JPS63123861A - 高強度ジルコニア系hip焼結体 - Google Patents

高強度ジルコニア系hip焼結体

Info

Publication number
JPS63123861A
JPS63123861A JP61267060A JP26706086A JPS63123861A JP S63123861 A JPS63123861 A JP S63123861A JP 61267060 A JP61267060 A JP 61267060A JP 26706086 A JP26706086 A JP 26706086A JP S63123861 A JPS63123861 A JP S63123861A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sintered body
zirconia
mol
strength
ceo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP61267060A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2517249B2 (ja
Inventor
正典 平野
可児 章
博 稲田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritake Co Ltd filed Critical Noritake Co Ltd
Priority to JP61267060A priority Critical patent/JP2517249B2/ja
Publication of JPS63123861A publication Critical patent/JPS63123861A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2517249B2 publication Critical patent/JP2517249B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、酸化イツトリウムおよび酸化セリウムを安定
化剤として含むジルコニアと、分散成分であるアルミナ
、スピネル、ムライトから成る熱水安定性、熱安定性、
高温安定性を著しく改善した高強度ジルコニア系焼結体
に関する。
[従来の技術] ジルコニア焼結体は高温領域の立方晶から正方晶を経て
単斜晶に相転移をするが、その際体積変化を伴い、特に
正方晶から単斜晶への相転移の体積変化が大きく、その
ため焼結体がこの体積変化により破壊してしまうという
欠点がある。この欠点を取り除くために、Z r Ox
にCaOlMgO,Y2O2などを固溶させて転移を起
こさせないようにし、常温でも立方晶からなる安定化ジ
ルコニアあるいは立方晶と単斜晶よりなる部分安定化ジ
ルコニアが数多く発表されている。また、準安定相であ
る正方晶を常温で焼結体内に存在させた部分安定化ジル
コニアが高強度を示すことが発表されている。これは一
つには機械的な外部応力が加わった際に、準安定な正方
晶から室温安定相である単斜晶への相転移が誘起され、
応力が吸収されることによる。
このように、常温において、正方晶を準安定のまま保持
させたジルコニア焼結体を得るための安定化剤としては
、従来より主としてY2O,が用いられ、著しい高強度
、高靭性を発現して注目されている。さらに、このY 
20 コを安定化剤とする部分安定化ジルコニアにアル
ミナ等を分散させた高強度ジルコニア系焼結体の製造方
法が特開昭60−235762に開示されている。
この発明では、イツトリアを少量添加した正方晶を含む
ジルコニアにアルミナを特定割合配合することにより、
また熱間静水圧プレス処理を行うことにより、従来の部
分安定化ジルコニアよりさらに著しく強度特性の向上し
た焼結体の得られることを見出だしたものである。
一方、酸化イツトリウム(YxOs)のみを安定化剤と
して少f(5モル%以下)含む正方晶からなる部分安定
化ジルコニアは、高温で安定な正方晶を、@構造の制御
によって、室温まで準安定相としてもたらしたものであ
り、単斜晶への相変態による体mm張の結果生じるクラ
ック発生を防止することで高強度を得ている。このため
、その構造や性質が経時変化をし、熱応力下特に200
℃ないし400℃という比較的低温における長時間の加
熱により、正方品から単斜晶へ相転移を起こし、強度の
経時劣化が生じる。また、この相転移による強度劣化は
水分等の存在下では著しく促進され、このような経時劣
化が大きな問題となっている。
このことは、前記特開昭60−235762の発明にお
いて、Y2O,のみを安定化剤として使用したジルコニ
アに、アルミナを一部含有する高強度ジルコニア焼結体
においても、前記の部分安定化ジルコニアと同様に経時
劣化の問題を内包しており、水分の存在下で長時間加熱
された場合のいわゆる耐熱水安定性についての改善につ
いては同等開示されていない、これに対し、特開昭60
−141673のジルコニア磁器および製造法では、酸
化イツトリウムと酸化セリウムを共存させることによっ
て、熱安定性の改善を図る手法が開示されている。しか
しながら、この酸化イツトリウムと酸化セリウムからな
るジルコニア焼結体は、機械的強度が低いという欠点が
あり、熱安定性は改善されているものの、水分の存在下
についての耐熱水安定性には触れられておらず、いまだ
不十分である。このように、従来から高強度で経時劣化
のない熱および熱水安定性に優れたジルコニア系セラミ
ックスが待望されていた。
そこで本発明の出願人等はこれを達成する方法として昭
和61年9月22日に高強度ジルコニア系焼結体および
そのgA造左方法発明を出願した。
