JPS6311023B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はマツサージ装置、詳しくはもみ輪（マ
ツサージローラ）が往復動して人体の背部にマツ
サージを施し、更に所望時に該もみ輪の移動を停
止し、任意の位置において人体の背部に強弱変化
に富んだ指圧様マツサージを施すことができるマ
ツサージ装置に関するものである。

人体の背部に当接しながらさすりマツサージ作
用をなすべく背もたれ部内に１対もしくは２対の
もみ輪を往復動させるようになしたマツサージ装
置としては、既に種々な形式のものが知られてい
るが、そのマツサージ作用が比較的単調であつて
局部的に強力効果的なマツサージを得ることがな
い短所を有している。このことから最近上記した
もみ輪の往復動によるさすりマツサージ作用に加
えて、所望位置においてもみ輪を揺動させ、人体
の背部局所にもみ輪の揺動による押圧マツサージ
を実施できるようになしたマツサージ装置が好ん
で使用されているが、もみ輪の揺動による押圧作
用はサインカーブ状の進退を繰り返すに留まるも
のであつて押圧力の変化が乏しいという難点を有
していた。

本発明は上記したもみ輪の揺動によるマツサー
ジ作用を改善し、もみ輪の往復動によるさすりマ
ツサージと、もみ輪を所望位置に停止せしめた状
態における局部位置に対して恰かもマツサージ師
の指先による指圧動作のごとき強弱変化に富んだ
押し込み押圧マツサージとを遂行し得るマツサー
ジ装置を提供するものである。

以下、本発明の実施例を示した図面について説
明すると、第１図および第２図は、往復動する装
置部の概要を示す正面図および側面図であつて、
１は背もたれ部本体、２は該本体内において往復
移動可能に装着された装置部、３，３は装置部２
に装着され本体１の背もたれシート４の内面に沿
つて位置するもみ輪、５は装置部２のベースフレ
ーム、そして６は装置部２を昇降移動させるため
の螺軸であつて、該装置部２は周知の通りモータ
（図示せず）の正・逆転で制御される螺軸６と該
螺軸６に螺合しているベースフレーム５の雌ネジ
部材７との手段により往復移動される。本発明は
かかるマツサージ機において、第２図および第３
図に示しているように上記螺軸６と平行して、好
ましくは該螺軸６の前方位置に１本のスプライン
タイプの副軸８を配設するとともに該副軸８に、
該副軸８と共に回転しかつ上記装置部２のベース
フレーム５と共に移動可能なウオーム９を嵌着す
る。

一方、装置部２における上記もみ輪３，３を、
第３図に示しているように、水平軸１０に回転自
在に嵌装された円形偏心カム体１１，１１のカム
外周に回転自在に装着するとともに該水平軸１０
を本体１内の両側に設けられたガイドレール１
２，１２に向つて延出せしめ、該水平軸１０の両
端に、該ガイドレール１２，１２の面に接して該
水平軸１０と共に回転される楕円偏心カム１３，
１３を固着し、該水平軸１０および上記円形偏心
カム体１１，１１を上記ウオーム９から異なる回
転数でもつてそれぞれ個別に回転伝動されるよう
に構成する。例えば、図示したごとく、該ウオー
ム９と噛み合う歯車１４に、両側に小歯車１５，
１５を備えたキヤリヤー歯車１６を噛み合せ、該
水平軸１０に固着した歯車１７をキヤリヤー歯車
１６に噛み合せるとともに該キヤリヤー歯車１７
の両側の小歯車１５，１５に上記した円形偏心カ
ム体１１，１１のそれぞれ内側に該円形偏心カム
体１１，１１と一体的に設けた歯車１８，１８を
噛み合せて、該ウオーム９から該水平軸１０およ
び楕円偏心カム１３，１３と、該円形偏心カム体
１１，１１とをそれぞれ個別に異なる回転数でも
つて積極回転されるように構成する。

