JPS63106387A - スクロ−ル流体装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、スクロール流体装置に関し、特に、公転スク
ロールの支持構造に係るものである。

（従来の技術） 一般に、スクロール流体装置は冷凍機におけ圧ｆ！機な
どとして用いられており、そのスクロール横通は、第９
図及び第１０図に示すように、固定スクロール（ａ　）
と公転スクロール（ｂ）とを具備して構成されている。

両スクロール（ａ）。

（ｂ）は鏡板（Ｃ），（ｄ）の前面にラップ＜ｅ），（
ｆ）が渦巻状に立設されて成り、両スクロール（ａ），
（ｂ）が鏡板（ｃ），（ｄ）前面を対面して並設される
と共に、両ラップ（ｅ），（ｆ）を噛合して設けられて
いる。更に、公転スクロール（ｂ）は鏡板（ｄ　）の背
面にクランク＠（９）が連接されて支持され、該クラン
ク軸（ｇ）はビン中心（Ｏ＋　）（可動支点）がクラン
ク主軸の軸心（Ｏ２）　　（公転中心）より偏心して設
けられ、両スクロール（ａ），（ｂ）のラップ（ｅ）。

（ｆ）が側面にて多点接触（ｈ）し、該接触（ｈ）間が
密閉室（＋　＞に構成されている。そして、固定スクロ
ール（ａ　）の側部には吸込口（ｊ　）が、中央部には
吐出口（ｋ）が穿設され、冷凍機における冷媒蒸気等の
流体が流出入するように成っている。

このスクロール流体装置の動作原理を第７図（ａ　）〜
（ｄ　）に基づいて説明すると、公転スクロール（ｂ）
はクランク軸（Ｏ）の回転により固定スクロール（ａ　
）に対してクランク主軸の軸心（Ｏ２）を中心として公
転することになる。第７図（ａ　）〜（ｄ　）は公転ス
クロール（ｂ　）を９０度死灰時計方向に公転させた状
態を示し、先ず、第７図（ａ　）は各ラップ（ｅ），（
ｆ）の外端縁が他方のラップ（Ｑ），（（Ｊ）に接触し
、密閉室（＋　＞が形成された初期状態であり、吸込口
（ｊ　＞より流入した流体が密閉室（ｉ　）に封入され
たことになる。続いて、公転スクロール（ｂ　）を時計
方向に公転すると、第７（１（ｂ　）〜（ｄ　’）に示
すように、密閉室＜＋　＞が順次収縮されて封入流体が
圧縮され、１回転して第７図（ａ）に戻ることになる。

この動作を繰り返し、密閉室（＋）が最収縮状態で吐出
口（ｋ）に連通し、高圧流体が流出することになる。ま
た逆に、吐出口（ｋ）より高圧流体を供給すると、公転
スクロール（ｂ）は反時計方向に公転しく第７図（ｄ　
）〜（ａ））、動力が得られることになる。

このスクロール流体装置において、両スクロール（ａ）
，（ｂ）間の密閉室（＋　）における流体圧によって両
鏡板（Ｃ），（ｄ）は互いに分離される方向の力〈分離
力）をうけるので、両鏡板（Ｃ），（ｄ）が離れないよ
うに軸方向の支持も必要となる。

■　公転スクロール（ｂ）の鏡板（ｄ　＞背面に流体圧
を作用させて支持するもの ■　スラスト軸受で支持するもの ■　上記■の流体圧と■の軸受の双方で支持するもの これらの支持方法のうち本発明は■又は■の流体圧で支
持するものであり、この流体圧によるものには、従来、
第９図に示すように圧力中心（Ｏ３）がクランク軸＜ａ
　）の主軸心（Ｏ２）に一致したもの、第１０図に示す
ように圧力中心（Ｏ３）がクランク軸＜ｇ＞のビン中心
（Ｏ１）に一致したものがある。すなわち、第９図に示
すものは、公転スクロール（ｂ）の背面側のフレーム（
交）にリング部４ｆｌ　（Ｉｌｌ　）と２個のリング状
シール部材（ｎ），（ｇ）が設けられ、該シール部材（
ｎ）。

（（］　＞が鏡板（ｄ　）の背面に接してドーナツ状の
背圧室（Ｓ）が形成され、該背圧室（Ｓ）が密閉室＜＋
　）に小孔（１）を介して連通されて成り、密ｒＪｌ室
（ｉ　）の流体圧を背圧室（Ｓ）に導入して公転スクロ
ール（ｂ）を固定スクロール（ａ　）側に押圧している
。この背圧室（Ｓ）はクランク軸（ａ　）の主軸心（Ｏ
２）と一致して固定しているので、圧力中心（Ｏ３〉が
公転スクロール（ｂ　）の公転中心に一致することにな
る。

また、第１０図に示すものは、公転スクロール（ｂ）の
背面側にフレーム（Ｌｌ　）との間で背圧室（Ｖ　）が
形成され、該背圧室（Ｖ　）が第９図のものと同様に小
孔（Ｗ）を介して密閉室（＋　）に連通されて公転スク
ロール（ｂ）が押圧されている。

この背圧室（Ｖ）は鏡板（ｄ　）の背面全体に背圧を作
用させているので、圧力中心（Ｏ３）がクランク軸（ｇ
）のビン中心（Ｏ＋　）（可動支点）に一致することに
なる。

（発明が解決しようとする問題点） 上述したスクロール流体８置において、公転スクロール
（ｂ）には、その公転面内において第１１図に示すよう
に、密閉室（１）に封入された流体による半径方向筒１
（Ｆ２）と接線方向荷重（Ｆ３）の他に、公転により生
ずる遠心力（Ｆｌ）が作用することになる。そして、こ
の接線方向荷重（Ｆ２）と遠心力（Ｆｌ）とが固定スク
ロール（ａ　）に対して公転スクロール（ｂ）を傾斜さ
せる所謂転覆モーメントとして公転スクロール（ｂ　）
に作用することになる。

この転覆モーメントを除去するために従来、背圧室（Ｓ
），（Ｖ）の圧力を過大めにして両スクロール（ａ），
（ｂ）間のフランジ部下面と鏡板上面との外側摺接部（
第１２因（Ｘ）参照）の圧力分布を不均衡し、この非対
称で除去するか、又は、背圧室（Ｓ），（Ｖ）の圧力を
不定めにし、公転スクロール（ｂ）の鏡板（ｄ）の背面
に対し・て設けられたスラスト軸受に作用する圧力分布
を非対称にし、この非対称で除去していた。

しかしながら、従来の背圧室（Ｓ），（Ｖ＞の圧力中心
（Ｏ３）はクランク軸（ｇ）の主軸心（Ｏ２）　　（第
９図参照）又はクランク軸（ｇ）のビン中心（Ｏ＋　）
（第１０図参照）に一致しているため、第９図に示すよ
うに、クランク軸（ａ　）の主軸心（Ｏ２）と一致する
ものにあってはスクロール軸の軸受中心（Ｏ４）を支点
とし公転スクロール重心に作用する遠心力（Ｆｌ）によ
るモーメントと背圧（Ｆ４）によるモーメントとの作用
方向が一致し、転覆モーメントを増長させることになる
。また、クランク軸（（］　）のビン中心（ＯＩ）と一
致するものにあっては背圧（Ｆ４）が軸受中心（Ｏ４）
に作用するのでモーメントには影響せず、転覆モーメン
トを軽減することができなかった。

従って、公転スクロール（ｂ）は固定スクロール（ａ）
に対して傾斜することになり、鏡板（ｄ）が片当り（第
１２図Ｘ部参照）し、この片当りは遠心力（Ｆ＋　）が
増大するの伴ってその力が大きくなり、摩耗が激しくな
ったり、焼付きの原因となるなどの問題があった。更に
、ラップ（ｅ）。