前記発明においては、安定化剤として酸化イツトリウム
および酸化セリウムを所定量含有させたジルコニアと、
アルミナからなり、結晶相および結晶粒子径を制御する
と共に、HIP処理により理論密度および曲げ強度を従
来品よりも高水準に保つことにより、従来のジルコニア
焼結体よりも高強度を示し、かつ熱および熱水安定性に
優れるという効果を見出だしている。
しかしながら、前記発明においては、製造方法としてカ
ーボン発熱体を使用し、Arガス等の不活性ガスを圧力
媒体として使用する最も一般的なHIP処理方法を用い
ていた。このため、カプセルを使用しない場合には、雰
囲気、特に還元性雰囲気によると考えられる着色が焼結
体に生じ、還元状態の違いから、焼結体表面と内部とで
着色が異なるなど雰囲気の影響を強く受けていた。
この現象はHIP処理の温度にも大きく依存していた。
すなわち、より高温でHIP処理を行うと、ジルコニア
結晶が、正方品から単斜晶へ相転位を生じ、いわゆる脱
安走化の現象が進行し、焼結体の密度の低下と共に強度
が急激に低下する。
これは、ジルコニアの安定化剤の一つであるセリウムが
還元され、4価から4価と3価の間の化学的非魚論値あ
るいは3僅になって、セリウムイオンのイオン半径に変
化が生じることが主要な原因と推察される。また、カー
ボン発熱体の使用によって得られた従来の)IIP焼結
体は、熱処理あるいは高温使用中に、焼結体内に含有さ
れていた微量の炭素が酸化し、特性劣化しやすい等の問
題点を有していた。
し発明が解決しようとする問題点] 本発明は、このようなY t Os  Z r Oを系
の主として正方晶よりなる部分安定化ジルコニアあるい
はこれを主体とする焼結体の経時劣化、とりわけ熱水中
での問題点および前記発明の高温HIP処理における膜
安定化現象や高温使用中の劣化等の問題を解決すべくな
されたものであって、正方晶の熱安定性、熱水安定性を
飛躍的に増大し、経時劣化の無い、耐久性に優れた、し
かも極めて高強度なジルコニア系焼結体を提供し、同時
に還元性雰囲気の影響を受けず、また、1000℃付近
の高温において、長時間保持した後も、強度劣化のない
極めて優れたジルコニア系焼結体を提供することを目的
とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明の高強度ジルコニア)iIP系焼結体は、酸化イ
ツトリウム(YxO3)、酸化セリウム(Ce。
2)を安定化剤として含む主として正方晶あるいは正方
晶と立方晶よりなる部分安定化ジルコニア50〜98重
量%と、分散成分としてアルミナ(AI、0.)、スピ
ネル(MgO・A Izo 3)、ムライト(3A l
 t Os・2SiO□)のうち少なくとも1種以上5
0〜2重量%とから成り、焼結体の平均結晶粒子径が2
μ園以下で、焼結体の嵩密度が理論密度の99%以上で
あるかまたは気孔率が1%以下で、3点曲げ強度が1ら
Okgf/ms”以上であり、該組成物の大気中焼結物
と同系色を呈することを要旨とする。
[作用] 本発明の高強度ジルコニア系焼結体は、従来のイツトリ
アを含有する部分安定化ジルコニア系焼結体より、著し
く高強度であり、熱安定性、熱水安定性が極めて高く、
長時間使用しても形状変化あるいは強度低下等の劣化現
象を示さず、極めて耐久性に優れる。このように著しい
高強度を維持したまま熱安定性、熱水安定性が高い本発
明の高強度ジルコニア系焼結体は、本発明者等が鋭意研
究を1ねた結果、次に述べるような斯たな知見に基づき
完成されたものである。
本発明者等は酸化セリウムおよび酸化イツトリウムを含
むジルコニア焼結体について検討を重ねた。その結果、
酸化セリウムを酸化イツトリウムと共存させて安定化剤
として使用することによって、正方晶ジルコニアの結晶
構造が、従来のY2O、によって安定化された正方品ジ
ルコニアよりも、ジルコニアの高温安定相である立方晶
の結晶構造により近くなり、正方晶の熱力学的安定領域
が低温まで広がると同時に、正方晶の熱力学的安定性が
高まるとの知見に基づき、ジルコニアに安定化剤として
含まれる本発明の組成範囲の酸化セリウムおよび酸化イ
ツトリウムを見出だしたものである。
また、安定化剤として酸化イツトリウムおよび酸化セリ
ウムを含むジルコニア焼結体に対するアルミナ(AIt
o>>、スピネル(MffO・A I * Os )、
ムライト(3A1□0.・2 S io *)の添加の
影響についても検討した。その結集、これら酸化物の添
加が正方晶の含有量を高め、弾性率の上昇による破壊エ
ネルギーの増大に寄与し、HI P処理の応用と相まっ
て高い強度を示すと共に、Z r 02の粒界部分の強
化に役立ち、準安定正方晶ジルコニアの安定性を一段と
高め、さらにはCe Ow成分の存在による安定性との
相乗効果の結果、耐熱水安定性が著しく改善されること
を見出だした。
本発明では熱間静水圧プレスを用いることで、従来の大
気圧での焼結に比較し、ち密でしかも焼結体中に含まれ
る気孔の大きさを30μ−以下に制御することが可能と
なり、さらにはより低温において焼結を完了させること
ができる。そのため焼結体の平均結晶粒子径をより小さ
くすることができ、また理論密度の99%以上あるいは
気孔率が1%以下の嵩密度を得ることができる。この結
果150kgf7’+m”以上の強度を有しながらも、
酸化イツトリウム、酸化セリウム、ジルコニアおよびア
ルミナ、スピネル、ムライトの各成分の組成制御と相ま
って、熱および熱水安定性に極めて優れる焼結体を得る
ことを可能とした。
また、本発明では特にHIP処理の加圧媒体として、酸
素を含有するガスを用いることで、従来より一般的に行
なわれているカーボン発熱体を使用し、Arガス等の不
活性ガスを圧力媒体として使用するHIP処理に比較し
、還元性雰囲気の影響を受けない。
