JPS6312874Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、パルセータの回転によりポンプ作用
を生成するようにした洗濯機に関する。

〔考案の技術的背景〕

従来パルセータの裏面外周に翼片を設け、パル
セータの回転に伴い該翼片が生成するポンプ作用
により洗い槽内の水を通水路を介して循環させリ
ント捕獲をするようにした洗濯機が供されてい
る。これらの洗濯機では一般に、前記通水路の入
水口部に相当する入水管体を洗い槽に上下に延び
るように形成した排水室の底部にその入口側がパ
ルセータの外周部に対向するように配設し、この
入水管体の流出端部にホースを接続して上方に延
設し、このホースと前記入水管体とによつて構成
される通水路を通して洗い槽内部の水を該洗い槽
上部のリント捕獲部に揚水する構成としている。

〔背景技術の問題点〕

しかしながら、パルセータのポンプ作用により
吐出される水はパルセータの径方向即ち略水平方
向に流出するため入水管体は排水室底部に沿うよ
う配置されるものであるが、上記構成では入水管
体は成形時の型抜き等の都合上真直ぐな管状に形
成されるため、入水管体のホース接続端は排水室
周壁部に向つて延び、その端部と洗い槽側壁部と
の間隔が小さくなる。このため入水管体に接続し
たホースを上方に向け延設する際に小さな曲率半
径で曲げなければならず、ために通水路内の通水
抵抗が増加して通水水量が減少するという問題が
ある。

〔考案の目的〕

本考案は、上記の事情に鑑みなされたもので、
その目的はパルセータによる吐出水の通水路内の
通水抵抗を減少させ、通水水量の増大を図り得る
洗濯機を提供するにある。

〔考案の概要〕

本考案は、通水路のうち少なくとも入水口部
を、パルセータの側部近傍から順次上向きに曲が
るよう設けられた隔壁に沿つて湾曲する樋体を該
隔壁により閉鎖して構成することにより通水路の
湾曲部を大きな曲率半径で形成し、もつて通水路
内の通水抵抗を減少させるところに特徴を有す
る。

〔考案の実施例〕

以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明する。１は図示しない外箱に内設された洗い
槽、２は外箱の後部に配設された操作箱で、この
操作箱２の下部には洗い槽１の後側壁面に沿つて
横長な容器状の流水ケース３を配設している。４
はパルセータで、裏面にポンプ用の複数の翼片４
ａを突設しており、洗い槽１の底壁部に陥没形成
したポンプ室１ａ内に収納されている。５は洗い
槽１のポンプ室１ａ底部に配設した軸受ケース、
６は軸受ケース５に支承された回転軸で、上端部
にパルセータ４を取着しており、図示しないモー
タにベルト７を介して連結されている。８は凹室
に相当する排水室で、洗い槽１の隅部周壁を内底
部から上端部に至るまで上下に延びて膨出して形
成したもので、その下端部分にはポンプ室１ａ内
に連通する流入室８ａが形成されている。９は排
水室８内に配設された周知の排水機構で、これは
上下に長い管支持体１０の下端部に形成した連結
口体１１の上端部に溢水ホース１２を連結し、下
端部に環状の弁体１３を嵌着して構成されてい
る。この排水機構９は操作箱２に取着された図示
しない操作部によつて突条１４を介して上下動さ
れ、弁体１３が洗い槽１の底壁部に形成された排
水口１５の周囲に接離するようになつている。１
６は排水口１５の下部に突設された排水口体、１
７は排水口体１６に連結した排水ホースである。
１８は洗い槽１と排水室８とを区分する隔壁たる
ストレーナ部材で、多数の透孔１９ａを形成した
平板状の上部ストレーナ１９と、下部ストレーナ
２０とから構成されている。この下部ストレーナ
２０は全体として洗い槽１の周壁部に沿つて順次
上向きとなるようにゆるやかに湾曲した曲面を形
成し、その下端部には第２図にも示すリブ部２０
ａが洗い槽１のポンプ室１ａの周壁部１ｂに連続
してパルセータ４の外周縁部を略円形に囲繞する
ように形成されている。

