JPS6259370B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は光学的情報読取装置の対物レンズ支持
装置に関するものである。

光学的に情報を記録したビデオデイスクやオー
デイオデイスクを再生する場合には、読取り用の
光束をデイスク面の情報トラツク上に正しく集束
させるトラツキングを行なう必要がある。

このような機構に関しては従来から種々の提案
がなされているが一般的なものは読取り用光束の
光路中にガルバノミラーを配置し、これを振らせ
て読取り用光束をトラツキング方向に振らせるこ
とによつて行なつている。しかしこのような構成
ではトラツキング動作に伴つて読取り用光束が対
物レンズ等の光学系の光軸に対して斜めに通過す
ることになるので、このような場合にも光束の集
束が正しく行なわれるように球面収差のみではな
く非点収差等も持たない光学系を用いる必要が生
じ、光学系の構成が複雑でかつ重量も増えてフオ
ーカシング制御系の特性が悪化してしまう。

特開昭51−61726号公報には対物レンズ駆動装
置に関する記載がある。第１図にその平面図（光
軸方向から見た図）、第２図に第１図Ａ−A′方向
から切つた断面図を示す。図中Ｘ方向はトラツク
方向、Ｙ方向はトラツクと垂直な方向であり、Ｙ
方向へのずれはトラツクから外れるずれなのでト
ラツキングエラーであり、Ｘ方向へのずれは読み
出された信号の時間的なずれとなるのでタイムベ
ースエラーと呼ぶことにする。対物レンズ１はレ
ンズ保持体２に取り付けられ、この保持体２は弾
性部材の枠３に取り付けられている。なお符号４
で示すものは枠３に橋架された側板である。枠３
は磁性材料より成つており、枠３の外側に対向し
て配置した電磁石５または５′に電流を流すこと
の磁力によつて力を受ける。枠３は支柱６，６′
に固定されているので全体がこの力によつて移動
することはないが図中に破線で示すようにたわ
み、レンズ１はＹ方向に移動することになる。な
お枠３内の部分７にはシリコンゴム、シリコング
リス等を詰めてこれにタンパーの動きをさせてい
る。さらに所望によつてはこれ等のＹ方向移動用
の装置全体を同様な構成をもつＸ方向移動用の駆
動装置内に収めてトラツキングエラー補正ととも
にタイムベースエラーの補正を行なうことができ
る。第１図に示した構成のものは枠３の支柱６に
取り付けられた面８，８′も図中に２点鎖線で示
すようにたわむ。

この構成のトラツキング機構では、対物レンズ
１のトラツキング動作時における中立位置復帰の
ための復元力を、枠３内のシリコンゴムに依存し
ている。このためトラツキング動作時における電
磁駆動手段で発生する力と対物レンズの変位量が
必ずしも正確に比例しないという欠点がある。

更に、かかる構成であるとレンズ支持の構造が
複雑となる欠点がある。

また、対物レンズを、その光軸方向に延在する
２枚の平行板ばねによつてトラツキング方向に変
位可能に支持したものも既知である（特開昭51−
114102号公報、第６図）が、この場合には対物レ
ンズをトラツキング方向に移動させたときに光軸
方向にも対物レンズが変位するのでフオーカシン
グが悪影響を受ける欠点がある。また、光軸方向
の装置の寸法も大きくなる欠点がある。

さらに、対物レンズを、その光軸に垂直に延在
する単一の圧電素子によつて支持し、この圧電素
子にトラツキングエラーに応じた信号を印加して
彎曲させ、対物レンズをトラツキング方向に変位
させるように構成した装置も既知である（特開昭
48−101103号公報、Fig.5）が、この場合には対
物レンズをトラツキング方向に変位させたときに
対物レンズが回動し、非点収差やコマ収差の方向
が所定の方向からずれてしまうのでトラツキング
エラーやフオーカシングエラーの検出精度が低下
してしまう欠点がある。

本発明の目的は対物レンズの支持装置を小型、
軽量とすることができるとともにトラツキング補
正に伴なう対物レンズの回動がない対物レンズ支
持装置を提供することにある。

本発明は記録媒体上にトラツク状に記録された
情報を読み取るための対物レンズと、この対物レ
ンズをレンズ光軸方向と情報トラツク方向の両方
向に垂直なトラツキング方向に移動するように配
置された電磁駆動手段と、前記対物レンズを前記
トラツキング方向に移動可能なように対物レンズ
を固定部材に対し支持した弾性支持部材とより構
成される情報読取装置において、 前記レンズ光軸方向と前記トラツキング方向の
両方向に垂直な方向に延在すると共に、この延在
方向における一端が前記固定部材に固定され、自
由端部である他端に前記対物レンズが固定され且
つ前記トラツキング方向にみて離間した平行な少
なくとも２つの弾性支持部材により前記対物レン
ズを片持支持したことを特徴とするものである。

以下図面に基づき本発明の一実施例を詳細に説
明する。

第３図は本発明によるフオーカシングおよびト
ラツキング用のレンズ駆動装置の一実施例を光軸
に垂直な面に沿つて切つて示す断面図である。ま
た第４図は第３図のＢ−B′に沿つて切つた断面図
である。対物レンズ２１は円筒形の保持筒２２に
取り付けられている。保持筒２２は２枚の磁性体
の板ばね２３，２４によつて固定部材、例えばコ
イルボビン２５に連結される。

