JPS594487B2 - 耐sr脆化のすぐれた強靭鋼の製造法 - Google Patents

耐sr脆化のすぐれた強靭鋼の製造法

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JPS594487B2
JPS594487B2 JP52010102A JP1010277A JPS594487B2 JP S594487 B2 JPS594487 B2 JP S594487B2 JP 52010102 A JP52010102 A JP 52010102A JP 1010277 A JP1010277 A JP 1010277A JP S594487 B2 JPS594487 B2 JP S594487B2
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steel
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embrittlement
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泰夫 大谷
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、焼なまし又は焼なまし後焼もどしの状態で
一100℃程度までの低温で使用され、特に応力除去焼
なましく 5tress Re1ief:以下SRと略
称する)後の脆化の少ない強靭鋼の製造法に関する。
エチレンプラントや石炭液化プラントなどの化学工業用
装置には、−104℃までの使用に耐える低温用鋼とし
て、第1表に示すASTMA203のGradeD又は
Eの3.5%Ni鋼が使用されることが多い。
第1表中、Grade Dは引張り強さはソ46Kg/
−以上、Grade Eは同じくはゾ50kg/maを
要する部材に用いられている。
しかしながら、近年、装置の大型化に伴い使用される鋼
材の極厚化、高強度化の要求が強くなっており、更に、
かかる鋼材は、熱間加工(圧延鍛造)後面げなどの熱間
又は温間での再加工が行なわれることが多く、加工後の
SR処理が必要であリ、又、施工時の溶接後にもSR処
理を行う必要があるため、SR後に必要な強度、靭性が
要求される。
特に厚肉化に伴いSR処理条件が厳しくなる。
すなわち、温度が高温になり、焼もどし処理に比べ保持
時間が長くなり、かつ徐冷されるため鋼種によってはS
R処理によって特に靭性の劣化が大きくなりSR脆化と
呼ばれている。
SR脆化は粒界脆化と炭化物の粗大凝集等による生地組
織の変化によって発生するといわれており、前記第1表
の鋼においては、高強度を確保するために炭素量を増す
と、SR脆化がはげしくなり、低温靭性が著しく劣化し
て、逆にSR脆化を小さくしようとすれば必要な強度が
得られないという欠へかある。
この発明は、上記従来使用されている3、5%Ni鋼の
欠点を除去し、例えば50mmをこえる極厚部材として
も高い強度が保持され、かつ耐SR脆化にきわめてすぐ
れた鋼の製造法を提案するものである。
低温用鋼としては、上記3.5%Ni鋼の外にASTM
A645に規定される5%Ni鋼或いは9%Ni鋼が知
られているが、これらはLNGタンク等−162℃とい
う極低温で使用されるもので通常Ni4%以下では必要
な低温靭性は確保できない。
しかも、これらの鋼は、焼入れ一層もどし、或いは焼入
れ−AcI点とAc3点の間からの冷却−焼もどしとい
うような複雑な熱処理を施して、特殊なミクロ組織とな
すもので、使用目的、製造法および鋼種としてもこの発
明の3.5%Ni鋼とは全く異質のものである。
通常3.5%Ni鋼の焼ならし又は焼ならし後層もどじ
した組織はフェライト+パーライトであり、その強度を
決定する主要な因子はC量である。
第1図は、Si0.25%、M n 0.60%、Ni
3.5係で、板厚85mmの鋼板を焼ならし840℃×
1h−Ac1焼もどし600℃×2h−Ac1SR58