さて、２１は洗い槽１内の水を前記流水ケース
３内に揚水するための通水路で、以下これにつき
詳述する。まず、２２は樋体で、これは全体とし
て下部ストレーナ２０に沿うように下端部から上
端部にかけて順次上向きとなるようにゆるやかに
湾曲して形成され、上端部に筒状の連結口体２３
を上向きに形成している。２４は樋体２２の側壁
２２ａの外側下端部に一体に突設された４個の係
合部である。一方、２５は下部ストレーナ２０の
下面に一体に突設された囲壁部で、これは下部ス
トレーナ２０の下面略中央に下方を開放した略コ
字形を成すよう連続して形成され、縦壁部２５
ａ，２５ａは樋体２２の側壁部２２ａ，２２ａと
突合わせ可能に設けられている。２６は囲壁部２
５の縦壁部２５ａ外側に一体に突設した４本の弾
性爪で、これは樋体２２の係合部２４に対応して
設けられている。而して樋体２２は下部ストレー
ナ２０の下面に宛われてその側壁部２２ａ，２２
ａを下部ストレーナ２０の縦壁部２５ａ，２５ａ
に突合わせた状態で係合部２４を下部ストレーナ
２０の弾性爪２６に弾性係合させて下部ストレー
ナ２０に一体化されており、もつて上記樋体２２
の開放上面を下部ストレーナ２０により閉鎖する
形態として前記通水路２１の入水口部２７を構成
している。斯様にして下部ストレーナ２０と一体
化された樋体２２は、排水室８底部に挿入されて
樋体２２下部に形成したねじ挿通孔２８にねじ２
９を挿通して排水室８底部に突設した取付座３０
にねじ止めされている。３１は下端を樋体２２の
連結口体２３に接続したホースで、このホース３
１の上端は、流水ケース３の底壁部に形設した連
結口体３２に連結されている。３３は流水ケース
３に取着されたリントフイルタで、これは通水路
２１を通して揚水された洗い槽１内の水からリン
トを捕獲する。尚、３４は下部ストレーナ２０の
縦壁部２０ｂの外側の部位に形成した多数の透孔
である。

次に上記構成について、その作用を説明する。
洗い槽１内に洗い用の水を貯留してパルセータ４
を回転させると、パルセータ４の翼片４ａによる
ポンプ作用により、排水室８内の水が流入室８ａ
を通つてポンプ室１ａ内に吸引され、通水路２１
の入水口部２７内にパルセータ４の径方向に沿つ
て吐出される。そしてこの水は樋体２２の底壁部
に沿つて順次上方に向きを変えてホース３１内に
流入し、該ホース３１を通つて連結口体３２から
流水ケース３内に揚水され、更に流水ケース３の
リントフイルタ３３を通過するさいにリントが除
去されて洗い槽１内へ戻される。

上記構成によれば、パルセータ４の側部から順
次上向きとなるよう曲がる下部ストレーナ２０に
沿わせて通水路２１の入水口部２７を形成したか
ら、通水路２１の湾曲部即ち入水口部２７を大き
な曲率半径とすることができ、従つて入水口部２
７を通る際の通水抵抗を従来に比して大幅に低減
させることができて、揚水量を増大できもつてリ
ント捕獲を効果的になし得る。また特に本実施例
では、樋体２２に係合部２４を形成すると共に下
部ストレーナ２０にこの係合部２４に係合する弾
性爪２６を突設して両者を一体化し得るよう構成
したから、従来のように入水管体と下部ストレー
ナとの取付を夫々その都度洗い槽１内に深く手を
差し入れて別々に行なわずとも、予め洗い槽１外
で樋体２２と下部ストレーナ２０とを一体化して
これを洗い槽１底部に取付ければ済み、その分組
立作業を簡単になし得る。

尚、上記実施例では樋体２２にホース３１を連
結して通水路２１を構成したが、本考案はこれに
限られず、樋体２２にホース３１に相当する通水
管部を一体成形する構成としてもよく、また通水
路２１は必ずしも排水室８内に配設せずとも、洗
い槽１周壁に排水室８とは別個に通水路２１収納
用の専用の凹室を形成するようにしてもよい。

〔考案の効果〕

本考案は、以上の説明から明らかなように、通
水路のうち少なくとも入水口部を、パルセータの
側部近傍から順次上向きとなるように曲成した隔
壁に沿つて湾曲する樋体と、これを該隔壁により
閉鎖して構成したので、通水路の湾曲部を大きな
曲率半径で形成し得て、通水路に流入する水を樋
体に沿つたゆるやかな曲面に沿つて揚水できるの
で、従来のように小さな曲率半径で急激に曲成し
た通水路中を流通する場合に比して通水抵抗を減
少し得、ひいては通水量の増大を図り得るという
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は洗濯機の排水室部分の縦断面図、第２図は要部
の拡大分解斜視図である。 図中、１は洗い槽、４はパルセータ、８は排水
室（凹室）、２０は下部ストレーナ（隔壁）、２１
は通水路、２２は樋体、２７は入水口部を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗い槽に上下に延びる凹室を形成して該凹室を
   洗い槽内底部に配設したパルセータの側部近傍か
   ら順次上向きとなるように曲成した隔壁により区
   分すると共に、前記パルセータのポンプ作用によ
   る吐出水を前記凹室内に設けた通水路を通して揚
   水するようにしたものにおいて、前記通水路のう
   ちの少なくとも前記吐出水を受ける入水口部を、
   前記隔壁に沿つて湾曲する樋体と、これを該隔壁
   により閉鎖して構成したことを特徴とする洗濯
   機。