JPS6258001B2 - - Google Patents
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- JPS6258001B2 JPS6258001B2 JP4093078A JP4093078A JPS6258001B2 JP S6258001 B2 JPS6258001 B2 JP S6258001B2 JP 4093078 A JP4093078 A JP 4093078A JP 4093078 A JP4093078 A JP 4093078A JP S6258001 B2 JPS6258001 B2 JP S6258001B2
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Landscapes
- Feedback Control In General (AREA)
Description
本発明は、入力量をステツプ状に所定量だけ変
化させた場合に、プロセスの出力量がオーバシユ
ート、逆応答時の応答上の大きな振動現象を生ず
ることなく漸次増加して最終安定値に達するよう
な定位系プロセスに対するPID制御パラメータの
最適値演算方式に関する。 従来の定位系プロセスに対するPID制御パラメ
ータの演算方式には、主として限界感度法による
もの、Chienらの方法によるものなどがある。 限界感度法は、プロセスに対し比例動作のみで
制御を行わせ、比例帯を少しずつ狭くしゲインを
上げ、遂にサイクリングを始める限界での比例感
度と、そのときの持続振動の周期からPID制御パ
ラメータを求める方法である。 Chienらの方法は、プロセスのステツプ応答特
性から無駄時間、時定数などのプロセス特性を同
定し、その同定結果からPID制御パラメータを求
める方法である。ここで、定位系プロセスのステ
ツプ応答について考えてみると、プロセスの特性
に応じて第5図に示すような応答を行うことは良
く知られている。第5図において、aはオーバシ
ユートがある応答特性、bは逆応答がある応答特
性、cはオーバシユート、逆応答等の応答上の大
きな振動現象のない応答特性を示している。第5
図a,bに示すようなオーバシユート、逆応答の
あるステツプ応答特性の定位系プロセスについて
はステツプ応答特性からプロセス特性を同定する
ことは難しいが、第5図Cに示すようなオーバシ
ユート、逆応答等の応答上の大きな振動現象のな
いステツプ応答特性からはプロセス特性を同定す
ることができる。Chienらの方法では第1図で示
すようにオーバシユート、逆応答等の応答上の大
きな振動現象のないステツプ応答曲線X(t)の
最大傾斜線lsから無駄時間L、時定数Tを分離す
るようにしている。 しかして限界感度法は本質的に、プロセスをサ
イクリングさせるため、プロセスに与える影響が
大きく場合によつては、プロセス破壊につながる
ため現実的な方法ではない。 また前記のようなプロセスのステツプ応答曲線
からプロセス特性を同定する方法では、プロセス
ノイズの影響が大きくまた同定の作業をする人間
の個人差も大きく、同定は不正確なものになる。
さらに高次の要素を応答曲線より求めるのは困難
で、詳細なプロセス同定はむずかしいという不都
合がある。 本発明は前記に鑑み、入力量をステツプ状に所
定量だけ変化させた場合に、プロセスの出力量が
オーバシユート、逆応答等の応答上の大きな振動
現象を生ずることなく漸次増加して最終安定値に
達するような定位系プロセスに対するPID制御パ
ラメータの最適値を演算する方式において、プロ
セスのステツプ応答特性を知り、そこから同定と
いう手順を踏むことなく直接に最適なPID制御パ
ラメータを求めることができる演算方式を提供す
ることを目的とするものである。 かかる本発明の特徴は定位系プロセスの入力量
をステツプ状に所定量だけ変化させ、これに応じ
て変化するプロセスの出力量からステツプ応答特
性を求め、ステツプ応答曲線からプロセスの遅れ
時定数合計値TTの情報を持つ最終安定値を示す
直線とステツプ応答曲線とで囲まれた特性面積
S0を求め、この特性面積S0と最終安定値とから
遅れ時定数合計値TTを求め、プロセスの次数、
プロセスの時定数のばらつきの程度などの情報を
包括している時間0から遅れ時定数合計値TTま
でのステツプ応答曲線の下部側の特性面積S1、
時間0から遅れ時定数合計値TTに一定比率α
(0<α<1)を乗算した値αTTまでのステツプ
応答曲線の下部側の特性面積S2を求め、該面積
S1、S2を変数としてPID制御パラメータの最適値
を求める簡易式を各PID制御パラメータ毎に理論
的計算による各PID制御パラメータの最適値とこ
