JPS6261311A - 高性能エレクトレツト - Google Patents

高性能エレクトレツト

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JPS6261311A
JPS6261311A JP19959485A JP19959485A JPS6261311A JP S6261311 A JPS6261311 A JP S6261311A JP 19959485 A JP19959485 A JP 19959485A JP 19959485 A JP19959485 A JP 19959485A JP S6261311 A JPS6261311 A JP S6261311A
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electret
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松浦 智
栗田 喬志
河村 好雄
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、長期間に亘り安定して高い電荷を保持するこ
とのできるエレクトレットに関する。
〔従来の技術〕
高分子エレクトレットについてはすでに数多くの提案が
なされている。そしてこれらのほとんどが無極性高分子
単味のエレクトレットか、極性高分子単味エレクトレッ
トあるいは無極性高分子/極性高分子の2成分系エレク
トレットである。すでに知られているこれらの高分子エ
レクトレットの特徴を述べると。
ポリエチレンやポリプロピレンで代表される無極性高分
子のエレクトレットは、導電性が低いために一度トラッ
プされた電荷は消失し旙<、また疎水性であるため水と
接触しても電荷が消失し難いという特徴を持っていると
言われている。しかし一方で極性を有していないのでエ
レクトレット化した場合にトラップされる電荷量が少な
くてエレクトレットとしての性能が低いという問題があ
る。ポリエチレン−テレフタレートやポリカーボネート
などの極性高分子ノエレクトレットは、前述の無極性高
分子と違って分子内部に極性基を有しているためにエレ
クトレット化した際にトラップされる電荷量が多くなり
、初期エレクトレット能力が高いという特徴を有してい
るが、反面導電性が毘いので電荷が時間の経過と共に消
失し易く、長期的なエレクトレット能力が劣り、また親
水性のため水と接触した場合には容易に電荷が消失し易
いという問題がある。これら無極性高分子エレクトレッ
トと極性高分子エレクトレットのそれぞれの特徴を生か
して両者の優れた性質を有したエレクトレットを得よう
と両者の2成分ブレンド系エレクトレットも提案されて
いる。この場合には無極性高分子をマトリックス、極性
高分子をドメインとした構造のブレンド系の方が、その
逆の構造すなわち極性高分子をマトリックス、無極性高
分子をドメインとしたブレンド系よりもエレクトレット
として優れた性能を有することも知られている。すなわ
ち高分子論文集Vo1.58 A9 (1981)、T
)587〜591、高分子学会発行、には、無機性高分
子としてホリスチレン、極性高分子としては塩素化ポリ
エチレンを用いた2成分系ブレンド物のエレクトレット
化について報告されている。回報文には多相系ブレンド
物の場合電荷は成分間の境界域に容易にトラップされる
こと、ならびにポリスチレンがドメイン、塩素化ポリエ
チレンがマトリックスのミクロ相分教構造では、ポリス
チレン−塩素化ポリエチレン界面にトラップされた電荷
は容易に脱トラップされて、電気抵抗の低い塩素化ポリ
エチレンの連続したマトリックス内を移動し消失するの
に対して、ポリスチレンがマトリックス、塩素化ポリエ
チレンがドメインのミクロ相分教構造では、界面にトラ
ップされた電荷は絶縁相のポリスチレンマトリックスに
よって移動が抑制されるために電荷減衰が遅くなること
が開示されている。
しかしながら本来このような無極性高分子と極性1分子
とは相溶性が悪く、通常の溶融ブレンド法ではドメイン
の粒径が攻l1mまではならない。このことは取りも直
さず肉厚@ u rnオーダーのフィルム状エレクトレ
ット物を得ようとするには通常の溶融ブレンド法では困
難であって、溶媒法によるブレンドなど特殊な方法でし
か得られないのである。しかし溶媒法は、電気的特性に