（ｆ）とそれに対向する鏡板（ｃ），（ｄ）面との間少
隙が生じ、密閉室（ｉ　）の体積効率を低下させるとい
う問題があった。

本発明は、斯かる点に鑑み、背圧室（２４）の圧力中心
（Ｏ３）を公転スクロール（ｂ）の公転中心（Ｏ２）に
対する可動支点（Ｏ１）のほぼ偏心方向に更に偏心させ
て位置させることにより、遠心力による転覆モーメント
を背圧によるモーメントで相殺あるいは低減させると同
時に、凹溝（２２），（２３）で背圧室（２８）を形成
して公転スクロール（８）に背圧が均等に作用するよう
にしたものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本発明が講じた構成は、第
１図〜第３図に示すように、鏡板（１１），（１２＞の
前面にラップ（１３），（１４）が立設されて成る固定
スクロール（７）と公転スクロール（８）とが各ラップ
（１３），（１４）を噛合させて並設され、該公転スク
ロール（８）が前記固定スクロール（７）に対して偏心
した可動支点（Ｏ＋　）で支持されて固定スクロール（
７）に対し自転を阻止して公転自在に設けられると共に
、両ラップ＜１３＞，（１４）側面が多点接触するよう
に設けられ、該ラップ（１３），（１４）の接触間に密
ｒＪ］空（１８）が構成されているものをｍｕとしてい
る。そして、前記公転スクロール（８〉の鏡板（１２）
背面側に固定フレーム（２１）が該鏡板（１２）と平行
に設けられ、該公転スクロール鏡板（１２）の背面及び
フレーム〈２１）の前面にそれぞれ周回状の凹溝（２２
）。

（２３）が一部！ロクして９１３　！ｆｉｌされている
。更に、前記フレーム（２１）に前記公転スクロール鏡
板（１２）と接する環状摺接部（２６）が凹溝（２２）
より内側に、前記公転スクロール鏡板（１２）に前記フ
レーム（２１）に接する環状摺接部（２７）が凹溝（２
３）より外側にそれぞれ設けられ、前記公転スクロール
鏡板（１２）とフレーム（２１）間に背圧室（２８）が
両摺接部（２６）。

（２７）で区画されて公転スクロール（８）が固定スク
ロール（ア）側に押圧され、あるいは公転スクロール（
８）を軸方向に支持する軸受に加わる荷重が低減されて
いる。しかも、該背圧室（２８）の圧力中心（Ｏ３）が
前記公転スクロール〈８）の公転中心（Ｏ２）に対する
可動支点（ＯＩ）のほぼ偏心方向線上に該可動支点（Ｏ
＋　）より偏心して位置していることを特徴としている
。

（作用） 上記構成により本発明は、公転スクロール（８）を可動
支点（Ｏ１）にて公転させると、両ラップ（１３），（
１４）の接触間で密ｉ１室（１８）が形成されて、封入
流体が圧縮又は膨張する一方、背圧室（２８）の背圧に
より公転スクロール（８）が固定スクロール（７）側に
押圧され、この背圧室（２８）の背圧が両凹溝（２２）
，（２３）の周端に亘って公転スクロール鏡板（１２）
に均等に作用し、その背圧によるモーメントが遠心力に
よるモーメントを相殺あるいは低減し、公転スクロール
（８）が固定スクロール（７）に対し傾きにくく支持さ
れることになる。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図〜第３図に示すように，（１）はスクロール流体
装置であって、冷凍機における圧縮様に用いられ、冷媒
蒸気（流体）を高圧に圧縮して吐出するものである。

該スクロール流体装置（１）は、密閉ケース（２）内に
スクロール機構（３）と駆動機構（４）とが収納されて
構成され、該ケース（２）の側部には吸入管（５）が、
上部には吐出管（６）が連設されている。前記スクロー
ル機構（３）は固定スクロール（７）と公転スクロール
（８）とより成り、駆動機構（４）は電動機（９）とク
ランク軸（１０）とより構成されている。

前記固定スクロール〈７）及び公転スクロール（８）は
鏡板（１１），（１２）の前面にラップ（１３），（１
４）が渦巻状に立設されて成り、両スクロール（７），
（８）は鏡板（１１）。

（１２）の能面を対面させて上下に並設され、両ラップ
（１３），（１４）が噛合されている。固定スクロール
く７）は鏡板く１１）の外周縁に７ランジ（１１ａ）が
１ｍされ、該フランジ（１１ａ）にてケース（２）に固
定されている。また、公転スクロール（８）の鏡板（１
２）の背面中央部にはスクロール軸（１２ａ＞が突設さ
れている。

一方、クランク軸（１０）はクランク主軸（１０ａ）の
上端に凹状のスクロール軸受（１０ｂ）を有するボス（
１０ｃ）が連接されて成り、ケース（２）に固定され且
つ上下口（１５）を有する支持フレーム（１６）にクラ
ンク主軸（１０ａ）が貫通されて該クランク軸（１０）
がクランク軸受（１０１），（１０２）を介して支持さ
れている。

（：　（１）　’ｙ　５　＞　’ｙ主軸（１０ａ）には
電ｖＪＩＩＩ（９）が取付けられており、スクロール軸
受（１０ｂ）はその軸受中心（Ｏ１）がクランク主’ｒ
’１ｋ（１０ａ）の軸心（Ｏ２）よりＨ４％して設けら
れ、該スクロール軸受（１０ｂ）に前記公転スクロール
（８）のスクロール軸（１２ａ）が■合されている。そ
して、両スクロール（７），（８）の鏡板（１１），（
１２）外周面間にガイド円形溝を介して複数の球体（１
００）が設けられ、公転スクロール（８）の自転運動を
防止しつつスクロール軸受（１０ｂ）の偏心により公転
スクロール（８）が固定スクロール（７）に対して公転
するように成つており、このスクロール軸受（１０ｂ）
の中心（Ｏ＋　）（スクロール軸（１２ａ）の中心）が
公転スクロール（８）の可動支点、クランク主軸（１０
ａ）の軸心（Ｏ２）が公転中心となっている。

前記固定スクロール（７）と公転スクロール（８）の両
ラップ（１３），（１４）は側面にて多点接触（１７）
するように設けられると共に、端面が他方の鏡板（１２
＞，（１１）に接し、接触（１７）間に密閉室（１８）
が構成されている。

また、固定スクロール（７）における鏡板（１１）の外
周部には吸入口（１９）が、中央部には吐出口（２０〉
がそれぞれ穿設されて吐出口（２０）に吐出管（６）が
接続され、該吸込口（１９）より流体が密閉室（１８）
に供給される一方、吐出口（２０）より高圧流体が吐出
されるように成っている。

また、前記公転スクロール（８）の鏡板（１２）背面側
にはケース（２）に固着されたドーナツ状の背面フレー
ム（２１）が鏡板（１２）と平行に形成されている。該
フレーム（２１）の前面（上面）及び鏡板（１２）の背
面（下面）にはそれぞれ凹溝（２２＞，（２３）が周回
状に削設され、該凹溝（２２），（２３）に伴って凹溝
（２２）。

（２３）の内側と外側とが凸部（２４ａ＞，（２４ｂ）
及び（２５ａ），（２５ｂ）と成ッテイる。

また、フレーム側凹溝（２２）はクランク主軸心（Ｏ２
）と同心上に、鏡板側凹溝（２３）はクランク軸受中心
（Ｏ＋　）と同心上にそれぞれ設けられると共に、両凹
溝（２２），（２３＞は一部が重畳するように設けられ
、そのｆＱ畳部分は公転スクロール（８）の公転に伴っ
て変化するように構成されている。また、フレーム（２
１）と鏡板（１２）の各凸部（２４ａ　＞，（２４ｂ　
）と（２５ａ），（２５ｂ）は近接対峙しており、フレ
ーム（２１）の内側凸部（２４ａ）及び鏡板（１２）の
外側凸部（２５ｂ）にはリング状チップシール部材（２
（３），（２７）が固着されている。該両シール部材（
２６＞，（２７）はそれぞれ相対峙する鏡板（１２）の
内側凸部＜２５ａ＞及びフレーム（２１）の外側凸部（
２４ｂ　）にそれぞれ接して摺接部を構成し、鏡板（１
２）とフレーム（２１）間において両シール部材（２６
），（２７）に区画されて背圧室（２８）が形成されて
いる。また、フレーム側シール部材（２６）はクランク
主軸心（Ｏ２）と同心上に、鏡板側シール部材（２７）
はクランク軸受中心（Ｏｌ）と同心上にそれぞれ設けら
れる一方、フレーム側凹溝（２２）は鏡板側シール部材
（２７）に、鏡板側凹溝（２３）はフレーム側シール部
材（２６）にそれぞれ公転スクロール（２８）が公転し
ても干渉しないように構成されている。

