JPS626404Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、調理器に関し、特にバーナの燃焼排
ガスにより被加熱物を加熱調理する調理器に関す
る。

一般家屋における台所では、冬期において足も
とが冷えやすいが、一般的にスペースが狭くしか
も人の動きも激しいので、暖房器具を設置するこ
とが困難である場合が多い。そこでガスオーブン
などの調理器を暖房器として利用することができ
れば便利であろう。

本考案は、上述の観点に基づいて成されたもの
であり、暖房器として利用することができる調理
器を提供することを日的とする。

以下、図面によつて本考案の実施例を説明す
る。第１図は本考案の一実施例の断面図である。
この調理器１はいわゆる床置型のガスオーブンで
あり、台所の床に設置される。加熱室２内の被加
熱物は、バーナ３の燃焼排ガスによつて加熱され
る。被加熱物を加熱した後の燃焼排ガスは、上部
排ガス排出口４あるいは下部排ガス吹き出し口５
から切換え自在に排出される。

ケーシング６内には加熱室２が形成されてお
り、この加熱室２には、ケーシング６の前面に設
けた扉７を開放して被加熱物が挿入される。加熱
室２の下方には燃焼室８が形成される。加熱室２
の後方側（第１図の右方側）には送風機９が設け
られており、この送風機９はケーシング６の外部
に設けられたモータ１０によつて回転駆動され
る。前記燃焼室８にはバーナ３が設けられてお
り、このバーナ３からの燃焼排ガスを送風機９に
導くための導風路１２が加熱室２内の送風機９に
向けて設けられる。これにより、バーナ３の燃焼
排ガスは送風機９によつて加熱室２を循環し、被
加熱物が全体的に加熱される。

加熱室２の後方寄り上部にはガス出口１３が形
成されており、このガス出口１３に対応するケー
シング６の上部には上部排ガス排出口４が形成さ
れる。またケーシング６の前面における下部に
は、下部排ガス吹き出し口５が形成されており、
前記ガス出口１３と下部排ガス吹き出し口５とを
連通する排ガス流路１６が形成される。この排ガ
ス流路１６は、たとえば加熱室２の後方および燃
焼室８の下方に形成されている。

上部排ガス排出口４付近には、上部排ガス排出
口４および排ガス流路１６の端部を切換え自在に
閉塞する切換え弁１７が設けられる。この切換え
弁１７は、平板状の弁体１８と、その弁体１８を
枢支する回転軸１９とを含み、操作手段２０によ
つて回転駆動される。第２図を参照して、操作手
段２０は、たとえば回転軸１９に関連して設けら
れる歯車２１と、その歯車２１に噛合するウオー
ム２２を備え回転軸１９と直角方向に延びケーシ
ング６の前面から突出される操作軸２３と、その
操作軸２３の突出端部に設けられる操作つまみ２
４とから成る。このような構成により、操作つま
み２４を回動操作することにより、弁体１８は回
転軸１９まわりに回動される。

上述のごとく構成した調理器１において、暖房
を必要としない季節に使用したり、煙が発生する
ような被加熱物を調理する場合には、上部排ガス
排出口４から燃焼排ガスを排出し、煙が出ない場
合には下部排ガス吹き出し口５から燃焼排ガスを
吹き出すようにする。そうすることにより、煙が
発生しない被加熱物たとえばケーキ等を加熱調理
する場合には、調理器１を暖房器具として利用す
ることができる。また加熱調理を行なわないとき
でも、下部排ガス吹き出し口５から燃焼排ガスを
吹き出させることにより、調理器１を暖房器具と
して利用することができる。

なお、一般的にガスオープンなどの調理器には
サーモスタツトが設けられており、燃焼ガス温度
が制御可能である。そのため、特に暖房用として
使用する場合に、下部排ガス吹き出し口５から吹
き出される燃焼排ガス温度を適温に設定すること
により、快適暖房が可能となり、しかも火傷やそ
の他の障害が生じることを防止することができ
る。

本考案の他の実施例として下部排ガス吹き出し
口５に風向きを調節する手段を設けてもよい。さ
らに切換機構は、第２図に示したような手動操作
による機械連動式の機構に限定されず、電磁石や
モータなどを用いた電気的な切換機構であつても
よい。

本考案の他の実施例として、第３図に示すよう
に第１図で示した上部排ガス排出口４、切換え弁
１７および操作手段２０を省略してもよい。この
場合、排ガス流路１６の途中に触媒層２５を設
け、燃焼排ガスの脱煙および脱臭を行なわせるよ
うにしてもよい。なお前述の第１図における排ガ
ス流路１６の途中に触媒層を設けて同様の効果を
得ることもできる。