れらに対応する前記面積S1、S2との対応関係を
近似した形で予め定めておき、該簡易式にプロセ
スの総括的な特性を含みかつプロセスノイズの影
響を受けにくい面積値S1、S2を代入してプロセ
スに適当なゲイン余裕、位相余裕を持たせるPID
制御パラメータを算出することができるようにし
たところにある。 以下本発明について図面を参照して説明する。 第2図は、本発明の方式に基づくPID制御パラ
メータ演算装置の概略的構成を示すブロツク線図
である。この図において、1はプロセス制御装置
と制御対象を示すブロツクでPはその制御対象と
なるプロセス、FCはプロセスPを操作する操作
部、Cは操作部FCに動作信号Csを与える調節部
であり、調節部Cは目標値SsとプロセスPの出
力制御量Psとを比較し、その偏差に応じた動作
信号Csを形成する。2はPID制御パラメータ演算
装置であり、操作部FCに切換スイツチSWを介し
てプロセス試験用の試験信号Tsを与える試験信
号発生器TD、この試験信号Tsにより変化するプ
ロセスPの出力制御量PsからプロセスPのステ
ツプ応答特性を求める応答特性検出器RP、この
応答特性検出器RPで得られた第3図に示すよう
なステツプ応答曲線X(t)から前述の特性面積
S0、S1、S2を求める特性面積算出器SC、この求
められた特性面積S0、S1、S2から最適PID制御
パラメータを求めるPID制御パラメータ算出器
TC、このPID制御パラメータ算出器TCで得られ
たPID制御パラメータの最適値を外部に表示する
表示器DPにより構成される。第2図の装置にお
いて、通常はスイツチSWを調節部C側に閉じ
て、プロセスPの制御量Psが目標値Ssと一致す
るように自動制御が行われる。 しかしてPID制御パラメータの演算を行う場合
は、スイツチSWを演算装置2の試験信号発生器
TD側に切換え、操作部FCを調節部Cから切離
す。 このようにして、演算装置2に開始指令を与え
ると試験信号発生器TDから試験信号Tsが出力さ
れ、それと同時に応答特性検出器RPが動作し、
ステツプ応答曲線が得られた段階で、それが特性
面積算出器SCに送られ、さらにその結果がPID
制御パラメータ算出器TCに送られ、PID制御パ
ラメータの最適値が表示器DPにより外部に表示
される。 次に第3図に示すステツプ応答曲線X(t)の
特性面積S0、S1、S2からPID制御パラメータの
最適値が演算できることの原理について説明す
る。今、本発明が対象とするステツプ応答にオー
パーシユート、逆応答等の応答上の大きな振動現
象が生じない定位系プロセスを考えてみると、そ
のステツプで応答曲線X(t)は第5図cと同様
に第3図のようになる。このステツプ応答曲線X
(t)において、ステツプ応答における最終安定
値Bと、この最終安定値Bを示す直線とステツプ
応答曲線X(t)とで囲まれた特性面積S0は特
性面積算出器SCにおいて得られるが、この最終
安定値Bと面積S0とは(1)式で示される関係とな
る。 ここにTj(j=1………、n)、Lは、プロセ
スの伝達関数GPを(2)式で表現した時の時定数、
無駄時間である。なお、多くの定位系プロセスは
(2)式の伝達関数GPで近似することができる。 但しKPはプロセスのゲインで、試験番号Tsの
大きさAに対して KP=B/A ………(3) と表され、遅れ時定数合計値TTは と表される。 ところで最終安定値Bと特性面積S0は応答曲
線X(t)から求められているので、(1)式に最終
値B、面積S0を代入することにより、(4)式に示
される遅れ時定数合計値TTを求めることができ
る。 ステツプ応答曲線X(t)の下部の時間0から
遅れ時定数合計値TTまでの面積と、時間0から
遅れ時定数合計値TTの一定比率値αTT(但し0
<α<1)までの面積をそれぞれ特性面積S1、
S2と定義すると面積S1、S2は次のように示され
る。但し、定位系の式を(2)式として面積S1とS2
を表すと非常に複雑になるので、n=2として、 GP=KPe−LS/(1+T1S)(1+T2S)
………(5) とする。 但し、この場合にはTT=L+T1+T2である。
遅れ時定数合計値TTまでの面積S1は、系が一次
遅れの時に最大で系の次数(n)が大きくなる程
小さくなり、また次数が一定であれば、時定数T
j(j=1………、n)が接近する程小さくなる
性質を有している。例えば次数n=2とした場合
に時定数T1、T2が接近してくるとすると、(6)式
において〔 〕内の右項と左項とは極性が反対で
大きさが等しくなつてくるため面積S1は小さく
なるのである。PID制御のようなフイードバツク
制御では制御動作の効果が速く判明する方が安定
な制御がしやすく、効果が判明するのが遅くて判
