JPS6310721Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本考案は、全て紙により構成され、履き心地や
丈夫さに優れた紙製スリツパに関する。

＜従来技術＞ 従来、実開昭47−28154号公報などにより各種
の紙製スリツパが提案されているが、この種の全
紙製スリツパは、材質が紙であるために使用によ
り簡単に破れてしまつたり、足とスリツパ又はス
リツパと床の接触面が滑りやすく、履き心地が悪
いなど問題があつた。しかしながら、紙製スリツ
パは、吸湿性があり、低コストで生産できると共
に、使用後の安全な焼却処理が可能なため、旅館
などで客に提供する使い捨てスリツパとしての需
要が生じている。

＜考案の目的＞ 本考案は、上記の点に着目してなされたもの
で、破れにくく、履き心地が良く、しかも低コス
トで製造でき、使い捨ての使用も可能となる紙製
スリツパを提供することを目的とする。

＜考案の構成＞ このために、本考案は、合成樹脂製のネツトを
抄き込んで抄造した補強紙により足カバーを形成
し、足カバーの縁部を上底板と下底板からなる底
板の間に挿入貼着した紙スリツパであつて、上底
板は段ボールの上面にエンボス加工紙を被着して
形成され、下底板は段ボールの下面にエンボス加
工紙を被着して形成されかつ上底板の下面に接着
して構成したものである。

＜実施例＞ 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は紙製スリツパの斜視図を示し、その足
カバー１は、合成樹脂製のネツトを抄き込んで抄
造した補強紙を用いて形成されている。すなわ
ち、この補強紙は例えばポリエチレンヤーン
（300デニール）にて作られたネツトを抄き込んで
抄造したもので、破れにくく優れた耐水性を具え
ている。スリツパの底板は上底板２と下底板３か
ら作られ、上底板２は例えば５号段又はＥ段の段
ボール２１の上面にエンボス加工紙２２を被着し
て形成され、下底板３はつぶれ防止のために強化
中芯を使用した段ボール３１の下面にエンボス紙
３２を被着して形成される。エンボス加工紙２
２，３２は、例えばポリエチレンフイルムの上下
にバージンパルプで抄造した許量32gの紙を重ね
合わせ、エンボス加工ローラ間を通過させながら
加熱成形し、この時ポリエチレンフイルムを溶着
させてエンボス加工を行なつた不織布状の紙であ
り、吸湿性の良好な柔い紙の表裏に凹凸模様が形
成されている。エンボス加工紙２２，３２は、所
定の形状に裁断され、上底板２の段ボール２１の
上面、下底板３の段ボール３１の下面に糊着され
るが、段ボール２１，３１より少し大形に裁断さ
れ、エンボス加工紙２２，３２の縁部は上底板２
の下側、下底板３の上側へ巻くように折り曲げて
糊着され、段ボール２１，３１の側部がこれによ
つて覆われる。なお、段ボール２１と３１の波形
紙の波の方向は相互に直交するように作られ、底
板の曲げ強度を大きくしている。

製造工程において、上記のように構成された足
カバー１は先ず、上底板２の前部を覆うようにそ
の縁部を上底板２の下面に折り込んで糊着され
る。この時、足カバー１の上縁部を折り曲げて接
着することにより、足カバー１の破れに対する強
度はより向上する。次に、上記のように構成され
た下底板３の上面が上底板２の下面に糊着され、
紙製スリツパが完成するが、下底板３の糊着によ
つて足カバー１の縁部が上底板２と下底板３の間
に挿入貼着されることになり、足カバー１の取着
強度が向上する。

このように構成される紙製スリツパは、旅館な
どで使い捨てスリツパとして、客に提供されるよ
うに使われるが、足カバー１は耐水性が良く破れ
にくい補強紙で作られているため、２〜３日の使
用による耐久性は充分にあり、また、上底板２の
表面にエンボス加工紙２２が被着されているた
め、通気性が良く吸湿性もあつて足ざわりが良好
である。したがつて、入浴後に素足でこのスリツ
パを履いた場合にも、従来の合成樹脂製のスリツ
パなどのようにベタつくことはなく、心地よい履
き心地をつくることができる。また、エンボス加
工紙２２，３２が底板の上面と下面に貼着されて
いるため、足がスリツパ内で滑らず、床面とスリ
ツパ底面との間の滑りも少なく、従来の普通紙で
できた紙スリツパに比べ履きやすく歩きやすい紙
製スリツパとなる。

なお、足カバーには各種の色彩を施すことがで
きると共に、使用する旅館などの名や室名なども
容易に印刷して使用することができ、旅館などで
各客の名前を書き入れ各客専用に使用すれば衛生
的であり、使用後は安全に焼却処理することがで
きる。

＜考案の効果＞ 以上説明したように、本考案の紙製スリツパに
よれば、合成樹脂製のネツトを抄き込んで抄造し
た補強紙により足カバーを形成し、足カバーの縁
部を上底板と下底板からなる底板の間に挿入貼着
し、上底板は段ボールの上面にエンボス加工紙を
被着して形成し、下底板は段ボールの下面にエン
ボス加工紙を被着して形成した。よつて、補強紙
の使用により足カバーを破れにくくして耐久性の
優れた紙製スリツパとすることができ、エンボス
加工紙の使用により、吸湿性が良く湿つた足で履
いた場合にもベタつきがなく、心地よい履き心地
が得られ、また、スリツパの中で足が滑らず、ス
リツパの底面と床の滑りも少ないため、従来の普
通紙を使用した紙スリツパに比べ、履きやすく歩
きやすいスリツパとすることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図は紙製スリ
ツパの斜視図、第２図は第１図のＡ−Ａ拡大断面
図、第３図は同Ｂ−Ｂ拡大断面図、第４図は同組
付け斜視図である。 １…足カバー、２…上底板、２１…段ボール、
２２…エンボス加工紙、３…下底板、３１…段ボ
ール、３２…エンボス加工紙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製のネツトを抄き込んで抄造した補強
   紙により足カバーを形成し、該足カバーの縁部を
   上底板と下底板からなる底板の間に挿入貼着した
   紙製スリツパであつて、前記上底板は段ボールの
   上面にエンボス加工紙を被着して形成され、前記
   下底板は段ボールの下面にエンボス加工紙を被着
   して形成され且つ前記上底板の下面に接着された
   ことを特徴とする紙製スリツパ。