JPS6295292A - オフセツト印刷用湿し剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はオフセット印刷用の湿し剤または湿し剤濃縮物
に関する。オフセット印刷は、印刷の際、印刷シリンダ
に締着された印刷版に印刷インクを塗布する過程で、印
刷版面の非画像領域を印刷インクの存在しない状態に保
つためにいわゆる「湿し水」を必要とする。その場合に
、湿し水または湿し剤が印刷版面の非画像領域を十分に
濡らしそして更に画像領域に塗布された印刷インクと適
正に乳化されるようになることが印刷の質にとって必要
なことである。このようなオフセット印刷用湿し剤は本
質的に水から成シ、その水には通常少量の変性用添加剤
例えば声調堅物質、湿シ保持剤（ｈｕｍｅｃｔａｎｔ）
　、湿潤剤、膜形成剤、保存剤そして所望により水混和
性有機溶媒が添加されている。

湿し水は通常、印刷に先立ち印刷者自身によって調製さ
れるが、その間変性用添加剤は主として、適当な専門供
給者から入手可能な予め製造された湿し水添加剤または
湿し剤濃縮物の形で存在し、そして水に添加するかまた
は水で希釈するだけでよいようになっている。

オフセット印刷に用いられる湿し剤の本質的要件は、主
として、それら湿し剤が安定ｐＨ値を酸性領域、例えば
ｐ［（３〜ｐＩ（乙の間、通常はｐＨ４〜ｐＨ５，５の
範囲内に有していることである。これは通常、ポリカル
ボン酸またはポリヒドロキシカルボン酸およびそれらの
塩に基づく緩衝系によって達成される。最も頻繁に用い
られる緩衝系はクエン酸ナトリウム／クエン酸である。

しかしながら、このような湿し剤はそれらの接触する印
刷機部品、特に、主としてニッケル金属製であるかまた
はニッケル被覆を有する印刷シリンダーに腐食現象を生
じかねない。ここで、その腐食問題はシリンダー面のニ
ッケル金属の溶解から、主として印刷版と印刷シリンダ
ーの間の接触域における重大な点食例に至ることがある
。その結果、印刷製品の品質に悪影響を及ぼし得る寸法
変化が生じたり、印刷シリンジ゛−の運転寿命が短くな
ったり、運転回数が減少したり、−また印刷機の重大な
損傷に室ることがある。

そこで、各種腐食防止剤により湿し剤の腐食性を低減さ
せようとする試みが多く行われている。例えば、湿し剤
に対し、例えば有機亜鉛塩例えばグルコン酸亜鉛および
グルコヘプトン酸亜鉛、水溶性無機ポリホスフェート、
フェニルアルソン酸およびその誘導体、プロ・ξルギル
化合物、チオ尿素およびその誘導体が腐食防止剤として
添加されている。ＥＰ１０８８８３によれば、１Ｈ−ベ
ンゾ）　ＩＪアゾールの添加が著しい腐食防止効果を有
するとされている。しかしながら、そこに述べられてい
るように、また自家（イン・ハウス）実験で確認された
ことでもあるが、１Ｈ−ペンゾトリアゾールの防止作用
はｐ）（５以上のあたシの比較的弱酸性でのみ許容しう
ろ程に十分であるが、低声値にある湿し剤の場合には不
十分である。このように、既知の腐食防止剤はすべて、
ある程度の腐食保護を与えろものの、完全には腐食を防
止しない、特によシ広い…領域にわたって腐食を防止し
ない点で共通していることが知られている。またこのこ
とは湿し剤が脱塩水で調製されそして５よりも明らかに
低い州値を有する場合に特にいえることである。