一方、上記した螺軸６および副軸８は、モータ
ーからクラツチ手段を介していずれか一方が選択
的に駆動されるように構成している。即ち第４図
に例示しているように、モーターＭからベルト２
０を介して駆動される軸２１にクラツチの可動部
２２を取付けて該可動部２２を電磁ソレノイド２
３のオン・オフ動作にともなつて角度回動するレ
バー２４と係合せしめ、該クラツチの可動部２２
の一方の係合作用部２２Ａ側に螺軸６への伝動歯
車２５、他の係合作用部２２Ｂ側に副軸８への伝
動歯車２６をそれぞれ該軸２１に対して回転自在
に遊嵌し、図示せざるスイツチ操作によつて電磁
ソレノイド２３をオン・オフすることにより上記
可動部２２が螺軸６への伝動歯車２５または副軸
８への伝動歯車２６に係合して軸２１の回転をい
ずれか一方に伝達するように構成している。

このように本発明におけるマツサージ機は、少
なくとも１対のもみ輪３，３を備えた装置部２が
螺軸６の回転方向の制御によつて往復移動するよ
うになしたマツサージ機において、上記螺軸６と
平行して１本の副軸８を配設し、該螺軸６と該副
軸８とを選択的にいずれか一方を回転させ得るよ
うになすとともに、該副軸８に、該副軸８と共に
回転しかつ上記装置部２と共に移動可能なウオー
ム９を嵌着し、装置部２に装備される上記１対の
もみ輪３，３を該装置部２の水平軸１０に回転自
在に嵌装された円形偏心カム体１１，１１の外周
に回転自在に装着し、更に該水平軸１０の両端部
に、上下方向に延びるガイドレール１２，１２の
前面に外周面が当接支持されて該水平軸１０と共
に回転する楕円形偏心カム１３，１３を固着し、
上記副軸８の回転時に上記ウオーム９から適宜の
歯車列を介して上記水平軸１０と上記円形偏心カ
ム体１１，１１とをそれぞれ異なる回転数でもつ
て積極駆動されるように構成してなるものである
から、例えば電磁ソレノイド２３の非励磁状態、
即ちクラツチの可動部２２が螺軸６への伝動歯車
２５と係合している状態においてモーターＭの起
動スイツチ（図示せず）を入れると、従来同様に
螺軸６が回転されて装置部２が移動されるととも
に本体１内の上下に配設されているリミツトスイ
ツチの交互動作によりモーターＭの回転方向が交
換制御されて装置部２がガイドレール１２，１２
に沿つて往復移動し、人体背部にもみ輪３，３に
よるさすりマツサージを遂行する。そしてもみ輪
３，３が所望の位置に到達したとき、スイツチを
操作して上記電磁ソレノイド２３を励磁させてク
ラツチの可動部２２を副軸８への伝動歯車２６側
に変位させると、螺軸６が停止されるとほぼ同時
に副軸８が回転せしめられ、装置部２の移動が停
止されるとともに副軸８のウオーム９が回転さ
れ、該ウオーム９によつて歯車列を介して水平軸
１０および円形偏心カム体１１，１１がそれぞれ
異なる回転数でもつて回転駆動される。それによ
つてもみ輪３，３は該円形偏心カム体１１，１１
の回転により第２図の矢印ａ方向にその作用面が
出没されながら更に水平軸１０の回転にもとづき
偏心カム１３，１３がガイドレール１２，１２の
前面上において回動し、水平軸１０を歯車１５の
軸２７を支点とした矢印ｂ方向の揺動運動が付加
され、水平軸１０の揺動運動と円形偏心カム体１
１，１１による出没が合成されてもみ輪３，３に
出没移動量が微妙に変化する運動が伝達される。
例えば円形偏心カム体１１と楕円偏心カム１３と
の回転数比を１：２に設定している場合において
は、円形偏心カム体１１が１回転する間における
水平軸１０の変位軌跡およびそれにともなうもみ
輪３の作用面の出没軌跡は、第５図に示したごと
く水平軸１０が１／４回転から３／４回転の間背もたれ シート側に前進した位置を保ち、１回転すると後
退位置に戻るというサイクルを繰り返し、その間
にもみ輪３の作用面は前進を続けるが、円形偏心
カム体１１が１／２回転した時点において水平軸１ ０が後退していることから一時的かつ急速に若干
後退し、再び前進したのち後退を開始するという
現象（早戻り前後動）が生じる。即ち水平軸１０
は楕円偏心カム１３の回転によつて第６図の実線
Ａで示したごとき出没軌跡の運動をなし、もみ輪
３の作用面は、円形偏心カム体１１の回転および
上記水平軸１０の出没が複合されて第６図の実線
Ｂで示したごとき稍Ｍ字状の出没運動を行なうこ
とになり、人体に対して強弱変化に富んだ押しも
み作用が達成される。特に円形偏心カム体１１が
１／２回転してもみ輪３の押圧力が最強となる時点 において水平軸１０が急速に後退するから押圧力
が若干緩和され、その後水平軸１０の前進によつ
て再び強い押圧力を付与するという従来のマツサ
ージ機において奏し得なかつた押圧もみ作用が遂
行され、また円形偏心カム体１１の１回転毎にも
み輪３が最後退して押圧力が弱くなることから、
人体には恰かもマツサージ師による指圧様の快感
を付与することができるという画期的な効果を奏
する。

