JPS6258803B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、クロスロール圧延機におけるロール
位置の検出装置に関するものである。

近年、圧延製品の板巾方向の厚み精度に対する
要求が益々厳しくなつており、現状では圧延荷重
によるロールの撓みをキヤンセルするため、ロー
ルにイニシヤルクラウンをつけることにより対処
されているが、圧延材の板巾、厚さなどの圧延条
件が大巾に変えられる場合には、多種類のイニシ
ヤルクラウンを施したロールを保有して交換する
必要があり、ロール交換のために稼動率の低下を
招き、また圧延作業の進行に伴うロールの摩耗と
熱膨張によりロールのクラウンが変化するため、
ロールを交換しないで圧延板材の板巾方向の厚み
形状を制御する手段が要望されていた。

前記の欠点を解消するために、同一ロールを使
用して圧延材の広範囲な板巾方向の厚み形状の制
御が可能で、かつロールの寿命の長い圧延機とし
て特願昭53−138837号、特願昭54−59327号に示
す４段圧延機が提案され、それらの圧延機は上ロ
ールと下ロールを圧延方向と直角な線に対し所要
の角度に交差させることができるようになつてい
る。

また、上、下ロールを圧延方向と直角な線に対
しそれぞれ所要の角度にクロスさせる機構におけ
る具備すべき要件は、上、下ロールをクロスさせ
るための移動の役割のほかに、 (イ) 上、下ロールを所定位置に保持する機能。

(ロ) 圧延中に上、下ロールに対して圧延板材進行
方向に正又は負で発生する水平力を支承する機
能。

(ハ) 上、下ロールは、圧下量設定時、作動時に、
前記(イ)、(ロ)条件下で鉛直方向に移動することが
必要であり、各ジヤツキとロールチヨツク間に
適正なクリアランスを得る機能。

(ニ) 前記(イ)、(ロ)、(ハ)の条件下で移動させるため
、
各ジヤツキと各ロールチヨツク間に適正なクリ
アランスが必要であるとともに、ロール組替時
にはロールチヨツクとのクリアランスを大きく
とり、ロール組替作業時のかじりを防止して、
組替作業を容易にする役割。などが必要であ
る。

従つて、前記に対処するクロス機構として、特
願昭56−74901号に示す発明が提案されており、
その発明を第１図ないし第３図によつて説明する
と、第１図中８はハウジング、２０，２０′は受
台、１３ａ，１３ｂ，１１３ａ，１１３ｂ，２１
３ａ，２１３ｂ，３１３ａ，３１３ｂはジヤツ
キ、６′ａ，７′ａは上ロール用のロールチヨツ
ク、６ａ，７ａは下ロール用のロールチヨツク、
３８ａ，１３８ａ，２３８ａ，３３８ａはクロス
ヘツドであつて、前記の機構がロールの両端側
（作業側イ、駆動側ロ。）に夫々設けられている。
従つて、１３ａ，１３ｂ………３１３ｂの各ジヤ
ツキを作動させて、クロスヘツド３８ａ，１３８
ａ，２３８ａ，３３８ａを介してロールチヨツク
６′ａ，７′ａ，６ａ，７ａを圧延方向の前後側に
動かし、上ロール２，３、下ロール２′，３′をク
ロスさせることができる。さらに、第２，３図に
よつて詳細に説明すると、６ａ，７ａ、６ｂ，７
ｂ、６′ａ，７′ａ、６′ｂ，７′ｂの各ロールチヨ
ツク組にはそれらの両側を挾む如く配置された一
対のクロスヘツド組３８ａ，２３８ａ、３８ｂ，
２３８ｂ、１３８ａ，３３８ａ、１３８ｂ，３３
８ｂを夫々設け、かつ各クロスヘツドには各々２
個のウオームジヤツキ１３ａ，ｂ、１１３ａ，
ｂ、２１３ａ，ｂ、３１３ａ，ｂが設けてある。
さらに、電動機３１，１３１，２３１，３３１
は、夫々、ウオームギヤ減速機３３，１３３，２
３３，３３３、クラツチ３４，１３４，２３４，
３３４、ベベルギヤ３５，１３５，２３５，３３
５およびメカタイ軸３６，１３６等を介してウオ
ームジヤツキ１３ａ，ｂ，１３ａ，ｂ，２１３
ａ，ｂ，３１３ａ，ｂを駆動して、各クロスヘツ
ド３８ａ，ｂ，１３８ａ，ｂ，２３８ａ，ｂ，３
３８ａ，ｂを移動するようにされ、各電動機は図
示の如く同方向に動かす２個のクロスヘツドを同
時に動かす。更に、各電動機の回転方向、回転量
がそれらの回転角検出器によつて検出されて、電
動機の回転量から各ジヤツキ即ちクロスヘツドの
移動量を容易に知ることができ、またその移動量
から、上・下ロール間のクロス角を換算可能でこ
れを第３図に示す制御機構と結合して自動遠隔操
作が可能である。この制御機構のモードの選定
は、ロールチヨツクの両側に対設された一対のク
ロスヘツドが、同方向に同調して移動、逆方向に
同調して移動、あるいは各々独立して移動される
各移動モードに各移動機構の電動機の回転方向及
び回転量を制御するようになつている。

