JPS6258399B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は高泡性を有し、かつ洗髪中のきしみが
無く、低温安定性良好な低刺激性シヤンプー組成
物に関するものである。更に詳しくは特定のスル
ホサクシネートモノエステル塩型アニオン界面活
性剤と特定のベタイン型両性界面活性剤を含有す
る低刺激性シヤンプー組成物に関するものであ
る。 従来、シヤンプー用の界面活性剤としてはアル
キル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸
塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルフアオ
レフインスルホン酸塩等のアニオン界面活性剤が
広く使用されているが、これらの界面活性剤は程
度の差こそあれいずれも皮膚・眼粘膜に対して刺
激作用を有することが知られている。これに対し
皮膚・眼粘膜に温和な（以下、低刺激性という）
界面活性剤として例えば２−アルキル−Ｎ−カル
ボキシメチル−Ｎ−ヒドロキシエチルイミダゾリ
ニウムベタインのような両性界面活性剤や高級ア
ルコールまたはポリオキシエチレン高級アルコー
ルエーテルのスルホサクシネートモノエステル塩
型アニオン界面活性剤があるが、これらは泡立ち
が十分でなく、特に頭皮から分必された油や整髪
料に由来する油の存在下で泡立ちが劣るものであ
る。またこれ等の低刺激性界面活性剤の泡立ちを
改良するためにアルキル硫酸塩やポリオキシエチ
レンアルキル硫酸塩と併用する試みもなされてい
るが、この場合には刺激性の悪化や洗髪中に不快
感をともなうきしみ感を与えたり、低温安定性が
悪く冬期シヤンプーが混濁しやすい等の問題点を
有している。 本発明者らはこれらの欠点を改良すべく研究を
重ねた結果、特定の構造を有するスルホサクシネ
ートモノエステル塩型アニオン界面活性剤と、特
定のベタイン型両性界面活性剤を併用することに
より、低刺激性をそこなわず、高抱性でかつ洗髪
中のきしみが無く、低温安定性の良好なシンプー
組成物が得られることを見い出し本発明に到達し
た。 すなわち本発明は一般式（） 〔式中、R₁は平均炭素数が９〜15のアルキル基で
あり、R₂は水素又はメチル基、AOは炭素数２〜
３のオキシアルキレン基、ｎは０〜20の整数、
M₁、M₂は水素イオン、アルカリ金属イオン、ア
ンモニウムイオン、ヒドロキシアルキルアンモニ
ウムイオンからなる群から選ばれる１つを表わ
す。〕 で示されるアニオン界面活性剤を２〜40重量パー
セントおよび一般式（） 〔式中、R₃は平均炭素数が９〜15のアルキル基で
あり、R₄、R₅はメチル基又はエチル基、ｍは２
又は３を表わす。〕 で示される両性界面活性剤を２〜40重量パーセン
ト含有することを特長とする低刺激性シヤンプー
組成物である。 本発明で使用される一般式（）の化合物にお
いて、R₁は平均炭素数が９〜15の直鎖状又は分
岐状のアルキル基であり、ノニル、デシル、ウン
デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、
ペンタデシル基又はこれらの混合物又はこれらに
炭素数９〜15の範囲外のアルキル基を含んで平均
炭素数が９〜15になつているアルキル基が挙げら
れる。とくに平均炭素数11〜13の直鎖状のアルキ
ル基が好ましい。平均炭素数８以下あるいは16以
上では起泡力が不十分となる。ｎは０〜20であれ
ば良いが洗髪中のきしみ感をなくするためには５
以下が好ましく特に１〜３が好ましい。M₁、M₂
は水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウ
ムイオン、ヒドロキシアルキルアンモニウムイオ
ンからなる群から選ばれる１つを表わすが両者は
同じであつてもよい。ここで言うアルカリ金属と
してはリチウム、ナトリウム、カリウムであり、
ヒドロキシアルキルアンモニウムイオンとはモノ
エタノールアンモニウムイオン、ジエタノールア
ンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウム
イオン、イソプロパノールアンモニウムイオン、
ジメチルモノエタノールアンモニウムイオン、メ
チルジエタノールアンモニウムイオン等が挙げら
れる。特に好ましくは水素イオン、ナトリウムイ
オン、トリエタノールアンモニウムイオンであ
る。 一般式（）の化合物においてR₃は平均炭素
数９〜15のアルキル基であり、一般式（）の
K₁と同様のアルキル基をあげることができ、R₁
と同じでも違つていてもよい。とくに平均炭素数
11〜13の直鎖状のアルキル基が好ましい。平均炭
素数８以下あるいは16以上では起泡力が不十分と
なる。 一般式（）の化合物の製造方法は特に限定さ
れるものではなく、一般式（）の構造が出きる
方法であればよく、例えば高級脂肪酸とモノエタ
ノールアミンとをまず反応させ、次いでアルキレ
ンオキサイドを付加して得られる化合物、あるい
はβ−アミノエトキシエタノールと高級脂肪酸ま
