JPS627937Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は排水管に関し、更に詳細には例えば空
気調和機等の受水器に取付けられる排水栓に関す
る。

例えば、空気調和機などにおける受水器には該
受水器に溜つた水を外部へ放出するための排水栓
が取付けられている。従来の排水栓は、第１図に
示されるように、受水器１の側壁２に形成された
穴３に側方から挿入され、且つ側壁２に溶接等で
固着された真直な排水管４から成つていた。そし
て、この排水管４の外側端部にはホース５が嵌合
接続され、所望場所へ受水器内の水を排水するよ
うにされていた。

しかしながら、叙上の如き従来の排水栓即ち排
水管４は受水器１に対して溶接等により固定しそ
の後塗装等の表面処理を施していたため、溶接組
立ておよび表面処理のための加工工程を要し、し
かも表面処理時には塗料だまりを生ずるなどの欠
点があつた。また、組立て時に前述の如く受水器
１に固着された排水管４は、当該受水器から突出
しているため、例えば空気調和機等における最大
外形寸法もその分だけ大きくなり、その結果包装
寸法の拡大化を招き、輸送或いは保管時のスペー
スロスとなつていた。そして、場合によつては輸
送途中で突出した排水管４の先端を他の物体に当
て当該先端をつぶしたり或いは傷を付けるなどの
損傷を与えることもあつた。更に、受水器１から
水平に突出した従来の排水管４は、このような問
題だけではなく第１図に示されるように外部ホー
ス５を接続した時、この外部ホース５がその接続
部近傍で垂れさがつた際その屈曲部がつぶれて内
部通路を塞いでしまう欠点もあつた。

従つて、本考案の目的は、製品の輸送後におい
て容易に且つ漏水することなく受水器に接続で
き、しかも内部通路に異物の詰りを生じさせるこ
となく屈曲可能な排水管を提供することにある。

以下、本考案の排水管を添付図面に示された好
適な実施例を参照して更に詳細に説明する。

第２図および第３図には、本考案の排水管に係
る一実施例が示されている。この実施例における
排水管１０は、軟質プラスチツク等で形成された
管本体１１を含み、該管本体１１の一端である受
水器接続側端部１２には径方向外方へ張り出した
フランジ部１３が形成されている。このフランジ
部１３の管本体側側面１４は当該管本体側に湾曲
した曲面に形成され、且つフランジ部１３の端面
側も前記側面１４の曲率より小さな曲率で湾曲し
た曲面で形成されている。従つて、前記管本体１
１の端部１２におけるフランジ部１３は全体的に
傘形状を呈し、該フランジ部の外周縁１５は鋭利
に形成されている。このフランジ部１３の管本体
側付根部即ち側面１４側の管本体との付根部には
管本体の軸線に沿う方向に形成されたＶ又はＵ字
状の凹部１６が形成されている。

また、管本体１１にはフランジ部１３に隣接し
た位置で径方向外方へ張り出した支持部１７が一
体的に形成され、この支持部１７のフランジ部側
側面１８とフランジ部１３の外周縁１５との間隔
１９が受水器１への取付溝として供される。その
ため、支持部材１７は、取付溝１９の幅寸法ｌ
を、排水管１０を取付ける受水器１の側壁２の厚
さＬよりも小さくし、受水器１への装着時にフラ
ンジ部１３を押し拡げるように弾性変形させて受
水器の側壁に密着させ得るような好適な位置に形
成される。

管本体１１は、支持部１７より他端側であつて
管本体全長のほぼ中間部分においてその中心軸線
よりほぼ上方の半分を波形状に形成された壁部２
０を有し、この壁部２０の波形は管本体１１の内
面に及び即ち管壁全体に形成されている。更に、
この管本体１１は、前記波形壁部２０に対応する
中心軸線よりほぼ下半分において管本体の外表面
にのみ形成された波形外壁部２１を有する。従つ
て外壁のみが波形に形成された管本体の下半分に
おける内周面２２は第２図に示されるように波形
には形ち付けられてはおらず、他の管内周面部分
と同じ平滑面に形成されている。この管本体にお
ける波形壁部形成位置は管本体の屈曲部となる
が、叙上の如くそのほぼ上半分が内外面ともにほ
ぼ均一な厚さで波形状に形成されているため、屈
曲時この部分を外円にし、また外壁のみ波形に形
成された下半分の部分は内円とすることによりス
ムースな屈曲を行なわせ且つ屈曲後の管本体のそ
の屈曲部内側内周面が平滑であるため排水中にお
ける異物等の目詰り堆積を生じない。

このような排水管１０は、第４図に示されるよ
うに、受水器１の側壁２に形成された切欠６にそ
の管本体１１を差し込むように嵌め込むが、その
際管本体１１の差し込み部分は取付溝１９とされ
る。すなわち、受水器１の切欠６部分において、
その側壁２を支持部１７とフランジ部１３との間
で挾み込むように排水管１０を取付ける。これに
より、前述したように取付溝１９の幅は受水器１
の側壁２の厚さより僅ずかに狭いためフランジ部
１３は凹部１６の作用と相俟つて押し広げられ、
フランジ部の周囲１５は曲率面の内面１４と凹部
１６との相互作用によつて受水器１の側壁内面に
密着し水漏れを防止する。

前述したように、本考案の排水管によれば、受
水器に着脱可能であるためこの排水管を受水器か
ら取り外して輸送できる。そのため受水器又はこ
れを組込んだ製品で排水管の突出するようなもの
等の最大外形寸法が小さくなり輸送および保管の
効率向上が計れると共に輸送途中における排水管
への損傷の恐れもない。

また、排水管の屈曲部において外側の壁部は外
面もまた比較的排水の接しない内面も共に全体に
亘つて波形に形成され、内側の壁部は外面のみ波
形でまた比較的排水の接する内面は平滑にされて
いるため、スムースな屈曲を行なうことができる
と共に屈曲部内側内周面に排水中の異物の堆積に
よる詰り等も防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の排水管を示す断面図、第２図は
本考案の一実施例における排水管を拡大して示す
断面図、第３図は本考案の排水管を受水器に接続
した状態で示す断面図、第４図は本考案の排水管
を取付ける受水器の切欠を示す正面図である。 １……受水器、２……側壁、６……切欠、１０
……排水管、１１……管本体、１３……フランジ
部、１４……湾曲面、１６……凹部、１７……支
持部、１９……取付溝、２０……波形壁部、２１
……波形外壁部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 受水器に取付けられる管状の排水管であつて、
   管本体と、該管本体の受水器接続側端部に形成さ
   れ該管本体側に湾曲して張り出したフランジ部
   と、該フランジ部の前記管本体側付根部に前記管
   本体の軸線に沿う方向に形成されたＶ又はＵ字状
   の凹部と、前記フランジ部の間で取付溝を形成す
   べく前記管本体から張り出した支持部と、前記管
   本体のほぼ上半分にその内面にまで及んで形成さ
   れた波形壁部と、該波形壁部に対応する前記管本
   体のほぼ下半分の外表面にのみ形成された波形外
   壁部とを含み、前記受水器に形成された切欠に前
   記排水管をその取付溝で装着する排水管。