JPS6311731B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はトランスフア形電磁継電器に関する。

従来、この種の電磁継電器は第１図に示す如
く、永久磁石よりなる接極子１０１がその中央部
の下面に固着した接点１０６を有し、コイル１０
３を巻回した鉄心をなす中央の端子脚１０２の上
部に形成したコ字状部の内側に固着した接点１０
７に接触支持され、ここを支点として左右に傾動
し、左右端に固着した接点１０８および１１０が
中央端子脚１０２に平行し、その左右両側に設け
た磁性材よりなる側部端子脚１０４および１０５
のそれぞれの上端に固着した接点１０９および１
１１とそれぞれ選択的に接触するものであつた。
しかしながら、このような構造のため、次のよう
な問題を免れ得ない。

(1) 中央端子脚102と接極子101との通電が接点１
０６と１０７によつて行われるため、これらの
接点の摩耗によつて接点接触抵抗が不安定にな
り易く、高い動作回数の使用を保証できない。

(2) 中央端子脚（鉄心）１０２に生じる磁束を接
極子１０１の両端で使用するため磁束の損失が
大きく感度の低下を招く。

本発明は中立端子に固定された弓形板ばねを左
右に傾動する接極子に設けたカードによつて駆動
して接点の開閉を行う構造とすることで上記(1)の
欠点を除去する上に、接極子を直接磁化する機構
を採用することで上記(2)の欠点を除去することに
より、高感度で且つ小型、低価格のトランスフア
形電磁継電器を提供するものである。

本発明のトランスフア形電磁継電器は、筐体に
設けられた軸受に係合し回動の支軸となる突起を
中央部に設けた接極子と、該接極子の両端部に対
向する２枚の磁極板と、該磁極板の少なくとも一
方に固着した永久磁石と、前記筐体を貫通し前記
接極子の中央部近傍に配設された中立端子と、前
記筐体を貫通し前記接極子の両端部近傍で前記中
立端子に対して反対側にそれぞれ配設された第１
および第２の固定接点端子と、中央部が前記中立
端子に固定支持され両端部に前記第１および第２
の固定接点端子にそれぞれ接触・開離する第１お
よび第２の可動接点部を設けた弓状ばね部材と、
前記接極子の周囲に巻回されたコイルと、前記接
極子の両端部にそれぞれ固着され前記弓状ばねの
両端に係止するカードとを備え、前記永久磁石の
磁束により前記磁極板に発生する磁極と前記コイ
ルの励磁により前記接極子の両端部に発生する磁
極との関係により前記接極子が回動して前記カー
ドが前記可動接点部と前記固定接点部とを接触・
開離させることを特徴とする。

次に、図面を参照して本発明の実施例について
説明する。

第２図Ａ〜第２図Ｄは本発明によるトランスフ
ア形電磁継電器の動作原理を説明する図である。
第２図Ａ，Ｂは自己保持形電磁継電器の動作原理
を示し、左右の傾動動作を行う軟質磁性体の接極
子２０１はどちらか一方の永久磁石２０２に吸引
されており、反吸引側のプラスチツクカード２０
３は板ばね２０４の端部を押し上げて接点２０５
を開放している。接極子２０１の吸引側が反発す
るように磁化すると、反対側では吸引力が生じて
反転し、板ばね２０４はばね力で固定接点端子２
０６に押し付けられる。また、第２図Ｃ，Ｄは電
流保持形電磁継電器の動作原理を示し、この場合
は永久磁石２０２からの反発力と軟質磁性体より
なる磁極板２０７との吸引力で接極子２０１は動
作する。通電を断つと永久磁石２０２の吸引力で
反転するのである。

第３図は本発明の第１の実施例である自己保持
形の構造を示すものである。プラスチツク筐体３
０１の中央部に対向して設けられた軸受に、軟質
磁性体よりなり該軸受に挿入される突起を中央部
に有する接極子３０２が装着され、この接極子の
左右の傾動運動を可能にしている。接極子３０２
にはプラスチツクのカード３０３が固定され、こ
の接極子の中央部近傍に固定された非磁性体の中
立端子３０４に溶接された非磁性体で且つ弓形双
子形状の板ばね３０５の末端部の動きを制御す
る。この板ばねの両端には接点３０６が固着さ
れ、固定接点端子３０７に固着された接点３０８
と接触する。さらに、接極子３０２の末端部分と
接触する軟質磁性体よりなる磁極板３０９が永久
磁石３１０とともにこの接極子の両端近傍に固定
される。プラスチツク筐体３０１にはコイル端子
３１１が固定され、コイルボビンを兼ねる形状を
有し、コイル３１２が巻回される。

第４図は本発明の第２の実施例である電流保持
形の構造を示すものである。第３図に示す第１の
実施例との相違点は、永久磁石３１０が１つであ
る点である。

以上説明したように、本発明によれば、接極子
を直接磁化する上に接点と接極子を分離する構造
であるため、生ずる磁束を接点金属等による損失
なしで有効に使用できるので高感度となり、構成
部材の単純化によつて低価格化且つ小型化が実現
される。

なお、カードの位置、固定接点端子の位置等の
調整により、コンテイニアス作動を行なうことも
可能となり、多様性に富んだ電磁継電器が実現で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のトランスフア形電磁継電器の構
造を示す一部破断斜視図、第２図Ａ〜第２図Ｄは
本発明によるトランスフア形電磁継電器動作原理
を説明する図、第３図は本発明の第１の実施例を
示す自己保持形電磁継電器の一部破断斜視図、第
４図は本発明の第２の実施例を示す電流保持形電
磁継電器の一部破断斜視図である。 ３０１…筐体、３０２…接極子、３０３…カー
ド、３０４…中立端子、３０５…板ばね、３０
６，３０８…接点、３０７…固定接点端子、３０
９…磁極板、３１０…永久磁石、３１１…コイル
端子、３１２…コイル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 筐体に設けられた軸受に係合し回動の支軸と
   なる突起を中央部に設けた接極子と、 該接極子の両端部に対向する２枚の磁極板と、 該磁極板の少なくとも一方に固着した永久磁石
   と、 前記筐体を貫通し前記接極子の中央部近傍に配
   設された中立端子と、 前記筐体を貫通し前記接極子の両端部近傍で前
   記中立端子に対して反対側にそれぞれ配設された
   第１および第２の固定接点端子と、 中央部が前記中立端子に固定支持され両端部に
   前記第１および第２の固定接点端子にそれぞれ接
   触・開離する第１および第２の可動接点部を設け
   た弓状ばね部材と、 前記接極子の周囲に巻回されたコイルと、 前記接極子の両端部にそれぞれ固着され前記弓
   状ばねの両端に係止するカードとを備え、 前記永久磁石の磁束により前記磁極板に発生す
   る磁極と前記コイルの励磁により前記接極子の両
   端部に発生する磁極との関係により前記接極子が
   回動して前記カードが前記可動接点部と前記固定
   接点部とを接触・開離させることを特徴とするト
   ランスフア形電磁継電器。