対する残留溶媒による無視し得ない影響があり、更に溶
媒の蒸散・回収など複雑な工程が必要であるので、工業
的にはなるべく採用をさけたいブレンド方法である。そ
こで本発明者らは、通常の溶融ブレンド法でもって薄膜
化可能でかつ高電荷密度が長期間に亘り安定して保持で
きる高分子エレクトレットが得られないか鋭意研究を重
ねた結果、無極性品分子と極性高分子更に極性基を有す
るモノマーで変性した無極性高分子の3成分からなる高
分子組成物をエレクトレット化することにより、−元日
的が達成できることを見い出した。
ところで、これら高分子組成物を所望形状すなわちフィ
7レムや繊維に成形するには通常各種の酸化Ui止剤が
配合される。本発明者らは、各111%’化防止剤を配
合した組成物をエレクトレット化する研究を続けるうち
、酸化防止剤等の種類によりエレクトレットの電荷密度
を保持する能力に差があることを見い出した。
〔発明が解決しようとする問題点〕
すなわち本発明の目的は初期電荷密度が高く、しかも長
期間に亘り電荷密ザを保持できるエレクトレットを提供
することにあり、別にはライlレター材に好適なエレク
トレットを提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち本発明は、 無極性高分子:60〜99重量%。
極性高分子=0.5〜59.5重雀%、不飽和カルボン
酸又はその誘導体fa)、不飽和エポキシ単量体(b)
及びオレフィン性不飽和結合を有するシラン単全体(c
)よりなる群がら選ばれるモノマーにより変性された無
極性品分子:0.5〜20重量%。
とからなる重合体組成物に下記式で示される化合物、C
式中RCまアルキル基、nは正数) 更に必要に応じて高級脂肪酸アルカリおよび/またはア
ルカリ土類金属塩を配合したことを特徴とするエレクト
レットである。
〔作 用〕
本発明における高分子エレクトレツNま、前述した無極
性高分子と極性高分子の2成分系ではなく、さらに第3
成分として前記の変性された無極性高分子を含む3成分
系である。この第3成分が加わったことにより、無極性
高分子のマ) IIラックス中分散される極性高分子の
ドメイン粒径が微小化して、通常の溶融ブレンド法でも
1m/j以下のドメイン粒径が可能となる。さらに2成
分系に比べてトラップされる電荷量も多くなり、表面電
荷密度の高いエレクトレットが得られる。このことは肉
厚の薄いフィルム状エレクトレットの製造が容易にでき
、かつ高性能のエアフィルターの製造も可能としたので
ある。
本発明の高分子エレク)L/フット構成成分である無極
性高分子は、通常無性高分子と言われるものであるなら
如何様のものでもよく、その多くは誘導損失(誘電正接
;tanδ)が0.0005以下(ASTM D150
.60Hz )、体積固有抵抗(ASTM D257−
23°C1相対湿度50%)が1016〜1020Ω1
の範囲にある。無極性高分子の具体的す例としては、ボ
リエ千しン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポ
リスチレン、ポリ四ふつ化工千しン、四ふつ化工千しン
・六ふつ化プロピレン共重合体などを挙げることができ
る。
本発明の別の構成成分である極性高分子は、通常極性高
分子と言われる熱可塑性品分子ならば如何様のものでも
よく、その多くは誘電損失が0.0005を越え、士だ
体積固有抵抗も多くが1012〜10 Ω1の範囲にあ
る。このような極性高分子の具体例としては、溶融成形
可能で、且つ力Jレボン酸基、エステル基、アミド基、
水酸基、エーテル基、ニトリIし基、力計ボニル基或い
は塩素原子等の極性基の少なくとも1種を含む熱可塑性
樹脂、特にボリエ千しンテレフタレート、ポリテトラメ
チレンテレフタレートなどのポリエステIし、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン12などのポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリメタクリIし酸メチル、ポリアク
リル酸エチル等のアクリル系N Fr′a。
アクリル−スチレン系樹脂(ASl脂)、アクリlレー
ブタジエンース千しンM樹脂(ABS 耐密)、ポリ塩
化ビニ7し、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化三ふつ化工
千Vン、ポリアセタール、ポリアクリル二) IJ I
