JPS628315B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、主として多色刷りオフセツト印刷機
を対象とする印刷ずれの検知方法に関し、その目
的とするところは、印刷過程の１段目において被
印刷シート（紙、金属及び樹脂材等）の余白部に
印刷される位置決め用十字形マーク（トンボ）
を、２段目以降即ち２色目よりの印刷工程中でそ
の位置を検出し、もつて、印刷面の色ずれ、総じ
ては印刷ずれを検知し得る新規な方法を提案せん
とするにある。

以下図面を参照しながら本発明の方法に基ずく
検知装置をチンプレート即ちブリキ板用のオフセ
ツト印刷機に附設した場合の具体例につき説明し
よう。

第１図はその概略を示す要部の略線的側面図で
ある。図において、１は版板を装着した版胴、２
は転写用ゴム胴、３は圧胴、４はインクタンク４
ａを含むインク供給ロール群、５は湿し水タンク
５ａを含む湿し水供給ロール群、Ｓはゴム胴２及
び圧胴３の間で移送される被印刷ブリキ板（以下
シートという）を示し、このシートＳは例えば図
において左方位置に予めSaの如くスタツクされ
て順次送り込まれ、印刷済みのものは右方位置に
再びSbの状態としてスタツクするようになされ
ており、斯るオフセツト印刷機自体の基本的態様
は周知である。

また、図中６は印刷機の出口側においてシート
Ｓの下面に接する如く配された例えば３連装のマ
グネツトロール（シート躍動防止手段）７及び８
はこのマグネツトロール６の位置に対応してシー
トＳの上面側に設けられたビジコン〔全体として
は後述する撮像部２０〕とストロボ〔全体として
は後述するストロボスコープ部１９〕とを示し、
双方は一体的な検知構体９となされそのビジコン
７により通過するシートＳの四隅等に印刷されて
いる上述のトンボを瞬間静止拡大像として補捉し
得る如くなつている。

第２図は印刷機に対する主として検知構体９の
装架手段の説明に供する図で、本例の場合はシー
トＳの出口側に左右一対のフレーム１０（一側は
省略）を設けて、それらの間に例えば平行な２本
のガイドロツド１１を取付け、双方のガイドロツ
ドを案内として検知構体９を印刷機の各胴と平行
にスライドし得る如くなされており、ビジコン７
の本体下面より突出されたヘツド部１２を移送シ
ートＳの例えば四隅余白部にトンボｍに対向させ
て、その瞬間静止像即ち拡大十字像をキヤツチす
ることは既に述べた通りであるが、トンボｍの撮
像に際しては例えばシートＳの対角位置のように
距離のはなれた２箇所について行えば印刷ずれの
発見上有利となる。又次に説明するヘツド部の光
学系とシートＳとの間隔は所謂ピンボケを回避す
るため一定に保持されるのであり、例示のような
マグネツトロール６とかあるいは適切な負圧吸引
手段などで移送シートの躍動を常に防止する設定
となされている。

第３図はビジコンヘツド部１２の要部構造を示
す略線的一部縦断側面図である。図において１３
はヘツド部の外装である筒体（保護筒）、１３′は
その下端開孔、１４は開孔に臨んで配されたフラ
ツシユ用リングチユーブ、１５はその反射板、１
６は光学系の内筒を示し、この内筒１６の中心線
が光軸となされており、光軸上にはトンボｍ（第
２図）の５〜10倍拡大像をビジコンのフエースプ
レートに結像させるためのレンズ系１７が配設さ
れている。

また、第４図は本例装置を構成する電気回路の
ブロツク図を示し、これを大別して同期信号発生
部１８、ストロボスコープ部１９、撮像部２０及
び増巾部２１よりなる。即ち同期信号発生部１８
にはゴム胴２（又は版胴）からタイミング信号を
取出すためのシグナル回路２２が設けられ、以
下、ストロボスコープ部１９、撮像部２０、増巾
部２１の各設定要素としては夫々の破線内に示す
如くトリガ回路２３、ストロボ電源２４、カメラ
部２５（ビジコン）、円走査回路２６、カウンタ
回路２７、パルス巾測定回路２８、コンパレータ
２９ａ，２９ｂ、警報回路３０、電源回路３１等
を備えて図示のように接続されたものである。な
お、図中、３２はモニター用ブラウン管、３３は
ブザー乃至はその他の警報器を示す。

