JPS6261326B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高炉や転炉などより排出されるガスの
集塵をおこなう水洗式の集塵器に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

通常高炉、転炉から排出されるガスはダストを
大量に含んでおり、この排ガスはガス冷却器によ
つて約1000〜500℃程度に冷却された後、更に水
洗式の集塵器により冷却集塵され、清浄にされて
ガス回収装置などに回収される。

第５図は上記集塵器の従来例の断面図であり、
排ガスの流路を形成する縦型の管胴５１の一部が
円錐状に縮径されてベンチユリー部５２が形成さ
れ、このベンチユリー部５２の下部円錐胴５２ａ
の内側には、この円錐胴５２ａに内接するととも
に、油圧シリンダー５３にて上下に作動する円錐
体状のリングスリツトエレメント５４が嵌装され
ている。このリングスリツトエレメント５４が下
方に押下げられた場合には、リングスリツトエレ
メント５４とベンチユリー部５２ａとの間にリン
グスリツト５５が形成され、リングスリツトエレ
メント５４が上方に引上げられるとリングスリツ
ト５５は閉鎖されるようになつている。５６は集
塵水のスプレーノズルであり、ベンチユリー部５
２より上方に所定距離をおいて管胴５１の中心位
置に取付けられ、下方向に向かつて円錐状の水膜
を形成するように集塵水を噴射するものである。

以上の如く構成された集塵器において、入口管
５７ａより導入された排ガスは、スプレーノズル
５６より噴射された集塵水の水膜中を通過する際
に、集塵水によつて排ガス中のダストが捕集さ
れ、同時に排ガスは冷却される。この捕集された
ダストは集塵水とともにリングスリツト５５を流
下して外部に排出され、又冷却された排ガスはリ
ングスリツト５５を通過して出口管５７ｂより図
示しないガス回収装置に回収される。この集塵器
が作動中にはリングスリツトエレメント５４は油
圧シリンダー５４によつて上下されてリングスリ
ツト５５の間隙を所定幅に保ち、入口管５７ａ側
のガス圧力を調整するとともに、リングスリツト
５５を通過する排ガスの流量、流速を制御するよ
うにしている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、水洗式の集塵器にてガス中に含まれ
ているダストを効果的に捕集除去するためには、
ガス流速を早くし、このガス流の中に集塵水を噴
射して集塵水を分散させ、ガス流中のダストと混
合させてその慣性衝突、凝縮、拡散の作用を効率
よく行わせ、ダストを捕集する必要がある。しか
しながら上記の集塵器ではスプレーノズル５６が
管胴５１内のガス流速が比較的に緩かな個所に取
付けられているので、集塵水とガス流中のダスト
との混合が行われにくくなる。従つてこの混合を
効果的に行わせるためには集塵水を大量にガス流
中に噴射する必要があり、その結果ポンプ容量や
排水装置が大きくなり、又動力の無駄が発生する
という問題点が集塵水側にあつた。同様に、ガス
中の水分が多いために必要以上にガス側の圧力損
失が大きくなり、ガス回収装置内の送風機の動力
の無駄が発生するという問題点があつた。

そこで本発明は上記の問題点を解消するため
に、集塵効率を向上し、集塵水を有効に利用でき
る集塵器を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するための本発明の集塵器
は、排ガスの流路を形成する縦型の管胴の一部を
円錐状に縮径したベンチユリー部を設け、このベ
ンチユリー部の下部円錐胴の内側に、この下部円
錐胴に内接するとともに、上下方向に作動するリ
ングスリツトエレメントを嵌装し、前記下部円錐
胴とリングスリツトエレメントとの間にリングス
リツトを形成するようにした集塵器において、前
記下部円錐胴の周面に沿つて水平にスリツト状の
スプレーノズルを設けたことを特徴とするもので
ある。

〔作用〕

以上の如く構成された集塵器において、ベンチ
ユリー部のリングスリツトでは、リングスリツト
エレメントにより排ガス流路が絞られて狭くな
り、従つて排ガスがリングスリツトを通過する際
には流速な早くなる。又同時にスリツト状のスプ
レーノズルから水平に噴射して水膜を形成した集
塵水が排ガス流と混合し、排ガス流中のダストと
慣性衝突し、更に凝縮、拡散する。このようにし
て集塵水によつて排ガス中のダストが捕集され
る。