0℃X2h、100°C/hで徐冷、という条件で処理
した後の引取り強度を、0%を変化させて測定した結果
である。
この図から明らかなとおり、従来の3.5%Ni鋼では
SR後の引張り強さ50に9/xi以上確保するには、
0.10%以上のC量が必須である。
一方、SRによる靭性の劣化を詳細に検討した結果、第
2図および第3図に示すとおり、C量に大きく依存する
ことが判明した。
即ち、第2図および第3図は、第1図の試験に用いたと
同じ鋼板(熱処理条件も同じ)につき、−85℃及び−
104℃でのVノツチシャルピー衝撃値(vE−85、
vE−104)をC量ごとにプロットしたものである(
なお・は後述する実施例で得られた本発明鋼の衝撃値を
示す)。
同図にも明らかな如く、C0,08%以下の低C鋼では
、SR後の脆化、即ち衝撃値の低下が軽減され、とくに
C0,06%以下ではその結果が顕著である。
C量がSR脆化に大きく影響する理由はSR処理時の析
出炭化物と微量不純物元素との相互作用により脆化が起
るためであると考えられる。
上記の結果から、SR脆化を防ぐには、Cを0.08%
以下、望ましくは、0.06%以下にすればよいことが
分るが、かかる低C鋼では、前述したような用途に用い
られる鋼材に必要な50kima以上の引張り強さが得
られないことが第1図の結果から明らかである。
本発明者は、上記の如き、高強度の解保と、SR脆化の
防止という相反する要求を同時に満足させる条件を追究
した結果、下記のとおり特定の組成と熱処理との組合せ
によって、目的が達成できることを確認した。
鋼の組成としては、co、os%以下、SiO,01〜
0.35%、Mn 0.40〜1.0%、PO302%
以下、80.02係以下、Ni3.0〜4.0%、Mo
0.05〜0.30%、s ollkl 0.01〜
0.06%、残部Feと不可避的不純物からなるか、又
は上記成分のはか0.2%未満のCuとCrの1種又は
2種をMoとの合計で0.05〜0.30%を含有する
上記組成の鋼を通常の条件で熱間加工(鍛造又は圧延)
して、所望板厚の部材とし、次いでAc3点以上の温度
から焼ならしを行なった後、さらにAc1点以上の温度
で焼もどしを行う。
この発明において、前記のように鋼の組成および熱処理
条件を定めた理由は次のとおりである。
Cは強度確保上必要な成分であるが、前述のとおり、S
R後の脆化を防ぐには、O,OS%以下にしなければな
らない。
更に、0.06%以下とするのが一層望ましいことは、
第2,3図からも明らかなとおりである。
Siは、鋼の強度上昇成分として有効であるが、靭性の
低下を防止するには少ない方がよい。
従ってその含有量は0.01〜0.35%とした。
Mnは強度及び靭性の双方に有利に働く成分である。
しかし、1%をこえると、偏析する傾向があり、圧延直
角方向の靭性を悪化させる。
Niは、強度、靭性の確保に必要な成分である。
この発明が、主にエチレンプラント等の構造部材の提供
を目的としているため、かかる部材の使用環境である一
104℃までの温度範囲で十分な強度と靭性さを確保す
る必要かつ十分なNi量は3〜4%である。
3%より少ない量では、後述するMo、Cu等の成分で
補ってもなお必要な強度、靭性を得ることが困難であり
、一方、4%をこえるNiの含有は徒らに鋼材の価格を
上昇させるだけで、上記の如き使用条件を想定する鋼材
にはむだな添加となる。
かかる意味で、この3〜4%Ni鋼はいわゆる低温用鋼
としては広く知られている5%Ni鋼或いは9%Ni鋼
とは使用目的が異なり、それに伴って、鋼種としても、
又製造方法においても全く異なるものである。
P及びSは鋼の不純物として含有されるものであるが、
前者はSR脆化を犬きくシ、又後者は圧延直角方向の靭
性を劣化させるため、いずれもできるだけ少ない方がよ
い。
この発明で定める0、02%という値は許容上限値であ
る。
C量を低くすることとともに、Mo0.05〜0.30
%を含有させるのが、この発明の大きな特徴のひとつで
