JPS631166Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、例えばデパートやスーパーマーケツ
トの食品部に設置される冷凍及び冷蔵用のオープ
ンシヨーケースの技術分野に属し、特に内部に貯
蔵スペースを形成したケース本体の前面を開口し
て被貯蔵物を出入れする開口部を形成し、貯蔵ス
ペースの天井面の前寄り部分に形成した空気噴射
口からエアーを下向きに噴射して開口部にエアー
カーテンを形成するようにした構造のものに関す
る。

従来技術とその問題点 従来、この種のオープンシヨーケースは開口部
に形成するエアーカーテン用のエアー供給系統
と、貯蔵スペース内を冷凍・保冷するための冷気
供給系統とをそれぞれ設けて構成してある。

従つて、こうしたものでは２系統のエアー供給
系統を形成しなければならず構造が複雑になり高
価になるだけでなく、両系統から供給される量の
バランスを調整するのがむずかしいという問題が
あつた。

即ち、開口部をエアーカーテンで区画されたシ
ヨーケース内の貯蔵スペースに供給される冷気の
量が少ない場合は充分な保冷ができないし、また
逆に多い時には貯蔵スペースの内圧が高くなり、
エアーカーテンを崩壊させて冷気を外部に溢出さ
せてしまうので冷気のロスが多く、ランニングコ
ストが高くなるからである。

また、貯蔵スペース内では、その上部の気温が
比較的高くなり、貯蔵スペース内の上部に貯蔵さ
れた被貯蔵物の品質の低下を招きやすい。

このような貯蔵スペース内の上部に貯蔵された
被貯蔵物の品質の低下を防止するために、例え
ば、特公昭51−43623号公報に記載されているよ
うに貯蔵スペース２の背部の壁面上半部に複数の
冷気吹出孔を形成し、貯蔵スペース内の上部に背
面側から冷気を供給するように構成したものがあ
る。

しかしながら、この従来のものでは、貯蔵スペ
ース内の上部に吹き出される冷気が被貯蔵物の後
側に当たつて、被貯蔵物の上面と下面とに分流さ
れ、あるいは、被貯蔵物の上面に沿つて流れ、被
貯蔵物の間には流れにくいので、被貯蔵物の間に
比較的温暖の空気層が残されるから、貯蔵スペー
ス内の上部に貯蔵された被貯蔵物の品質の低下を
十分に防止できない。被貯蔵物の間の空気層を冷
却するためには貯蔵スペース内の上部に吹き出さ
れる冷気温度を低くしてその影響を強くすること
が考えられるが、この場合には後側の被貯蔵物が
過冷却され、却つて品質の低下を招くことにな
る。

問題点を解決するための手段 本考案は上記問題を解決するために提案された
もので、ケース本体の開口部の下部に吸気口を形
成し、空気噴射口から噴射されたエアーカーテン
用のエアーを吸気口から吸入して空気噴射口に還
流させる還流路をケース本体の底部及び背壁に沿
わせて形成し、背壁に沿う部分の還気路の貯蔵ス
ペース側の壁面部分の少なくとも上半部に複数の
吸引孔を形成し、還気路の途中に冷気循環装置及
び冷却装置を設け、空気噴射口部分の環気路との
接合部分に風量分配具を設け、風量分配具で調量
されて冷気路に供給された冷気を貯蔵スペース内
に放出する複数の冷気出口を貯蔵スペースの天井
面に前後方向に並べて形成するように構成したも
のである。

作 用 上記のように構成したオープンシヨーケースは
冷気循環装置で還気路を流れるエアーを冷却装置
で冷却した後、風量分配具でエアーカーテン形成
用のエアーと、貯蔵スペース冷却用の冷気とに調
量分配され、エアーカーテン形成用のエアーは貯
蔵スペースの天井面に形成された空気噴射口から
噴射されて開口部にエアーカーテンを形成し、貯
蔵スペース冷却用の冷気は冷気出口から放出され
て貯蔵スペースを冷却する。

