JPS625937Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、後２軸駆動型大型トラツクの各軸
（タンデムアクスル）間に設けられたインターア
クスルデイフアレンシヤル（以下インターデフと
いう）の潤滑装置に関するものである。

従来、インタデフの潤滑方式としては、ギヤケ
ース内のインタデフに近接した各部材の回転を利
用してケース内の潤滑油（オイル）を掻き上げこ
れを樋等でインターデフ内に導入する方式と、潤
滑油ポンプをケースに取付けてこれを歯車で回転
し、吸い上げたオイルをオイル通路でインタデフ
内に供給する方式がある。

本考案は上記潤滑油ポンプをケースに取付けて
これを歯車で回転し、吸い上げたオイルをオイル
通路でインタデフ内に供給する方式に係るインタ
デフ付タンデムアクスルの潤滑装置の改良に係る
ものである。

ところで上記の方式に係る従来装置は、潤滑油
ポンプはケース内においてインターデフまたはこ
れと連結する回転部材からギヤ類によつて駆動さ
れるものであるから、その構造が複雑で部品点数
が多く、また該ポンプを駆動するギヤ類によつて
ギヤケース内のスペースが圧迫される欠点があ
る。

また潤滑油ポンプからのインターデフケージ内
に供給されたオイルをインターデフ内のギヤ群
（インターデフギヤという）に供給するにはスル
ータンデムアクスルなどの中心にオイル通孔をあ
けたものがあるが、上記アクスルの強度上その径
は限定され、オイルの容量が充分取れないおそれ
がある。

本考案は上記に鑑み、特に潤滑油ポンプの駆動
方式とデフケージ内へのオイル供給手段を改良す
ることにより、潤滑油ポンプ装着に伴なう問題点
を最少にするとともに、潤滑性能を最大限に発揮
させようとするもので、その要旨とするところは
インターデフと歯車及び軸を介して連結せしめた
回転部品の軸端を外面が開放されたギアケース側
壁に向けて位置せしめ、前記回転部品の軸端に軸
結合せしめるよう潤滑油ポンプを前記側壁外面に
装着するとともに、前記ポンプの吸込側をオイル
通路を介して潤滑油溜内に連通し、また吐出側を
オイル通路によりインタデフケージ内に連通し、
更にスルードライブシヤフトのスプラインを一部
欠いてインターデフギヤ内に送油するオイル通路
を形成したことにある。

以下その実施例を図面により説明すると、１は
インターデフカバー、２は該インタデフカバー１
より深いギアケース、また３は該ギヤケース２と
側面形状がほゞ一致するキヤリアであつて、これ
らは互いに図示しないボルト等により連結されて
いる。前記インターデフカバー１内には、ベアリ
ング１ａを介してインプツトシヤフト１０が前記
カバー１に支持され、前記シヤフト１０の端部
は、インターデフケージ１１の一部を構成してい
る。

該インターデフケージ１１の内部には、複数個
のピニオン１２及び一対のサイドギヤ１３が設け
られ、これらによりインターデフのギヤ群が構成
されている。

ギヤケース２内の上方には左右のベアリング２
ａ，２ｂによりトランスフアギヤ２０が支持さ
れ、そのボス部の延長端部はサイドギア１３の一
方（図示せず）とスプライン結合されている。

上記ギア２０内にはスルードライブシヤフト１
４が貫通支持され、その一端（左端）は前記サイ
ドギア１３の一方とスプライン結合している。

ギアケース２内の下方には更にベアリング２
ｃ，２ｄにより支持されたピニオンシヤフト２１
にスプライン結合された他のトランスフアギア２
２が配設され、図示しないアイドルギアを介して
前記ギア２０と連結されている。

上記ギヤケース２下方の一方の外面は、インタ
デフカバー１及びキヤリヤ３より開放されてい
る。

上記ピニオンシヤフト２１の一端にはピニオン
２３が設けられ、キヤリア３内のリングギヤ（図
示せず）と噛み合わされている。

以上の構成により前記インプツトシヤフト１０
の動力の一部はトランスフアギア２０，２２を介
して後２軸のフロント側へ、他の一部はスルード
ライブシヤフト１４を介して後２軸のリヤ側へ、
それぞれ伝達される。

４はギアポンプ、トロコイドポンプ、ベーンポ
ンプ等回転式の潤滑油ポンプで、この例において
は前記ピニオンシヤフト２１の軸端（図の左方で
車両の進行方向）に面するギヤケース２の前記開
放された外面から取付けられ、その駆動軸４０は
前記ピニオンシヤフト２１と同一軸心上に配置せ
しめて両軸を軸結合することにより、駆動力を得
るよう構成されている。