し等が挙げられるが、勿論これらに限定されない。
第5成分として利用する成分は、前述の(a)〜(c)
のいずれか1種のモノマーにより変性された無極性高分
子を混合したものである。尚ここで「変性」という語は
変性剤を無極性高分子に結合されることを意味する。
不飽和力Iレボン酸またはその誘導体で変性された無極
性高分子は、無極性高分子をv!を成するモノマーに対
して不飽和カルボン酸モノマー類をランダム共重合体ま
たはブロック共重合したものあるいは無極性高分子に不
飽和力?レボン酸類をゲラフト共重合させたものである
不飽和カルボン酸またはその誘導体成分単位fa)とし
ては、たとえば、アクリIし酸、メタクリIし酸、α−
二千ルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸。
イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタνや、メ
千lし干トラヒドロフタlし酸、エンドシス−ビシクロ
(2,2,1)ヘプト−5−エン−2,5−シカフレボ
ン酸(ナジック酸[F])、メ千Iレーエンドシスービ
シク口(2,2,1)ヘプト−5−エン−2,5−ジカ
Vボン酸(メチルナンック酸[F])などの不飽和シト
ラコン酸、該不飽和ジカルボン酸の酸ハライド、アミド
、イミド、酸無水物、エステルなどの不飽和ジカルボン
酸の誘導体が挙げられ、具体的には、塩化マレニル、マ
レイミド、無水マレインs、m水シトラフン酸、マレイ
ン酸モノメチル、マレイン酸ジメチルなどが例示される
。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無
水物が好適であり、とくにマレイン酸、ナジック酸また
はこれらの酸無水物が好適である。
不飽和エポキシ単量体で変性された無極性高分子も同じ
ように該単量体をランダム共重合、ブロック共重合、ゲ
ラ7ト共重合したものであって。
不飽和エポキシ単量体としては1分子中に重合可能な不
飽和結合およびエポキシ基を各1個以上有した単量体を
表わす、このような不飽和エポキシ14i量体(b)と
しては、たとえば一般式。
(ここで、RCま重合可能なエチレン性不飽和結合を有
する炭化水素基である)で示される不飽和グリシジルエ
ステIし類および一般式。
(ここで、Rは〔1〕式のものと同じ、Xは一0H2−
ある)で示される不飽和グリシジIレエーテル類および
一般式、 (ここで、Rは〔11式のものと同じ、Rは水素または
メチル基である)で表わされるエポキシアシケン類など
を挙げることができる。
具体的には、グリシジlレアクリレート、ゲリシジVメ
タクリレート、イタコン酸のモノおよびジグリシジルエ
ステIし、ブテントリカルボン酸のモノ、ジオヨヒトリ
グリシジルエステル、シトラ:jン酸のモノおよびジグ
リシジルエステlし、エンド−シス−ビシクロ(2,2
,1〕ヘプト−5−エン−2゜3−シカフレボン酸(ナ
ジック酸[F])のモノおよびジグリシジルエステIし
、エンド−シス−ビシクロC2,2,1’)ヘプト−5
−エン−2−メチル−2,3〜・ジカルボン酸(メチル
ナジック酸■)の七/およヒシグリシジルエステlし、
アリセフハク酸のモノオヨびジグリシジルエステル、p
−ス千しンカルボン酔のグリシジフレエステル、アリル
グリシジルエーテル、2−メチルアリヤグリシジルニー
f I+、/やスチレン−p−グリシジルエーテル、5
.4−エボギシー1−ブテン、乞4−エボヤシー5−メ
千ルー1−ブ子ン、3.4−エポキシ−1−ペンテン、
3.4−エポキシ−5−メチル−1−ペンテン、5.6
−エポキシ−1−ヘP 七ン、ビニルシクロヘキセンモ
ノオギシドなどを例示することができる。これらの中で
はグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート
が好ましい。
寸レフイン性不飽和結合を有するシラン単量体で変性さ
れた無極性高分子も同じように該単量体をランダム共重
合、ブロック共重合、グラフト共重合させたものである
。オレフィン性不飽和結合を有するシラン単量体fc)
としては如何なるものでもよいが、とくにオレフィン性
不飽和結合と共に加水分解可能な有機基をもつシラン単
量体がよく。
一般式]’(1R2S i Y1Y2  R”XS i
 Y1Y2またはR’S i Y1Y2Y’で示される