前記背圧室（２８）は公転スクロール鏡板（１２）に穿
設された小孔（２９）により密閉室（１８）と連通され
、該密閉室（１８）の流体圧が導入されて公転スクロー
ル（８）が固定スクロール（７）側に押圧されるように
成っている。この背圧室（２８）は両シール部材（２６
），（２７＞で区画されるが、各シール部材（２６），
（２７）をそれぞれ固着側の凹溝（２２＞，（２３）に
極近接して設けることにより両凹溝（２２），（２３）
に亘る空間で形成されることになる。この凹溝（２２）
，（２３＞を設けた理由は次のとおりである。第４図（
ａ）に示すように、背圧室（２８）を鏡板（１２）と背
面フレーム（２１）の平坦面間で形成した場合、理論背
圧（Ｐ）は第４図（ｂ）に示すように各シール部材（２
６），（２７）で遮断され、実線で示すとおり背圧室（
２８）内で鏡板（１２）背面に均一に作用することにな
る。ところが、実際上において、シール部材（２６），
（２７）の近傍では、破線で示すように圧力漏れによる
圧力降下現象が生じ、背圧（Ｐ）が均等に鏡板（１２）
に作用しないことになる。そこで、凹溝（２２），（２
３）を設けることにより、圧力漏れが全体で吸収され、
背圧（Ｐ）が理論背圧と同様に鏡板（１２）に均等に作
用することになる。

また、各シール部材（２６＞，（２７）の幅は公転スク
ロール（８）の公転直径よりも小さく設定され、各凹溝
（２２＞，（２３）とシール部材（２６），（２７）と
の位ｎ関係は、符号を表１及び第５図の如く設定ターる
と、式■〜■を充足するように成っている。

Ａ−Ｍ＜２ｒ　　　　　・・・■ Ｊ−Ｉ＜２．ｒ　　　　　・・・■ Ｃ−Ａ＞２ｒ　　　　　・・・■ Ｉ−Ｅ＞２ｒ　　　　　・・・■ Ｌ−Ｊ＞２ｒ　　　　　・・・■ この０式および０式は■−１式及び■−１式を充足する
ことがより好ましい。

Ｂ−Ｎ＜２ｒ　　　　　　　　・・・■−重に−Ｈ＜２
ｒ　　　　　・・・■−１ 表１ 更に、背圧室（２８）の圧力中心（Ｏ３）は、フレーム
側凹溝（２２）がクランク主軸心（Ｏ２）と同心上に、
鏡板側凹溝（２３）がスクロール軸受中心（Ｏｌ）と同
心上に設けられているので、クランク主軸心（Ｏ２）　
　（公転中心）に対するクランク軸受中心（Ｏ＋　）（
可動支点）のほぼ偏心方向線上に該クランク軸受中心（
Ｏ１）より偏心して位置するように成っている。つまり
、背圧室（２４）の圧力中心（Ｏ３）は背圧室（２４）
の重心であるので、第２図に示すように、平面図上の圧
力中心（Ｏ３）（重心）は次式より導き出される。

Ｘ−ｒ　＊　（ＤＩ　’　／　（Ｄ２　’　−ＤＩ　’
　））−■Ｘニスクロール軸受中心（Ｏ１）と圧力中心
（Ｏ３）の距離 ｒニスクロール軸受中心（Ｏ１）とクランク主軸心（Ｏ
２）の距離（公転半径） ＤＩ　：フレーム側シール部材（２２）の直径（背圧室
（２４）の内周直径） Ｄ２：鏡板側シール部材（２３）の直径（背圧室（２４
）の外周直径） 尚、第３図における（３０）は潤滑油の油溜めであり、
クランク主軸（１０ａ＞内に設けられた給油路（１０３
）からクランク軸受（１０１）。

（１０２＞に給油する。また、吸入管（５）から、低圧
流体を吸入し、ケース（２）の下部及び電動機（９）の
エアギャップを通り、バランサ室（１０４）への上下口
（１５）を通過した流体中のミスト状の油はバランサ（
１０ｄ）の回転によってバランサ室（１０４）側壁に衝
突し、側壁下部から通路（３１）を通って油溜め（３０
）に戻るようになっている。

次に、このスクロール流体装置く１）の作用について説
明する。

先ず、流体は吸入管（５）よりケース（２）内に供給さ
れ、吸込口（１９）を介して両スクロール（７），（８
）間に流入する。一方、公転スクロール（８）はクラン
ク軸（１０）を介して公転し、第７図＜ａ　＞〜（ｄ　
）に示すように、密閉室（１８）が順次形成されて収縮
し、流体がこの密閉室（１８）に封入されて圧縮され、
高圧流体となって吐出口（２０）より吐出される。　こ
の公転スクロール（８）の公転時において、第８図に示
すように遠心力（Ｆｌ）と接線方向及び法線方向流体力
（Ｆ３　）、　　（Ｆ２　）が生じ、このうらクランク
軸（１０）の法線方向には遠心力（Ｆｌ）によるモーメ
ントが強く働き公転スクロール（８）を傾斜させる転覆
モーメントとしてスクロール軸（１２ａ）の軸受中心（
Ｏ４）に作用することになる。一方、背圧室（２４）に
は密閉室（１８）より流体圧が小孔（２５）を介して導
入され、公転スクロール（８）を固定スクロール（７）
に押圧づる。この背圧室（２４）の全背圧合力（Ｆ４）
は圧力中心（Ｏ３）に作用しているものと考えられ、こ
の圧力中心（Ｏ３）はクランク主軸心（Ｏ２）に対する
スクロール軸受中心（Ｏ１）の偏心方向にさらに偏心し
ており、公転スクロールにはこの圧力中心（Ｏ３）方向
にモーメントが作用する。しかも、この背圧合力（Ｆ４
）によるモーメントは遠心力（Ｆｌ）による転覆モーメ
ントに対し軸受中心（Ｏ４）を中心として作用方向が反
対となり、該転覆モーメントを相殺することになる。

特に、背圧室（２８）内の圧力分布は第４図（ｂ）に示
すように、背圧室（２８）の上面である公転スクロール
鏡板（１２）に均一に作用し、圧力中心（Ｏ３）が公転
スクロール（８）と共に正確な円移動を行い、正確にモ
ーメントが公転スクロール（８）に作用する。

ここで、該軸受中心（Ｏ４）廻りのモーメントＭ（クラ
ンク軸（１０）の半径方向の転覆モーメント成分）は次
式で表わされる。

Ｍ＝Ｆ＋　　・ｈ　２−Ｆ２　　（ｈ　＋　＋Ｈ／２）
−Ｆｔ−π／２　　　　　　　　　・・・■Ｇ：公転ス
クロール〈８）の中心 Ｈニラツブ（１４）の高さ ｈ＋：０＜とＧとの距離 ｈ２：ｏ４と鏡板（１２）の上表との距離Ｆｔ　二軸方
向の流体力 この０式において、第１項は遠心力Ｆ４による成分であ
り、高速ｎ転になるに従って非常に大きくなる。そこで
、このモーメントＭを相殺する背圧合力Ｆ４は次式で表
わされることになる。