つた後で急激な変化がある方が制御しにくいの
で、PID制御を行うに際してはプロセスの次数が
低い程、かつ次数が一定であれば時定数がかけは
なれているほど制御しやすくなり、この面積S1
がPID制御パラメータの最適値を求めるための基
本的特性値として利用できることがわかる。 なお、プロセスとしては(2)式の伝達関数で近似
表現する以外にも、次式の伝達関数GPの近似表
現もあるが、いずれの場合も第5図cに示されて
ようなステツプ応答特性を有することは勿論であ
る。 さらに、 であるのでm=2あるいは3と選んで、 の形で近似表現する場合も多い。この場合にも、
合計値TTは、 となつて同様の取扱いができる。 一定比率値αTTまでの面積S2は、前述の面積
S1が完全な無駄時間系ではじめて零になるのに
対して系の次数の高さと無駄時間の比率の大きさ
によつて、面積S1よりも早く小さくなるという
性質を有する。したがつて特に微分時定数を求め
るときに有用である。 このようにステツプ応答曲線から得られる上記
特性面積S0、S1、S2はプロセス特性の細かい情
報を総括的に含んでいる値である。 本発明は求められた特性面積S0、S1、S2に基
づいて各PID制御パラメータの最適値を演算する
ものであり、従つて次式のように特性面積S1、
S2を変数としてPID制御パラメータの最適値を求
めるための簡易式を各PID制御パラメータ毎に予
め定めておき、これらの簡易式に求められた特性
面積S1、S2を代入して比例ゲインKC、積分時定
数TI、微分時定数TDを求めるようにしている。 KC=1/KPfK(S1、S2) ………(12) TI=TT・fI(S1、S2) ………(13) TD=TT・fD(S1、S2) ………(14) ここで、TTは前述の(1)、(4)式により求められ
た値であり、試験番号Tsの大きさAは分かつて
おり最終安定値Bはステツプ応答曲線X(t)よ
り得られるので、WPも(3)式より求められる。さ
らにS1、S2は遅れ時定数合計値TTがわかればス
テツプ応答曲線X(t)から求められる面積値で
ある。 したがつて、(12)、(13)、(14)式に示される簡
易式にK、TT、S1、S2を代入することにより比
例ゲインKC、積分時定数TI、微分時定数TDの
最適値を求めることができる。PID制御パラメー
タ算出器TCは(12)、(13)、(14)式による演算を行
うものであり、そのために特性面積算出器SCか
らの特性面積S0、S1、S2と図示されていないが
最終安定値Bとを入力して、(1)、(4)式に基づいて
遅れ時定数TTを求めるためのプログラムと、
(12)、(13)、(14)式の簡易式に使用される近似関
数fK、fI、fDにより演算を行うためのプログ
ラムとが予め格納されており、これらのプログラ
ムを実行することによりPID制御パラメータの最
適値が求められる。 上記(12)、(13)、(14)式に示されている簡易式
は理論的計算により求めた各PID制御パラメータ
の最適値とこれらに対応する特性面積との対応関
係を近似した形で表した簡易式であり、以下、こ
の簡易式の求め方について説明する。 PID制御パラメータの最適値である比例ゲイン
KC、積分時定数TI、微分時定数TDはプロセス
伝達関数がわかつていれば大型計算機を用いた複
雑な理論的計算により求められるので、本発明に
おいては、理論的な計算結果による各PID制御パ
ラメータの最適値である比例ゲインKC、積分時
定数TI、微分時定数TDと、これらに対応する特
性面積S1、S2とを求めて各PID制御パラメータの
最適値とこれらに対応する特性面積との対応関係
を近似した形で表した簡易式を作成する。第1表
は理論的計算による各PID制御パラメータの最適
値とこれらに対応する特性面積の一例を示してい
る。
化させた場合に、プロセスの出力量がオーバシユ
ート、逆応答時の応答上の大きな振動現象を生ず
ることなく漸次増加して最終安定値に達するよう
な定位系プロセスに対するPID制御パラメータの
最適値演算方式に関する。 従来の定位系プロセスに対するPID制御パラメ
ータの演算方式には、主として限界感度法による
もの、Chienらの方法によるものなどがある。 限界感度法は、プロセスに対し比例動作のみで
制御を行わせ、比例帯を少しずつ狭くしゲインを
上げ、遂にサイクリングを始める限界での比例感
度と、そのときの持続振動の周期からPID制御パ
ラメータを求める方法である。 Chienらの方法は、プロセスのステツプ応答特
性から無駄時間、時定数などのプロセス特性を同
定し、その同定結果からPID制御パラメータを求
める方法である。ここで、定位系プロセスのステ
ツプ応答について考えてみると、プロセスの特性