このため、第1に焼結体の表面と内部で着色が異なるな
ど、還元性雰囲気の影響による着色がない。
第2に、本発明の部分安定化ジルコニア組成に含まれる
安定化剤の一つであるセリウムが、4価から4価と3価
の間の化学非蚤論値あるいは3価になり、イオン半径に
変化が生じることが主原因と考えられる脱安走化現象、
すなわちジルコニア結晶が正方晶から単斜晶へ相転位を
起こす現象が生じない、このため、強度、熱および熱水
安定性などの特性が一段と向上し、本発明の目的とする
HIP処理による効果が完全に得られる。
さらに第3に、従来より一般的に行なわれている)II
P処理により得られた焼結体は、HIP処理中に焼結体
内に侵入した微量の炭素が、熱処理あるいは高温使用中
に酸化し、特性の劣化を生じ易いのに対し、本発明の高
強度ジルコニア系焼結体はこのような熱処理あるいは高
温使用中の特性劣化は全くなく、1000℃の大気中に
長時間保持した後も、焼結体の強度の変化は無く、長時
間の高温での使用中にも全く劣化しない。
このように、従来法のHIP処理を応用した本発明組成
の焼結体よりもさらに一段と優れている。
また、従来の部分安定化ジルコニアの高温強度の約2倍
以上の優れた特性を有する。さらに、耐熱衝撃特性につ
いても極めて優れている。
また、本発明ではジルコニア焼結体の平均結晶粒子径を
2μ−以下とすることにより、強度および熱水安定性に
優れた焼結体を得ることが出来た。
さらに本発明の高強度ジルコニア焼結体は、ジルコニア
の耐摩耗性を優れたものとし、高温におけるジルコニア
焼結体のクリープ特性をも改善するものである。
本発明の焼結体に含まれ、熱的により安定で劣化を示さ
ないY z Os  Ce OHZ r Oz系の正方
晶ジルコニアは、準安定な正方晶であるために、ZrO
2粒子近傍に応力集中を受けた場合には、低温安定相で
ある単斜晶への変態を生じ、応力を緩和する作用を有す
る。このため、本発明の高強度ジルコニア系焼結体は著
しい高強度、高靭性を示すものである。
本発明ではジルコニアの安定化剤としてY2O。
およびCeO□を必要とする0本発明のY z O3、
Ceot、Z r Otの3成分の配合割合は、第1図
に示すような正三角形に交わる3軸にそれぞれZrO*
、Y O+ 、 s、Ce01のmo1%を表示した3
角座標において、 点A(ZrOz8 7 .5ao1%、 Yol、s1
2mo1%、CeO,0,5mol%) 点B(ZrOx95.5ao1%、 Yol、s4mo
1%、Ce0x0.5mol%) 点C(ZrOx95.5*o1%、Y、 O+ 、s 
2 mo1%、Ce0t2.5mol%) 点D(ZrOx92.5so1%、 Yol、so、5
mol%Ce0t7.5mol%CeO27.0mol
%)点E(ZrOt85mol%、Yol、so、5m
ol%、Ce0tjL、5ao1%) で示された特定5組成点を結ぶ線で囲まれた範囲内の組
成にあることが好ましい、この範囲内にジルコニアの組
成を選択すれば、180℃(10気圧)飽和水蒸気中に
20時間焼結体を保持した場合の単斜晶量を30体積%
以下できる。また、200℃の大気中で3000時間保
持した場合の単斜晶量を20体積%以下にできる。
しかしながら、安定化剤の量がこの範囲より少ないと、
正方晶ジルコニアの安定性が低いものとなる。すなわち
、第1図の3角座標において、線ABよりもCeO□が
少ないと、熱安定性が劣ったものとなり、線DEよりも
Y z O3が少ないと強度が低く、熱安定性にも劣る
。また、線AEよりもY、0.あるいはCe0tjLが
多いと、充分な機械的特性が得られない、 NIBcD
より安定化剤の量が少ない場合は、正方晶ジルコニアの
安定性が低いものとなる。
また、本発明をより効果あるものとするためには、上記
3成分の配合量を第11!!Itの3角座凛において、 点F(ZrOx88mo1%、 Yol、110+10
1%、CeO*2eeo1%) 点G(ZrOi89mo1%、Yol、5lOso1%
、Ceo 11 eeo1%) 点H(ZrOt93mo1%、 Yol、56so1%
、CeO*1+*o1%) 点 1(ZrOx94.5mot%、 Yol、s2m
o1%C!10.3.51161%) 点J(ZrOz91so1%、 Yol、s1mo1%
、CeO!8mo1%) 点K(ZrOz86+io1%、Yol、s1mo1%
、CeO宜13+so1%) で示された特定5組成点を結ぶ線で囲まれた範囲内に選
択するとよい、この範囲内にジルコニアの組成を選択す
れば、180℃(10気圧)飽和水蒸気中に20時間焼
結体を保持した場合の単斜晶量を20体積%以下にでき
る。また、200℃の大気中で3000時間保持した場
合の単斜晶量を10体積%以下にできる。
さらに、本発明を最も効果的にするためには、上記3成
分の配合量を第1図の三角座擦仁おいて、点F (Zr
Oz8 8mo1%、 Yol、il5mol%CeO
27.0mol%、C!loz2mo1%) 点G (Z ro t89 mo1%、Yol、sl5
mol%CeO27.0mol%、Ce Oz 1 輪
01%) 点L (Z ro ! 9 3 .5 mo1%、 Y
ol、5411o1%、Ce0z2.5mol%) 点M(ZrOx93mo1%、 Y O+ 、s 2 
mo1%、CsOC50x5%) 点N(ZrOx88*o1%、Yol、s1mo1%、
CeOzl1mo1%) 点K(ZrOt86mo1%、 Y O+ 、s 1 
mo1%、Ce0x13so1%) を結ぶ実線で囲まれた範囲内に選択すると良い。
この範囲内にジルコニアの組成を選択すれば、180℃
(10気圧)飽和水蒸気中に20時間焼結体を保持した
場合の単斜晶量を10体積%以下にできる。また、20
0℃の大気中で3000時間保持した場合の単斜晶量を
5体積%以下にできる。