従って、印刷業界においては、少くとも腐食性が画然と
して減少したオフセット印刷用尋し剤が絶えず特に必要
とされている。

今般、驚くべきことに、自体知られた組成の湿し剤は銅
イオンを含む場合にはニッケル金属に対し腐食作用を実
質的に示さないことが見出された。多くの実験で見出さ
れたことであるが、重要なのは即時使用可能な湿し剤中
の銅イオンの量ではなく、反対に、銅イオンの存在それ
自体である。即時使用可能湿し剤中の銅イオン量が、例
えば０．１　ｐｐｍ程度の極微量であってもニッケル減
耗を相当に減少させるということは全く予測し得ないこ
とであった。更に、その腐食防止作用がシリケートイオ
ンの付加的存在、例えば１〜ｉｏｏｏｐｐｍ程度の存在
によって高められることも見出した。

このように、本発明は、銅イオンを含有する、オフセッ
ト印刷のための湿し剤または湿し剤濃縮物を提供する。

本発明は更に、付加的にシリグートイ１オンをも含有す
る、オフセット印刷のための湿し剤または湿し剤濃縮物
を提供する。

本発明は更に、使用されるべき湿し剤または湿し剤濃縮
物に銅イオンを添加することより成る湿し剤により生じ
るオフセット印刷機の腐食防止方法を提供する。

本発明の提示する如く、極めて少量の銅イオンであって
も例えば水溶性銅塩の形で添加することにより、所望さ
れる組成の如何に拘らず、すべてのオフセット印刷湿し
剤のニッケル金属に対する腐食作用を激減させ、あるい
は実質的に完全に抑制することができる。即時使用可能
湿し剤中の銅イオン含量は、０．０１〜１００　ｐｐｍ
　。

好ましくは０．１〜１０　ｐｐｉｎがすべての場合に有
効であることが判朋している。すなわち、例えば、即時
使用可能湿し剤中の銅イオン含量がわずか０．１　ｐｐ
ｍであっても、如何なる腐食防止剤をも含有しない対応
湿し剤に比ベニッケル減耗は約９０％減少する。これに
対し、ＢＰ１０８８８３から知られる腐食防止剤１Ｈ−
ベンゾトリアゾールは、１０の数乗も高い０．０１％（
Ｑｌｏｏｐｐｍ）という濃度であってさえもニッケル減
耗をわずかに約６０％だけ低下させるにすぎない。即時
使用可能湿し剤中の銅イオン含量の高い方が（例えば１
〜１０ｐｐｍの程度）、なお一段と有効である。しかし
ながら、更に高い濃度は一般的に経済的ではない。湿し
剤が付加的にシリケートイオン、例えば１〜１１０００
ｐｐｍ、好ましくは１０〜５００　ｐｐｍ程度のシリケ
ートイオンを含有する場合には、ニッケル減耗は実質的
に完全に阻害されろ。

腐食防止に必要な銅イオンおよび所望忙よりシリケート
イオン量は、印刷に実際に用いる前に通常の組成を有す
る即時使用可能湿し剤に対応する塩の形で添加すること
ができる。原則的に、問題なく水溶性であって水性媒質
中で銅イ゛　オンを放出するすべての銅塩が適している
。それと同じことが使用すべきシリケート化合物にもい
える。極めて適した銅塩は例えば硫酸銅、硝酸銅、酢酸
銅および塩化銅である。好ましいシリケートイオン供与
体は例えばアルカリ金属シリケート例えばケイ酸ナトリ
ウムおよびケイ酸カリウムである。

対応する湿し剤濃縮物と水からオフセット印刷に使用す
る直前に湿し剤を調製することは有利であフまた慣用さ
れている。湿し剤濃縮物は通常濃縮水性溶液であるが、
場合によっては、オフセット印刷用湿し剤に必要な添加
剤を含有する固体状、粉末状、錠剤状またはは−スト状
のものであってもよい。これら濃縮物は、水に例えば１
〜１０％強度、好ましくは２〜５％強度の溶液となるよ
う希釈または溶解することにより即時使用可能湿し剤の
調製に用いられる。操作用水の品質は場所的に異なり、
しばしば変動するものであシ、シかも湿し剤を介しての
印刷製品に対するそれらの影響を予測することは困難で
あるため、処理された水、好ましくは脱塩水または８〜
１２°の神式硬度の水を用いて湿し剤を調製するのが好
ましい。