従つて通常作動時は、電動機３１，１３１，２
３１，３３１が電気的同調機能により同調し図示
方向に回転して、一対のクロスヘツド３８ａと２
３８ａ１３８ａと３３８ａ、３８ｂと２３８ｂ、
１３８ｂと３３８ｂの組合せにおいて、一方のク
ロスヘツドがある方向へ移動すれば、他方のクロ
スヘツドも同量だけ同方向へ移動する。つまり、
作動側イにおいて下側のクロスヘツド組３８ａ，
２３８ａが圧延材の入側方向ハへ移動すれば上側
のクロスヘツド組１３８ａ，３３８ａは出側方向
ニへ同量だけ移動し、作業側ロにおいては、下側
のクロスヘツド組１３８ｂ，３３８ｂは出側方向
ニへ、上側のクロスヘツド組３８ｂ，２３８ｂは
同量だけ移動される。従つて、ロールチヨツクと
クロスヘツド間に一定のクリアランスを保つた状
態に据付調整しておけば、常に一定のクリアラン
スを保ちながらロールチヨツク即ちロールを保持
でき、上ロールと下ロールを所定のクロス角に設
定できるようになつている。

しかしながら、前記した機構においては、駆動
電動機の回転量を検出することによつて計算によ
りクロスヘツドの移動量を求めて、ロールのクロ
ス角を換算するため、各ロールの零点の位置が不
正確であり、かつ、ロールチヨツク駆動系の隙間
ロールチヨツクとクロスヘツド間の隙間、ならび
にこれら各部の摩耗によるがた等のため、ロール
の交差点を正確な位置に設定できず、交差点位置
が設定点をずれると、圧延中に圧延板材が進行方
向に対して蛇行したり、板巾方向の厚さが均一に
ならず、くさび形となる等の不具合が発生し、運
転停止ならびに不良製品板による損失等クロス圧
延機の死命を制する問題となる。これを防止する
ために、常にチヨツクとジヤツキまたはクロスヘ
ツド間の隙間を十分小さな値で精度よく保持する
必要があり、圧延開始前にこれらの隙間を計測し
かつ、ロールチヨツクに対するジヤツキまたはク
ロスヘツドの相対位置を調整し適正かつ正確なク
リアランスを得る必要があり不便であつた。

本発明は、前記したような難点を解消するため
に開発されたものであつて、圧延機のロールチヨ
ツクを変位させることによつて、ロール軸心が圧
延方向を含む水平面内においてなす角を、直角よ
り僅かに傾けることが可能な構成にされたロール
を有する圧延機において、電気信号変換素子を有
する位置検出器を一端側に備え他端側を被側定物
への接触面に形成されたピストンロツドと、案内
部、複動シリンダ部および前記位置検出器を内蔵
した検出部とからなり前記ピストンロツドを摺動
可能に嵌込んだシリンダ本体、前記シリンダ本体
を移動可能に案内した案内部材、前記シリンダ本
体を付勢した弾性部材、および前記ピストンロツ
ドを被測定物側へ常時又は任意に押付けるシリン
ダへの作動油供給機構とよりなる点に特徴を有
し、その目的とする処は、ロールのクロスポイン
トを正確に設定し圧延板材の蛇行および板ウエツ
ジ（板の巾方向の厚さがくさび状になること）を
防止することが可能なクロスロール圧延機のロー
ル位置検出装置を供する点にある。