ものが例示できる。式中R1、R2はオレフィン性不飽
和結合を有し、炭素、水素および任意に酸素からなる1
価の基であり、各間−またLま相異なってへよい。
このような墓の例としては、ビニル、了ルリル、ブテニ
ル、シクロへキセニル、シクロペンタジェニルがあり、
とくに末端オレフィン性不飽和基が好ましい。その他の
好ましい例には末端不飽和酸のエステル結合を有する CH−(:!(1)000(CH2)5−1CH2=C
(CjJ )OOO(OH2)2−0−(CH2)3−
’ai2=c(0N(5)000CA120(’:11
201’12(0H)OH20(0)(2)、、−など
の基を挙げることができる。これらのうちビニル基が最
適である。Xはオレフィン性不飽和結合を有しない有機
基であり、例えば2価の臭化水素基であるメチル、工千
ル、プロピル、テトラ1シル、オクタデシル、フェニル
、ベンジ5ル、トリルなどの基があり、またこれらの基
は、ハロゲン  −置換炭化水鵞基でもよい、基Y1、
Y2、Y3は各々同一または相異なる加水分解可能な基
であり1例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、メトキ
シエトキシのヨウなアルコキシ基、アルコキシアルコキ
シ基、ホルミロギシ、アセトキシ、プロピオツキジノよ
うなアシロキシ基、オキシム、例エハ−ON =O(O
H,、)2.−0N=CHCH2C2H5および−ON
 =(1! (C6H5) 2または置換アミノ基およ
びアリールアミノ茫、例えば−NH]H6、−NHC2
H5および−NH(C6H5)などがあり、その他任意
の加水分解し得る有機基である。
本発明において好ましく使用される育棉珪素化合物は一
般式 %式% で表わされる化合物であり、とくに基Y 、Y 、Yが
等しい有機珪素化合物が適している。これらのウチでも
ビニルトリスアルコキシシランが好適であり、例えばビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエト
キシ)シランなどが例示できる。しかしビニルメチルジ
ェトキシシラン、ビニルフェニルジメトキシシランなト
モ同様ニ用いることができる。
以上述べてきた変性無極性高分子の中では、とくに変性
単量体をグラフトさせたものが好ましい。
グラフト共重合体を製造するには公知の種々の方法が採
用でき、たとえば無極性高分子を溶融させ変性単量体を
添加してグラフト共重合させる方法あるいは溶媒に溶解
させ変性単量体を添加して共重合させる方法がある。い
ずれの場合にも効率よくグラフト共重合させるためには
、ラジカル開始剤の存在下に反応を実施することが好ま
しい、ラジカル開始剤としては有機ペルオキシド、有機
ベルエステル、アゾ化合物などがあるが、電離性放射線
、紫外線等もラジカル発生に用い得る。またグラフト率
は無極性高分子100重量部に対して変性単量体が1〜
15重量部が好ましい。
本発明の高分子エレクトレットを構成する5成分(ここ
で3成分の一つである変性無極性高分子は、前述の5種
のうちの1種以上をまとめて1成分と考える)の場合は
、無極性高分子60〜99重量%、とくに80〜95重
量%、極性高分子0.5〜59.5重量呪、とくに1〜
10重量%および前述の(A)〜(0’lから選ばれる
少なくとも1種以上の変性無極性高分子0.5〜20重
1%、とくに4〜10重量%である。無極性高分子が6
0重R%未満では。
5成分複合系において無極性高分子がマ) IJフック
スならなくなる虞れがあり、トラップされた電荷が逆げ
易くなって電荷安定性に劣ったものしか得られなくなる
場合が多い。極性高分子は少なくとも0.5重量工の存
在が必要であって、0.5重量%未満ではトラップされ
る電荷糸の増加はそれほど大きくなく、電荷密度の小さ
いエレクトレットとしての能力が劣るものしか得られな
くなる。また上限を59.5重量%までとしたのは、そ
わ、を越えて配合しても得られる電荷密度はそれほど変
わらないし、また無極性高分子のマトリックス中にうま
くドメインとして分散することが難しくなるからである
。変性無極性高分子は、無極性高分子のマトリックス中
に極性高分子のドメインをミクロ分散させるためには少
なくとも0.5重量%以上の存在が好ましく、20重量
%を越えて配合してもそれほど著しい効果は期待できな
い。またマトリックスとして使用した無極性高分子を主
鎖とした変性物を用いるのが望ましい。