湿し剤濃縮物は、一般的に、湿し剤の特性を調節する極
めて広範囲の物質を、通常は経験的に決められ、しばし
ば変え得る量で含有する。

それらは実質的に常に、約３〜６の範囲の直値、通常約
ｐＨ５を通常生じるｐ）１％節剤を含有する。

この目的には、主としてクエン酸塩緩衝剤が用いられる
。これらの濃縮物は更に湿シ保持剤、通常ポリアルコー
ル例えばグリコール、グリセロール、ソルビトール、ヘ
キシトールまたはポリグリコールなどに基づくもの、膜
形成剤例えばアラビアゴム、湿潤剤例えば陽イオン、陰
イオン、非イオンまたは両性界面活性剤、好ましくは非
イオン界面活性剤、そしてしばしばそのほかに、軟化剤
例えば錯化剤例えばＥＤＴＡを含有しうる。更にこれら
濃縮物は通常、貯蔵寿命を延長するために、抗微生物お
よび／または抗菌作用を有する商業的に入手しうる保存
剤をも含有する。しばしばかかる湿し剤濃縮物は各種成
分の一様の溶解を保証するために、可溶化物質例えば水
と相容性のある有機溶媒、通常はアルコール例えばメタ
ノール、エタノールまたはイソプロパツールをも含有す
る。

本発明によれば、更に、かかる湿し剤濃縮物にはまた、
有利にも、十分な量の銅イオンおよび必要に応じ更にシ
リケートイオンを腐食防止目的に添加し得る。これらの
濃縮物中、銅イオン含量は約０．１〜１１０００ｐｐｍ
、好ましくは１〜５００ｐｐｍであシ、またシリケート
イオン含量は１０〜１０１００００ｐｐ好ましくは１０
０〜ｓ　ｏ　ｏ　ｏ　ｐｐｍである。本発明による典型
的湿し剤濃縮物は、例えば、５〜１５重量％、好ましく
は約１０重量係ノクリセロール、２〜１０重量％、好ま
しくは約５重量係のクエン酸塩緩衝剤、１〜５重量係、
好ましくは約３重量係のアラビアゴム、約１重量％の保
存剤、３〜１０重量％、好ましくは約５重量％のインプ
ロパツールおよびそのほかｏ、ｏｏｏｉ〜０．０５重量
係の重量％（約１〜５００　ｐｐｍの銅イオンに相当す
る）および所望によ、９０．０１〜０．５重量％のケイ
酸ナトリウム（約１００〜５０００ｐｐｍのシリケート
イオンに相当する）を含有する。

本発明により銅イオンを含有させることにより、湿し剤
と接触するオフセット印刷機部品、特にニッケル金属製
の印刷シリンダーに対する腐食作用を実質的に全く示さ
ないオフセット印刷用湿し剤を調製するための湿し剤濃
縮物が、今や当業者に対し入手可能となる。

実施例　１ １０　　重量％のグリセロール ７５　重量％のクエン酸 ２　　重量％の水酸化ナトリウム ２　　重量％のアラビアゴム ５　　重量％のインプロパツール １　　重量％の防黴剤 ｏ、ｏｏｉ重量係の硝酸銅 残部：脱塩水 から湿し剤濃縮物を調製する。

この溶液は４．０の州値を有する。それを（脱塩水中の
）４％強度の水性溶液の形でオフセット印刷に常法によ
シ湿し剤として用いる。

実施例　２ ２５　　重量％のグリセロール ５　　重量％のクエン酸 １．６　　重量％の水酸化す）　ＩＪウム１　　　重量
％のポリプロピレングリコール３０２０１　　重量％の
ポリエチレングリコール１００００．５　　重量％の非
イオン界面活性剤１　　重量％の防黴剤 ｏ、ｏｏｉ重量％の硝酸銅 ０．０１　重量％のケイ酸ナトリウム 残部：脱塩水 から湿し剤濃縮物を調製する。