本発明では、酸化イツトリウムおよび酸化セリウムを含
有するジルコニア(Z ro 2)らO〜98!を量%
に対し、分散成分としてアルミナ(Al2O3)、スヒ
ネル(MgO・A LO3)、ムライト(3A ho 
s・2SiOx)のうち少なくとも1種以上を50〜2
!li量%の割合で含有する。これら分散成分の割合が
2重量%より少ないと、分散成分の添加による強度上昇
、熱および熱水安定性向上の効果が得難く、50重量%
を越えると、正方晶ジルコニアの起因する強化機構が減
少し、期待した程の強度が得られない0本発明をより効
果あるものとするためには、これら分散成分の含有量を
5〜4011L量%の範囲に選択すると良い、さらに好
ましくは10〜35重量%の範囲が良い、すなわち、こ
の範囲に分散成分を選択すれば、ジルコニアの安定化剤
であるC e O*成分との相乗効果により、熱及び熱
水安定性に極めて優れたものとなる。
本発明の焼結体は3点曲げ強度が150 kgf/−曽
2以上でなければならない0本発明の組成内であって、
しかも本発明に示す熱および熱水安定性を満たし、かつ
強度が150 kgf / mm”以上の焼結体は、著
しく優れたものと考えられるからである。
また、焼結体の嵩密度が理論密度の99%以上であるか
または気孔率が1%以下であることが必要である。理論
密度が99%より小さいかあるいは気孔率が1%より高
い場合には、焼結体の強度も低く、また熱および熱水安
定性も低いものとなる。すなわち、嵩密度が高いほど焼
結体は含まれる正方晶ジルコニアの安定性が高まり、耐
熱、耐熱水安定性に優れたものとなる。
また、焼結体中に含有される気孔としては30μ−以下
が好ましい、30μ−以上の大きな気孔を有していると
高強度焼結体が得られない、さらに好ましくは20μ隋
以下が望ましい。
また、本発明の焼結体の色は、該組成物の大気中焼結物
と同系色、すなわち白色あるいは乳白色あるいは薄い黄
色を呈しており、還元性あるいは非酸化性雰囲気による
着色、すなわち赤褐色あるいは茶褐色あるいは黒色を呈
しないことが必要である。すなわちこれは、酸素を含有
するガスを圧力媒体として)(IP処理を行った結果で
あり、このように焼結体の色を規定することにより、本
発明の高強度ジルコニア系セラミックスと従来のHIP
IP処理いた高強度ジルコニア系焼結体とを完全に区別
することができる。
本発明の組成を有するジルコニア焼結体は主として正方
晶よりなる部分安定化ジルコニアであるので、高強度、
高靭性を示す0本来正方晶は準安定相であるため試料表
面の研削によって一部が単斜晶へ転移を生じ表面層の残
留圧縮応力により焼結体の強化に寄与する。この強化の
程度は研削による表面粗さと焼結体の粒径に依存してい
る。このため、本発明による主として正方晶よりなる部
分安定化ジルコニアとは、X線回折による結晶相の測定
において鏡面状態で正方晶系を少なくとも50%以上含
むジルコニアをいう。
なお、ジルコニア焼結体の各結晶相の含有量は、X線回
折により多形の結晶定量法に基づいて測定を行う、X線
回折ピークの積分強度を以下単に積分強度と略記する。
酸化ジルコニウムの正方晶と立方晶は格子常数が近似し
ているため、低角度の回折ではピークが非常に近接し、
分離できないので、単斜晶ピークの積分強度と正方晶ピ
ークおよび立方晶ピークの積分強度和の量比(単斜晶/
正方晶子立方晶)を測定し、正方晶と立方晶のピークが
分離する高角度で正方晶ピークと立方晶ピークの積分強
度から両者の量比(正方晶/立方晶)を測定し、各結晶
量を算出する。X線回折によるジルコニアの各結晶量の
具体的計算法は、次のとおりである。
(1) 積分強度の測定 正方晶<111>と立方晶<111>の混合積分強度・
・・工〒、a<111> 単斜晶<11 T>と<111>の積分強度・・・・・
・・・I菖<11 T>、IN <111>正方品<0
04>と<400>の積分強度・・・・・・・・工↑<
004>、■〒<400>立方晶<400>の積分強度
・・・・・・・・・・・・・・Ia<400> (2)各結晶相の含有量は体積%として次式より求めた
単斜晶酸化ジルコニウム(体積%) I  m  <11 T  >+  I  n  <1
1D+  I  ?  −0く111〉・・・・・・・
・(1) 正方晶酸化ジルコニウム(体積%)T = (100−
M )立方晶酸化ジルコニウム(体積%) Cコ100−M−T・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・(III)本発明の焼結体は、焼結体の平均
結晶粒子径が2μ−以下であることが必要である。好ま
しくは1μ−以下であることが良い、これは平均結晶粒
子径が2μ輪を越えると、熱および熱水環境下で正方晶
から単斜晶への変態が生じ易くなる。ジルコニア焼結体
の熱安定性は、焼結体の粒子径に大きく依存しており、
粒子径が小さい程安定性が向上する0本発明の焼結体の
場合、安定化剤として酸化セリウム(CeO*)を含ん
でいるので、これを含まない酸化イツトリウム部分安定
化ジルコニアと比較すれば、臨界粒子径は組成に依存す
るが、数倍から約5倍の大きさとなり、安定性は極めて
高いものとなっている。
また、本発明では、180℃く10気圧)の水蒸気中に
20時間保持後の焼結体表面のジルコニア結晶の単斜晶
量が30体積%以下であることが必要であり、20体積
%以下が好ましい、さらに好ましくは10体積%以下が
よい、また、200℃大気中に3000時間保持後の焼
結体表面のジルコニア結晶の単斜晶量が20体積%以下
であることが必要であり、10体積%以下が好ましくさ
らに好ましくは5体積%以下がよい、なぜなら、このよ
うな条件において、経時劣化の上限を設定することによ
り、従来のイツトリア系高強度ジルコニア結体と完全に