以下、本発明の実施例を図示について説明す
る。第４図、第５図に本発明のロール位置検出装
置をクロスロール圧延機に配設した一実施例を示
し、第６図ないし第８図に本発明のロール位置検
出装置の一実施例を示しており、第６，７，８図
に示すロール位置検出装置は、電気信号変換素子
を有する位置検出器２１を一端側（図示右側）に
備え他端側を被側定物（ロールチヨツク）への接
触面２２ａに形成し、かつ中央部にピストン２２
ｂを有するピストンロツド２２と、案内部２３
ｂ、複動形シリンダ部２３ａおよび位置検出器２
１を内蔵した検出部２３ｃとからなりピストンロ
ツド２２を摺動可能に嵌込んだシリンダ本体２３
と、ハウジング（８又は８ａ）に取付けられ、シ
リンダ本体２３の両側の断面楔形の案内部２３
ｄ，２３ｄに接面して支承しシリンダ本体２３を
移動可能にした案内部材２４，２４とシリンダ本
体２３を図示左側に付勢したバネ等の弾性部材３
３と、図示省略したピストンロツド２２を左右に
摺動させる作動油供給機構によつて構成されてお
り、さらに具体的に説明すると、シリンダ本体２
３を構成している３個のブロツク２３ａ，２３
ｂ，２３ｃは複数本のボルト２３ｌによつて１体
に結合され、検出部２３ｃの一部は第７図に示す
ようにカバー２３ｋで形成されて内部の位置検出
器２１の点検が可能になつており、またシリンダ
本体２３の図示右側の肩部２３ｅには、ハウジン
グ８ａ側のブラケツト２７にピン２６で枢着され
た１対のレバー３２先端のピン２５ａで取付けら
れたローラ２５が当接し、ハウジング８ａ側のブ
ラケツト２８にピン２９で取付けられたボルト３
０に嵌装されナツト３１止めされた弾性部材即ち
バネ３３で押付けられ、シリンダ本体２３がハウ
ジング８ａに押付けられている。

さらに、シリンダ本体２３の複動形シリンダ部
２３ａの内部は、ピストンロツド２２のピストン
２２ｂによつて左右のシリンダ室２３ｊ，２３ｈ
が形成され、シリンダ室２３ｊに連通した油路２
３ｆと、シリンダ室２３ｈに連通した油路、２３
ｇが設けられ、図示外の作動油供給機構から油路
２３ｆ又は２３ｇに作動油が導入され、シリンダ
室２３ｊあるいは２３ｈに圧油を供給して、ピス
トンロツド２２が図示矢示の左右に摺動される構
造になつている。

図示した実施例のロール位置検出装置は、前記
した構造になつており、第４図、第５図に示すよ
うに上下配置のワークロール２，２′の各ロール
チヨツクに対設される。即ち、ハウジング８側に
配設したロール位置検出装置１ａをワークロール
２′のロールチヨツク６ａの側面Ba₁に対設し、
ロール位置検出装置１′ａをワークロール２のロ
ールチヨツク６′ａの側面Ba₂に対設し、ハウジ
ング８ａ側に配設したロール位置検出装置１ｂを
ワークロール２のロールチヨツク６ｂの側面Bb₁
に対設し、ロール位置検出装置１′ｂをワークロ
ール２′のロールチヨツク６′ｂの側面Bb₂に対設
させて、ワークロール２，２′の中心Ｃ点に対し
図示Ａ範囲の偏位置を検出するように配設するこ
とができる。

図示した実施例は、前記したようになつている
ので、ワークロールの位置即ちロールチヨツク
６′ａの位置を検出する場合について説明すると
先づ計測開始前に、ピストンロツド２２の端面Ｘ
をシリンダ本体２３の基準面Ｙ（第６図参照）に
接触させて、位置検出器２１の零点設定を行い、
次に、図示省略した作動油供給機構から油路２３
ｇを介しシリンダ室２３ｈへ作動油を注入すると
同時に反対側のシリンダ室２３ｊ内の油を油路２
３ｆから流出させると、ピストンロツド２２が左
方に動きその先端の接触面２２ａがロールチヨツ
ク６′ａの側面に接触して停止する。よつて、こ
の位置を位置検出器２１で検出して電気信号を発
する。この場合、シリンダ室２３ｈ側の作動油に
よる押力はシリンダ本体２３を支承する弾性部材
３３の押力以下であつて、かつ測定中、常に測定
物即ちロールチヨツク６′ａに適宜圧力で密着す
るように設定されている。