上記の高分子組成物に配合する酸化防止剤(ラジカル捕
捉剤)は前記式に示されるものである。
酸化防止剤としては周知の種々のものが存在するが、前
記式に示されるものだけがエレクトレット化された高分
子の表面電荷密度の時間経過に伴う減衰を著しく防止す
ることができるのは予想外である。
前記式中REまアルキル基を示すが、より具体的にはメ
チル、二手ル、プロピル、イソプロピル、ブチル等の低
級鎖状アルキル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オフダ
ブシル、ノナデシル等の高級鎖状アルキル、シクロヘキ
シル等の環状アルキルなどを例示できる。これらの中で
は、炭素原子数12〜20の高級鎖状アルキルが好まし
い。
前記式のより具体的な化合物例としては、例えば以下の
如きものがある。
これらの中でCま、市販されて容易に入手可能であるn
−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−5゜5−シー
tart−ブチルフェノール)プロピオネートが好まし
い。
ところで1本発明のエレクトレットの原料である高分子
としてチーグラー触媒の叩きハロゲン含有触媒を用いて
重合された樹脂を用いる場合、ハロゲンによる樹脂の劣
化、成形機の腐蝕、金型の腐蝕を防止するためハロゲン
捕捉剤を添加するのが普通である0本発明者らの検討に
よれば、ハロゲン捕捉剤の種類によってもエレクトレッ
トの電荷保持率が異なることを見い出した。すなわち、
通常最も一般的に用いられるハロゲン捕捉剤として脂肪
酸の金属塩があるが1本発明者らの研究によれば同じ脂
肪酸金属塩でもアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩
の場合は時間経過に伴う電荷減衰率が小さいのに対し、
他の金属塩では減衰率が大きいことが判った。更に他の
著名なハロゲン捕捉剤である酸化カルシウムやハイドロ
ダルサイトも減衰率が大きいことも判った。換言すれば
脂肪酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩のみが
エレクトレットに対する阻害作用がないのである。
かかる脂肪酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩として
は1例えばステアリン酸リチウム、ステアリン醪ナトリ
ウム、ステアリン酸カルシウム等があり、中でもステア
リン酸カルシウムが好マt。
い。
前記式で示さnる化合物の高分子への配合割合は、o、
oi〜1重2%、とくには0.05〜0.5重量%の範
囲が好ましく、ハロゲン捕捉剤を併用する場合には0.
01〜1劃I、とくには肌05〜0.5重量%の範囲で
添加する。
本発明のエレクトレットを製造するには、前述の無極性
高分子、極性高分子及び変性無極性高分子に対して逐次
的又はこれら5者の同誌ブレンド時に前記式の化合物あ
るいはハロゲン捕捉剤を公知の種々の方法で混合する。
すなわちリボンブレンダー、タンブラーブルングー、ヘ
ンシェルミキサーなどで混合あるいは混合後押出椀、バ
ンバリーミキサー1二本ロールなどで溶融混合するか炭
化水素や芳香族溶媒に溶解してポリマー溶液に混合し、
その後単軸押出機、ベント式押出機、二本スクリュー押
出樒、三本スクリュー押出塊1円錐型二本スクリュー押
出機、コニ−グー、ブラテイフイケーター、ミクストル
ーダー、二軸コニカルスクリュー押出機、遊星ねじ押出
機、歯車型押出機、スクリューレス押出機などを用いて
造粒ないし各種成形法で所望形状に成形する0次いで前
記組成の高分子を溶融または欧化温度まで熱し、これに
直流高電圧を加えながら冷却して得られる熱エレクトレ
ット、フィルム状にしたのち該表面にコロナ放電やパル
ス状高電圧を加えたり、フィルム両面を他の誘導体で保
持し両面に直流高電圧を加えて得られるエレクトロエl
/クトレット、γ線や電子線を照射して得られるラジオ
エレクトレット、溶融して強い静磁場を作用させながる
除冷して得られるマグネエレクトレット、加圧塑性変形
すせて得られるメカノエレクトレット、光照射しながら
電圧を加えて得られるオートエレク) l/フットどに
よりエレクトレット化する。とくに好ましい方法は、前
記高分子をフィルム状に成形したのち、1軸または2軸
の延伸を行うか行わずして熱をかけながらコロナ放電を
