JPS629650B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は連続メツキ設備における無酸化加熱
炉のように、炉出口における被熱物の温度を一定
値に制御する必要のある加熱炉の制御方法および
制御装置に関する。

連続メツキ設備における無酸化加熱炉（以下加
熱炉と称する）は、メツキの前処理としてストリ
ツプを一定温度に加熱してその表面の清浄化をお
こなうものである。従来この加熱炉においては、
表面清浄化のための急速加熱および省エネルギの
目的で、燃焼加熱を炉の出口側でおこない、その
高温燃焼排ガスを被熱物の進行方向と反対の方向
に流通される方法がとられている。そして上記目
的を効果的に達成するため、炉内を炉長方向に複
数個のゾーンに分けて各ゾーンにバーナ等の加熱
装置を設け、炉出口側の適数ゾーンを燃焼ゾーン
として燃焼をおこない、この際燃焼ゾーンのうち
最も入口側のゾーンにおいて該ゾーンを制御ゾー
ンとして加熱量（燃料および空気流量）をカスケ
ード制御し、他の燃焼ゾーンにおいては最大加熱
量による燃焼をおこなう方法がとられている。し
かしこの方法によると加熱量減少時において制御
ゾーンにおけるバーナの消灯を、加熱量増加時に
おいて制御ゾーンの炉入口側隣接ゾーンにおける
バーナの点灯を、それぞれおこなう必要が生じる
ので、これに伴う瞬間的な空燃比の乱れ等により
被熱物表面に未燃分が付着したり局部的な過度の
酸化痕が生じたり、ストリツプ縁部にしわ状の変
形を生じるという欠点があつた。またこれを防ぐ
ためにバーナへの燃料流量を安定燃焼に必要な最
低値以上に維持する低流量保持等をおこなうこと
も考えられるが、この場合は制御装置が複雑とな
る。

この発明は上記従来の欠点を解消するもので、
加熱量制御巾が大きく加熱操業中におけるバーナ
の消灯、点灯などをおこなう必要のない加熱炉の
制御方法および制御装置を提供しようとするもの
である。

以下図面によつてこの発明の一実施例を説明す
る。

図中、１は加熱炉で、この炉内を炉出口２側か
ら炉長方向に第１ゾーン１１、第２ゾーン１２、
…………第５ゾーン１５の５ゾーンに分け、各ゾ
ーンには加熱装置であるバーナ３が設けてある。
４は炉入口、Ｗはストリツプである被熱物、５は
搬送装置である。この炉内を高温排ガスが被熱物
Ｗの進行方向と反対の方向（矢印Ｙ方向）に流通
して炉入口４に連接した予熱スロート（図示しな
い）を経て炉外に排出される。６は炉出口２部に
設けられた被熱物温度測定用の赤外線温度計、７
は被熱物温度調節計で、赤外線温度計６の出力信
号と被熱物温度設定値とを比較してその差に応じ
たカスケード信号を発するものである。２１は各
バーナ３の加熱量を制御する加熱量制御装置で、
各ゾーン毎に設けられ、２２は燃料流量調節計、
２３は空燃比設定器、２４は空気流量調節計、２
５は燃料配管、２６は燃料流量調節弁、２７は燃
料流量検出器、２８は空気配管、２９は空気流量
調節弁、３０は空気流量検出器である。一方３１
は制御ゾーン選定装置で、被熱物の寸法や材質、
送り速度、加熱温度などの加熱条件データを入力
として与えると制御ゾーン数を計算する計算機３
２と、各ゾーンの加熱、加熱停止を判別する判別
装置３３と、この判別装置により操作される切換
スイツチ３４とから成つている。この切換スイツ
チは被熱物温度調節計７と各ゾーンの加熱量制御
装置２１との間にそれぞれ各ゾーン用に設けられ
ている。判別装置３３はたとえばハイロー弁別器
を主体として成り、計算機３２からの制御ゾーン
数信号とそれぞれのゾーンに個有の信号（たとえ
ば第３ゾーンなら「３」）を比較して、両者が一
致したゾーンおよび該ゾーンより炉出口側のゾー
ンを制御ゾーンとしてこれらのゾーンにおいては
切換スイツチ３４を閉じ、その他のゾーンにおい
ては切換スイツチ３４を開くように切換動作させ
るものである。

次に上記構成の制御装置を用いた本発明方法に
ついて説明すると、先ず計算機３２に被熱物Ｗの
寸法その他の加熱条件データを与えて制御ゾーン
数を計算する。図面は計算機３２の発する制御ゾ
ーン数信号が「３」である場合を示し、各ゾーン
の判別装置３３の動作により各切換スイツチ３４
が図示のように切換えられる。この結果第４ゾー
ン１４および第５ゾーン１５においては加熱が停
止する。一方、第１ゾーン１１乃至第３ゾーン１
３は制御ゾーンとして選定され、これらのゾーン
においては被熱物温度調節計７のカスケード信号
が各加熱量制御装置２１に与えられ、赤外線温度
計６よりの出力信号に応じてバーナ３の加熱量を
カスケード制御して被熱物の温度を所定値に制御
するのである。

