JPS625991Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は二輪車のハンドルブレーキレバー装置
に関するものである。

従来の二輪車におけるハンドルブレーキレバー
は、マスタシリンダの一側にレバー軸支ピンによ
り回動自在に取付けられ、ハンドルグリツプとの
間にリターンスプリングにより所定の間隙をおい
て離れた位置を非制動状態への復帰位置とし、こ
のレバーをグリツプ方向へ引き寄せるように回動
して押圧部の先端でマスタシリンダのピストン頭
部を押圧して制動を行なつている。しかし、ハン
ドルブレーキレバーの押圧部がピストン頭部を直
接押圧して作動させるためレバー比に変化が生じ
て制動効率が悪い。このため、このレバーの押圧
部にプツシユロツドを連結し、このプツシユロツ
ドでピストン頭部を押圧する装置が種々提案され
ているがいずれも十分ではなく、また押圧部とプ
ツシユロツドとの連結が複雑であつたり、ピスト
ンの戻りとレバーの戻りとの相違によりプツシユ
ロツドの脱落が生じる等の問題点があつた。

本考案はかかる実情を背景にしてなされたもの
で、ハンドルブレーキレバーの押圧部にレバー軸
支ピンと同方向のブツシユ挿入孔を形成するとと
もにこの押圧方向側にプツシユロツドの端部を挿
入する窓部を形成し、一方前記ブツシユ挿入孔に
傘状頭部を有するブツシユを回動自在に挿入し、
かつこのブツシユに前記窓部より挿入したプツシ
ユロツドの端部を嵌合し、更にピンをブツシユの
軸心にプツシユロツドを貫通して圧入し連結せし
めたことを特徴とし、その目的とするところは、
レバー比が常に一定となり制動効率は著しく向上
し、しかもプツシユロツドと押圧部との連結は簡
単かつ確実で、組付が極めて容易であるとともに
プツシユロツドが脱落したりすることはなく、ま
たプツシユロツドとピストン頭部や押圧部との当
接各部にこじりが生じたり塵芥等が侵入したりす
ることがなく長期間良好に作動することができる
前記二輪車のハンドルブレーキレバー装置を提供
するにある。

以下、図面により本考案の一実施例を説明す
る。

１はマスタシリンダのシリンダボデイで、レバ
ーホルダー２と一体に形成され、このレバーホル
ダー２をボルト等により二輪車のハンドル（図示
せず）に取付けることにより、シリンダボデイ１
はハンドルに軸線方向を平行にして取付けられ
る。３はシリンダ４内に摺動可能に設けられたピ
ストンで、プツシユロツド５によつて押圧され、
その作用によりブレーキ装置に圧液を供給する。

６はレバーホルダー２にレバー軸支ピン７によ
り回動自在に取付けられたハンドルブレーキレバ
ーで、シリンダボデイ１の外側部に当接する突当
部８と制動作動をする押圧部９とを有しており、
この押圧部９にはブツシユ挿通孔１０がレバー軸
支ピン７と同方向に形成され、かつこの押圧方向
側にはプツシユロツド５の端部５ａを挿通する窓
部１１が形成されている。１２は軸部１２ａより
大径の傘状頭部１２ｂを有するブツシユで、ブツ
シユ挿入孔１０に上方より回動自在に挿入され、
その傘状頭部１２ｂでブツシユ挿入孔１０を覆い
ゴミ等が侵入することを防止している。

そして、このブツシユ１２にはプツシユロツド
５の端部５ａが嵌合する穴部１２ｃと、この穴部
１２ｃを貫通してピン孔１２ｄが軸心に形成され
ており、プツシユロツド５の一方の端部５ｂをピ
ストン３の頭部３ａに当接し、他方の端部５ａを
押圧部９の窓部１１から挿通させてこの穴部１２
ｃに嵌合し、スプリングピン１３を下方よりピン
孔１２ｄにプツシユロツド５のピン孔５ｃを貫通
して圧入してプツシユロツド５と押圧部９とが連
結される。