区別することができる力)らである。
また、1000℃大気中1500時間保持後の焼結体の
強度が150 kgf/ am’以上であることが必要
である。これは従来の一般的なHIPgt結を用いたジ
ルコニア系焼結体と区別することができるからである。
なお、焼結体の平均粒子径の測定は以下の方法によって
行うものとする。
平均粒子径は、鏡面に磨かれた焼結体を工・ノチングし
たのち、走査型電子顕微鏡によって観察し、以下の式に
よって求める。
γ;平均粒子径 !;任意に引いた線分を横切る50個以上の粒子の平均
長さ。
本発明は、熱間静水圧プレス(以下1(I Pと略記す
る。)することを特徴としており、特に本発明では、加
圧媒体として酸素を含有するガスを用いてHI P処理
をすることを特徴としている。−般的なHIPにはカー
ボンヒータを使用しているが、本発明の酸素を含有する
ガスを圧力媒体として使用する酸化性雰囲気中でのHI
P処理には、大気中で用いる電気炉に使われている発熱
体、例えば1400℃以下の使用には鉄−クロム−アル
ミニウムーコバルト系、ニッケルークロム−系の発熱体
が使用でき、より高温に対しては炭化珪素系、二珪化モ
リブデン系発熱体あるいは、白金発熱体やジルコニア系
発熱体が使用できる。
HIP処理の温度、圧力条件については、1200〜1
600℃、50〜500 M P aの範囲が好ましい
、圧力5QMPa未満、温度1200℃未満の条件では
期待される高強度焼結体は得難い。
また、温度1600℃を越える温度では、高強度を得る
ことは可能であるが、焼結体粒子が粒成長し、熱および
熱水安定性が劣った焼結体となり、実用材料として工業
的に利用する材料としては適さない0本発明では、加圧
媒体として酸素を含有するガスを用いることを特徴とし
ており、酸素を0.1%以上含有しているガスが好まし
い。
なおHIP処理に供する予備焼結体は95%以上の相対
密度を有しているものでなければならない、相対密度が
95%未満の場合には、焼結体中に開気孔が残存するよ
うになり、HIP処理による充分なち密化が達成されな
い。
このようなち密で、微細な粒子からなる焼結体を得るに
は、出発物質として焼結性に優れた微粉末を用いること
が好ましい方法である。すなわち、混合粉末として、ジ
ルコニウム、イツトリウム、セリウム、アルミニウム、
マグネシウム、シリコンの酸化物あるいはそれらの化合
物の熱分解物を微粉砕して得られる粉末を用いることが
良い、具体的には、ジルコニア原料として、−次粒子径
0゜1μ−以下の湿式法によって得られた微粉末を、ま
た分散成分であるアルミナ、スピネル、ムライト原料と
して、−次粒子径0.5μ繞以下の高純度の微粉末を用
いることが望ましい、また、酸化ジルコニウムのゾルお
よび/またはジルコニウムを含む水溶性の塩と、Y!0
5、Centの水溶性の塩を含む水溶液から共沈法によ
って合成した微粉末を用いることも望ましい方法として
挙げられる。
またアルミナについても、アルミナのゾルおよび/また
はアルミニウムの塩として酸化ジルコニウムに加えて、
共沈法により調製することができる。
本発明に使用するムライト(3A l*Os・2Sio
i)は、天然原料、合成原料いずれでも使用できるが、
微粒かつ易焼結性であることが望ましい。
かかる微細かつ易焼結性の原料粉末は、例えばアルミニ
ウム化合物および珪酸化合物をそれぞれ含む溶液を液相
の状態で混合させた後に乾燥し、800〜1500℃で
仮焼し、粉砕することによって得られる。
なお、本発明の焼結体に含まれる部分安定化ジルコニア
はZr0zのゾルおよび/または水溶性の塩を、安定化
剤の水溶性の塩と共に溶液の状態で均一に混合した後、
沈澱の形で分離して得られた原料を用いるので、Zr0
gに安定化剤が均一に分散し、極めて微粒子からなる易
焼結性の粉末を原料とすることができる。この結果、微
粒、均一な組成を有し、マイクロポアの殆どない焼結体
が得られ、機械的、熱的特性についても所期の値が得ら
れる。
本発明のジルコニア焼結体のZ r O*は、その−部
をtl f Otによって置換しても全く同様の特性を
示すものである。
[実施例] 本発明の実施例について以下詳細に説明し、本発明の効
果を明らかにする。
(実施例1) 硝酸アルミニウムと珪酸エチルを用い、ムライト組成に
なるように、水、エタノールと混合し、その混合溶液を
600℃にて噴霧乾燥した。得られた合成粉を1000
〜1300℃にて仮焼を行い、粉砕することにより、比
表面積50〜10−2/g、AI□0./5iOa比が
71.8/28.2のムライ) (3A LOs ・2
 S io x)をIIIIした。なお、この合成ムラ
イトは1600℃にて焼結することにより3.17の密
度を示した。
次に得られる粉末が第1表および第2表の割合になるよ
うに、純度99.9%のオキシ塩化ジルコニウムの水溶
液に、純度99.9%の塩化イツトリウム、純度99,
9%の塩化セリウムを加え、均一に混合した溶液をアル
カリ(6Nアンモニア水)で凝結させ、水酸化物の沈澱
とし、これを洗浄脱水乾燥し900℃にて2時間仮焼し
、ボールミルにて48時時間式粉砕して部分安定化ジル
コニア粉末を得た。この粉末は平均粒子径0.5μ鴎、
比表面’R’t25 ya” / Hを示した。
この粉末に、平均粒子径0.3μ輸、純度99゜9%の
A 1.0 、、平均粒子径0.3μ転純度99゜9に
のM、O・A1□05、および上記した合成ムライト粉
末を第1表および第2表の割合で加え、成形助剤を加え
、湿式混合後乾燥させた粉末を1゜5 ton/ am
”の圧力で等友釣に成形し、1200〜1500℃の温
度で大気中焼成した。なお、第2表(1)(2)の試料
については、総て1400℃で予備焼結を行った。得ら
れた予備焼結体は、理論密度に対し、95%以上の相対
密度であり、0.1〜0.5μmの平均粒子径であった