なお上記実施例においては水平軸１０と円形偏
心カム体１１との回転数比を２：１に設定した場
合について説明したが、この回転数比は特に限定
を要するものではなく、1.5：１、1.8：１等にお
いてはほぼ同様の効果が得られることは勿論であ
り、また楕円偏心カムに対する水平軸の取付け位
置は必らずしも図示したごとき短径方向の中心線
位置でなくてもよく、楕円形状や水平軸への取付
け位置を適宜に設定することにより、もみ輪の出
没運動に微妙な変化を付与することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示したものであつて、
第１図は要部の１部省略正面図、第２図は装置部
の簡略側面図、第３図は装置部の伝動経路を示し
た断面図、第４図は螺軸および副軸の選択駆動部
を示した断面図、第５図は楕円偏心カムおよび円
形偏心カム体の異速回転による水平軸およびもみ
輪の変位状態を示した展開図、そして第６図は水
平軸およびもみ輪の出没振幅のパターンを例示し
た説明図である。 １…背もたれ部本体、２…装置部、３…もみ
輪、６…螺軸、８…副軸、９…ウオーム、１０…
水平軸、１１…円形偏心カム体、１２…ガイドレ
ール、１４…楕円偏心カム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも１対のもみ輪３，３を備えた装置
   部２が螺軸６の回転方向の制御によつて往復移動
   するようになしたマツサージ機において、上記螺
   軸６と平行して１本の副軸８を配設し、該螺軸６
   と該副軸８とを選択的にいずれか一方を回転させ
   得るようになすとともに、該副軸８に、該副軸８
   と共に回転しかつ上記装置部２と共に移動可能な
   ウオーム９を嵌着し、該装置部２に装備される上
   記１対のもみ輪３，３を該装置部２の水平軸１０
   に回転自在に嵌装された円形偏心カム体１１，１
   １の外周に回転自在に装着し、更に該水平軸１０
   の両端部に、上下方向に延びるガイドレール１
   ２，１２の前面に外周面が支持されて該水平軸１
   ０と共に回転する楕円偏心カム１３，１３を固着
   し、上記副軸８の回転時に上記ウオーム９から適
   宜歯車列を介して上記水平軸１０と上記円形偏心
   カム体１１，１１とをそれぞれ異なる回転数で積
   極駆動されるように構成したことを特徴とするマ
   ツサージ機。 ２ 上記水平軸１０の回転数が上記円形偏心カム
   体１１の回転数よりも大きく構成したことを特徴
   とする前記特許請求の範囲第１項記載のマツサー
   ジ機。 ３ 上記水平軸１０と上記円形偏心カム体の回転
   数比を２：１に構成したことを特徴とする前記特
   許請求の範囲第２項記載のマツサージ機。