JPS62684Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、液体芳香剤容器の構造に関する。

近年、人の生活空間である、住居、店舗、事務
所等においては、液体芳香剤を収容した容器を室
内に置き、各種の花の香り等を漂わせることによ
つて、より快適な生活を営むようにしている。

〔従来の技術〕

従来のこの種の容器は、液体芳香剤吸揚げ芯を
容器口に差し込んでスリーブで固定し、容器口の
外側には、スリーブを押さえると共に芳香剤発散
開口を有する二重壁構造の中蓋を冠着し、中蓋の
外壁には、同様に発散開口を有する外蓋を冠着す
る構造となつている。

しかし、この従来の容器においては、中蓋の構
造が複雑であるため製作上および美観上制約が多
いと云う難点がある。また、中蓋が複雑であるこ
とによつて、容器口および外蓋の構造にも複雑さ
が要求される欠点がある。

〔目的〕

本考案の目的は、このような従来の欠点を解消
し、構造が単純で、所望のデザインを施すことが
容易で、しかも取扱い操作が便利な液体芳香剤容
器を提供することを目的とする。

〔構成〕

本考案の液体芳香剤容器は、液体芳香剤を収容
する容器本体と、液体芳香剤吸揚げ芯を保持し且
つ容器口に嵌合されるスリーブと、容器の周囲部
に着脱自在に被せられる略筒状の中蓋の外周面に
密着する状態でこれを覆い、且つ円周方向に回動
可能な状態で中蓋に着脱自在に取り付けられる外
蓋とを具備し、外蓋は側面全周に亘つて多数の縦
方向の装飾溝を有すると共に、一部の装飾溝の底
には液体芳香剤発散用の透孔を有し、前記中蓋は
上端に複数の薄肉突片を備え、突片の先端は外蓋
の天井部の内面に設けたリング状突部に案内され
るように係合し、且つ突片の円周方向中間は外蓋
の発散用の前記透孔と対面し得る発散用間隙とな
つているものである。

〔実施例〕

以下、第１図〜第５図に示す実施例に基づいて
本考案を説明する。

第１図は本考案の一実施例による液体芳香剤容
器を示す部分断面図である、この液体芳香剤容器
は、液体芳香剤２を入れる上部が細くくびれた容
器本体１と、この容器本体１の上部の容器口３に
螺装される略筒状の中蓋８と、この中蓋８に回転
自在に取り付けられる外蓋９とからなつている。
中蓋８は、下部内周に設けた雌ねじを容器口３の
外周に設けた雄ねじに螺合することによつて容器
本体１に固定される。中蓋８の中間部内部には、
吸揚げ芯６を通す孔を備えた押え板１０が設けて
あり、この押さえ板１０によりスリーブ５のフラ
ンジ４を容器口３に押え付けてスリーブ５を容器
本体に固定している。また、このスリーブ５の内
周面には、上縁（上端）から下縁（下端）に達す
る螺旋状の空気流入溝７が設けられている。スリ
ーブ５には下端が容器本体１内の液体芳香剤２内
に臨み、上端はスリーブ５の上端から突出する液
体芳香剤吸揚げ芯６が挿嵌される。この液体芳香
剤吸揚げ芯６が挿嵌される。この液体芳香剤吸揚
げ芯６は毛細管現象によつて液体芳香剤２を順次
吸い揚げるため、フアイバーを寄せ集めた構造と
なつている。中蓋８の上側部は第５図でも示すよ
うに、中心に対して60度の幅を有し、かつ同じく
60度間隔で配設される３本の薄肉突片１１を有し
ている。一方、外蓋９は中蓋８を上方から密着し
た状態で被い、かつ天井部１２を有する下方に向
かつて大径となる筒状体となつている。この外蓋
９は下部内周に沿つて設けた嵌合溝１３を前記中
蓋８の下部外周に沿つて設けた嵌合突状１４に嵌
合することによつて、中蓋８に回転可能に取り付
ける。

また、外蓋９の天井部１２の内面にはリング状
の突部１５が設けられ、この突部１５と外蓋９の
周壁との間に前記中蓋８の突片１１の上端が回転
可能に挿入され、案内されるようになつている。
したがつて、中蓋８の突片１１の円周方向中間は
中蓋８の発散用間隙１６となる。