たは高級脂肪酸低級アルコールエステルとの反応
で得られる化合物とスルホコハク酸とのエステル
化によつても製造することができる。しかし原料
入手の容易さおよび副生物を少なくしうる点で次
の製造方法をとることが好ましい。すなわちアル
カリ金属触媒の存在下で高級脂肪酸の低級アルコ
ールエステルと当モル以上のアルカノールアミン
を反応せしめ、次いで過剰のアルカノールアミン
を除去し、その後60〜100℃でアルキレンオキサ
イドを反応せしめる。次いで得られたアルキレン
オキサイド付加物と無水マレイン酸とのエステル
化を行い、その後、亜硫酸ソーダを反応せしめる
ことにより製造される、一般式（）の化合物の
皮膚刺激性は上記のアルキレンオキサイド付加物
の副生アミン量により影響を受けるが、上記の方
法で得られるポリアルキレンオキサイド付加物は
通常１〜15のアミン価であり、従来公知の方法で
製造されたものに比べ低いものである。皮膚刺激
性をさらに少なくするためには10以下のアミン価
になるように製造条件を選択する。この方法につ
いては別に本特許出願人が特許出願（昭和54年12
月11日付）して詳しく説明しているので参照され
たい。また従来公知の方法で製造された高級脂肪
酸アルカノールアミドまたはそれにアルキレンオ
キサイドの付加された化合物を蒸留、分別沈澱、
再結晶などの方法によつて精製してアミン価０〜
15、さらに好ましくは10以下程度にしたアルキレ
ンオキサイド付加物を使用することもできる。ま
たこのようにして製造されたスルホサクシネート
モノエステル塩型アニオン界面活性剤は一般式
（）で示される化合物のほかに、次の一般式
（）で示される化合物を含むことがあるが、一
般式（）で示される化合物をも含んでいてもよ
い。 （R₁、R₂、Ａ、ｎ、M₁、M₂は一般式（）の場
合と同じである。） 一般式（）の化合物は通常、高級脂肪酸又は
その低級アルコールエステルと次の一般式（）
で示されるアミンとの縮合反応物にモノクロル酢
酸等のハロ酢酸とを反応させることにより製造さ
れる。 本発明シヤンプー組成物において一般式（）
の化合物の含有量はシヤンプーの処方中２〜40重
量パーセントであり、好ましくは５〜20重量パー
セントである。２重量パーセント未満の場合は起
泡力が不足し、また十分な低刺激性を発揮でき
ず、40重量パーセントをこえる高濃度の含有量は
実際上必要でない。一般式（）の化合物の含有
量は２〜40重量パーセントであり、好ましくは５
〜20重量パーセントである。２重量パーセント未
満の場合は起泡力が不足し、また十分な低刺激性
を発揮できず、40重量パーセントをこえる高濃度
の含有は実際上必要でない。一般式（）、（）
の化合物の合計は３重量パーセント以上で、通常
のシヤンプー組成中では５〜30％、さらに好まし
くは10〜25％である。 本発明のシヤンプー組成物は、従来のシヤンプ
ー組成物に一般に配合される成分、例えばアルキ
ル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩な
どのアニオン界面活性剤、２−アルキル−Ｎ−カ
ルボキシメチル−Ｎ−ヒドロキシエチルイミダゾ
リニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸
ベタインなどの両性界面活性剤、高級脂肪酸アル
カノールアマイド、アルキルジメチルアミンオキ
サイド、ポリオキシエチレンアルキルエーテルな
どの非イオン界面活性剤、高級アルコールやイソ
プロピルミリステートなどの油成分、酸化防止
剤、キレート剤、紫外線吸収剤、殺菌剤、防腐
剤、色素、香料などを配合することができる。こ
れら添加成分の配合割合は界面活性剤である場合
は０〜30重量％を加えるかシヤンプー処方中の一
般式（）、（）の活性剤成分の80％までを置換
えることができる。油成分としてはシヤンプーの
用途に応じ希望するシヤンプー後の残油量にあわ
せて変化させれば良く、通常０〜10％、さらに好
ましくは１〜５％程度である。その他の添加剤は
通常のシヤンプー配合量程度でよく通常２％以下
である。 本発明のシヤンプー組成物はシヤンプーに必要
な諸性能は十分満足な上、洗髪中のきしみが無
く、低温安定性良好で、皮膚・眼粘膜に対してき
わめて温和な特長を有している。 以下、実施例について説明するが本発明はこれ
に限定されるものではない。 実施例 １ 表１及び表２の界面活性剤を用いて次のシヤン
プーを作成し、起泡力及びきしみ感を試験した。 シヤンプー処方 表１の界面活性剤 12ｇ 表２の界面活性剤 12ｇ 水 76ｇ PH（現液）はクエン酸にて6.0に調整した。 起泡力はシヤンプーの２％水溶液に油汚れ成分
としてラノリン0.05％、流動パラフイン0.05％を
加え、30℃において平型プロペラで回転数
1000rpm、10秒毎反転の条件下で５分間シリンダ
ー中で撹拌し、撹拌終了後30秒後の泡の量（ml）
により評価を行つた。 きしみ感５人による洗髪試験を行い、２人以上
きしみ感を感じた場合を不良とした。結果は表３
の通りで本発明の組成物が特に優れていることが
わかる。

