JPS629094Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、段ボール等の基材に表層シートを
重ねてプレス成形する自動車のルーフライニング
の如き内装材の製造における、基材の供給装置に
関するものである。

最近、自動車のルーフライニングの如き内装材
を合成樹脂と複合した段ボールとか、フエルト状
物を基材として一度プレス成形したものに、布状
物等の表層シートをホツトメルトを介して再度プ
レス成形して一体に製造する方法が多く行われる
ようになつた。

この方法においては、適当な大きさに裁断され
た段ボール等の基材をプレス金型上の正確な位置
に載せることが第一番に要求される。

従来その手段として、金型面に位置決め位置を
印すか、位置決めの当てを設けて、人手によつて
その都度位置決めする方法と、別の基材置台上に
人手によつて正確に位置決めして置いたものを、
適宜な方法で一定ストローク移動してプレス金型
上に載せる方法等が行われていた。

これらの方法は、いずれも人手により基材を１
枚ずつ正確に位置決めして置くことに変わりな
く、そのため手数がかかり注意力を必要とするも
のであつた。

この考案は、こうした手数や注意力を不要とす
る目的で、基材の位置決めを機械的に行つて能率
を向上しようとするもので、以下添付の例示図面
にもとづいて説明する。

合成樹脂と複合した段ボールとかフエルト状物
よりなり適宜寸法に裁断された基材１をテーブル
リフト２等に大体揃つた程度にして積んでおき、
このテーブルリフト２とプレス機３の間にあつて
プレス機の近くに位置決台４を設置し、この位置
決台４には周辺の１辺または２辺に固定した当板
５を設け、（図ではプレス機側の１辺にのみ設け
たものを例示してある。）その他の辺にはシリン
ダーによつて移動できる押板６を設けて、位置決
台４上に載せた１枚の基材１の周囲を、当板５に
押板６によつて押し当て、当板５のない場合は両
側に押板６を設けて、両側から押し合つて位置決
めするようにし、この位置決めされた基材１と、
積み重ねてある最上位の１枚の基材１を、連結枠
７に一体的に連結した２個の吸着枠８ａ，８ｂに
夫々吸着させて、この連結枠７を移動シリンダー
９により一定ストロークプレス機３側に移動させ
ることにより、位置決台４上の基材１をプレス機
の金型１０上に、また積重ねてある最上位の１枚
の基材１を位置決台４上にそれぞれ同時に移動さ
せるようにしたものである。

尚、位置決台４上の基材１を吸着する吸着枠８
ａと、テーブルリフト２上に積み重ねた基材１を
吸着する吸着枠８ｂとには、夫々複数個の真空吸
着装置１１ａ，１１ｂを備え、さらに連結枠７に
昇降シリンダー１２ａ，１２ｂによつて連結され
ている。

一方移動シリンダー９は機枠１４に取り付けら
れ、ロツトの先端にはピニオン１３が回転自在に
取り付けてあり、機枠１４に取り付けた固定ラツ
ク１５と、前記連結枠７に取り付け、固定ラツク
１５と向い合つて平行に配置した移動ラツク１６
の間で両方に噛み合つて移動シリンダー９のスト
ロークの２倍のストロークを連結枠７に与えるよ
うにし、この連結枠７は機枠１４をガイドとして
移動するように構成されている。

またテーブルリフト２は積重ねた基材１の上面
がいつも同じ位置になるように、光電スイツチ等
を利用して制御するものである。

次に作用について説明する。

第１図の状態はプレス機３が基材１をプレスし
ており、この時移動シリンダー９は伸びていて連
結枠７を後端に移動させており、この状態の時位
置決台４の上方に吸着枠８ａが位置し、テーブル
リフト２上方に吸着枠８ｂが位置している。

ここで昇降シリンダー１２ａと１２ｂが吸着枠
８ａと８ｂを下降させて、真空吸着装置１１ａ，
１１ｂが位置決台４上の基材１とテーブルリフト
２上に積み重ねた基材１の最上部の１枚を夫々吸
着し、昇降シリンダー１２ａ，１２ｂが復帰し
て、吸着枠８ａ，８ｂを引上げる。

以上の動作が完了するまでにプレス機３はプレ
スを完了し、金型１０は開いてプレスされた製品
は取り出されている。そして第２図に示すように
移動シリンダー９を引込めば、前記のピニオン１
３と固定ラツク１５、移動ラツク１６の作用によ
り、移動シリンダー９のストロークの２倍の距離
だけ連結枠７が基材１を吸着して吸着枠８ａ，８
ｂと一体的にプレス機３の方向に移動して、位置
決台４上の基材１は金型１０のダイ上に、またテ
ーブルリフト２上の最上部の１枚の基材１は位置
決台４上に位置するようになつており、ここで昇
降シリンダー１２ａ，１２ｂを働かせて吸着枠８
ａ，８ｂを下げ、真空吸着装置１１ａ，１１ｂの
吸着を外せば、基材１，１は金型１０のダイ上と
位置決台４上に載ることになり、続いて昇降シリ
ンダー１２ａ，１２ｂを復帰させて、吸着枠８
ａ，８ｂを引き上げ、再び移動シリンダー９を伸
ばせば、連結枠７と吸着枠８ａ，８ｂは一体的に
後退して第１図の状態に戻る。

ここで位置決台４上に載つた基材１は押板６が
後端と左右の３方から押板シリンダー６ａにより
引かれて、基材１をプレス機３側となる、前端の
当板５に押し当てるとともに、左右の押板６，６
は基材１を左右から押し合つて中央に位置させる
ことにより正確な位置決めを完了する。

またプレス機３は連結枠７が引戻されると、直
ちに下降して金型１０のダイ上に置かれた基材１
をプレスし、引続いて表層シートを成形された基
材１上にホツトメルトを介して重ねて同様にプレ
スして１個の製品が完成するもので、以上の動作
を連続的に繰り返して生産を続けるものである。

この考案は以上述べたように、積重ねた基材と
プレス機の間に位置決台を置いて機械的に位置決
めを行うので、人手による位置決めの必要がな
く、位置決めが正確、確実に行えるとともに、基
材の供給もプレス機と位置決台とに同時に一工程
で自動的に行うので良好な能率を発揮し得る効果
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は基材を供給態勢にあつて待機している状態を
示す図、第２図は基材を供給している状態を示す
図、第３図は第１図をＡ−Ｂ矢の方向に見た図で
ある。 １……基材、２……テーブルリフト、３……プ
レス機、４……位置決台、５……当板、６……押
板、６ａ……押板シリンダー、７……連結枠、８
ａ，８ｂ……吸着枠、９……移動シリンダー、１
０……金型、１１ａ，１１ｂ……真空吸着装置、
１２ａ，１２ｂ……昇降シリンダー、１３……ピ
ニオン、１４……機枠、１５……固定ラツク、１
６……移動ラツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 段ボール等の基材と表層シートを重ねてプレス
   成形する自動車内装材の製造において、テーブル
   リフト等に積み重ねた基材を、プレス機近くに設
   置した位置決台に一旦載せて、位置決台の周辺に
   固定した当板や、移動可能な押板により、基材の
   周囲を規制して位置決めを行い、この位置決めさ
   れた基材と積み重ねた基材を、一体的に連結した
   ２個の吸着枠に夫々吸着させて、この２個の吸着
   枠を一定のストローク移動させることにより、位
   置決台上の基材をプレス機の金型上に、また積重
   ねた基材を位置決台上にそれぞれ同時に移動させ
   るようにしたことを特徴とする、自動車内装材成
   形における基材の供給装置。