる時間の焼もどしを施す
工程を経て製品とする。ちなみにこの種Cr−Mo
鋼は焼きならしのままでは靭性は低いが、焼もど
しにより高靭性が付与され、一方焼入れ焼もどし
鋼では、焼入れの急冷処理により全面マルテンサ
イト組識となるのでAlとBによるこの発明の効
果は発揮され得ない。 この発明に基づく実施例について以下説明す
る。 表1に示す化学組成の鋼のうち記号A、Bおよ
びCはこの発明の鋼成分範囲に属し、また記号D
は発明の効果を得るにはBが必須であることを示
す比較鋼さらにEは従来から市販されている鋼で
ある。 なおこれらの鋼は、いずれも小型高周波誘導加
熱式真空解炉を用いて溶製した100Kg鋼塊を小型
圧延機により板厚20mm、幅230mmに熱間圧延した
ものであり、さらに焼ならし−焼鈍の熱処理を施
した。この焼ならし処理は930℃の加熱炉に装入、
2時間保持後抽出し、とくに12.5mm厚のセラミツ
クス・フアイバー2枚重ねの保温を行なうことに
より板厚中心部の冷却速度を板厚150mm材のそれ
に相当するところの800〜400℃間で4℃/minに
調整したものである。 従つてこれらの各供試鋼は板厚150mm相当の焼
ならし処理を行つた後、670℃×15h{T(log t+
20)×10-3:20.0}および720℃×14h{T(log t
+20)×10-3:21.0}の焼なましを行ない、耐SR
脆化特性を比較した。 この発明における要請は、高温高圧操業される
化学プラント用圧力容器に使用される極厚鋼板で
あり、厚板としてもつとも厚い部類に属する板厚
150mmの鋼板の品質が重視されるので、かような
板厚における鋼板に相当する試験材の機械的性質
を上記のようにして調べたわけである。 引張り試験には直径6mm、平行部30mmの丸棒試
片をまた衝撃試験には2mmVノツチシヤルビー試
片を用いた。引張りおよび衝撃試験結果を表2お
よび第1図に示す。
【表】
【表】
【表】
【表】
* 光学顕微鏡組織の画像解析による
従来鋼Eの引張強さは、SR条件が過酷になる
とすなわちT(log t+20)×10-3が20.0以上で
は、この種鋼材のASTM規格を満足しないが、
発明鋼A、Bの引張強さはいずれもT(log t+
20)×10-3が21.0においてもなお十分規格を満足
している。さらに靭性の点においても発明鋼A、
B、Cは、いずれもT(log t+20)×10-3が21.0
においてもこの種鋼材に対する要求性能を十分満
足するのに対して、従来鋼Eはそれを満足しな
い。これらのデータはCr−Mo鋼に対するAl−B
処理の効果を十分に証明するものである。比較鋼
Dと発明鋼Bの特性を比較することにより、発明
鋼におけるBとAlとの共存挙動の重要性がわか
る。 この発明により圧力容器建設技術者の要請に応
えてすぐれた耐SR脆化特性を有する新規な組成
の鋼を用いることにより中・高温圧力容器の製造
方法を提供することができる。
従来鋼Eの引張強さは、SR条件が過酷になる
とすなわちT(log t+20)×10-3が20.0以上で
は、この種鋼材のASTM規格を満足しないが、
発明鋼A、Bの引張強さはいずれもT(log t+
20)×10-3が21.0においてもなお十分規格を満足
している。さらに靭性の点においても発明鋼A、
B、Cは、いずれもT(log t+20)×10-3が21.0
においてもこの種鋼材に対する要求性能を十分満
足するのに対して、従来鋼Eはそれを満足しな
い。これらのデータはCr−Mo鋼に対するAl−B
処理の効果を十分に証明するものである。比較鋼
Dと発明鋼Bの特性を比較することにより、発明
鋼におけるBとAlとの共存挙動の重要性がわか
る。 この発明により圧力容器建設技術者の要請に応
えてすぐれた耐SR脆化特性を有する新規な組成
の鋼を用いることにより中・高温圧力容器の製造
方法を提供することができる。
第1図は、SR処理条件T(log t+20)×10-3
=20〜21における発明鋼と従来鋼の耐SR脆化特
性を比較して示したグラフである。
=20〜21における発明鋼と従来鋼の耐SR脆化特
性を比較して示したグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.03〜0.20wt% Si:0.03〜1.00wt% Mn:0.30〜0.70wt% Cr:0.7〜1.60wt% Mo:0.40〜0.70wt% Al:0.015〜0.12wt%および B:0.0003〜0.0025wt%を含み、残部はFeおよび
不可避的不純物からなる鋼素材に焼ならしを施
し、次いで該焼ならし鋼材に溶接後下記式で表さ
れるテンパーリング・パラメータ(T.P.)が20
〜21の応力除去焼なましを施すことを特徴とす
る、主にフエライト+ベイナイトの組織を有し、
耐SR脆化特性にすぐれ、引張強さが53Kg/mm2以
上である中・高温圧力容器の製造方法。 (記) T.P.=T(log t+20)×10-3 ここでT:応力除去焼なましの温度(k) t:応力除去焼なましの時間(h) 2 C:0.03〜0.20wt% Si:0.03〜1.00wt% Mn:0.30〜0.70wt% Cr:0.7〜1.60wt% Mo:0.40〜0.70wt% Al:0.015〜0.12wt%および B:0.0003〜0.0025wt%を含み、さらに Cu:0.5wt%以下 Ni:0.5wt%以下 Nb:0.05wt%以下 の一種または二種以上を含有し、残部はFeおよ
び不可避的不純物からなる鋼素材に焼ならしを施
し、次いで該焼ならし鋼材に溶接後下記式で表さ
れるテンパーリング・パラメータ(T.P.)が20
〜21の応力除去焼なましを施すことを特徴とす
る、主にフエライト+ベイナイトの組織を有し、
耐SR脆化特性にすぐれ、引張強さが53Kg/mm2以
上である中・高温圧力容器の製造方法。 (記) T.P.=T(log t+20)×10-3 ここでT:応力除去焼なましの温度(k) t:応力除去焼なましの時間(h)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9805779A JPS5623257A (en) | 1979-08-02 | 1979-08-02 | Cr-mo steel for pressure vessel having superior sr embrittlement resistance |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9805779A JPS5623257A (en) | 1979-08-02 | 1979-08-02 | Cr-mo steel for pressure vessel having superior sr embrittlement resistance |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5623257A JPS5623257A (en) | 1981-03-05 |
| JPS6312935B2 true JPS6312935B2 (ja) | 1988-03-23 |
Family
ID=14209657
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9805779A Granted JPS5623257A (en) | 1979-08-02 | 1979-08-02 | Cr-mo steel for pressure vessel having superior sr embrittlement resistance |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5623257A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS60215745A (ja) * | 1984-03-23 | 1985-10-29 | Hitachi Metals Ltd | 高融点金属鋳造用プリハ−ドン型材料 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5540091B2 (ja) * | 1974-06-14 | 1980-10-15 |
-
1979
- 1979-08-02 JP JP9805779A patent/JPS5623257A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5623257A (en) | 1981-03-05 |
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