間欠的に行う方法あるいはフィルム両面に針状電極対を
近付けてコロナ放電を行う方法がある。
以上のようにして得られる本発明の高分子エレクトレッ
トCま、無極性高分子のマトリックス中に変性無極性高
分子を仲介役として極性高分子のドメインがミクロ分散
(すなわち通常の溶融ブレンド法でも1011m以下の
ドメイン粒径となる)しているので、無極性高分子と極
性高分子との界面面積が多くなってトラップされる電荷
量が著しく多くなり、その結果電荷密度の大きいエレク
)l/フットなる。またマトリックスが無極性高分子で
あるので一度トラップされた電荷は容易には逃げだせず
、かつ添加剤によるエレクトレット化への阻害もないの
で、電荷が安定して長期間保持できるエレクトレットに
もなる。さらにドメイン粒径が前述したように10μm
以・下になるので、閃厚の薄いフィルム状エレクトレッ
トなどの製造も可能となる。
本発明によるエレクト1ノツトC′i、フィルムの状態
で測定して、5X10 乃至100X10  クーロン
/α、特にIQXlo  乃至50X1r1  クーロ
ン/cvt2の表面電荷密度を有する。更に、このエレ
クトレットは、温度60゛C及び湿度80%の環境に1
時間放置したときの表面電荷密度保持率が60%以上で
あるという驚くべき特徴を有している。即ち後述する例
に示す通り、無極性高分子単独から成るエレクトレット
及び無極性高分子に極性高分子を分散させた分散構造の
エレクトレットの何れの場合にも、上述した高温及び高
湿条件下では1表明電荷密度が大きく低下する。これは
、前者のエレクトレットでは電荷のトラップされている
場所が不純物との界面や結晶部分と非晶質部分との界面
のような温度や湿すに対して不安定な部分となっている
ことに関連するものと思われ、また後者のエレクトレッ
トでは、有極性高分子が電気絶縁性の高い無極性高分子
で十分に包み込まれていないために、上記条件では電荷
が消失するものと思われる。
これに対して、本願発明では、変性無極性高分子を配合
したことにより、このものが無極性高分子と有極性高分
子との両方に親和性を示し、有機性高分子の無極性高分
子マ) IJフックス中の微粒化分散を助長し且つ有極
性高分子の微細なドメイン粒子が無極性高分子で完全に
包まれた状態となり、かつ高分子に添加される添加剤の
阻害作用もないため、高い表面電荷密度が得られ、しか
も高温及び高湿条件下でも高い表面電荷保持性が得られ
るものと認められる。
尚、上述した表面電荷密度は、あくまで、電荷が載った
面が一定方向にあるフィルムについてのものであること
に留意する必要がある。即ち、エレクトレットが繊維の
形態にある場合には、電荷が載った面がランダムに位置
し、またその表面積も測定困難であるので1表面電荷密
度を測定すること6ま不可能である。
本発明におけるエレクトレットは、それ自体公知の任意
の形態、例えばフィルム、シート、繊維等の種々の形態
で用い得る。特に1本発明のエレクトレットは、ドメイ
ン粒子が微細化していることから、厚みが5乃至15/
1mのフィルムにした場合に、電荷保持性の点で特に顕
著な効果が奏される。
また、前述した樹脂組成のフィルムCま、延押によるフ
ィブリル化が容易であることから、これを延部した後、
解繊処理を行い、必要により切断してステーブル、フィ
ラメント、糸、紐、フィルム糸、解繊糸等の形態の繊維
状のエレクトレットを形成し得る。勿論、この繊維状の
エレクトレットは、繊成、編成、タフト化、不織布形成
等のそれ自体公知の処理を行って、繊維加工品とするこ
とができる。
本発明の高分子エレクトレットの好ましい利用分野はエ
アフィルター用途である。すなわちエアフィルターとし
て集塵効率を向上させるためには。
長期間に亘り安定して高い電荷密度を保持し続けること
、ならびにできる限り細繊維化することにより達成でき
るが1本発明の高分子エレクトレットは両方の性能を有
しているのでエアフィルp −とじて用いた場合に優れ
た性能を示す。
〔実施例〕
以下本発明の内容を好適な例でもって示すが。
本発明はとくにことわりのない限り何らこれらの例に限
定されるものではない。
比較例1 メルトインデックス(ASTM D  12’S8L単
位g710分、以下M、工と記す)6.5、密麿0.9
1 g/33のホモポリプロピレン(pp)にn−オク
タデシル−5−(A’−ヒドロキシ−5’、5’−ジー
terL−プ千ルフェノール)プロピオネートを0.1