ある。
即ち、前述のとおり、SR脆化を防ぐためにCを0.0
8%以下に制限する必要があるが、それに伴う強度の減
少を補って、十分な引張り強さを確保するための手段を
講じなければならない。
単に、鋼の強度上昇という目的だけならば、種々の添加
成分が考えられるが、この発明では、SR脆化を起さず
、しかも十分な強度上昇の効果を発揮する成分として、
多くの試験研究の結果、0.05〜0.30%のMoが
最適であることを確認した。
即ちMoはSR処理の温度域でCを固定して前記SR脆
化促進というCの有害な作用を除くとともに、鋼の強度
の上昇に大きく寄与する。
かかる効果が顕著に現われ、特に厚さ85Uというよう
な極厚鋼板でSR後におい才も50kg/−以上の引張
り強さを得るには、0.05%以上のMoが必要である
しかし、0.30%以上の含有では、加工後の焼ならし
処理でもベイナイトが形成され、強度は著しく上昇する
が、靭性の劣化がはげしい。
上記Moの一部は、CuとCrの1種又は2種と置換す
ることができる。
Cuは固溶強化により、強度上昇に寄与し、又、Crは
Moとはゾ同じ作用効果をもつ。
しかし、いずれも前記Moの作用効果には及ばないので
、これらの成分を添加する場合も、必ずMoと併用する
ことさし、Cu1Crはそれぞれ0.20%未満に抑え
、M o 十Cu+Crは0.05〜0.30%としな
ければならない。
しかし、Cu1CrはMoに比較して安価であるから、
MOの一部に替えて使用するのは鋼材の価格を下げる上
で有利である。
5oAA7は、鋼の脱酸および細粒化のために必要な成
分である。
°しかじ、その量が0.06%をこえると靭性に悪影響
を及ぼす。
上記本発明鋼は、既述の如くエチレンプラント等の構造
部材となるものであるが、これらの部材は、熱間で鍛造
又は圧延された極厚物が多く、焼入れ一部もどしのよう
な熱処理を施すことは困難であり、又焼入れをすると部
材の歪、変形を惹起し勝ちである。
さらに、極厚物では冷間加工が困難なたや温間又は熱間
で加工されることが多く、焼入れ焼もどし材は強度の低
下を招くため焼ならし又は焼もどしで製造する必要があ
る。
従って、この発明では、熱間加工の後層ならし焼なまし
して使用することを前提とし、その状態で高い強度と靭
性を確保できるように各成分範囲を選定した。
又この発明における焼ならしはAc1変態点以上950
℃以下で行われる。
すなわちAc1変態点以下ではオーステナイト化しない
ため焼ならしの効果が得られない。
又950’Cを越えて高温に加熱するとオーステナイト
粒が粗大化し、靭性が低下するためである。
特にAc3変態点近傍の750〜900℃程度の温度範
囲が均質なオーステナイト粒が得られ焼ならし効果が大
きいため750〜900℃程度が望ましく、均熱後の冷
却は空冷又は徐冷が行われる。
又必要により焼ならした後にAc1変態点以下560℃
以上に焼もどしを行うことにより、炭化物を微細に析出
させ、強度靭性共に向上させることができる。
この際Ac1変態点を越えて加熱すると一部オーステナ
イト化し、冷却後靭性が改善されない。
又560℃未満の加熱では焼もどし効果を得るのに長時
間均熱する必要があり実用的でなG)。
次に実施例によって、この発明を具体的に説明する。
実施例 第2表に示す組成の鋼を電気炉で溶製し、85關厚の板
に熱間圧延した。
この鋼板について、下記の熱処理を施した後の機械的性
質を第3表に示す。
焼ならし二840°CX1h−空冷 焼もどし:600℃X2h−空冷 SR:580℃×2h−100°/hで 300℃まで冷却 第2,3表中、A−Fは本発明鋼であり、いずれも低C
で、かつMoを必須成分として含有している。
DはCuを、EはCrを、FはCuとCrを、それぞれ
少量づつ含有する。
比較鋼のG−Jは第1表に示したASTMA 203の
Grade Dに相当し、又、KはGradeEに相当
するものである。
* 試験片の平行部 8.5 muφ×50龍l*