に応じて第5図に示すような応答を行うことは良
く知られている。第5図において、aはオーバシ
ユートがある応答特性、bは逆応答がある応答特
性、cはオーバシユート、逆応答等の応答上の大
きな振動現象のない応答特性を示している。第5
図a,bに示すようなオーバシユート、逆応答の
あるステツプ応答特性の定位系プロセスについて
はステツプ応答特性からプロセス特性を同定する
ことは難しいが、第5図Cに示すようなオーバシ
ユート、逆応答等の応答上の大きな振動現象のな
いステツプ応答特性からはプロセス特性を同定す
ることができる。Chienらの方法では第1図で示
すようにオーバシユート、逆応答等の応答上の大
きな振動現象のないステツプ応答曲線X(t)の
最大傾斜線lsから無駄時間L、時定数Tを分離す
るようにしている。 しかして限界感度法は本質的に、プロセスをサ
イクリングさせるため、プロセスに与える影響が
大きく場合によつては、プロセス破壊につながる
ため現実的な方法ではない。 また前記のようなプロセスのステツプ応答曲線
からプロセス特性を同定する方法では、プロセス
ノイズの影響が大きくまた同定の作業をする人間
の個人差も大きく、同定は不正確なものになる。
さらに高次の要素を応答曲線より求めるのは困難
で、詳細なプロセス同定はむずかしいという不都
合がある。 本発明は前記に鑑み、入力量をステツプ状に所
定量だけ変化させた場合に、プロセスの出力量が
オーバシユート、逆応答等の応答上の大きな振動
現象を生ずることなく漸次増加して最終安定値に
達するような定位系プロセスに対するPID制御パ
ラメータの最適値を演算する方式において、プロ
セスのステツプ応答特性を知り、そこから同定と
いう手順を踏むことなく直接に最適なPID制御パ
ラメータを求めることができる演算方式を提供す
ることを目的とするものである。 かかる本発明の特徴は定位系プロセスの入力量
をステツプ状に所定量だけ変化させ、これに応じ
て変化するプロセスの出力量からステツプ応答特
性を求め、ステツプ応答曲線からプロセスの遅れ
時定数合計値TTの情報を持つ最終安定値を示す
直線とステツプ応答曲線とで囲まれた特性面積
S0を求め、この特性面積S0と最終安定値とから
遅れ時定数合計値TTを求め、プロセスの次数、
プロセスの時定数のばらつきの程度などの情報を
包括している時間0から遅れ時定数合計値TTま
でのステツプ応答曲線の下部側の特性面積S1、
時間0から遅れ時定数合計値TTに一定比率α
(0<α<1)を乗算した値αTTまでのステツプ
応答曲線の下部側の特性面積S2を求め、該面積
S1、S2を変数としてPID制御パラメータの最適値
を求める簡易式を各PID制御パラメータ毎に理論
的計算による各PID制御パラメータの最適値とこ
れらに対応する前記面積S1、S2との対応関係を
近似した形で予め定めておき、該簡易式にプロセ
スの総括的な特性を含みかつプロセスノイズの影
響を受けにくい面積値S1、S2を代入してプロセ
スに適当なゲイン余裕、位相余裕を持たせるPID
制御パラメータを算出することができるようにし
たところにある。 以下本発明について図面を参照して説明する。 第2図は、本発明の方式に基づくPID制御パラ
メータ演算装置の概略的構成を示すブロツク線図
である。この図において、1はプロセス制御装置
と制御対象を示すブロツクでPはその制御対象と
なるプロセス、FCはプロセスPを操作する操作
部、Cは操作部FCに動作信号Csを与える調節部
であり、調節部Cは目標値SsとプロセスPの出
力制御量Psとを比較し、その偏差に応じた動作
信号Csを形成する。2はPID制御パラメータ演算
装置であり、操作部FCに切換スイツチSWを介し
てプロセス試験用の試験信号Tsを与える試験信
号発生器TD、この試験信号Tsにより変化するプ
ロセスPの出力制御量PsからプロセスPのステ
ツプ応答特性を求める応答特性検出器RP、この
応答特性検出器RPで得られた第3図に示すよう
なステツプ応答曲線X(t)から前述の特性面積
S0、S1、S2を求める特性面積算出器SC、この求
められた特性面積S0、S1、S2から最適PID制御
パラメータを求めるPID制御パラメータ算出器
TC、このPID制御パラメータ算出器TCで得られ
たPID制御パラメータの最適値を外部に表示する
表示器DPにより構成される。第2図の装置にお
いて、通常はスイツチSWを調節部C側に閉じ
て、プロセスPの制御量Psが目標値Ssと一致す
るように自動制御が行われる。 しかしてPID制御パラメータの演算を行う場合
は、スイツチSWを演算装置2の試験信号発生器
TD側に切換え、操作部FCを調節部Cから切離
す。 このようにして、演算装置2に開始指令を与え