次に、この実施例の作用について説明する。ハ
ンドルブレーキレバー６をハンドルグリツプ（図
示せず）の方向に引きよせるようにして回動する
と、押圧部９がプツシユロツド５の端部５ａを押
圧し、これにより他方の端部５ｂがピストン３の
頭部３ａを押圧してピストン３をシリンダ４内に
押し込む。このピストン３の作動により圧液がブ
レーキ装置に供給されて制動が行なわれる。

このとき、ハンドルブレーキレバー６の回動に
応じてプツシユロツド５と押圧部９とを連結して
いるブツシユ１２が回動しながらプツシユロツド
５を押動するから、レバー比は変化することなく
常に一定となり、高い制動効率が保障される。ま
た、このときブツシユ１２の回動がスムーズであ
るから、ブツシユ１２と押圧部９との間およびプ
ツシユロツド５とピストン頭部３ａとの間の当接
面におけるこじりは著しく軽減される。

そして、ハンドルブレーキレバー６を解放する
とこのブレーキレバー６はリターンスプリング
（図示せず）によりハンドルグリツプとの間に所
定の間隙をおいて離れた位置を非制動状態として
復帰する。このとき、ピストン３の戻りとブレー
キレバー６の戻りとの間に相違があるが、スプリ
ングピン１３によりプツシユロツド５とブツシユ
１２は確実に連結されているから脱落することは
ない。

このように本考案によれば、ハンドルブレーキ
レバーの押圧部にレバー軸支ピンと同方向のブツ
シユ挿入孔を形成するとともに、この押圧方向側
にプツシユロツドの端部を挿入する窓部を形成
し、前記ブツシユ挿入孔に傘状頭部を有するブツ
シユを回動自在に挿入し、かつブツシユに前記窓
部より挿入したプツシユロツドの端部を嵌合し、
更にピンをブツシユの軸心にプツシユロツドを貫
通して圧入し連結せしめたから、レバー比が常に
一定となり制動効率が著しく向上し、しかもプツ
シユロツドと押圧部との連結の構造が極めて簡単
でかつ確実であるから組付が極めて容易で作業能
率を著しく向上することができるとともに作動に
よりプツシユロツドが脱落したりすることは有効
に防止される。また、プツシユロツドを押圧部に
回動自在に設けたブツシユを介して連結したか
ら、プツシユロツドとピストン頭部や押圧部との
当接各部に生じるこじりは軽減され、更にブツシ
ユの傘状頭部により押圧部とブツシユとの間に塵
芥等が侵入することが防止され、ブツシユの回動
がスムーズで長期間良好に使用することができる
等の効果を有している。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は一部断面正面図、第２図は一部断面平面図、第
３図はハンドルブレーキレバーの押圧部、プツシ
ユロツド、ブツシユおよびスプリングピンの分解
斜視図である。 ５はプツシユロツド、６はハンドルブレーキレ
バー、７はレバー軸支ピン、９は押圧部、１０は
ブツシユ挿通孔、１１は窓部、１２はブツシユ、
１３はスプリングピンである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マスタシリンダの一側にレバー軸支ピンにより
   回動自在に取付けられ、ハンドルグリツプとの間
   にリターンスプリングにより所定の間隙をおいて
   離れた位置を非制動状態への復帰位置とし、マス
   タシリンダのピストン押圧用のプツシユロツドを
   押圧部に連結したハンドルブレーキレバーにおい
   て、前記ハンドルブレーキレバーの押圧部に前記
   レバー軸支ピンと同方向のブツシユ挿入孔を形成
   するとともにこの押圧方向側にプツシユロツドの
   端部を挿入する窓部を形成し、一方前記ブツシユ
   挿入孔に傘状頭部を有するブツシユを回動自在に
   挿入し、かつこのブツシユに前記窓部より挿入し
   たプツシユロツドの端部を嵌合し、更にピンをブ
   ツシユの軸心にプツシユロツドを貫通して圧入し
   連結せしめたことを特徴とする二輪車のハンドル
   ブレーキレバー装置。