JPS629683Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「考案の目的」 （産業上の利用分野） 本考案はスピーカ等に用いられる磁気回路ユニ
ツトの組立後にマグネツト用部材に着磁すること
ができるようにした着磁装置に係わり、特に所謂
AV（オーデイオビジユアル）仕様等の防磁型磁
気回路ユニツトの着磁に最適な着磁装置に関す
る。（従来技術） 一般にスピーカの磁気回路は一つの界磁マグネ
ツトを用いて構成されているが、近年は、界磁マ
グネツトに、これとは反溌する極性に着磁された
反磁界用マグネツトを重積することにより外部漏
洩磁束を大巾に低減させた所謂AV仕様のものが
種々提供されている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、この種AV仕様のスピーカユニツト
を製造するに際しては、予め所定強度に着磁した
マグネツトをトツププレートと共に順次重積する
が、トツププレートを介在させているとは云え反
溌するマグネツト同士を接合することは作業上困
難であり、生産性悪化の原因となつていた。

しかも、マグネツトを予め着磁するに際しては
開回路でこれを行うため、着磁後の減磁が著しく
所要の磁界が得られなくなる虞がある。

このため従来は、保磁力に優れたマグネツトを
用いることにより上記した減磁に対応させていた
が、コスト高となる欠点があつた。

さらに、予め着磁したマグネツトを用いて組み
立てる場合には作業中に周囲の金属ダストが付着
し易く、この金属ダクトがボイスコイル等に接触
して動作不良を招来する虞があつた。

本考案は上記した点に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、未着磁のマグネツト用部材を用
いて磁気回路ユニツトを組み立てた後に能率的且
つ的確に着磁することができるようにした磁気回
路ユニツト用着磁装置を提供することにある。

「考案の構成」 （問題点を解決するための手段） 本考案に係わる磁気回路ユニツト用着磁装置は
第２の未着磁マグネツト部材、第２のトツププレ
ート、第１の未着磁マグネツト部材、及び第１の
トツププレートが順次重積して構成された磁気回
路ユニツトの上記第１及び第２の未着磁マグネツ
ト部材に相互に反溌する極性で着磁するための磁
気回路ユニツト用着磁装置であつて、上記磁気回
路ユニツトを収容し得るようにした磁性体で形成
された有底筒状の本体と、該本体から一体に突成
されていて先端が上記第１のトツププレートの外
周面に対応するように配置された第１の着磁ヨー
クと、上記本体の内側面から一体に突成されてい
て上記第２のトツププレートの外周面に対応する
ように配置された第２の着磁ヨークと上記第１の
着磁ヨークと第２の着磁ヨークとの間に巻回され
た第１のコイルと、第２の着磁ヨークと底盤との
間に巻回された第２のコイルとを備えている。

（作用） 第２の未着磁マグネツト部材、第２のトツププ
レート第１の未着磁マグネツト部材及び、第１の
トツププレートを順次重積して磁気回路ユニツト
を組み立て、これを有底筒状の本体内に収納して
夫々のコイルを介して強力に例示すると第１及び
第２の着磁用ヨークが夫々第１及び第２の未着磁
マグネツト部材を着磁する。

（実施例） 本考案に係る磁気回路ユニツト用着磁装置の実
施例を図面に基づいて説明する。

図中１は磁気回路ユニツト用の着磁装置全体、
２は該着磁装置１により磁化処理されるべき磁気
回路ユニツト３を含むスピーカユニツト全体を示
す。

上記磁気回路ユニツト３は第２の未着磁マグネ
ツト部材４、第２のトツププレート５、第１の未
着磁マグネツト部材６、第１のトツププレート７
を順次重積して組み立てることにより構成されて
おり、図示例ではこれらと一体的にスピーカフレ
ーム８、ヨーク３ａ、ポールピース３ｂが取り付
けられている。９は振動板、１０はロールエツ
ジ、１１はダンパー１２はボイスコイルボビンで
あり、これらは振動系を構成している。上記着磁
装置１は上記磁気回路ユニツト３を収容し得るよ
うに磁性体で形成された有底筒状の本体１３と、
該本体１３から一体に突成されていて先端が上記
第１のトツププレート７の外周に対応するように
配置された第１の着磁ヨーク１４と、上記本体１
３の内側面から一体に突成されていて上記第２の
トツププレート５の外周に対応するように配置さ
れた第２の着磁ヨーク１５と上記第１の着磁ヨー
ク１４と第２の着磁ヨーク１５との間に巻回され
た第１のコイル１６及び、第２の着磁ヨーク１５
と底盤１７との間に巻回された第２のコイル１８
とによつて構成されている。