この溶液は４．２の州値を有する。それを（脱塩水中の
９４％強度の水性溶液の形でオフセット印刷に常法によ
）湿し剤として用いる。

実施例　３ 試験： まず、実施例１と同様にではあるが硝酸銅は用いずに湿
し剤を調製した。それを用いて４％強度水性溶液の形で
一連の湿し剤を調製した。

次にこの湿し剤に、一部濃度を様々に変えて本発明の腐
食防止剤のほか既知の腐食防止剤も添加した。

次に、直径３ｃｍのニッケル管をこれら試験溶液中に約
４ｃ！ｎの深さまで浸漬し、そしてそれぞれの攪□拌溶
液の作用に長時間晒した。

ニッケル管の重量を周期的に精密測定し、更に溶液中の
ニッケル含量を定量測定することによフ、１平方メート
ルおよび１日あたりの平均ニッケル減耗度（ダラム）を
腐食性の尺度として測定した。第１表はその結果を示し
たものである。

第１表 １　　　　　な　　し　　　　　　　　　　　　　　９
　ｇ／ｍ２０日２　０．０２　　　％のトリポリ燐酸カ
リウム　　９’　　ｇ／ｍ２−日３　０．００４　　％
のＩＨ−＜７ソ゛トリアソ゛−ル３．５　ｇ／Ｉｎ”−
日４　０．０１　　　％の１Ｈ−ベンン゛トリアソ゛−
／ｌ／　　３．１　　ｇ／ｍ２．日５　０．００００１
％のＣｕ２＋（硝酸塩として）　　　１．１ｇ、／ｒｎ
２．日６　０．０００１　　％のＣｕ２＋（硝酸塩とし
て）　　　１．０ｇ／ｍ２．日７　０．０００１　　％
のＣｕ２＋（酢酸塩として）　　　０．８ｇ／ｍ２．日
８　０．００１　　％のＣｕ２＋（硝酸塩として）０．
６ｇｊｍ２０日９　０．００１　　％のＣｕ２＋（硝酸
塩として）溶液番号１〜４について得られた結果は既知
の腐食防止剤を用いた場合にはニッケル減耗度を約６５
％低減できることを示している。

腐食防止剤を用いない湿し剤試料（溶液番号１）に比べ
、本発明によシ銅イオンを添加することにより（溶液番
号５〜８）ニッケル減耗度を約８８〜９３％低減できる
。

本発明により銅イオンとシリケートイオンを組合わせる
ことにより（溶液番号９）ニッケル減耗度は９６％低減
するのに対し、シリケートイオン単独の存在では（溶液
番号１０）約３０％の低減をみるにすぎない。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、銅イオンを含有することを特徴とする、オフセット
   印刷のための湿し剤または湿し剤濃縮物。 ２、銅イオン含量が０．０１〜１００ｐｐｍ、好ましく
   は０．１〜１０ｐｐｍである特許請求の範囲第１項記載
   の湿し剤。 ３、銅イオン含量が０．１〜１０００ｐｐｍ、好ましく
   は１〜５００ｐｐｍである特許請求の範囲第１項記載の
   湿し剤濃縮物。 ４、付加的に１〜１０００ｐｐｍ、好ましくは１０〜５
   ００ｐｐｍのシリケートイオンを含有する特許請求の範
   囲第２項記載の湿し剤。 ５、付加的に１０〜１００００ｐｐｍ、好ましくは１０
   ０〜５０００ｐｐｍのシリケートイオンを含有する特許
   請求の範囲第３項記載の湿し剤濃縮物。 ６、使用すべき湿し剤または湿し剤濃縮物に銅イオンを
   添加することを特徴とする湿し剤に起因するオフセット
   印刷機の腐食防止方法。