この２枚のトラツキング用板ばね２３，２４は
対物レンズの光軸に垂直な方向に延在するととも
に離間した片持形式で配置されている。このよう
な構成の弾性支持部材によれば、対物レンズの光
軸方向下側に配置されている光学系を対物レンズ
に近接させて配することができ、この場合には、
光軸方向の装置の寸法を小さくすることができ
る。また、板ばね２３，２４は平行且つ離間して
対物レンズを支持しているため、対物レンズは平
行に移動し、その回動が抑止される効果がある。
しかもトラツキング方向に移動したときに、光軸
方向に変位することもないので、フオーカシング
制御が影響を受けることもない。

また片持支持であるので構造は著しく簡単にな
る。

コイルボビン２５にはコイル２６が巻かれてい
て、このコイルボビン２５を内側と外側からはさ
んで磁石２７が配置されている。磁石２７の内筒
部分２８には上記板ばね２３，２４が貫通するた
めの孔２９，３０が開けられていてコイルボビン
２５とレンズ保持筒２２とが光軸方向に自由に動
けるようになつていて、さらにコイルボビン２５
は上記磁石２７を支持する枠３１にフオーカシン
グ用板ばね３２（形状は例えば第５図の５１に示
す）によつて保持されている。したがつてコイル
２６に電流を流すとボビン２５、レンズ保持筒２
２は一体に光軸方向に動き、コイル２６に流す電
流によつてこの動きを制御することができる。こ
のような構成によつてフオーカシングを行なうこ
とができる。次にトラツキングに関する機構を説
明する。

磁石の内筒部分２８の内面には対向して２つの
電磁石３３，３３′が取り付けられていて、これ
等の一方に電流を流すとこれにより生じる磁力が
磁性体の板ばね２３，２４に働いてこれ等が吸引
されこれに伴つてレンズ保持筒２２が光軸と垂直
な方向、Ｂ−B′方向に動く。そこで電磁石３３ま
たは３３′に流す電流を制御すればトラツキング
制御を行なうことができる。もちろんこれ等のト
ラツキングおよびフオーカシングの制御は何らか
の方法により検出したトラツキングエラーおよび
フオーカシング信号に基づいて行うようにする。

第５図は本発明の他の実施例を示している。こ
れも基本的には第３図、第４図で説明したものと
同じ構造を有している。第５図ａは上面図であり
第５図ｂはａのＤ−D′に沿つて切つた断面図で
ある。レンズ保持筒５７は２枚のトラツキング用
板ばね５４，５５によつて固定部材、例えばボビ
ン５３に取り付けられている。このボビン５３に
は板ばね５１（第４図の板ばね３２に相当）およ
び板ばね５２が固定されている。ここでフオーカ
シング用の板ばね５１，５２はレンズ保持筒５７
の上下２か所に設けられている。さらに本実施例
ではコイルボビン５３を下方に延長してここにコ
イル５８を巻くようにし、磁石５９はこの部分を
はさんで配置している。なおトラツキング用の電
磁石６０，６１をレンズ保持筒５７をはさんで対
向して設けてトラツキング用に用いることは上述
の実施例と同じである。

上述した本発明の対物レンズ支持装置によれ
ば、対物レンズをトラツキング方向に移動可能に
支持する弾性支持部材を対物レンズ光軸と垂直な
方向に延在させたため、光軸方向の寸法を小さく
することができ、装置を薄形とすることができる
とともにトラツキング方向に対物レンズを移動さ
せたときに光軸方向に変位することはないのでフ
オーカシングに影響を与えることはない。また、
対物レンズ光軸方向と直角方向に弾性支持部材を
離間して平行に配したため対物レンズのトラツキ
ング駆動に際し、トラツキング方向への移動に伴
つて対物レンズが回動せず平行移動するので対物
レンズの収差の方向が変動することがなくなり、
トラツキングエラーの検出精度が劣化することは
ない。更に対物レンズを片持支持しているのでレ
ンズ支持の構造は著しく簡単になる。なお本発明
は上述の実施例にのみ限定されるものではない。
対物レンズを支持するばね機構は他にも多くの変
形が考えられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の対物レンズ駆動装置の一例の構
成を示す平面図、第２図は第１図を光軸に沿つて
切つて示す断面図、第３図は本発明による対物レ
ンズ支持装置の一実施例を光軸に垂直な面で切つ
て示す断面図、第４図は第３図Ｂ−B′に沿つて切
つて示す断面図、第５図ａ，ｂは本発明の他の実
施例を示す線図である。 ２１……対物レンズ、２２……レンズ保持筒、
２３，２４……トラツキング用板ばね、２５……
コイルボビン、２７……磁石、３２……フオーカ
シング用板ばね、３３，３３′……トラツキング
用電磁石、５１，５２……フオーカシング用板ば
ね、５７……レンズ保持筒、６０，６１……トラ
ツキング用電磁石、５４，５５……トラツキング
用板ばね。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 記録媒体上にトラツク状に記録された情報を
   読み取るための対物レンズと、この対物レンズを
   レンズ光軸方向と情報トラツク方向の両方向に垂
   直なトラツキング方向に移動するように配置され
   た電磁駆動手段と、前記対物レンズを前記トラツ
   キング方向に移動可能なように対物レンズを固定
   部材に対し支持した弾性支持部材とより構成され
   る情報読取装置において、 前記レンズ光軸方向と前記トラツキング方向の
   両方向に垂直な方向に延在するとともに、この延
   在方向における一端が前記固定部材に固定され、
   自由端部である他端に前記対物レンズが固定され
   且つ前記トラツキング方向にみて離間した平行な
   少なくとも２つの弾性支持部材により前記対物レ
   ンズを片持支持したことを特徴とする対物レンズ
   支持装置。