ると試験信号発生器TDから試験信号Tsが出力さ
れ、それと同時に応答特性検出器RPが動作し、
ステツプ応答曲線が得られた段階で、それが特性
面積算出器SCに送られ、さらにその結果がPID
制御パラメータ算出器TCに送られ、PID制御パ
ラメータの最適値が表示器DPにより外部に表示
される。 次に第3図に示すステツプ応答曲線X(t)の
特性面積S0、S1、S2からPID制御パラメータの
最適値が演算できることの原理について説明す
る。今、本発明が対象とするステツプ応答にオー
パーシユート、逆応答等の応答上の大きな振動現
象が生じない定位系プロセスを考えてみると、そ
のステツプで応答曲線X(t)は第5図cと同様
に第3図のようになる。このステツプ応答曲線X
(t)において、ステツプ応答における最終安定
値Bと、この最終安定値Bを示す直線とステツプ
応答曲線X(t)とで囲まれた特性面積S0は特
性面積算出器SCにおいて得られるが、この最終
安定値Bと面積S0とは(1)式で示される関係とな
る。 ここにTj(j=1………、n)、Lは、プロセ
スの伝達関数GPを(2)式で表現した時の時定数、
無駄時間である。なお、多くの定位系プロセスは
(2)式の伝達関数GPで近似することができる。 但しKPはプロセスのゲインで、試験番号Tsの
大きさAに対して KP=B/A ………(3) と表され、遅れ時定数合計値TTは と表される。 ところで最終安定値Bと特性面積S0は応答曲
線X(t)から求められているので、(1)式に最終
値B、面積S0を代入することにより、(4)式に示
される遅れ時定数合計値TTを求めることができ
る。 ステツプ応答曲線X(t)の下部の時間0から
遅れ時定数合計値TTまでの面積と、時間0から
遅れ時定数合計値TTの一定比率値αTT(但し0
<α<1)までの面積をそれぞれ特性面積S1、
S2と定義すると面積S1、S2は次のように示され
る。但し、定位系の式を(2)式として面積S1とS2
を表すと非常に複雑になるので、n=2として、 GP=KPe−LS/(1+T1S)(1+T2S)
………(5) とする。 但し、この場合にはTT=L+T1+T2である。
遅れ時定数合計値TTまでの面積S1は、系が一次
遅れの時に最大で系の次数(n)が大きくなる程
小さくなり、また次数が一定であれば、時定数T
j(j=1………、n)が接近する程小さくなる
性質を有している。例えば次数n=2とした場合
に時定数T1、T2が接近してくるとすると、(6)式
において〔 〕内の右項と左項とは極性が反対で
大きさが等しくなつてくるため面積S1は小さく
なるのである。PID制御のようなフイードバツク
制御では制御動作の効果が速く判明する方が安定
な制御がしやすく、効果が判明するのが遅くて判
つた後で急激な変化がある方が制御しにくいの
で、PID制御を行うに際してはプロセスの次数が
低い程、かつ次数が一定であれば時定数がかけは
なれているほど制御しやすくなり、この面積S1
がPID制御パラメータの最適値を求めるための基
本的特性値として利用できることがわかる。 なお、プロセスとしては(2)式の伝達関数で近似
表現する以外にも、次式の伝達関数GPの近似表
現もあるが、いずれの場合も第5図cに示されて
ようなステツプ応答特性を有することは勿論であ
る。 さらに、 であるのでm=2あるいは3と選んで、 の形で近似表現する場合も多い。この場合にも、
合計値TTは、 となつて同様の取扱いができる。 一定比率値αTTまでの面積S2は、前述の面積
S1が完全な無駄時間系ではじめて零になるのに
対して系の次数の高さと無駄時間の比率の大きさ
によつて、面積S1よりも早く小さくなるという
性質を有する。したがつて特に微分時定数を求め
るときに有用である。 このようにステツプ応答曲線から得られる上記
特性面積S0、S1、S2はプロセス特性の細かい情
報を総括的に含んでいる値である。 本発明は求められた特性面積S0、S1、S2に基
づいて各PID制御パラメータの最適値を演算する
ものであり、従つて次式のように特性面積S1、
S2を変数としてPID制御パラメータの最適値を求
めるための簡易式を各PID制御パラメータ毎に予
め定めておき、これらの簡易式に求められた特性
面積S1、S2を代入して比例ゲインKC、積分時定
数TI、微分時定数TDを求めるようにしている。 KC=1/KPfK(S1、S2) ………(12) TI=TT・fI(S1、S2) ………(13) TD=TT・fD(S1、S2) ………(14) ここで、TTは前述の(1)、(4)式により求められ
た値であり、試験番号Tsの大きさAは分かつて
おり最終安定値Bはステツプ応答曲線X(t)よ
り得られるので、WPも(3)式より求められる。さ