このようにして得られた予備焼結体は、1200〜16
00℃で白金発熱体を用い加圧媒体として酸素を0.1
〜5%含有するArガス雰囲気中で5 5 0 kgf
/am”(53,9M P a)、 1 0 0 0k
gf/c糟2(98M P a)  、 1 5 0 
0 ktf/am2(147M P a)、2000 
kgf/cs+”(196M Pa)の圧力で熱間静水
圧プレス(HIP)処理を行った。ま、比較例として、
酸素を含有しないArガス雰囲気中でカーボン発熱体を
使用したHIP処理を行った。
得られた焼結体は、嵩密度、気孔率、曲げ強度、平均粒
子径、熱および熱水劣化試験前後の結晶相をX線回折に
より測定した。なお、各種物性の測定は次のように行っ
た。
a) 抗折強度は、JIS−1601−1981に従い
、3X4X40+mの試料片を用い、スパン30am、
クロスヘッド速度0.5+*m/sinの3点曲げによ
り行った。
b) 結晶相の定量は、前記したX線回折法による。
C)嵩密度はアルキメデス法を用いた。
d) 気孔率の測定は画儂処理により行った。
e) 熱水劣化試験は、一定時間180℃(10気圧)
の飽和水蒸気中で第2図に示す加熱サイクルに従いオー
トクレーブ処理し、180℃で合計20時間保持する処
理を行った試料の物性を測定した。熱水劣化試験後の単
斜晶の定量は、X線回折(1)式により、焼結体の表面
について行った。
f) 熱劣化試験は、200℃の電気炉内に3000時
間保持した後、試料を取り出し、処理を行った試料の物
性を測定した。熱劣化試験後の単斜品定量はX線回折(
I)式により、焼結体の表面について行った。
g)高温エージング試験は、1000℃の電気炉内で大
気中1500時間保持した後、焼結体試料を取り出し、
曲げ強度を測定した。
以上の測定の結果を第1表および第2表に併せて示した
(以下余白) 第1表は、Y O+ 、 s、CeO,、ZrO*の組
成を左からこの順番でモル%で(2,5,6,91,5
)あるいは(4,4,92)と一定にし、分散成分であ
るA l z Os、M g O−A l * Os、
3Al*Os・2Si08の添加量を順次増やしながら
予備焼結温度、HIP処理条件を変え、気孔率、平均粒
子径、Zrolの結晶相1曲げ強度を測定したものであ
る。
第1表の試料No1.No8.No1O1N012はH
IP処理を行わない比較例であり、試料No2は分散成
分を含有しない比較例であるが、いずれも焼結体の強度
が低い、また、試料No17、N。
19はカーボンヒータを使用してHIP処理を行った比
較例で、試料は黒褐色に着色しており、本発明樟比較し
て強度が低く、また、1600℃付近の温度では、粒成
長を生じ、強度が著しく低下している。試料No20は
HI P処理温度が本発明範囲より高い比較例であり、
粒成長により曲げ強度が低下していることがわかる。ま
た、試料N。
25〜27は、分散成分の量が本発明範囲より多い比較
例であり、曲げ強度が低い、これに対して、本発明例で
ある試料No3〜7.9.11.13〜16.18.2
1〜24.28〜41は、1%以下の気孔率であり、微
粒子結晶からなる焼結体で、曲げ強度150kgf/m
m2以上の高強度を示すことが確認された。また、本発
明の焼結体を電子顕微鏡により観察したところ30μ−
以上の気孔は見出だされなかった。
第2表は、分散成分量を20%に固定し、予備焼結温度
、HIP処理条件を一定にして、ジルコニアに含まれる
安定化剤であるY O+ 、 s、C@02の組成を変
え、気孔率、Zr0tの結晶相(単斜晶Z r O!量
)、曲げ強度を測定した後、200℃で3000時間電
気炉中に保持した後のZrO□の結晶相の変化(単斜晶
Zr0z量)および180℃10気圧のr11和水蒸気
中で20時間保持した後の結晶相変化を測定したもので
ある。第2表の試料N。
1.3〜4.9〜10.15〜16.21〜22.27
.31.35.37は、ジルコニアに含まれる安定化剤
の組成が本発明の範囲外にある比較例であり、十分な曲
げ強度が得られていないか、または熱劣化試験あるいは
熱水劣化試験の前後で単斜晶系ジルコニア量が多く劣化
が著しい。
これに対し、本発明例である試料No2.5〜8.11
〜14.17〜20.23〜26.28〜30.32〜
34.36は1%以下の気孔率であり、単斜晶系ジルコ
ニア量も殆どゼロで熱劣化が無く、熱水劣化も少なく、
優れた強度を示すことが確認された。また、電子顕微鏡
により観察したところ、30μm以上の気孔は見出ださ
れなかった。
(実施例2) 実施例1に記載した方法によって作製した焼結体につい
て、200℃における3000時間の熱劣化試験、また
180℃10気圧に飽和水蒸気中で、20時間オートク
レーブ処理し、熱水劣化試験を行い、試験前後でのジル
コニア結晶相の変化(単斜晶ジルコニア結晶相量の変化
)と、焼結体の強度変化を測定し、第3表に結果を示し
た。なお、本実施例では試料表面から内部への劣化の進
行の程度を把握するため、焼結体の曲げ強度の測定は、
JIS規定の1/3の厚さの試料(1、OX 4.0X
40+a箇)を用いて試験を行った。
(以   下   余   白) 第3表では主要な組成について、HIP処理を行った焼
結体の熱劣化および熱水劣化試験結果を示した。試料N
o2.17は本発明組成外のHIP処理を行わない部分
安定化ジルコニア焼結体の比較例であるが、いずれも曲
げ強度が低く、N。
2は分散成分を含まないので、熱水劣化試験での劣化が
著しい、また、No17は安定化剤としてCe Oz成
分を含まず、またA l x Os等の分散成分を含有
しないので、熱劣化および熱水劣化が著しい、試料No
14〜15、N018〜19は、いずれも安定化剤とし
てCe O暑成分を含有せず、カーボンヒータを用いた