前記の状態で、ワークロール即ちロールチヨツ
ク６′ａが水平面内で任意位置に移動されると
（第４図に示すＡ範囲内）、ピストンロツド２２が
前記移動に伴つて自動的に追従し、その移動位置
を検出できる。

前記した検出の信号は、前述のロールクロス駆
動機構の制御機構（第３図参照）へフイードバツ
クされ、駆動電動機の回転を制御することにより
ロールチヨツク即ちワークロールの位置を制御す
ることができる。

また、圧延中にワークロールおよびロールチヨ
ツクに大きな衝撃力による振動が発生するが、本
発明装置においては、ピストンロツドを油圧シリ
ンダ機構によつて付勢し、かつシリンダ本体を弾
性部材で付勢しているため、衝撃を吸収でき常に
安全にかつ正確に計測できる信頼性を有するもの
である。

また、図示省略した作動油供給機構から供給さ
れる作動油によつてピストンロツドを摺動させ、
該ピストンロツドを被測定物即ちロールチヨツク
に常時又は任意に押付ける（油圧切換弁等の操作
による）ことができ、任意、所望時に随時測定で
きるとともに、ピストンロツドの接触面側をシリ
ンダ本体側に引込ませることによつてロール組替
時のロールチヨツク着脱が容易となる。

さらに、一対の案内部材によつてシリンダ本体
の両側に設けた断面楔形の案内部と接面し摺動可
能に支承しているので、シリンダ本体およびピス
トンロツドの位置が正確となり正確な検出結果が
得られる。

なお、本発明の実施に当つては、ピストンロツ
ドの組立、分解等を考慮してシリンダ本体の分割
ブロツク数を任意の分割数にすることができると
ともに、位置検出器２１はピストンロツド２２の
左右いずれにも配設可能であり、さらにシリンダ
本体を付勢した弾性部材は図示例に限らず各種の
部材機構によることができる。

以上本発明を実施例について説明したが、勿論
本発明はこのような実施例にだけ局限されるもの
ではなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内で
種々の設計の改変を施しうるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のロールクロス駆動装置の概要を
示す側面図、第２図は第１図の斜視図、第３図は
第１図、第２図の作用説明図、第４図は本発明の
ロール位置検出装置の配設状態を示す平面図、第
５図は第４図の側面図、第６図は本発明のロール
位置検出装置の一実施例を示す正面中央断面図、
第７図は第６図の横断平面図、第８図は第７図の
−断面を示す側面図である。 １ａ，１′ａ，１ｂ，１′ｂ：ロール位置検出装
置、２，２′：ワークロール、６ａ，６′ａ，６
ｂ，６′ｂ，７ａ，７′ａ，７ｂ，７′ｂ：ロール
チヨツク、８，８ａ：ハウジング、２１：位置検
出器、２２：ピストンロツド、２２ａ：接触面、
２３：シリンダ本体、２３ａ：複動シリンダ部、
２３ｂ：案内部、２３ｃ：検出部、２３ｅ：肩
部、２３ｇ，２３ｆ：油路、２３ｈ，２３ｊ：シ
リンダ室、２４：案内部材、２５：ローラ、３
２：レバー、３３：弾性部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 圧延機のロールチヨツクを変位させることに
   よつて、ロール軸心が圧延方向を含む水平面内に
   おいてなす角を、直角より僅かに傾けることが可
   能な構成にされたロールを有する圧延機におい
   て、電気信号変換素子を有する位置検出器を一端
   側に備え他端側を被側定物への接触面に形成され
   たピストンロツドと、案内部、複動シリンダ部お
   よび前記位置検出器を内蔵した検出部とからなり
   前記ピストンロツドを摺動可能に嵌込んだシリン
   ダ本体、前記シリンダ本体を移動可能に案内した
   案内部材、前記シリンダ本体を付勢した弾性部
   材、および前記ピストンロツドを被測定物側へ常
   時又は任意に押付けるシリンダへの作動油供給機
   構とよりなることに特徴を有するクロスロール圧
   延機のロール位置検出装置。