らにS1、S2は遅れ時定数合計値TTがわかればス
テツプ応答曲線X(t)から求められる面積値で
ある。 したがつて、(12)、(13)、(14)式に示される簡
易式にK、TT、S1、S2を代入することにより比
例ゲインKC、積分時定数TI、微分時定数TDの
最適値を求めることができる。PID制御パラメー
タ算出器TCは(12)、(13)、(14)式による演算を行
うものであり、そのために特性面積算出器SCか
らの特性面積S0、S1、S2と図示されていないが
最終安定値Bとを入力して、(1)、(4)式に基づいて
遅れ時定数TTを求めるためのプログラムと、
(12)、(13)、(14)式の簡易式に使用される近似関
数fK、fI、fDにより演算を行うためのプログ
ラムとが予め格納されており、これらのプログラ
ムを実行することによりPID制御パラメータの最
適値が求められる。 上記(12)、(13)、(14)式に示されている簡易式
は理論的計算により求めた各PID制御パラメータ
の最適値とこれらに対応する特性面積との対応関
係を近似した形で表した簡易式であり、以下、こ
の簡易式の求め方について説明する。 PID制御パラメータの最適値である比例ゲイン
KC、積分時定数TI、微分時定数TDはプロセス
伝達関数がわかつていれば大型計算機を用いた複
雑な理論的計算により求められるので、本発明に
おいては、理論的な計算結果による各PID制御パ
ラメータの最適値である比例ゲインKC、積分時
定数TI、微分時定数TDと、これらに対応する特
性面積S1、S2とを求めて各PID制御パラメータの
最適値とこれらに対応する特性面積との対応関係
を近似した形で表した簡易式を作成する。第1表
は理論的計算による各PID制御パラメータの最適
値とこれらに対応する特性面積の一例を示してい
る。
【表】
この複雑な理論計算については本発明と直接は
関係しないのでその説明はここでは省略する。 このように、理論的計算により各PID制御パラ
メータの最適値とこれらに対応する特性面積とを
求めておくと、特性面積を変数としてPID制御パ
ラメータの最適値を求めるための簡易式をPID制
御パラメータの最適値と特性面積との対応関係を
近似式にて表すことにより、各PID制御パラメー
タ毎に計算により定めることができる。この近似
式を作成するための計算は、例えば最小2乗法を
用いて行なうことができ、この近似式に用いられ
る近似関数fK、fI、fDを次のように求める。 各近似関数fK、fI、fDはそれぞれ比例ゲイ
ンKC、積分時定数TI、微分時定数TDの最適値
を求めるためのものであり、目的によつて多様の
作り方ができるが、実用的には3次の多項式で十
分であるため(15)式にように求められる。な
お、(15)式においてaijは近似のための係数で
あり、関数fK、fi、fD毎に異なるが、最小2
乗法によつて求められる値である。 なお、係数aijを求めることについては、パツ
ケージ化された最小2乗法のソフトウエアがあ
り、これに関数(fK、fI、fD)の次数nと、
いくつかの重要ポイントのS1、S2の値と、この
S1、S2に対応する複雑な計算により求められた
最適なPID制御パラメータ(真値)とを与えるこ
とにより、誤差が最小となる係数aijが求められ
る。 この簡易式の精度は近似関数fK、fI、fDの
次数nや近似のための係数を決定するのに使用さ
れるPID制御パラメータの最適値、特性面積S1、
S2の数によつて決まるので、実用上に必要な精
度で利用できるように近似したものを定めて使用
すれば良い。 このようにして特性面積S0、S1、S2を用いて
(15)式により求められたPID制御パラメータの
1つである比例ゲインKC(近似値)について、
複雑な計算により求められた最適なPID制御パラ
メータKC(真値)との比較結果を第4図に示
す。第4図はプロセスが(5)式の場合の真値(実
線)と近似値(破線)であり、S1、S2の両方を
変数にすると図が複雑になるのでS1を0.263に固
定し、S2を変数として示したものである。第4
図からも明らかなように、本発明により得られる
近似値は真値にほぼ等しくなり、PID制御パラメ
ータとして使用することができる。 以上説明したように本発明によれば、多くのプ
ロセスの性質を知るのにステツプ応答曲線から得
られる最終安定値B、特性面積S0、S1、S2を用
いており、そこから直接にPID制御パラメータの
最適値を算出することができる。このため、応答
曲線にはプロセスノイズが重ね合わされている
が、面積計算を基本としているのでフイルタ効果
があり、ノイズの影響をあまり受けることなく安
定な演算になる。また特性面積には、通常の同定