〔実施例〕

本発明の一実施例を第１図ないし第４図により
説明する。第１，２，３図において１は排ガスの
流路を形成する縦型の管胴であり、上方には直角
に屈曲した入口管１ａが接続され、下方には鉛直
に出口管１ｂが接続されている。この管胴１の中
央付近に管胴１を円錐状に縮径したベンチユリー
部２が設けられ、このベンチユリー部２の下部円
錐胴２ａの内側に、この円錐胴２ａに内接すると
ともに、管胴１の頂部に設けた油圧シリンダー３
により上下に作動する円錐体状のリングスリツト
エレメント４が嵌装されている。このリングスリ
ツトエレメント４が油圧シリンダ３によつて下方
に押下げられた場合には、リングスリツトエレメ
ント４とベンチユリー部２との間にリングスリツ
ト５が形成され、リングスリツトエレメント４が
上方に引上げられるとリングスリツト５は閉鎖さ
れるようになつている。この下部円錐胴２ａがリ
ングスリツトエレメント４と接する周面に沿つて
集塵水を噴射するスプレーノズル６ａ，６ｂが設
けられている。このスプレーノズル６ａ，６ｂは
第４図に示す如く下部円錐胴の周面に沿つて水平
に２段に配置されて所定長さのスリツト状になさ
れ、上段のスプレーノズル６ａと、下段のスプレ
ーノズル６ｂはその端部が重なつていて、スプレ
ーノズル６ａ，６ｂから水平に集塵水が噴射され
た場合に水膜に切れ目が生じないようになつてい
る。第１，２，３図において７は集塵水を供給す
るダクトで、下部円錐胴２ａの外周を囲繞して取
付けられており、８は集塵水の給水管である。９
は掃除用シリンダーで、先端にはスプレーノズル
６ａ，６ｂに嵌入するピスト１０が取付けられて
いる。

次に上述の如く構成された実施例の集塵器の作
用について説明する。

入口管１ａより導入された排ガスは、管胴１よ
りリングスリツト５に導入されるが、リングスリ
ツト５ではリングスリツトエレメント４によつて
流路が絞られているので、排ガスの流速は早くな
る。又同時にスプレーノズル６ａ，６ｂより排ガ
スの流れ方向と直角に水を入れるようにし、水と
ガスよく交わるように集塵水が噴射される。この
集塵水と上記の排ガス流とがリングスリツト５内
で拡散、慣性混合し、集塵水とガス流中のダスト
とが拡散慣性衝突を起こして集塵水の水滴とダス
トが一体となり凝縮するとともに拡散する。この
ようにして集塵水によつて排ガス中のダストは捕
集され、又排ガスは集塵水によつて集塵かつ冷却
されて出口管１ｂより図示しないガス回収装置に
回収され、捕集されたダストは出口管１６内を流
下し、外部に排出される。なおスプレーノズル６
ａ，６ｂ内に堆積固結したダストは、掃除用シリ
ンダー９を作動させてピストン１０をスプレーノ
ズル６ａ，６ｂ内に嵌入して排除する。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明の集塵器は、排ガス
の流速を早くしたリングスリツトに於いて集塵水
を噴射するようにしているので、集塵水と排ガス
中のダストとが十分に混合して慣性衝突を起こし
てダストが捕集され、従つて、従来の如く大量の
集塵水を必要としないので、集塵水用ホンプを小
型化し、又排水装置を簡略にすることができ、動
力の無駄を排除できる。さらに、ガス中の水分が
少ないため、ガス側の圧力損失が小さくなり、ガ
ス回収装置内にある送風器を小型化することがで
き、動力の無駄を排除できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の集塵器の一実施例を示す縦断
面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図
は第２図のＢ部のスプレーノズル付近の拡大断面
図、第４図はスプレーノズルの配置を示す斜視
図、第５図は従来の集塵器の縦断面図である。 １……管胴、２……ベンチユリー部、２ａ……
下部円錐胴、４……リングスリツトエレメント、
５……リングスリツト、６ａ，６ｂ……スプレー
ノズル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 排ガス流路を形成する縦型の管胴の一部を円
   錐状に縮径してベンチユリー部を形成し、該ベン
   チユリー部の下部円錐胴の内側に円錐体状のリン
   グスリツトエレメントを嵌装して前記下部円錐胴
   との間にリングスリツトを形成するようにした集
   塵器において、前記下部円錐胴の周面に沿つて水
   平にスリツト状のスプレーノズルを設けたことを
   特徴とする集塵器。