なお、上記第１及び第２のコイル１６，１８は
夫々本体１３を境に内側と外側とに巻回されるこ
とにより構成されている。また本体１３の底盤１
７中央部に孔が開いても実施可能であり巻回する
第１のコイル１６と第２のコイル１８は内側外側
どちらか一方でも可能である。

上記した構成においてその動作例を説明する
に、先ず着磁装置１内に上記したようにして組み
立てられた磁気回路ユニツト３を収納し然る後に
第１及び第２のコイル１６，１８に高電圧を印加
する。高電圧の印加方法は種々あるが、大容量コ
ンデンサに電荷を蓄積し、これを一気に放電する
方法が一般的である。

なお、第１及び第２のコイル１６，１８には反
対極の磁束が誘起されるように通電する必要があ
り、夫々、誘起された磁束Ｂ１，Ｂ２は上記第２
の着磁ヨーク１５において同方向となる。

従つて第１のコイル１６によつて誘起された磁
束Ｂ１は本体１３→第２のトツププレート５→第
１の未着磁マグネツト部材６→第１のトツププレ
ート７→第１の着磁ヨーク１４→本体１３とを通
過した第１の未着磁マグネツト部材６は着磁され
る。

一方、第２のコイル１８によつて誘起された磁
束Ｂ２は本体１３→第２のトツププレート５→第
２の未着磁マグネツト部材４→ヨーク３ａ→底盤
１７→本体１３と通過して第２の未着磁マグネツ
ト部材４は上記第１の未着磁マグネツト部材６と
の対向面が同極となるように着磁される。

以上述べたように、磁気回路ユニツト３内の第
１及び第２の未着磁マグネツト部材６，４は対向
面が同極となるように、夫々着磁される。

また、その際に閉回路で着磁されるから各未着
磁マグネツト部材に特殊な磁性体を用いることな
く強力に帯磁させることができ、減磁の虞もない
等特に防磁型スピーカユニツト用の着磁装置とし
て最適である。

（考案の効果） 本考案に係る磁気回路ユニツト用着磁装置によ
れば、未着磁のマグネツト用部材を用いて組み立
てた磁気回路ユニツトに後工程で瞬時に着磁する
ものであるから生産性が極めて良好であることは
勿論組み立て工程においてマグネツトに金属ダス
トが付着する等の虞はなく、製品不良率を大巾に
低下させることができる。

しかも磁気回路ユニツトを閉回路状態で着磁さ
せることができて着磁効率が良好であるのは勿
論、着磁後の減磁も僅かであるから、保磁力が高
いマグネツト部材を使用する必要はなく安価に製
造することができる等の優れた特長がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る磁気回路ユニツト用着磁装
置の実施例を示し第１図は一部欠切した斜視図、
第２図は断面図である。 １……着磁装置全体、２……スピーカユニツ
ト、３……磁気回路ユニツト、４……第２の未着
磁マグネツト部材、５……第２のトツププレー
ト、６……第１の未着磁マグネツト部材、７……
第１のトツププレート、１３……本体、１４……
第１の着磁ヨーク、１５……第２の着磁ヨーク、
１６……第１のコイル、１７……底盤、１８……
第２のコイル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第２の未着磁マグネツト部材、第２のトツププ
   レート、第１の未着磁マグネツト部材及び第１の
   トツププレートが順次重積して構成された磁気回
   路ユニツトの上記第１及び第２の未着磁マグネツ
   ト部材に相互に反溌する極性で着磁するための磁
   気回路ユニツト用着磁装置であつて上記磁気回路
   ユニツトを収容し得るように磁性体で形成された
   有底筒状の本体と、該本体から一体に突成されて
   いて先端が上記第１のトツププレートの外周面に
   対応するように配置された第１の着磁ヨークと、
   上記本体の内側面から一体に突成されていて上記
   第２のトツププレートの外周面に対応するように
   配置された第２の着磁ヨークと、上記第１の着磁
   ヨークと第２の着磁ヨークとの間に巻回された第
   １のコイルと、第２の着磁ヨークと底盤との間に
   巻回された第２のコイルとを備えていることを特
   徴とする着磁装置。