Ｆ４−Ｍ／Ｘ−ＭＸ　（Ｄｌ　’　−ＤＩ　’　）／Ｄ
＋２Ｘ（１／ｒ）　　　・・・■ また、上記モーメントＭを相殺しなくても威厳する場合
の背圧合力Ｆ＜’　は次式で表わされることになる。

Ｍ＝Ｆ４’（π／４）＜０２２−ＤＩ　２＞・Ｘ・・・
■ Ｍ＝　　（７ｒ／４）ＤＩ　　　’　　　・　ｒ　　　
−Ｆ＜　　’　　　　　　　　　　・・・＠また、背圧
室（２４）の内径（Ｄｌ）と外径（Ｄｌ）とを内周円と
外周円とが干渉しないようにＤｌ　＞ＤＩ　＋２ｒの関
係に保ち、内径（Ｄｌ）を大きく、外径（Ｄｌ）を小さ
く設定すると、半径方向の転覆モーメントをより効果的
に相殺又は低減することができる。

第６図は前記実施例における１つ宛のシール部材（２６
），（２７＞に代えて、２つ宛のシール部材（３２ａ　
＞，（３２ｂ　＞，（３３ａ　），（３３ｂ）を並設し
て摺接部を構成したものである。

その他は前記実施例と同様である。

尚、この各実施例は圧縮機について説明したが、本発明
は流体の流れを逆にして駆動機や膨張機などにも適用す
ることができる。

また、摺接部はシール部材（２６），（２７）。

（３２ａ　），（３２ｂ　＞，（３３ａ　＞，（３３ｂ
　）で構成したが、静圧発生溝などの圧油を用いた静圧
シール機構としてもよい。また、シール部材（２６＞，
（２７＞，（３２ａ），（３２ｂ）。

（３３ａ　），（３３ｂ　）は円状でなくてもよくその
形状の中心が０１．０２に一致すればよい。

（発明の効果） 以上のように、本発明のスクロール流体装置によれば、
公転スクロールの背面側に背圧室を設け、背圧室の圧力
中心を公転スクロールの公転中心に対する可動支点のほ
ぼ偏心方向に該可動支点より偏心させたために、遠心力
による転覆モーメントを背圧によるモーメントで相殺又
は低減することができるので、公転スクロールを固定ス
クロールに対して傾きにくく支持することができる。し
たがって、高速回転時の公転スクロールの片当りを確実
に防止することができるから、摩耗や焼付きを未然に防
止することができる。また、軸方向の間隙を防止するこ
とができるから、密閉室の体積効率の低下を防ぐことが
でき、信頼性を向上させることができる。更に、クラン
ク軸の上下端の雰囲気の圧力は等しいので不要な推力作
用をも防止することができる。