作業では割出すことができない高次要素の影響、
時定数のばらつき等の細かい情報が総括的に含ま
れており、これをもつてプロセスの動特性を代表
させ、この値をもとにしてPID制御パラメータの
最適値を算出することは、従来の演算方式に比べ
て効果がある。さらに、特性面積からPID制御パ
ラメータの最適値を算出する式は単純な多項式で
近似できるのでその演算器も単純なものとなり実
際の制御装置への適用が容易になる等の効果があ
り本発明による演算方式は有用である。
関係しないのでその説明はここでは省略する。 このように、理論的計算により各PID制御パラ
メータの最適値とこれらに対応する特性面積とを
求めておくと、特性面積を変数としてPID制御パ
ラメータの最適値を求めるための簡易式をPID制
御パラメータの最適値と特性面積との対応関係を
近似式にて表すことにより、各PID制御パラメー
タ毎に計算により定めることができる。この近似
式を作成するための計算は、例えば最小2乗法を
用いて行なうことができ、この近似式に用いられ
る近似関数fK、fI、fDを次のように求める。 各近似関数fK、fI、fDはそれぞれ比例ゲイ
ンKC、積分時定数TI、微分時定数TDの最適値
を求めるためのものであり、目的によつて多様の
作り方ができるが、実用的には3次の多項式で十
分であるため(15)式にように求められる。な
お、(15)式においてaijは近似のための係数で
あり、関数fK、fi、fD毎に異なるが、最小2
乗法によつて求められる値である。 なお、係数aijを求めることについては、パツ
ケージ化された最小2乗法のソフトウエアがあ
り、これに関数(fK、fI、fD)の次数nと、
いくつかの重要ポイントのS1、S2の値と、この
S1、S2に対応する複雑な計算により求められた
最適なPID制御パラメータ(真値)とを与えるこ
とにより、誤差が最小となる係数aijが求められ
る。 この簡易式の精度は近似関数fK、fI、fDの
次数nや近似のための係数を決定するのに使用さ
れるPID制御パラメータの最適値、特性面積S1、
S2の数によつて決まるので、実用上に必要な精
度で利用できるように近似したものを定めて使用
すれば良い。 このようにして特性面積S0、S1、S2を用いて
(15)式により求められたPID制御パラメータの
1つである比例ゲインKC(近似値)について、
複雑な計算により求められた最適なPID制御パラ
メータKC(真値)との比較結果を第4図に示
す。第4図はプロセスが(5)式の場合の真値(実
線)と近似値(破線)であり、S1、S2の両方を
変数にすると図が複雑になるのでS1を0.263に固
定し、S2を変数として示したものである。第4
図からも明らかなように、本発明により得られる
近似値は真値にほぼ等しくなり、PID制御パラメ
ータとして使用することができる。 以上説明したように本発明によれば、多くのプ
ロセスの性質を知るのにステツプ応答曲線から得
られる最終安定値B、特性面積S0、S1、S2を用
いており、そこから直接にPID制御パラメータの
最適値を算出することができる。このため、応答
曲線にはプロセスノイズが重ね合わされている
が、面積計算を基本としているのでフイルタ効果
があり、ノイズの影響をあまり受けることなく安
定な演算になる。また特性面積には、通常の同定
作業では割出すことができない高次要素の影響、
時定数のばらつき等の細かい情報が総括的に含ま
れており、これをもつてプロセスの動特性を代表
させ、この値をもとにしてPID制御パラメータの
最適値を算出することは、従来の演算方式に比べ
て効果がある。さらに、特性面積からPID制御パ
ラメータの最適値を算出する式は単純な多項式で
近似できるのでその演算器も単純なものとなり実
際の制御装置への適用が容易になる等の効果があ
り本発明による演算方式は有用である。
第1図はプロセスのステツプ応答曲線から無駄
時間L、時定数Tを同定する従来の方法、第2図
は本発明の方式に基づく演算装置のブロツク構成
図、第3図は本発明の作用解説図、第4図は本発
明により求められたPID制御パラメータと実際の
最適PID制御パラメータとの対応関係を示すグラ
フ、第5図は定位系プロセスのステツプ応答特性
の説明図である。 1:プロセス制御系、2:調整装置、C:調節
部、FC:操作部、P:プロセス、TD:試験信号
発生器、RP:応答特性検出器、SC:特性面積算
出器、TC:PID制御パラメータ算出器、DP:表
示器。
時間L、時定数Tを同定する従来の方法、第2図
は本発明の方式に基づく演算装置のブロツク構成
図、第3図は本発明の作用解説図、第4図は本発
明により求められたPID制御パラメータと実際の
最適PID制御パラメータとの対応関係を示すグラ