第４図は本考案の他の実施例の断面図であり、
前述の各実施例に対応する部分には同一の参照符
を付す。この調理器２６は、自然対流式のガスオ
ーブンであり、加熱室２７の下部にバーナ２８が
設けられる。このバーナ２８の燃焼排ガスは矢符
で示すように上方に流過し、それによつて載置板
２９上の被加熱物が加熱される。ケーシング６の
上部には上部排ガス排出口３０が形成されてお
り、この上部排ガス排出口３０から燃焼排ガスが
排出される。

本考案に従えば、上部排ガス排出口３０の上方
を覆うフード３１が設けられ、このフード３１は
ダクト３２の一端部に連結される。このダクト３
２は、ケーシング６の背部および下部にわたつて
排ガス流路３３を形成する。しかもダクト３２の
他端部はケーシング６の前面下部において下部排
ガス吹き出し口３４を形成する。またダクト３２
の途中には送風機９が設けられる。

この実施例においても前述と同様に暖房器とし
ての機能を果すことができる。またフード３１が
上部排ガス排出口３０の上方に間隔をあけて設け
られているので、加熱室２７内が送風機９によつ
て過剰吸引されることはない。また送風機９によ
る吸引を停止すれば、燃焼排ガスは通常の自然排
気方式として矢符で示すように上方に排気され
る。

第５図は本考案の他の実施例の断面図であり、
前述の各実施例に対応する部分には同一の参照符
を付す。この実施例では加熱室２の送風機９寄り
の部分における上部に上部排ガス排出口３５が形
成され、その上部排ガス排出口３５に対応する下
部には排ガス流路３６に連通する開口部３７が形
成される。これらの上部排ガス排出口３５および
開口部３７は、ケーシング６の一側方（第５図の
紙面に沿つて手前側）寄りに形成されており、鉛
直軸線を有する回転軸３８に固着された蓋３９，
４０によつて切替自在に閉塞される。

第６図を参照して、略扇形の蓋３９，４０は、
回転軸３８の円周方向に沿つて同一位置に配置さ
れている。また上部排ガス排出口３５および開口
部３７は、回転軸３８のまわりにずれた位置に形
成されている。そのため、一方の蓋３９で上部排
ガス排出口３５を塞いだ状態で、開口部３７は開
放されており、それとは逆に他方の蓋４０で開口
部３７を塞いだ状態で上部排ガス排出口３５が開
放される。

この実施例によれば、前述の第１図および第３
図のように加熱室２の後方に排ガス流路を形成す
る必要がないので、ケーシング６が小形化され
る。

前述の各実施例では、排ガスの吹き出し口をケ
ーシング６の前面下部に設けたが、本考案の他の
実施例としてケーシング６の前面上部に設けても
よい。

上述のように本考案によれば、調理器を暖房器
具として利用することができるので、台所に暖房
器具を設置するためのスペースが不要となる。し
かも燃焼排ガスが送風機により強制的に吹き出さ
れるので台所全体を均一に暖房することが可能と
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は
切換え弁１７および操作手段２０を示す簡略化し
た斜視図、第３図は本考案の他の実施例の断面
図、第４図は本考案の他の実施例の断面図、第５
図は本考案の他の実施例の断面図、第６図は第５
図の簡略化した斜視図である。 １，２６……調理器、２，２７……加熱室、
３，２８……バーナ、４，３０，３５……上部排
ガス排出口、５，３４……下部排ガス吹き出し
口、６……ケーシング、９……送風機、１６，３
３，３６……排ガス流路、１７……切換え弁、２
０……操作手段、３９，４０……蓋。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ケーシング内の加熱室内に載置された被加熱
   物をバーナの燃焼ガスで加熱調理するようにし
   た調理器において、前記ケーシングの前面には
   排ガス吹き出し口が形成され、加熱室の出口と
   前記排ガス吹き出し口とを連通する排ガス流路
   が形成され、加熱室から排出された燃焼排ガス
   を前記排ガス流路を介して排ガス吹き出し口に
   導く送風機が設けられることを特徴とする調理
   器。 (2) 前記ケーシングの上部には、加熱室の出口に
   対応して上部排ガス排出口が形成されており、
   前記排ガス流路と加熱室との接続部には、燃焼
   排ガスの前記上部排ガス排出口および前記排ガ
   ス流路への流通を切換えるための切換機構が設
   けられ、ケーシングの前面には前記切換機構を
   操作する手段が設けられることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の調理器。