* JI34号 2mrnVノツチシャルピー
試験片第3表に見る如く、A−Fの本発明鋼はSR後の
低温靭性が大巾に改善されており、特に強度レベルにお
いて同等の比較鋼と対比すれば、その傾向が一層明瞭ヱ
ある。
例えば比較鋼のうち−104℃での衝撃値が最も高いF
が炭素量を極力下げて、強度を犠牲にしているにも拘ら
ず、5.0kg−mにすぎないのに対して、本発明鋼は
全て10kg−m以上の値を示していることからも明ら
かなように、SR後の強度と低温靭性を兼備させるとい
うこの発明の目的が十分達成されている。
かかる引張り強さくT、S)と衝撃値(vE−85、v
E−104)との関係を明瞭に示したのが第4,5図で
ある。
即ち、第4図は、第3表に示されたA−Fの本発明鋼及
びG−にの比較鋼のT、Sと■E−85との関係を、又
第5図は同じ<T、SとvE−104との関係をそれぞ
れ示すものである。
これらの図によれば、本発明鋼ではT、Sが約47 k
g7m+tから55 kg−/−近くまで上昇しても、
低温靭性の劣化は殆んどないのに対し、従来鋼ではT、
Sを上昇させれば必然的に衝撃値が低下するという傾向
が明らかである。
第3表の本発明鋼の衝撃値を炭素量に関連させて第2図
及び第3図中に示したのが黒丸・であって、特に−10
4℃の結果を示す第3図ではC量が少なくなれば靭性が
向上するという一般的傾向以上に本発明鋼の靭性が改善
されていることが分り、かかる高靭性の鋼が更に、高い
引張り強度を兼備しているということは、従来の知識で
は全く予期しえないことである。
上記実施例は、焼なまし後部もどしして、SR処理を施
した試料の結果だけを示したが焼なまし後SR処理を施
したものでも全く同じ傾向きなることが確められている
以上詳述したとおり、本発明鋼は、85mmという極厚
部材でも焼ならしのま\で、或いは焼ならし一層もどし
の処理で高い強度を有し、しかもSR後の靭性が一10
4℃においても極めてすぐれているから、低温用大型構
造部材として広い用途が期待できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は鋼の引張り強さに及ぼすC量の影響を示す図表
、第2図及び第3図は鋼の靭性に及ぼすC量の影響を示
す図表、第4図及び第5図は鋼の引張り強さと低温靭性
の関係を示す図表である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 i co、os係以下、Si0.01〜0.35係、
    Mn0.4〜1.0%、po、o2%以下、80.02
    %以下、Ni 3.0〜4.0%、Mo 0.05〜0
    .30%、so/A70.01〜0.06%、残部Fe
    と不可避的不純物からなる鋼を熱間加工後、Ac1変態
    点以上950℃以下の温度に加熱し焼ならしを行なった
    時後、Ac1変態点以下560℃以上の温度に加熱し焼
    もどしすることを特徴とする耐SR脆化のすぐれた強靭
    鋼の製造法。 2C0,08係以下、SiO,01〜0.35%、Mn
    0.4〜1.0%、Po、02%以下、80.02%
    以下、N i 3.0−4.0%、Mo 0.05〜0
    .30%、及び0.2%未満のCuとCrの1種又は2
    種をMoとの合計で0.05〜0.30%、5olA7
    0.01〜0.06%ミ残部Feと不可避的不純物から
    なる鋼を熱間加工後、Ac1変態点以上950℃以下の
    温度に加熱し焼ならしを行なった後、Ac1変態点以下
    560℃以上の温度に加熱し焼もどしすることを特徴と
    する耐SR脆化のすぐれた強靭鋼の製造法。
JP52010102A 1977-01-31 1977-01-31 耐sr脆化のすぐれた強靭鋼の製造法 Expired JPS594487B2 (ja)

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