なお制御ゾーン選定装置３１の計算機３２は、
上述の制御ゾーンにおいて最低燃焼量付近あるい
は最高燃焼量付近での燃焼を起さないようにほぼ
中間燃焼量付近で燃焼がおこなわれている状態で
被熱物が所定の温度に制御されるよう、理論式や
実験式さらにこれらにテストランによる修正を加
えた計算式によつて、被熱物の種々の加熱条件デ
ータの入力に対してそれぞれ適正な制御ゾーン数
を算出するよう構成されているのである。

第３図はこの発明の第２実施例を示し、第２図
と同一符号を付した部分は第２図と同一部分を示
す。この実施例では各ゾーン１１，１２，………
…１５にそれぞれ炉内温度検出器３５を設けると
ともに、各加熱量制御装置２１には炉内温度調節
計３６と、この炉内温度調節計により切換えられ
る切換スイツチ３７を設け、炉内温度が設定最高
炉温を越えたら切換スイツチ３７を切換えて、被
熱物温度調節計７の出力信号のかわりに炉内温度
調節計３６の出力信号が燃料流量調節計２２およ
び空燃比設定器２３に与えられるようにした点が
第２図の実施例と異なる。これにより炉内温度は
設定最高炉温を大巾に越えることがなく、炉構造
物の保護がはかられる。すなわちこの実施例は第
１実施例に炉構造物保護のための安全回路を付加
したものであり、設定最高炉温以下においては第
１実施例と同様な作用効果を得られるものであ
る。

第４図はこの発明の第３実施例を示し、第２図
と同一符号を付した部分は第２図と同一部分を示
す。図中３８は第３図の場合と同様に各ゾーンに
設けた炉内温度検出器、３９は各加熱量制御装置
２１に設けた炉内温度調節計である。被熱物温度
調節計７の出力信号は流量設定信号としてではな
く炉温設定信号として制御ゾーンの炉内温度調節
計３９に与えられる点が第１実施例と異るが、他
の点においては第１実施例と同様な作用効果が得
られる。

なお以上は連続メツキ設備用の無酸化加熱炉に
ついて説明したが、本発明は被熱物を所定の温度
に加熱する、他の加熱炉にも適用できるものであ
る。

以上設明したように本発明においては、被熱物
の寸法や材質、送り速度、被熱物の加熱温度など
の加熱条件から制御ゾーン数を決定し、該制御ゾ
ーン以外では加熱を停止するとともに全制御ゾー
ンにおいて加熱量のカスケード制御をおこなうの
で、加熱量の制御巾が大きく、加熱操業中におけ
るバーナの点灯、消灯を生じることがないため、
被熱物への未燃分の付着や局部的な過度の酸化痕
の発生などのバーナの点灯、消灯に伴う弊害を一
掃でき、また低流量カツトなどをおこなう必要が
ないので制御装置の構成が簡単で済む。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の第１実施例を示す加熱炉の
制御装置の系統図、第２図は第１図の加熱量制御
装置の部分詳細系統図、第３図はこの発明の第２
実施例を示す第２図相当図、第４図はこの発明の
第３実施例を示す第２図相当図である。 １……加熱炉、２……炉出口、３……バーナ、
６……赤外線温度計、７……被熱物温度調節計、
１１……第１ゾーン、１２……第２ゾーン、１３
……第３ゾーン、１４……第４ゾーン、１５……
第５ゾーン、２１……加熱量制御装置、３１……
制御ゾーン選定装置、３２……計算機、３３……
判別装置、３４……切換スイツチ、３５……炉内
温度検出器、３８……炉内温度検出器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 炉内を炉長方向に複数個のゾーンに分け、各
   ゾーンに加熱装置をそなえるとともに、炉内にお
   いて被熱物の進行方向と反対の方向に高温ガスを
   流通させる加熱炉において、上記ゾーンのうちか
   ら被熱物の加熱条件に応じた数のゾーンを炉出口
   側に寄せて制御ゾーンとして選定し、上記制御ゾ
   ーン以外の各ゾーンにおいては加熱を停止し、上
   記制御ゾーンにおいては該ゾーンの上記各加熱装
   置における加熱量をカスケード制御して被熱物の
   温度を所定値に制御することを特徴とする加熱炉
   の制御方法。 ２ 炉内を炉長方向に複数個のゾーンに分け、各
   ゾーンに加熱装置をそなえるとともに、炉内にお
   いて被熱物の進行方向と反対の方向に高温ガスを
   流通させる加熱炉において、炉出口部に設けた被
   熱物温度検出器と、該検出器の出力信号と設定値
   とを比較しその差に応じた出力信号を発する被熱
   物温度調節計と、上記各加熱装置における加熱量
   を制御する加熱量制御装置と、上記ゾーンのうち
   から被熱物の加熱条件に応じた数のゾーンを炉出
   口側に寄せて制御ゾーンとして選定し該制御ゾー
   ンの上記加熱量制御装置のみに上記被熱物温度調
   節計の出力信号を与える制御ゾーン選定装置とを
   そなえて成る加熱炉における被熱物温度制御装
   置。