上記軸結合はこの例では、前記シヤフト２１の
端面に設けた該シヤフト２１の軸心を通る半径方
向の溝２１ａに、潤滑油ポンプ４の駆動軸４０端
に形成した突起４０ａを嵌合させることにより構
成される。

３０はキヤリア３の底部に溜められているオイ
ル内に常時浸されたストレーナで、これより潤滑
油ポンプ４の吸込口４１までを適当なオイル通路
（パイプ部材またはギヤケース２、キヤリア３内
に形成された管路）５により接続せしめている。

一方オイルポンプ４の吐出口（図示せず）は、
適当なオイル通路６を介してインプツトシヤフト
１０の円筒部に形成した円周溝１５に連通し、同
円周溝１５は該溝に一端が開口するオイル通路
（穴）１６を介してインプツトシヤフト１０の端
部、スルードライブシヤフト１４及びサイドギア
１３の各端部で形成された室１７内と連通されて
いる。

上記室１７とインターデフのギア群の内部と
は、スルードライブシヤフト１４のスプライン歯
を適当枚数切り落して形成したオイル通路１８を
介して連通されている。

以上のように構成された本考案装置の作用は次
の通りである。

即ち車両が走行すると前述のような経路でピニ
オンシヤフト２１が回転するので、これにより駆
動軸４０を介して潤滑油ポンプ４が駆動される。

従つて潤滑油はキヤリア３の底部よりストレー
ナ３０を介しオイル通路５を通つて同ポンプ４内
に吸い込まれ、該ポンプ４から所定の圧力をもつ
て吐出されたオイルは、オイル通路６、円周溝１
５、オイル通路１６、室１７、オイル通路１８を
通つてインターデフのギヤ群の内部に導入され、
必要部分を潤滑する。

本考案においてはインターデフと歯車及び軸を
介して連結せしめた回転部品の軸端を外面が開放
されたギアケース側壁に向けて位置せしめ、前記
回転部品の軸端に軸結合せしめるよう潤滑油ポン
プを前記側壁外面に装着するとともに、前記ポン
プの吸込側をオイル通路を介して潤滑油溜内に連
通し、また吐出側をオイル通路によりインタデフ
ケージ内に連通し、更にスルードライブシヤフト
のスプラインを一部欠いてインターデフギヤ内に
送油するオイル通路を形成してなるので、インタ
ーデフと歯車及び軸を介して連結せしめた回転部
品の軸端を外面が開放されたギアケース側壁に向
けて位置せしめ、前記回転部品の軸端に軸結合せ
しめるよう潤滑油ポンプを前記側壁外面に装着す
ることにより、前記潤滑油ポンプの駆動機構がき
わめて簡単で、しかも部品点数を特別増加するこ
となく得ることができる。また潤滑油ポンプの駆
動軸とピニオンシヤフトの連結も軸結合によるの
で組付及び取外し作業が容易であり、また前記の
如くケース内のスペースを圧迫することもない。

また潤滑油ポンプの吐出側をオイル通路により
インタデフケージ内に連通し、更にスルードライ
ブシヤフトのスプラインを一部欠いてインターデ
フギヤ内に送油するオイル通路を形成したことに
より、潤滑油ポンプの吐出側オイルの通路の加工
が比較的簡単であるばかりでなく、オイル供給の
ために必要且つ充分なオイル容量を容易に得るこ
とができ、インターデフギヤの内部にきわめて効
果的に潤滑油を供給することができ、これにより
高い潤滑性能を得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す断面図である。 １；インターデフカバー、１０；インプツトシ
ヤフト、１１；インターデフケージ、１２；ピニ
オン、１３；サイドギヤ、１４；スルードライブ
シヤフト、１５；円周溝、１６，１８；オイル通
路、１７；室、２；ギアケース、２ａ，２ｂ，２
ｃ，２ｄ；ベアリング、２０，２２；トランスフ
アギヤ、２１；ピニオンシヤフト、２１ａ；溝、
２３；ピニオン、３；キヤリア、３０；ストレー
ナ、４；潤滑油ポンプ、４０；駆動軸、４１；吸
い込み口、５，６；オイル通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インターデフと歯車及び軸を介して連結せしめ
   た回転部品の軸端を外面が開放されたギアケース
   側壁に向けて位置せしめ、前記回転部品の軸端に
   軸結合せしめるよう潤滑油ポンプを前記側壁外面
   に装着するとともに、前記ポンプの吸込側をオイ
   ル通路を介して潤滑油溜内に連通し、また吐出側
   をオイル通路によりインタデフケージ内に連通
   し、更にスルードライブシヤフトのスプラインを
   一部欠いてインターデフギヤ内に送油するオイル
   通路を形成してなるインターデフ付タンデムアク
   スルの潤滑装置。