【表】

【表】

【表】 実施例 ２ 表４のシヤンプー組成物（PH6.5）につき起泡
力、きしみ感、低温安定性、皮膚刺激性を試験し
た。起泡力、きしみ感は実施例１と同じ方法によ
り試験し、低温安定性、皮膚刺激性は次の方法に
よつた。 低温安定性；シヤンプー組成物を０℃で１週間放
置し、かすみ、濁り、沈でんなどを生じた場合
を不良とした。 皮膚刺激性；シヤンプー組成物の10％水溶液をモ
ルモツトに24時間クローズパツチテストを行
い、皮膚刺激性を評価した。 評価はパツチ除去後24時間後における皮膚反
応の強さを発赤、浮腫につきそれぞれ−（０）、
±（0.5）＋（1.0）、＋＋（2.0）のスコアを与え、発
赤、浮腫のモルモツト10匹での合計スコアをも
つて皮膚刺激性を判定した。 結果は表５の通りで本発明の組成物が特に優れ
ていることがわかる。

【表】

【表】 実施例 ３ 実施例１中のサンプルNo.Ａ−７ 10ｇ 実施例１中のサンプルNo.Ｂ−２ ７ｇ ラウリル硫酸トリエタノールアミン塩 ４ｇ プロピレングリコール ３ｇ 香料・色素 微量 水 76ｇ 実施例 ４ 実施例１中のサンプルNo.Ａ−８ 14ｇ 実施例１中のサンプルNo.Ｂ−２ ７ｇ モノステアリン酸ポリオキシエチレン（20）ソル
ビタン １ｇ 香料・色素 微量 水 78ｇ 上記の処方で製造されたシヤンプーは泡立ちが
良く、洗髪中のきしみもなく、眼粘膜に対しても
特に温和であつた。 実施例 ５ 実施例３、４で得られた本発明のシヤンプー粗
成物の各々１％水溶液を用いてパツチテストによ
る皮膚一次刺激試験を行つた。すなわち男女各15
名の上腕内側部に試料を塗布したリント布を貼布
し、その上をパツチテスト用絆創膏で固定し48時
間後の紅斑その他の変化の有無を調べたところす
べての者に異常を認めなかつた。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一般式（） 〔式中、R₁は平均炭素数が９〜15のアルキル基で
   あり、R₂は水素又はメチル基、AOは炭素数２〜
   ３のオキシアルキレン基、ｎは０〜20の整数、
   M₁、M₂は水素イオン、アルカリ金属イオン、ア
   ンモニウムイオン、ヒドロキシアルキルアンモニ
   ウムイオンからなる群から選ばれる１つを表わ
   す。〕 で示されるアニオン界面活性剤を２〜40重量パー
   セントおよび 一般式（） 〔式中、R₃は平均炭素数が９〜15のアルキル基で
   あり、R₄、R₅はメチル基又はエチル基、ｍは２
   又は３を表わす。〕 で示される両性界面活性剤を２〜40重量パーセン
   ト含有することを特長とする低刺激性シヤンプー
   組成物。 ２ 一般式（）で示されるアニオン界面活性剤
   と一般式（）で示される両性界面活性剤の合計
   が少くとも３重量％である特許請求の範囲第１項
   記載の組成物。 ３ 一般式（）で示されるアニオン界面活性剤
   が、アルカリ金属触媒の存在下で高級脂肪酸の低
   級アルコールエステルと当モル以上のアルカノー
   ルアミンを反応せしめ、次いで過剰のアルカノー
   ルアミンを除去し、その後60〜100℃でアルキレ
   ンオキサイドを反応せしめることによつて得られ
   る反応生成物とスルホコハク酸とのモノエステル
   塩である特許請求の範囲第１〜２項のいずれかに
   記載の組成物。