また、背圧室を２つの凹溝で形成するので、圧力の漏れ
が仝休で吸収され、公転スクロール鏡板に背圧を均一に
作用させることができるので、圧力中心が正確に移動し
、公転スクロールを確実に支持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第７図は本発明の実施例を示し、第１図はスク
ロール機構の概略断面側面図、第２図は背圧室の平面図
、第３図はスクロール流体装置の断面図、第４図＜ａ　
＞は凹溝を設けないスフ０−ル機構の概略断面側面図、
第４図（ｂ）は背圧室内の圧力分布図、第５図は凹溝、
シール部材、凸部の位＠関係を説明するスクロール機構
の概略断面側面図、第６図は他の摺接部を示すスクロー
ル機構の概略断面側面図、第７図（ａ＞，（ｂ）。 （Ｃ），（ｄ）は固定及び公転スクロールの動作を示す
概略平面図、第８図は力の作用関係を示す公転スクロー
ルの概略側面図である。第９図〜第１１図は従来例を示
し、第９ｒ！ｉＡ及び第１０図はスクロール機構の断面
側面図、第１１図は公転スクロールの平面図、第１２図
は同断面側面図である。 （１）・・・スクロール流体装ｆｆｌ、　　（３）・・
・スクロール機構，（７）・・・固定スクロール，（８
）・・・公転スクロール，（１０）・・・クランク軸，
（１０ａ）・・・クランク主軸，（１０ｂ）・・・スク
ロール軸受、（１１），（１２）・・・鏡板，（１３）
，（１−１＞・・・ラップ，（１７）・・・接触，（１
８）・・・密閉室、（２１）・・・背面フレーム，（２
２），（２３＞。 （３８），（３９）・・・チップシール部材，（２４）
，（３０），（３６），（３７）・・・背圧室，（２６
），（２７）・・・凹溝，（０＋　）・・・クランク軸
受中心，（０）・・・クランク主軸心，（ｏ３）・・・
圧力中心，（Ｆｌ）・・・遠心力。 第４図　　　（。） １ム （ｂ） 第８図 第１図 第５図 第７図 （ｄ）　　　　　　　　　（ｃ） 第１０図 第１１図 第１２図 ト４ヒム 手続補正ｉ！！　（自発） 昭和６２年２月２７０ 昭和６１年　特　許　願　第２５２５９６号２、発明の
名称 ス　　り　　ロ　　−　ル　流　体　装　置３、補正を
する者 事件との関係　　　特　許　出　願　人任　所　　大阪
府大阪市北区梅田１丁目１２番３９日新阪急ビル 名　称　　　（２８５）ダイキンエ果株式会社代：ａ８
　　山１）稔 ４、代理人　号５５０　ｆｆｌ○６　（４４５）　２１
２８住　所　　大阪市西区靭本町１丁目４番８号　太平
ビル補　　正　　明　　細　　ド１ １、発明の名称 スクロール流体装置 ２、特許請求の範囲 （１）　　！？ｌ板（１１）　、　　（１２）　ノｉ’
ｌｉｒ面ニ７ツ’；’（１３），（１４）が立設されて
成る固定スクロール（７）と公転スクロール（８）とが
各ラップ（１３），（１４）を噛合させて並δ２され、
該公転スクロール（８）が前記固定スクロール（７）に
対して偏心した可動支点（Ｏ１）で支持されて固定スフ
ロール（７）に対し自転り阻止り髭公転自在に設けられ
ていると共に、両ラップ（１３），（１４＞側面が多点
接触するように設けられ、該ラップ（１３），（１４）
の接触間に密閉室（１８）が構成される一方、前記公転
スクロール（８）の鏡板（１２）背面側に固定フレーム
（２１）が該ｖＬ板（１２）と平行に設けられ、該公転
スクロール鏡板（１２）の背面及びフレーム（２１）の
前面にそれぞれ周回状の凹溝（２２），（２３＞が一部
！ｎ畳して９１設されると共に、フレーム（２１）に前
記公転スクロール鏡板（１２）と接する環状摺接部（２
Ｇ）が凹溝（２２）より内側に、前記公転スクロール鏡
板（１２）に前記フレーム（２１）に接する環状摺接部
（２７）が凹溝（２３）より外側にそれぞれ設けられ、
前記公転スクロール鏡板（１２）とフレーム（２１）間
に背圧室（２８）が両店接部（２６＞，（２７＞で区画
されて公転スクロール（８）が固定スクロール（７）側
に押圧され、該背圧室（２８＞の圧力中心（Ｏ３）が前
記公転スクロール（８）の公転中心（Ｏ２）に対する可
動支点（Ｏ１）のほぼ偏心方向軸線上に該可動支点（Ｏ
＋　）より偏心して位置していることを特徴とするスク
ロール流体装置。 （２）前記両１習接部（２６），（２７＞は、幅が公転
スクロール（８）の公転直径より小さく形成されている
ことを特徴とする特許請求の範囲第（１）項記載のスク
ロール流体装置。 （３）前記両店接部（２６），（２７＞は、１つのリン
グ状シール部材で構成されていることを特徴とする特許
請求の範囲第（１）項記載のスクロール流体袋は。 （４）　　前記両店接部は、？！数のリング状シール部
材で構成されていることを特徴とする特ｒＴ請求の範囲
第（１）項記載のスクロール流体装置。 （Ｓ　＾な記両摺接部は、静圧シール機構で構成されて
いることを特徴とする特許請求の範囲第（１）項記載の
スクロール流体装置。 ３、発明の詳細な説明 （産業上の利用分野） 本発明は、スクロール流体装置に関し、特に、公転スク
ロールの支持構造に係るものである。 （従来の技術） 一般に、スクロール流体装置は冷凍鍬におけ圧縮Ｒ’Ｊ
どとして用いられており、そのスクロール構造は、第９
図及び第１０図に示すように、固定スクロール（ａ）と
公転スクロール（ｂ）とを具尚して構成されている。両
スクロール（ａ）。 （ｂ　）は鏡板（Ｃ）、、、　　（ｄ　）の前面にラッ
プ＜ｅ），（「）が渦巻状に立設されて成り、両スク０
−ル（ａ），（ｂ）が鏡板（Ｃ），（ｄ）前面を対面し
て並設されると共に、両ラップ（ｅ），（ｒ）を噛合し
て設けられている。更に、公転スクロール（ｂ）は鏡板
（ｄ　）の背面にクランク軸（ｇ）が連接されて支持さ
れ、該クランク軸（ｇ）はビン中心（Ｏ＋　＞（可動支
点）がクランク主軸の軸心（Ｏ２）　　（公転中心）よ
り偏心して設けられ、両スクロール（ａ），（ｂ）のラ
ップ（ｅ）。 （ｆ　）が側面にて多点接触（ｈ＞Ｌ、該接触（ｈ）間
が密閉室Ｕ）に構成されている。そして、固定スクロー
ル（ａ　）の側部には吸込口（ｊ　＞が、中央部には吐
出口（ｋ）が穿設され、冷凍機における冷媒蒸気等の流
体が流出入づ゛るように成っている。 このスクロール流体装置の動作原理を第７図（ａ）〜（
ｄ　）に基づいて説明すると、公転スクロール（ｂ）は
クランク軸（（＋　＞の回転により固定スクロール（ａ
　）に対してクランク主軸の軸心（Ｏ２）を中心として
公転することになる。第７図（ａ）〜（ｄ）は公転スク
ロール（ｂ）を９０度死時計方向に公転させた状態を示
し、先ず、第７図＜ａ）は各ラップ（ｅ），（ｆ）の外
端縁が他方のラップ（ｅ），（１）に接触し、密閉室Ｕ
　＞が形成された初期状態であり、吸込口（ｊ　）より
流入した流体が密閉室（ｉ　）に封入されたことになる
。続いて、公転スクロール（ｂ　）を峙計方向に公転す
ると、第７図（ｂ　）〜＜ｄ　）に示すように、密閉室
（＋）が順次収縮されて封入流体が圧縮され、１回転し
て第７図（ａ　）に戻ることになる。この動作を繰り返
し、密閉室Ｕ　）が最収縮状態で吐出口（ｋ　）に連通
し、高圧流体が流出することになる。また逆に、吐出口
（ｋ）より高圧流体を供給すると、公転スクロール（ｂ
）は反時計方向に公転しく第７図（ｄ）〜（ａ））、動
力が得られることになる。 このスクロール流体８２２において、両スクロール（ａ
），（ｂ）間の密閉室（＋　＞における流体圧によって
両鏡板（Ｃ），（ｄ）は互いに分離される方向の力（分
離力）をうけるので、鏡板（Ｃ），（ｄ）とラップ（Ｃ
り，（ｆ）の先端面とが離れないＪ：うに軸方向の支持
も必要となる。 ■　公転スクロール（ｂ）の鏡板（ｄ　）背面に流体圧
を作用させて支持するもの ■　スラスト軸受で支持するもの ■　上記■の流体圧と■の軸受の双方で支持づるしの これらの支持方法のうち本発明は■又は■の流体圧で支
持づるものであり、この流体圧による乙のには、従来、
第９図に示づように背圧の圧力中心（Ｏ３）がクランク
軸＜ａ　）の主軸心（Ｏ２）に一致したもの、第１０図
に示すように圧力中心（Ｏ３）がクランク軸（（＋　）