従来のHIP処理による焼結体であるが、熱劣化および
熱水劣化が著しい、また試料No16は、Ce Oxを
安定化剤として含有せず、アルミナを含有する高強度ジ
ルコニア焼結体を、酸素を含有する雰囲気でHIP処理
をした比較例であるが、試験前においては優れた強度を
示すものの、CeO□を安定化剤として含有しないため
、熱劣化および熱水劣化が著しい。
これに比較して本発明例である試料Not、N。
3〜13、試料No20は、150 kgf / mm
”以上の浸れた強度を有し、熱および熱水劣化試験後に
おいても、正方晶ジルコニアから単斜晶ジルコニアへの
結晶相の転移量もゼロであるか極めて少なく、試験後も
150 kgr/ am”以上の強度を有しており、熱
安定性、熱水安定性に優れることが確認された。
(実施例3) 実施例1に記載した方法によって作製した焼結体につい
て、1000℃の電気炉内で1500時間保持する高温
熱劣化試験を行い、試験前後の焼結体の室温における強
度を測定し、第4表に結果を示した。
(以   下   余   白) 第4表では、主要な組成について、予備焼結温度、HI
P処理温度、HIP圧力を一定にし、本発明例である白
金ヒータを使用し、加圧媒体として酸素を含有するガス
を使用したHIP処理を行った場合と、比教例としてカ
ーボンヒータを使用した通常のHIP処理を行った場合
について、各々の焼結体を高温で長時間保持し、強度変
化について調べたものである。第4表から明らかなよう
に、比較例であるカーボンヒータを使用したHIP処理
体は総て試験後に強度が著しく低下している。
これに対して本発明例の酸素を含有するガスを圧力媒体
として使用したHIP処理体は、高強度を保っているこ
とが確認された。
[発明の効果] 本発明の高強度ジルコニア系焼結体は、以上説明したよ
うに安定化剤として酸化イツトリウムおよび酸化セリウ
ムを所定量含有させたジルコニアとアルミナ、スピネル
、ムライトのうち少なくとも1種以上からなり、結晶相
および結晶粒子径を制御すると共に、酸素を含有するガ
スを加圧媒体として使用するHIP処理により、理論密
度および曲げ強度を従来品よりも高水準に保つことがで
きた結果、従来のジルコニア焼結体よりも高強度を示し
、しかも高温で長時間保持した後でも強度の変化がなく
、かつ熱および熱水安定性に優れるという効果がある。
本発明の高強度ジルコニア系焼結体は、従来の切断工具
、ダイス、ノズル、ベアリングなどの機械m造材料は当
然のこと、これらの中でも特(二強度と耐久性を要求さ
れる分野、すなわち熱応力、熱衝撃応力、経つ返し熱応
力等機械的応力または熱応力を受ける部品、例えば熱可
塑性樹脂やセラミックスの射出成形機用の耐摩耗性セラ
ミックススクリュウ、真ちゅうロッドや鋼管シェルある
いはアルミニウム、アルミニウム合金等の熱間押し出し
ダイスに最適の材料である。
また、エンジン用シリンダライナ、ピストンキャップ、
シリンダヘッド、バルブ、バルブガイド、排気ポート、
ロッカーアーム、チップ副燃焼室、タペット、カム、ベ
アリング等のエンジン部品およびガスタービン部品にも
使用できる。
さらに、酸またはアルカリ等の薬品にさらされる部品、
例えば耐酸ポンプのロータ、シール材、およびメス、ハ
サミ、ナイフ、包丁、工業用カッタ等の切断器具等、ま
た粉砕機械用部品、摺動部材、人工骨、人工関節、人工
歯冠、鋳造セラミックスによる人工歯のブリッジ芯材料
1人工歯根、人工歯根の芯材、切削工具、ゲージ等の機
械工具への応用および実用化と、性能向上に大きく寄与
するものであって、広く工業材料として好適であり、産
業上極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は正三角形に交わる3軸にそれぞれZrO2、Y
 O+ 、 s 、 Ceo zの一〇(%を表示し本
発明の組成範囲を示した3角座標、第2図は熱水劣化試
験の加熱サイクルを示す温度と時間の関係を示す図であ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)酸化イットリウム(Y_2O_3)、酸化セリウ
    ム(CeO_2)を安定化剤として含む主として正方晶
    あるいは正方晶と立方晶よりなる部分安定化ジルコニア
    50〜98重量%と、分散成分としてアルミナ(Al_
    2O_3)、スピネル(MgO・Al_2O_3)、ム
    ライト(3Al_2O_3・2SiO_2)のうち少な
    くとも1種以上50〜2重量%とから成り、焼結体の平
    均結晶粒子径が2μm以下で、焼結体の嵩密度が理論密
    度の99%以上であるかまたは気孔率が1%以下で、3
    点曲げ強度が150kgf/mm^2以上であり、加圧
    媒体として酸素を含有するガスを用いる熱間静水圧プレ
    ス処理により該組成物の大気中焼結物と同系色を呈する
    ことを特徴とする高強度ジルコニア系HIP焼結体。
  2. (2)部分安定化ジルコニアは、これに含まれる酸化イ
    ットリウム(Y_2O_3)、酸化セリウム(CeO_
    2)が添付図面にしめすように正三角形に交わる3軸に
    それぞれZrO_2、YO_1_._5、CeO_2を
    表示した3角座標において、 点A(ZrO_287.5mol%、YO_1_._5
    12mol%、CeO_20.5mol%) 点B(ZrO_295.5mol%、YO_1_._5
    4mol%、CeO_20.5mol%) 点C(ZrO_295.5mol%、YO_1_._5
    2mol%、CeO_22.5mol%) 点D(ZrO_292.5mol%、YO_1_._5
    0.5mol%CeO_27.0mol%) 点E(ZrO_285mol%、YO_1_._50.