冷気出口から放出される冷気は、前後に並べら
れた複数の冷気出口に分配され、貯蔵スペースの
前後方向に分散されて貯蔵スペースの上部に吹き
出される。その結果、貯蔵スペースの上部に貯蔵
された被貯蔵物の間の空気層を冷気が上下方向に
通つてこの空気層を冷却することになる。

そして、エアーカーテンを形成したエアーは吸
気口から吸入して還気路に還流させるとともに、
貯蔵スペースを冷却した冷気は還気路の貯蔵スペ
ース側の壁面部分に明けた吸引孔から還気路に還
流し、冷気循環装置で圧送され冷却装置で冷却さ
れて再び循環するようになる。

ここで、上記吸引孔が還気路の貯蔵スペース側
の壁面の少なくとも上半部に形成されているの
で、貯蔵スペース内の上半部の空気が吸引孔から
還気路に吸引されることになる。その結果、貯蔵
スペース内の上半部に比較的温暖の空気が淀むこ
とが防止され、貯蔵スペース内の上半部の気温を
充分低温に保持することができ、貯蔵スペース内
の上半部に貯蔵されている被貯蔵物の品質の低下
を長期間にわたつて防止できることになる。

効 果 本考案は以上に述べたように構成され作用する
ので次の効果を奏する。

即ち、還気路を流れるエアーを風量分配具でエ
アーカーテン形成用のエアーと貯蔵スペース冷却
用の冷気に分流して供給するのでその供給系統は
一つの供給系統で済み、構造が簡単なものになり
安価に実施することができる。

加えて、エアーカーテン形成用のエアーも貯蔵
スペース冷却用の冷気も再び還気路に戻されて再
び循環するので従来例のように貯蔵スペースの内
圧が高くなつてエアーカーテンが崩壊することが
なく、冷気の外部漏出によるロスが殆んどなく、
ランニングコストを低減することができる。

また、冷気出口から放出される冷気は、前後に
並べられた複数の冷気出口に分配され、貯蔵スペ
ースの前後方向に分散されて貯蔵スペースの上部
に吹き出される一方、貯蔵スペースの上部に貯蔵
された被貯蔵物の間の空気層が冷気出口から吹き
出された冷気によつて冷却されるとともに、貯蔵
スペースの上半部に上昇してくる比較的温暖の空
気が吸引孔から還気路に吸引されるので、冷気出
口から吹く出される冷気の温度を特に低くして強
冷することなく貯蔵スペースの上部に貯蔵された
被貯蔵物を均一に効率よく冷却でき、その品質の
低下を長期間にわたつて防止できる。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に基づき説明す
る。

図面はオープンシヨーケースの縦断側面図を示
し、このシヨーケース１は内部に貯蔵スペース２
を形成した箱状のケース本体３の前面を開口し、
被貯蔵物を貯蔵スペース２に出入れする開口部４
が形成されている。

貯蔵スペース２の天井面５の前寄り部には開口
部４にエアーカーテンを形成するための空気噴射
口６をスリツト状に形成してあり、開口部４の下
部には空気噴射口６に対面する状態で吸気口７を
開口させてある。

そして、エアーカーテンを形成する空気噴射口
６とその下方の吸気口７とは貯蔵スペース２の底
部８及び背壁９に沿わせて形成した還気路１０で
連結されており、この還気路１０のケース本体３
の上方部分には送風フアン（冷気循環装置）１１
と冷却装置１２を設けてある。

冷却装置１２は回転可能に枢支された回転板１
３の表裏にそれぞれ冷却器１２′を設けたもので、
還気路１０に面する部分の冷却器１２′で還気路
１０を流れるエアーを冷却し、冷却器１２′の除
霜時には回転板１３を反転させることにより還気
路１０外で除霜し、還気路１０内のエアーは常時
冷却できるようにしてある。

還気路１０のケース本体３の上方に位置する空
気噴射口部分１０ａからは冷気路１４を分岐させ
てあり、冷気路１４と還気路部分１０ｂとの接合
部分には風量分配具１５が開閉制御可能に取付け
てある。