次に実施例の印刷ずれ検出、つまりトンボｍの
検出について説明するに、まず第２図に示されて
いる検知構体９の位置を予め所定に調整して印刷
を開始し、ゴム胴２及び圧胴３の間より送り出さ
れたシートＳのトンボｍがビジコンヘツド部１２
の真下に到達した時トリガ回路２３（第４図）を
オンせしめて、ビジコン７のフエースプレートに
トンボｍの瞬間的な拡大十字像を結像させる。こ
の場合ストロボ８の閃光時間は１〜３μＳであ
り、そのタイミングの規制は同期信号発生部１８
よりの信号でなされる。

そして本発明は上述の拡大十字像を円走査する
ことにより、これを矩形のパルス波形として取出
するようになされるのであるが、一般的にトンボ
ｍは略0.1ｍ／ｍ線で印刷されるため、ビジコン
の受像面における拡大像は0.5〜1.0ｍ／ｍ線の像
となり、通常の解像力を有するビジコンであれば
その用途に供し得るものであり、ビジコン出力を
適宜増巾し、かつビジコンの円走査周期に同期し
て、水平走査されるモニターブラウン管の垂直偏
向入力とすることによつて、第５図Ｂに示す如き
拡大十字像のパルス波形を見ることができる。

故に、本例の装置を多色刷り印刷機の例えば２
色目刷上り位置に設置した場合に印刷ずれ（色ず
れ）が出ると、拡大十字像は第６図Ａのようにず
れ、円走査出力はその１周期のうちに５個以上の
パルスを含む同図Ｂの如きパルス波形となり、上
述のモニターブラウン管によつてこの波形を直視
し得るし、色ずれが僅かであると拡大十字像は分
離しないが、一般に色ずれの許容限界は0.1ｍ／
ｍであり、この場合は１個のパルス巾ｗ（第５図
Ｂ）が70.7％以上太くなつたことを検知すればよ
く、従つてモニターブラウン管上の波形を目視す
ることで判別が可能である。

そこで、第４図に示す如くビジコン２５の出力
をカウンタ回路２７及びパルス巾測定回路２８に
供給して、円走査１周期中のパルス数をカウント
させると共に各パルス巾を測定せしめ、円走査１
周期のうちに５パルス以上をカウントした場合と
か、パルス巾が例えば標準の1.7倍以上となつた
時に警報器３３を作動せしめる如くなせば印刷ず
れ（色ずれ）が予め設定した許容限界を超えた場
合自動的に警告を発せしめることが出来る。

以上は本発明の一実施例であるが、従来なされ
ているこの種の印刷ずれ（色ずれ）のチエツク
は、多色印刷物の仕上り品位を左右する重面な機
能であるにも拘らず熟練者による目視判別以外の
手段がなく、しかも毎葉チエツクは実際上出来な
いので、印刷ずれを見出した時には既に相当数の
印刷ずれの不良品が出ていることになるため、こ
れによる不良ロスも無視出来ぬ量になつていた
が、本発明はこれらの問題を一挙に解決して多色
印刷工程の大巾な省力化と印刷歩留りの向上に大
きく寄与し得るものであり、その実益は頗る大き
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を適用したオフセツト印刷機の
例を示す略線的側面図、第２図はその要部の説明
に供する斜視図、第３図はビジコンヘツド部の構
造を示す略線的一部縦断側面図、第４図は電気回
路を示すブロツク図、第５図及び第６図は走査波
形の説明に供する図である。 １は版胴、２はゴム胴、Ｓはシート、ｍはトン
ボ、７はビジコン、８はストロボ、９は検知構
体、１２はビジコンヘツド部、１４はリングチユ
ーブ、１７はレンズ系、１８は同期信号発生部、
１９はストロボスコープ部、２０は撮像部、２１
は増巾部である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 印刷機の運転中において、被印刷シートに印
   刷された位置決め用十字形マークをストロボスコ
   ープ光源の同期発光により静止画像として捕捉
   し、該画像をビジコン受像面上に略その中心を合
   致させて光学的に拡大結像せしめると共に、その
   拡大十字像を円走査により電気的パルス波形出力
   として取出し、上記円走査の１周期におけるパル
   ス数のカウント及びパルス巾の測定により、上記
   被印刷シートに対する印刷ずれを検出することを
   特徴とする印刷ずれ検知方法。