    5mol%、CeO_214.5mol%) で示された特定5組成点を結ぶ線で囲まれた範囲内の組
    成にある特許請求の範囲第1項に記載の高強度ジルコニ
    ア系HIP焼結体。
  3. (3)180℃(10気圧)飽和水蒸気中に20時間保
    持後のジルコニア結晶の単斜晶量が30体積%以下であ
    る特許請求の範囲第1項または第2項に記載の高強度ジ
    ルコニア系HIP焼結体。
  4. (4)200℃大気中に3000時間保持後のジルコニ
    ア結晶の単斜晶量が20体積%以下である特許請求の範
    囲第1項、第2項あるいは第3項のいずれかに記載の高
    強度ジルコニア系HIP焼結体。
  5. (5)1000℃大気中1500時間保持後の焼結体の
    3点曲げ強度が150kgf/mm^2以上である特許
    請求の範囲第1項、第2項、第3項あるいは第4項のい
    ずれかに記載の高強度ジルコニア系HIP焼結体。
JP61267060A 1986-11-10 1986-11-10 高強度ジルコニア系hip焼結体 Expired - Lifetime JP2517249B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61267060A JP2517249B2 (ja) 1986-11-10 1986-11-10 高強度ジルコニア系hip焼結体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61267060A JP2517249B2 (ja) 1986-11-10 1986-11-10 高強度ジルコニア系hip焼結体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63123861A true JPS63123861A (ja) 1988-05-27
JP2517249B2 JP2517249B2 (ja) 1996-07-24

Family

ID=17439475

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61267060A Expired - Lifetime JP2517249B2 (ja) 1986-11-10 1986-11-10 高強度ジルコニア系hip焼結体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2517249B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02280746A (ja) * 1989-03-23 1990-11-16 Ceramiques Techniques Desmarquest 小直径セラミックボールを使用する大腿骨プロテーゼ
JP2005131081A (ja) * 2003-10-30 2005-05-26 Kyocera Corp 生体部材及びそれを用いた人工関節
US7056851B2 (en) 2003-08-22 2006-06-06 Matsushita Electric Works, Ltd. ZrO2-Al2O3 composite ceramic material
JP2008115070A (ja) * 2006-10-12 2008-05-22 Daiichi Kigensokagaku Kogyo Co Ltd ジルコニア・セリア・イットリア系複合酸化物及びその製造方法
JPWO2014034736A1 (ja) * 2012-08-29 2016-08-08 国立大学法人 鹿児島大学 歯冠材料及びその製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02280746A (ja) * 1989-03-23 1990-11-16 Ceramiques Techniques Desmarquest 小直径セラミックボールを使用する大腿骨プロテーゼ
US7056851B2 (en) 2003-08-22 2006-06-06 Matsushita Electric Works, Ltd. ZrO2-Al2O3 composite ceramic material
JP2005131081A (ja) * 2003-10-30 2005-05-26 Kyocera Corp 生体部材及びそれを用いた人工関節
JP4570348B2 (ja) * 2003-10-30 2010-10-27 京セラ株式会社 生体部材の製造方法及び生体部材ならびにそれを用いた人工関節
JP2008115070A (ja) * 2006-10-12 2008-05-22 Daiichi Kigensokagaku Kogyo Co Ltd ジルコニア・セリア・イットリア系複合酸化物及びその製造方法
JPWO2014034736A1 (ja) * 2012-08-29 2016-08-08 国立大学法人 鹿児島大学 歯冠材料及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2517249B2 (ja) 1996-07-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2004203889B2 (en) ZrO2-Al2O3 composite ceramic material
JP5944623B2 (ja) ジルコニアを含有する複合セラミック材料
Ohya et al. Crack healing and bending strength of aluminum titanate ceramics at high temperature
US4610967A (en) Zirconia porcelain and method of manufacturing the same
GB2305430A (en) Zirconia based ceramic material
JPH0288423A (ja) 安定化ジルコニア
JP2017516741A (ja) 焼結されたセラミック材料、焼結されたセラミック材料を得るための粉末組成物、その製造方法及びセラミック部品
US4690911A (en) Zirconia ceramics and process for producing the same
JP2005082459A (ja) 複合セラミックスおよびその製法
JP4701654B2 (ja) ジルコニア−アルミナ複合セラミック材料
JPS63156063A (ja) 高温強度および熱水安定性に優れたジルコニア系セラミツクス
JPS63123861A (ja) 高強度ジルコニア系hip焼結体
JPS6126562A (ja) ジルコニア系焼結体
JPH0535103B2 (ja)
JP2517253B2 (ja) 高強度ジルコニア系焼結体の製造法
JP2001302345A (ja) 耐久性にすぐれたジルコニア質焼結体およびその製造方法
JP4822605B2 (ja) 耐熱性ムライト質焼結体からなるローラハースキルン用ローラ
Meschke et al. Microstructure and thermal stability of fine-grained (Y, Mg)-PSZ ceramics with alumina additions
JPS63151670A (ja) 熱衝撃強度および熱水安定性に優れたジルコニア系セラミツクス
JPS6212662A (ja) 高靭性ジルコニア質焼結体
JP2537132B2 (ja) 耐熱安定性に優れた高靱性セラミック焼結体及びその製造方法
JPS605067A (ja) ジルコニア焼結体の製造方法
JPS61219756A (ja) 耐熱水安定性に優れた高靭性ジルコニア焼結体
JPH06219831A (ja) 高靱性ジルコニア質焼結体
JPS60226457A (ja) 高強度ジルコニア系焼結体の製造法