のビン中心（Ｏ１）に一致したものがある。ゴーなわら
、第９図に示づものは、公転スクロール（ｂ）の背面側
のフレーム（９）にリング部Ｕ（Ｉｌｌ）と２個のリン
グ状シール部材（ｎ），（ｑ）が設けられ、該シール部
材（ｎ），（ｑ）が鏡板（ｄ　）の背面に接してドーナ
ツ状の背圧室＜Ｓ＞が形成され、該を圧室（Ｓ）が密閉
室（ｉ）に小孔（１）を介して連通されて成り、密閉室
（＋　）の流体圧を背圧室（Ｓ）に導入して公転スクロ
ール（ｂ）を固定スクロール（ａ　）側に押圧している
。この背圧室（ｓ）はフレーム〈９）に固定しているの
で、圧力中心（Ｏ３）が公転スクロール（ｂ　）の公転
中心（Ｏ２）に一致することになる。 また、第１０図に示すものは、公転スクロール（ｂ）の
背面側にフレーム（ＩＩ　）との間で背圧室（Ｖ　）が
形成され、該背圧室（Ｖ　）が第９図のものと同様に小
孔（Ｗ）を介して密閉室（１）に連通されて公転スクロ
ール（ｂ　）が押圧されている。 この背圧室（Ｖ　）は鏡板（ｄ　）の背面全体に背圧を
作用させているので、圧力中心（Ｏ３）がクランク軸（
（Ｊ　）のビン中心（Ｃｈ　）　　（可動支点）に一致
することになる。 （発明が解決しようとげる問題点） 上述したスクロール流体装置において、公転スクロール
（ｂ）には、その公転面内において第１１図に示すよう
に、密ｒ！１室（ｉ）に封入された流体による半径方向
荷車（Ｆ２）とｌ！線方向荷重（Ｆ３）の他に、公転に
より生ずる遠心力（Ｆｌ）が作用することになる。、イ
して、このうち、主として接線方向前１１！（Ｆ３）と
遠心力（Ｆｌ）とが固定スクロール（ａ　）に対して公
転スクロール（ｂ）を傾斜させる所謂転覆モーメントと
して公転スクロール（ｂ）に作用することになる。 この転覆モーメントを除去するために従来、背圧室（Ｓ
），（Ｖ）の圧力を過大めにして両スクロール（ａ），
（ｂ）間のフランジ部下面と鏡板上面との外側摺接部（
第１２図（Ｘ）参照）の油膜圧力分布を不均衡にし、こ
の非対称で除去するか、又は、背圧室（Ｓ），（Ｖ）の
圧力を不定めにし、公転スクロール（ｂ）の鏡板（ｄ　
）の背面に対して設けられたスラス１〜軸受に作用丈る
油膜圧力分布を非対称にし、この非対称で除去していた
。 しかしながら、従来の背圧室（Ｓ），（Ｖ）の圧ノコ中
心（Ｏ３）はクランク軸（ａ　）の主軸心（Ｏ２）（第
９図参照）又はクランク軸（ａ）のビン中心（Ｏ＋　）
（第１０図参照）に一致しているため、第９図に示すよ
うに、クランク軸（ｇ）の主軸心（Ｏｌ）と一致するも
のにあってはスクロール軸の軸受中心点（Ｏ４）を支点
とし公転スクロールｍ心に作用する遠心力（Ｆｌ）によ
るモーメントと背圧（Ｆ’　ａ　）によるモーメントと
の作用方向が一致し、転覆モーメントを増長させること
になる。また、クランク軸（ｇ）のビン中心（Ｏｌ）と
一致するものにあっては背圧（Ｆ”４）が軸受中心点（
Ｏ４）に作用するのでモーメントには彩管せず、転覆モ
ーメントを軽減することができなかった。 従って、公転スクロール（ｂ）は固定スクロール（ａ　
）に対して傾斜することになり、鏡板（ｄ　）が片当り
（第１２図Ｘ部参照）し、この片当りは遠心力（Ｆｌ）
が増大するの伴ってその力が大きくなり、摩耗が激しく
なったり、焼付きの原因となるなどの問題があった。更
に、ラップ（ｅ）。 （ｆ）とそれに対向する鏡板（Ｃ），（ｄ）面との間少
隙が生じ、密閉室Ｕ　）の体積効率を低下させるという
問題があった。 本発明は、斯かる点に化み、背圧室（２４〉の圧力中心
（Ｏ３）を公転スクロール（ｂ）の公転中心（Ｏ２）に
対する可動支点（Ｏ１）のほぼ偏心方向に更に偏心させ
て位置させることにより、遠心力による転覆モーメント
を背圧によるモーメントで相殺あるいは低減させると同
時に、凹溝（２２），（２３）で背圧室（２８）を形成
して公転スクロール（８）に背圧が均等に作用するよう
にしたものである。 （問題点を解決するだめの手段） 上記目的を達成するために、本発明が講じた溝底ｔよ、
第１図〜第３図に示すように、鏡板（１１），（１２）
の前面にラップ（１３），（１４）が立設されて成る固
定スクロール（ア）と公転スクロール（８）とが各ラッ
プ（１３），（１４）を噛合させて並設され、該公転ス
クロール（８）が前記固定スクロール（７）に対して偏
心した可動支点（Ｏ＋　）で支持されて固定スクロール
（７）に対し自転が阻止され公転自在に設けられると共
に、両ラップ（１３），（１４）側面が多点接触するよ
うに設けられ、該ラップ（１３），（１４）の接触間に
密閉室（１８）が構成されているものを前提としている
。そして、前記公転スクロール（８）の鏡板（１２）背
面側に固定フレーム（２１）が該鏡板（１２）と平行に
設けられ、該公転スクロール鏡板（１２）の背面及びフ
レーム（２１）の前面にそれぞれ周回状の凹溝（２２＞
。 （２３）が一部徂畳して削設されている。更に、前記フ
レーム（２１）に前記公転スクロール鏡板（１２）と接
する環状摺接部（２６）が凹溝（２２）より内側に、前
記公転スクロール鏡板（１２）に前記フレーム（２１）
に接する環状；Ｓ接部（２７）が凹溝（２３）より外側
にそれぞれ、ｉ２Ｇプられ、前記公転スクロール鏡板（
１２）とフレーム（２１）間に背圧室（２８）が両開接
部（２６）。 （２７）で区画されて公転スクロール（８）が固定スク
ロール（７）側に押圧され、あるいは公転スクロール（
８）を軸方向に支持づる軸受に加わる荷重が低減されて
いる。しかも、該背圧室（２８）の圧力中心（Ｏ３）が
前記公転スクロール（８）の公転中心（Ｏｌ）に対する
可動支点（Ｏ１）のほぼ偏心方向線上に該可動支点（Ｏ
１）より偏心しで位ｎしていることを特徴としている。 （作用） 上記構成により本発明は、公転スクロール（８）を可動
支点（Ｏｌ）にて公転させると、両ラップ（１３），（
１４）の接触間で！！！１１１室（１Ｂ）が形成されて
、封入流体が圧縮又は膨張する一方、背圧室〈２８〉の
背圧により公転スクロール（８）が固定スクロール（７
）側に押圧され、この背圧室（２８）の背圧が両凹溝（
２２），（２３）の周端に亘って公転スクロール鏡板（
１２）に均等に作用し、その背圧によるモーメントが遠
心力によるモーメントを相殺あるいは低減し、公転スク
ロール（８〉が固定スクロール（７）に対し傾きにくく
支持されることになる。 （実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 第１図〜第３図に示すように，（１）はスクロール流体
装置であって、冷凍別における圧Ｉｉｌ□に用いられ、
冷媒蒸気（流体）を高圧に圧縮して吐出するものである
。 該スクロール流体装置（１）は、密閉ケース（２〉内に
スクロール別構（３）と駆動機構（４）とが収納されて
構成され、該ケース（２）の側部にｔよ吸入管（５）が
、上部には吐出管（６）が連設されている。前記スクロ
ール機構（３）は固定スクロール（７）と公転スクロー
ル（８）とより成り、駆ａ機構（４）は電動機（９）と
クランク軸（１０）とより構成されている。 前記固定スクロール（７〉及び公転スクロール（８）は
鏡板（１１），（１２）の前面にラップ＜１３），（１
４）が渦巻状に立設されて成り、両スクロール（７），
（８）は鏡板（１１）。 （１２）の前面を対面させて上下に並設され、両ラップ
（１３），（１４）が噛合されている。固定スクロール
（７）は鏡板（１１）の外周縁にフランジ（１１ａ）が
３！Ｉ！設され、咳７５ンシ（１１ａ）にてケース（２
，、）に固定されている。また、公転スクロール（８）
の鏡板〈１２）の背面中央部にはスクロール軸（１２ａ
）が突設されている。 一方、クランク軸（１０）はクランク主軸（１０ａ）の
上端に凹状のスクロール軸受（１０ｂ）を有するボス（
１０Ｃ）が連接されて成り、ケース（２）に固定され且
つ上下口（１５〉を右する支持フレーム（１６）にクラ
ンク主軸（１０ａ）が貫通されて該クランク軸（１０）
がクランク軸受＜１０１）を介して支持されている。こ