この風量分配具１５は板材を制御モータ１６で
揺動開閉可能にしてあり、制御モータ１６は貯蔵
スペース２内に取付けられた温度センサ１７及び
制御回路１８で制御される。

こうして、風量分配具１５で制御されて冷気路
１４に供給された冷気は貯蔵スペース２の天井面
５に前後に並べて明けた複数の冷気出口１９から
貯蔵スペース２内へ冷却用として放出される。

冷気出口１９から貯蔵スペース２に放出され、
貯蔵スペース２の上部で前後方向に分配されて被
貯蔵物の間を通つて下方に降下しながら、貯蔵ス
ペース２内を平均的に冷却する。従つて、冷気出
口１９から吹き出される冷気の温度を特に低温し
なくても、被貯蔵物全部を所定の温度以下に冷却
することができ、被貯蔵物の一部分が特に低温の
冷気に当たりその品質が低下することが防止され
る。

貯蔵スペース２を冷却した冷気は、還気路１０
の貯蔵スペース２側の壁面部分２０の全面にわた
つて適当に配列して明けた複数の吸引孔２１から
還気路１０に吸引されて再び冷却装置１２及び送
風フアン１１で循環されるようになる。

ここで、冷蔵スペース２内の空気はその上部で
比較的温暖になる傾向があるが、この上部に対応
する還気路１０の冷蔵スペース２側の壁面部分２
０の上半部に吸引孔２１が形成され、ここから冷
蔵スペース２内の上部の空気が還気路に吸引され
るので、冷蔵スペース２内の上部に吸引された空
気と入れ換わりに冷気出口１９から吹き出される
冷気が供給され、冷蔵スペース２内の上部が温暖
になることが防止される。その結果、冷蔵スペー
ス２内の上部を充分に冷涼に保持でき、冷蔵スペ
ース２内の上部に貯蔵された被貯蔵物の品質の低
下を長期間にわたり防止できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す縦断側面図であ
る。 ２……貯蔵スペース、３……シヨーケース本
体、４……開口部、５……天井面、６……空気噴
射口、７……吸気口、８……３の底壁、９……３
の背壁、１０……還気路、１１……冷気循環装置
（送風フアン）、１２……冷却装置、１４……冷気
路、１５……風量分配具、１９……冷気出口、２
０……１０の壁面部分、２１……２０の吸引孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に貯蔵スペース２を形成したシヨーケース
   本体３の前面を開口して開口部４を形成し、貯蔵
   スペース２の天井面５の前寄り部分に形成した空
   気噴射口６からエアーを下向きに噴射して開口部
   ４にエアーカーテンを形成し、貯蔵スペース２内
   に収容された被貯蔵物を開口部４から取だせるよ
   うにしたオープンシヨーケースにおいて、開口部
   ４の下部に吸気口７を形成し、空気噴射口６から
   噴射されたエアーを吸気口７から吸入して空気噴
   射口６に還流させる還気路１０をケース本体３の
   底部８及び背壁９に沿わせて形成し、背壁９に沿
   う部分の還気路１０の貯蔵スペース２側の壁面部
   分２０の少なくとも上半部に複数の吸引孔２１を
   形成し、還気路１０の途中に冷気循環装置１１お
   よび冷却装置１２を設け、空気噴射口６部分の還
   気路１０から冷気路１４を連出し、還気路１０と
   冷気路１４との接合部分に風量分配具１５を設
   け、風量分配具１５で調量されて冷気路１４に供
   給された冷気を貯蔵スペース２内に放出する複数
   の冷気出口１９を貯蔵スペース２の天井面５に前
   後方向に並べて形成し、貯蔵スペース２内上半部
   の冷気を吸引孔２１から還気路１０に吸引し、吸
   気口７から吸入されたエアーとともに冷気循環装
   置１１で再び循環させるようにした事を特徴とす
   るオープンシヨーケース。