また、第２〜４図に示すように、外蓋９の上部
から側方に亘つて縦方向の装飾溝１７が円周方向
の全体に亘つて等間隔に設けられている。また、
中心に対して60度に満たない角度幅、たとえば
52.5度の幅内の装飾溝１７の溝底には液体方向剤
発散用の透孔２０があけられ、それらの透孔２０
をあけられた装飾溝１７によつてそれぞれ液体芳
香剤の発散部１８が構成されている。

そして、この52.5度幅部分は120度間隔に３箇
所設けられている。したがつて、外蓋９に発散用
透孔２０がない遮蔽部１９はその幅は67.5度の広
がりを有している。このため、この遮蔽部１９を
中蓋８の60度の広がり部分の発散用間隙１６に対
面させれば、中蓋８の発散用間隙１６は外蓋９の
遮蔽部１９によつて完全に塞がれて芳香の発散は
停止される。

そこで、大気中の芳香発散を行う際には、外蓋
９を回転させて、外蓋９の発散部１８を中蓋８の
発散用間隙１６に合わせ、液体芳香剤吸揚げ芯６
の上部から発散される芳香をこれら発散用間隙１
６、透孔２０を通して大気中に発散させ、生活空
間に所望の花等の香りを漂わせる。この場合、中
蓋８の外蓋９の発散用の透孔２０を塞ぐ突片１１
は薄肉となつているため、外蓋９内部の空間が広
くとれる。そのため、この空間に芳香が発散状態
で溜められることになるので、外蓋を回転して発
散用の透孔２０を開くと、直ちに芳香がひろが
る。

〔効果〕

上記したように、本考案では、中蓋８の構造を
単純にして略筒状にしてあるため、容器口３の口
径に合つたデザインが可能となつている。また、
外蓋９の側面全周に亘つて縦方向の装飾溝１７を
形成したため、外観が良くなると同時に、特に指
でつかみ易く外蓋９の回転が楽にできる利点があ
る。さらに、中蓋８及び外蓋９を夫々点対称的な
単純な構造としたので、芳香剤発散用間隙１６、
発散部１８を大きく形成でき、それ故、従来は困
難であつた芳香剤の瞬間的な広範囲への拡散が可
能となる。また、中蓋の薄肉突片１１の先端が外
蓋９のリング状突部１５に案内されるので芳香発
散用透孔２０の開閉も効率よく行うことができる
と共に、外蓋内部の空間を広くとることができ
る。

以上説明したように本考案によると、構造が単
純であつて、所望のデザインを施すことが容易で
あり、しかも取扱い操作も楽になる等の利点を有
する液体芳香剤容器を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の第一実施例に係る液体芳香
剤容器の一部を破断した正面図、第２図は、第１
図の容器の外蓋の平面図、第３図は、第２図の外
蓋の正面図、第４図は第３図のＮ−Ｎ線断面図、
第５図は、第１図の容器の中蓋の斜視図である。 １……容器本体、２……液体芳香剤、３……容
器口、４……フランジ、５……スリーブ、６……
吸揚げ芯、７……空気流入溝、８……中蓋、９…
…外蓋、１０……押え板、１１……薄肉突片、１
２……天井部、１３……嵌合溝、１４……嵌合突
条、１５……リング状突部、１６……発散用間
隙、１７……装飾溝、１８……発散部、１９……
遮蔽部、２０……透孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体芳香剤を収容する容器本体１と、液体芳香
   剤吸揚げ芯６を保持し且つ容器口３に嵌合される
   スリーブ５と、容器口３の周囲部に着脱自在に被
   せられる略筒状の中蓋８と中蓋８の外周面に密着
   する状態でこれを覆い、且つ円周方向に回動可能
   な状態で中蓋８に着脱自在に取り付けられる外蓋
   ９とを具備し、外蓋９は側面全周に亘つて多数の
   縦方向の装飾溝１７を有すると共に、一部の装飾
   溝１７の底には液体芳香剤発散用の透孔２０を有
   し、前記中蓋８は上端に複数の薄肉突片１１を備
   え、突片１１の先端は外蓋９の天井部１２の内面
   に設けたリング状突部１５に案内されるように係
   合し、且つ突片１１の円周方向中間は外蓋９の発
   散用の前記透孔２０と対面し得る発散用間隔１６
   となつていることを特徴とする液体芳香剤容器。