のクランク主軸＜１０８）には？’１ｆｆｆＪ［（９）
が取付けられており、スクロール軸受（１０ｂ）はその
軸受中心（Ｏ１）がクランク主’ｈｈ（１０ａ）の軸心
（Ｏ２）より偏心して設けられ、該スクロール軸受（１
０ｂ）に前記公転スフ【１−ル（８）のスクロール軸（
１２ａ）が■合されている。そして、両スクロール（７
），（８）の鏡板＜１１），（１２）外周面間にガイド
円形溝を介して複数の球体（１００）が設けられ、公転
スクロール（８）の自転運動を防止しつつスクロール軸
受（１０ｂ）の（−心により公転スクロール（８）が固
定スクロール（７〉に対して公転づるＪ：うに成ってお
り、このスクロール軸受（１０ｂ）の中心（Ｏ「）（ス
クロール軸（１２ａ＞の中心）が公転スクロール（８）
の可動支点、クランク主軸（１０ａ）の軸心（Ｏｌ）が
公転中心となっている。 前記固定スクロール（７）と公転スクロール（８）の両
ラップ（１３），（１４）は側面にて多点接触（１７）
するように設けられると共に、端面が他方の鏡板（１２
），（１１）に接し、接触（１７）間に密閉室（１８）
が構成されている。 また、固定スクロール（７）における鏡板（１１）の外
周部には吸入ｌコ（１つ）が、中央部には吐出口（２ｏ
）がそれぞれ穿設されて吐出口（２０）に吐出管〈６）
が接続され、該吸込口（１９）より流体が密閉室（１８
）に供給される一方、吐出口（２０）より高圧流体が吐
出さ机るように成っている。 また、前記公転スクロール（８）の鏡板（１２）背面側
にはケース（２）に固着されたドーナツ状の背面フレー
ム（２１〉が鏡板（１２）と平行に形成され、該フレー
ム（２１）の内周端にはクランク軸受（１０２＞を介し
てクランク＋ｈ（１０）のボス（１０ｃ）が回転自在に
嵌合されている。 該フレーム（２１）の前面（上面）及び鏡板（１２）の
背面（下面）にはそれぞれ凹溝（２２）。 （２３）が周回状に削設され、該凹溝（２２）。 （２３）に伴って凹溝（２２），（２３＞の内側と外側
とが凸部（２４ａ），（２４ｂ）及び（２５ａ＞，（２
５ｂ）と成っている。また、フレーム側凹溝（２２）は
クランク主軸心（Ｏ２）と同心上に、鏡板側凹溝（２３
）はスクロール軸受中心（Ｏ１）と同心上にそれぞれ設
けられると共に、両凹溝（２２），（２３＞は一部が千
畳づるように設けられ、その垂畳部分は公転スクロール
（８）の公転に伴って変化するように構成されている。 また、フレーム（２１）と鏡板（１２）の各凸部（２４
ａ　＞、　（２４ｂ　）と（２５ａ　＞、　（２５ｂ　
）は近接対峙しており、フレーム（２１）の内側凸部（
２４ａ　＞及び鏡板（１２）の外側凸部（２５ｂ）には
リング状チップシール部材（２６）。 （２７）が固着されている。該両シール部材（２６），
（２７）はそれぞれ相対峙する鏡板（１２）の内側凸部
（２５ａ　）及びフレーム（２１）の外側凸部（２４ｂ
　）にそれぞれ接して１と接部を椙成し、鏡板（１２）
とフレーム（２１）間において両シール部材（２６’）
，（２７）に区画されて背圧室（２８）が形成されてい
る。また、フレーム側シール部材（２６）はクランク主
軸心（Ｏ２）と同心上に、鏡板側シール部材（２７）は
スフ［１−ル軸受中心（Ｏ１）と同心上にそれぞれ設け
られる一方、フレーム側凹溝（２２）は鏡板側シール部
Ｕ（２７）に、鏡板側凹溝（２３）はフレーム側シール
部材（２６）にそれぞれ公転スクロール（２８）が公転
しても干渉しないように１１１１或されている。 酌記背圧空く２８）は公転スクロール鏡板（１２）に穿
設された小孔（２９）により密閉室（１８）と連通され
、該密Ｉ！Ｊｌ室（１８）の流体圧が）９人されて公転
スクロール（８）が固定スクロール（７）側に押圧され
るように成っている。この背圧室（２８）は両シール部
材（２６＞，（２７）で区画されるが、各シール部材（
２６），（２７）をそれぞれ固着側の凹溝（２２），（
２３＞に極近接して設けることにより両凹溝（２２＞，
（２３）に亘る空間で形成されることになる。この凹溝
（２２），（２３）を設けた理由は次のとおりである。 第４図（ａ　）に示すように、背圧室（２８）を鏡板（
１２）と背面フレーム（２１）の平坦面間で形成した場
合、理論背圧（Ｐ）は第４図（ｂ）に示すように各シー
ル部材（２６），（２７）で遮断され、実線で示でとお
り背圧室（２８）内で鏡板（１２）　′ｆ１面に均一に
作用することになる。ところが、実際−Ｆにおいて、シ
ール部材（２６），（２７）の近傍では、破線で示すよ
うに圧力漏れによる圧力降下現象が生じ、背圧（Ｐ）が
均等に鏡板（１２）に作用しないことになる。そこで、
凹溝（２２），（２３）を設けることににす、圧力漏れ
が全体で吸収され、背圧（Ｐ）が理論背圧と同様に鏡板
（１２）に均等に作用することになる。 また、各シール部材（２６），（２７＞の幅は公転スク
ロール（８）の公転直径よりも小さく設定され、各凹溝
（２２），（２３）とシール部材（２６＞，（２７）と
の位置関係は、符号を表１及び第５図の如く設定すると
、式■〜■を充足するように成っている。 Ａ−Ｍ＜２ｒ　　　　　・・・■ Ｊ−１＜２ｒ　　　　　・・・■ Ｃ−Ａ＞２ｒ　　　　　・・・■ １−Ｅ＞２ｒ　　　　　・・・■ Ｌ−Ｊ＞２ｒ　　　　　・・・■ この０式おにび０式は■−１式及び■−１式を充足する
ことがにり好ましい。 Ｂ−Ｎ＜２ｒ　　　　　・・・■−１ に−Ｈ＜２ｒ　　　　　・・・■−１ 表１ 更に、背圧室（２８〉の圧力中心（Ｏ３）は、フレーム
側口１ｆｌＴ　（２２＞がクランク主軸心（Ｏ２）と同
心上に、鏡板側凹溝（２３）がスフ１Ｊ−ル軸受中心（
Ｏ＋　）と同心上に設けられているので、クランク主軸
心（Ｏ２）（公転中心）に対するスクロール軸受中心〈
０１）　（可動支点）のほぼ偏心方向線上に該スクロー
ル軸受中心（Ｏ＋）Ｊ、り偏心して位置するように成っ
ている。よって、第２図に示すように、平面図上の圧力
中心（Ｏ３）は次式より導き出される。 ｘ−ｒ　＊　（Ｄ＋　２／　（Ｄｌ　２−Ｄ＋　’　）
）・”■Ｘニスクロール軸受中心（Ｏ＋　）と圧力中心
（Ｏ３）の距離 ｒニスクロール軸受中心（Ｏ＋　）とクランク主軸心（
Ｏ２）の距離（公転半径） Ｄｌ　：フレーム側シール部Ｕ（２２＞の直径（背圧室
（２４）の内周直径） Ｄｌ：ｖＬ板側シール部材（２３）の直径（背圧室（２
４）の外周直径） 尚、第３図における（３０）は潤滑油の油溜めであり、
クランク主軸（１０ａ＞内に設けられた給油路（１０３
）からクランク軸受（１０１）。 （１０２）に給油する。また、吸入管（５）から低圧流
体を吸入し、ケース（２）の下部及び電動機（９）のエ
アギＶツブを通り、上下口（１５）を通過してバランサ
室（１０４）に流入した流体中のミスト状の油はバラン
サ（１０ｄ）の回転によってバランサ室（１０４）側壁
に衝突し、側壁下部から通路（３１）を通って油溜め（
３ｏ）に戻るようになっている。 次に、このスクロール流体装置（１）の作用について説
明する。 先ず、流体は吸入管（５）よりケース（２）内に供給さ
れ、吸込口（１９）を介して両スクロール（７），（８
）間に流入する。一方、公転スクロール（８）はクラン
ク軸（１０）を介して公転し、第７図＜ａ）〜（ｄ　）
に示ずように、密閉室（１８）が順次形成されて収縮し
、流体がこの密閉！（１８）に封入されて圧縮され、高
圧流体となって吐出口（２０）より吐出される。 この公転スクロール（８）の公転時において、第８図に
示寸ように遠心力（「１）と接線方向及び法線方向流体
力（Ｆｌ　）、　　（Ｆ２　）が生じ、このうちクラン
ク軸（１０）の法ね方向には遠心力（Ｆｌ）によるモー
メントが強く働き公転スクロール（８）を傾斜させる転
覆モーメントとしてスクロール軸（１２ａ＞の軸受中心
点（Ｏ４）に作用することになる。−ｈ１背圧室（２４
）には密閉室（１８）より流体圧が小孔（２５）を介し
て導入され、公転スクロール（８〉を固定スクロール（
７）に押圧する。この背圧室〈２４）の全背圧合力（Ｆ
４）は圧力中心（Ｏ３〉に作用しているものと考えられ