重量呪添加し、インフレーション成膜法により、厚さ5
0μmのフィルムに成形した。そのときの成形陽唯は2
00”Cであった。
このフィルムを51X5αの大きさに切断し、第1図に
示す装置を使用し、下記条件で、コロナ放電によりエレ
クトレット化した。
エレクトレット化条件 試料温度   25−C 電 圧    直流7KV 印加詩間   7秒間 電極間距離  8mm 得うれたエレクトレットフィルムヲ、60°CX80%
RHの環境条件下で48時時間時させた後。
室温下で経時前後の各試料につき、マイナス極側での表
面電荷密度を測定した。
表面電荷密度の測定は、fR2図に示す測定回路を使用
し1次の通りに行った。最初図示の状態から一変スイッ
チSを短絡した後開き、可動電極E、を上に持ち上げる
。このとき電IME1に誘導された電荷はコンデンサC
に移り、Cの端子間に電位差Vを生ずる。この電位差V
を電位計Mで測定することにより、表面電荷密度σは、
下記 v σ =−一一一吻 〔式中、aはコンデンサの静電容1l(F)、Aはエレ
クトレットの表面積Cctx)) によって求められる。
得られた結果を第1表に示す。
比較例2 比較例1のポリプロピレンを95重量%とポリカーボネ
ート(軟化点150”C,PC)5重量%及びこれら高
分子組成物に対してQ、1重量%のn−オクタデシル−
5−(4’−ヒドロキシ−3’、5’−ジーtert−
ブ千ルフェノール)プロピオネ−トドを押出機にて26
0”Cで混練し、厚さ50μmのインフレフィルムを成
形した。
比較例1と同様の方法でエレクトレットフィルムを作製
し、表面電荷密度の測定を行った。結果を第1表に示す
実施例1 比較例1のポリプロピレン90瓜量%、比較例4のポリ
カーボネート5重量%と無水マレイン酸グラフトポリプ
ロピレン(マレイン化率5重量%)51it%及びn−
オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−5’、5’−
ジーtert−ブチルフェノール)プロピオネートを前
記高分子組成物に対して0.1重f!k(を同時に押出
機にて260“Cで混練し、厚さ50μmのインフレー
ションフィルムをait、た。
比較例1と同様の方法でエレクトレットフィルムを作製
し、表面電荷密度の測定を行った。結果を第1表に示す
実施例2 実施例1において更にステアリン酸カルシウムを0.1
重1%添加するほかは同様に行った。結果を第1表に示
す。
実施例5〜8 極性高分子の種類又は変性無機性高分子の種類を代える
ほかは実施gXJ2と同様に行った。結果を第1表に示
す。
比較例3〜6 添加剤の種類を代えるほかは実施例1と同様に行った。
結果を第1表に示す。
比較例7〜8 添加剤の種類を代えるほがは実施例5又は7と同様に行
った。結果を第1表に示す。
〔効 果〕
本発明のエレクトレットは、初期電荷密度が高いうえ、
長期的な電荷保持率も良好であり、よってフィルム、シ
ート、繊維状物として各種の用途に利用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、エレクトlノット化に用いた装置の概略配置
図であり、第2図は表面電荷密度の測定回路図である。 引照数字1は負の針状電極、2は正の針状電極、3は試
料フィルム、4は直流電源を示す。 符号E1は可動電極、E2は固定電極、Dはエレクトレ
ット、Sは短絡スイッチ、Cはコンデンサ、Mは電位計
を示す。 出願人  三井石油化学工業株式会社 代理人  山  口     和 箋1 口 第21コ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】  無極性高分子:60〜99重量%、 極性高分子:0.5〜39.5重量%、 不飽和カルボン酸又はその誘導体(a)、不飽和エポキ
    シ単量体(b)及びオレフィン性不飽和結合を有するシ
    ラン単量体(c)よりなる群から選ばれるモノマーによ
    り変性された無極性高分子:0.5〜20重量%、 とからなる重合体組成物に下記式で示される化合物。 ▲数式、化学式、表等があります▼ (式中、Rはアルキル基、nは正数) 更に必要に応じて高級脂肪酸アルカリおよび/またはア
    ルカリ土類金属塩を配合したことを特徴とするエレクト
    レット。
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