フ、第5図は定位系プロセスのステツプ応答特性
の説明図である。 1:プロセス制御系、2:調整装置、C:調節
部、FC:操作部、P:プロセス、TD:試験信号
発生器、RP:応答特性検出器、SC:特性面積算
出器、TC:PID制御パラメータ算出器、DP:表
示器。
Claims (1)
- 1 入力量をステツプ状に所定量だけ変化させた
場合に、プロセスの出力量がオーバシユート、逆
応答等の応答上の大きな振動現象を生ずることな
く漸次増加して最終安定値Bに達するような定位
系プロセスのPID制御パラメータの最適値を演算
するものであつて、定位系プロセスの入力量をス
テツプ状に所定量だけ変化させ、これに応じて変
化するプロセスの出力量からステツプ応答特性を
検出し、この検出されたステツプ応答特性に基づ
いて、ステツプ応答曲線と前記最終安定値Bを示
す直線とで囲まれた面積S0を求めて該面積S0と
前記最終安定値Bとから遅れ時定数合計値TTを
求め、さらに時間0から該遅れ時定数合計値TT
までのステツプ応答曲線の下部側の面積S1と、
時間0から前記遅れ時定数合計値TTに一定比率
α(0<α<1)を乗算した値までのステツプ応
答曲線の下部側の面積S2とをそれぞれ求め、該
面積S1、S2を変数としてPID制御パラメータの最
適値を求める簡易式を各PID制御パラメータ毎に
理論的計算による各PID制御パラメータの最適値
とこれらに対応する前記面積S1、S2との対応関
係を近似した形で予め定めておき、該簡易式に前
記面積S1、S2を代入して各PID制御パラメータの
最適値を演算するようにしたことを特徴とする定
位系プロセスにおけるPID制御パラメータの最適
値演算方式。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4093078A JPS54133277A (en) | 1978-04-07 | 1978-04-07 | Most suitable value arithmetic system for pid control parameter in static system process |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4093078A JPS54133277A (en) | 1978-04-07 | 1978-04-07 | Most suitable value arithmetic system for pid control parameter in static system process |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS54133277A JPS54133277A (en) | 1979-10-16 |
JPS6258001B2 true JPS6258001B2 (ja) | 1987-12-03 |
Family
ID=12594210
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4093078A Granted JPS54133277A (en) | 1978-04-07 | 1978-04-07 | Most suitable value arithmetic system for pid control parameter in static system process |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS54133277A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5739412A (en) * | 1980-08-19 | 1982-03-04 | Toshiba Corp | Proportional, integral and differentiating control device of sample value |
JPS62280903A (ja) * | 1986-05-30 | 1987-12-05 | Fuji Electric Co Ltd | 簡易調節計のオ−トチユ−ニング方式 |
-
1978
- 1978-04-07 JP JP4093078A patent/JPS54133277A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS54133277A (en) | 1979-10-16 |
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