、この圧力中心（Ｏ３）はクランク主軸心（Ｏ２）に対
するスフ［１−ル軸受中心（Ｏ１）の偏心方向にさらに
偏心しており、この背圧合力（Ｆ４）によるモーメント
は軸受中心点（Ｏ４）に対して遠心力（Ｆ＋　）による
転覆モーメントと作用方向が反対となり、該転覆モーメ
ントを相殺することになる。特に、背圧室（２８）内の
圧力分布は第４図（ｂ　）に示づように、背圧室（２８
）の上面である公転スクロール鏡板（１２）に均一に作
用し、圧力中心（Ｏ３）が公転スフ［Ｊ−ル（８）とバ
に正確な円移動を行い、正確にモーメントが公転スクロ
ール（８）に作用する。 ここで、該軸受中心点（Ｏ４）廻りのモーメントＭｒ　
　（クランク軸（１０）の半径方向の転覆モーメント成
分）は次式で表わされる。 Ｍｒ　−ｒ”＋　　ｈ　ｌ　−Ｆ２　　（ｈ　２　＋Ｈ
／２）−Ｆｔ−ｒ／２　　　　　　　　　・・・■Ｇ：
公転スクロール（８）の小心 Ｈニラツブ（１４）の高さ ｈｔ：ｏ４とＧとの距離 １１２：０４と鏡板（１２）の上面との距離Ｆｔ、＠方
向の流体力 この０式において、第１項は遠心力Ｆ４による成分であ
り、高速回転になるに従って非常に大きくなる。そこで
、このモーメントＭｒを相殺する背圧合力Ｆ４は次式で
表わされることになる。 Ｆ４−Ｍｒ　／Ｘ＝Ｍｒ　Ｘ　（Ｄｚ　’　−Ｄ＋　２
＞／Ｄ＋’Ｘ（１／ｒ）　　・・・■ また、上記モーメントＭｒを相殺しなくても威厳する場
合、背圧合力Ｆ４による効果、すなわら、モーメントの
低減ｆｆｉｄＭｒは次式で表わされることになる。 ｄ　Ｍｒ　−Ｆｓ　　・×　　　　　　　　　　・・・
■そして、実際に公転スクロール（８）に動く半径方向
の転覆モーメントＭＳは、 ＭＳ　−Ｍｒ　−ｄ　Ｍｒ　　　　　　　　　　”［）
となる。 また、背圧室（２４）の内径（Ｄｌ）と外径（Ｄｚ）と
を内周円と外周円とが干渉しないようにＤｚ＞Ｃ＋＋２
ｒの関係に保ち、内径（Ｄｌ）を大きく、外径（Ｄｚ）
を小さく設定すると、半径方向の転覆モーメントをＪ：
り効果的に相殺又は低減することができる。 第６図は前記実施例における１つ宛のシール部材（２６
），（２７）に代えて、２つ宛のシール部材（３２ａ　
＞，（３２ｂ　），（３３ａ　），（３３ｂ）を並設し
て摺接部を構成したものである。 その他は前記実施例と同様である。 尚、この各実施例は圧縮機について説明したが、本発明
は流体の流れを逆にして駆動機や膨張機などにも適用す
ることができる。 また、摺接部はシール部材（２６），（２７）。 （３２ａ　＞，（３２ｂ　），（３３ａ　＞，（３３ｂ
　）で構成したが、静圧発生溝などの圧油を用いた静圧
シールＩｊｌ　Ｊｆ４としてもにい。また、シール部材
（２６＞，（２７），（３２ａ＞，（３２ｂ）。 （３３ａ　），（３３ｂ　）は円状でなくてもよくその
形状の中心がＯ＋　、０２に一致すればよい。 （発明の効果） 以上のにうに、本発明のスクロール流体装置によれば、
公転スクロールの背面側に背圧室を設け、背圧室の圧力
中心を公転スクロールの公転中心に対する可動支点のほ
ぼ偏心方向に該可動支点より偏心ざＶたために、遠心力
による転覆モーメントを背圧によるモーメントで相殺又
は低減することができるので、公転スクロールを固定ス
クロールに対して傾きにくく支持することができる。し
たがって、高速回転時の公転スクロールの片当りを確実
に防止することができるから、摩耗や焼付きを未然に防
止することがＣきる。また、軸方向の間隙の発生を防止
Ｊることがでさるから、体積効率の低下を防ぐことがで
き、さらに信頼性を向上さぜることができる。 また、背圧室を２つの凹溝で形成づ゛るので、圧力の濃
れが全体で吸収され、公転スクロール鏡板に背圧を均一
に作用させることができるので、圧力中心が正確に移動
し、公転スクロールを確実に支持することができる。 ４、図面の簡単な説明 第１図〜第７図は本発明の実施例を示し、第１図はスク
ロール機構の概略断面側面図、第２図は背圧室の平面図
、第３図はスクロール流体装置の断面図、第４図＜ａ　
）は凹溝を設けないスクロール機構の概略断面側面図、
第４図（ｂ）は背圧室内の圧力分布図、第５図は凹溝、
シール部材、凸部の位置関係を説明するスクロール機構
の概略断面側面図、第６図は他の摺接部を示づ゛スクロ
ール機構の概略断面側面図、第７図（ａ＞，（ｂ）。 （Ｃ），（ｄ）は固定及び公転スクロールのｌｈ作を示
す概略平面図、第８図は力の作用関係を示寸公転スクロ
ールの概略側面図である。第９図〜第１１図は従来例を
示し、第９図及び第１０図はスクロール機構の断面側面
図、第１１図は公転スクロールの平面図、第１２図は同
断面側面図である。 （１）・・・スクロール流体３Ａ置，（３）・・・スク
ロールＵ１４Ｍ，（７）・・・固定スクロール，（８）
・・・公転スクロール，（１０）・・・クランク軸，（
１０ａ）・・・クランク主軸，（１０ｂ）・・・スクロ
ール軸受、＜１１），（１２）・・・鏡板，（１３），
（１４）・・・ラップ，（１７）・・・接触，（１８）
・・・密閉室、（２１）・・・背面フレーム，（２２）
，（２３）。 （３８），（３９）・・・チップシール部材，（２４）
，（３０），（３６），（３７）・・・背圧室，（２Ｇ
），（２７＞・・・凹溝，（０＋　）・・・スクロール
軸受中心、〈０）・・・クランク主軸心、〈ｏ３）・・
・圧力中心，（Ｆｌ）・・・遠心力。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）鏡板（１１），（１２）の前面にラップ（１３）
   ，（１４）が立設されて成る固定スクロール（７）と公
   転スクロール（８）とが各ラップ（１３），（１４）を
   噛合させて並設され、該公転スクロール（８）が前記固
   定スクロール（７）に対して偏心した可動支点（Ｏ＿１
   ）で支持されて固定スクロール（７）に対し自転を阻止
   して公転自在に設けられていると共に、両ラップ（１３
   ），（１４）側面が多点接触するように設けられ、該ラ
   ップ（１３），（１４）の接触間に密閉室（１８）が構
   成される一方、前記公転スクロール（８）の鏡板（１２
   ）背面側に固定フレーム（２１）が該鏡板（１２）と平
   行に設けられ、該公転スクロール鏡板（１２）の背面及
   びフレーム（２１）の前面にそれぞれ周回状の凹溝（２
   ２），（２３）が一部重畳して刳設されると共に、フレ
   ーム（２１）に前記公転スクロール鏡板（１２）と接す
   る環状摺接部（２６）が凹溝（２２）より内側に、前記
   公転スクロール鏡板（１２）に前記フレーム（２１）に
   接する環状摺接部（２７）が凹溝（２３）より外側にそ
   れぞれ設けられ、前記公転スクロール鏡板（１２）とフ
   レーム（２１）間に背圧室（２８）が両摺接部（２６）
   ，（２７）で区画されて公転スクロール（８）が固定ス
   クロール（７）側に押圧され、該背圧室（２８）の圧力
   中心（Ｏ＿３）が前記公転スクロール（８）の公転中心
   （Ｏ＿２）に対する可動支点（Ｏ＿１）のほぼ偏心方向
   軸線上に該可動支点（Ｏ＿１）より偏心して位置してい
   ることを特徴とするスクロール流体装置。
2. （２）前記両摺接部（２６），（２７）は、幅が公転ス
   クロール（８）の公転直径より小さく形成されているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第（１）項記載のスクロ
   ール流体装置。
3. （３）前記両摺接部（２６），（２７）は、１つのリン
   グ状シール部材で構成されていることを特徴とする特許
   請求の範囲第（１）項記載のスクロール流体装置。
4. （４）前記両摺接部は、複数のリング状シール部材で構
   成されていることを特徴とする特許請求の範囲第（１）
   項記載のスクロール流体装置。
5. （５）前記両摺接部は、静圧シール機構で構成されてい
   ることを特徴とする特許請求の範囲第（１）項記載のス
   クロール流体装置。