JPS62560Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車のシートのシートバツクに
関するもので、特に前面側及び背面側に引込み部
を形成したシートバツクに関するものである。

自動車のシート１のシートバツク２には、第１
図に示す様に、近時デザイン的な要素から上部の
前面側及び背面側に引込み部を一体に形成したも
のがある。

この様なシートバツク２は従来例えば第２図に
示す様に、シートバツクフレーム４に所定形状の
クツシヨンパツド５を装着し、このクツシヨンパ
ツド５を覆う、前面布６ａと背面布６ｂとで袋状
に形成したシートカバー６を被せてシートバツク
２の外形を形成すると共に上端の下部において、
前記前面布６ａの内面に一体に縫着した袋７を内
方へ引き込むべく袋７内に挿入したワイヤ８とク
ツシヨンパツド５に埋設したインサートワイヤ９
とをホグリング１０にて結合し、他方前面布６ａ
の前記引込み部に対応する背面布６ｂの一部に一
体に縫着した袋１１を内方へ引き込むべく袋１１
に挿入したワイヤ１２とシートバツクフレーム４
に架設された引き込みワイヤ１３とをホグリング
１４にて結合してシートバツク２に引込み部を一
体に形成している。

この様に、従来はシートカバー６の前面布６ａ
及び背面布６ｂをシートバツク２の前面側と背面
側とでインサートワイヤ９及び引き込みワイヤ１
３を利用して夫々独立させて結合している為に、
シートバツクの組立てに際して工数が多く、作業
が面倒であると共に部品数が多く、コスト高であ
つた。

また、従来は制約されたシートバツク２の厚み
内でインサートワイヤ９と引き込みワイヤ１３が
設けられる為に、これらに結合される前面布６ａ
及び背面布６ｂの引き込み量が少なく、浅い為
に、引込み部が強調できず、見栄えが悪かつた。

この考案は従来のシートバツクの上記問題点に
鑑み、これを改良除去したもので、シートカバー
の前面側及び背面側の引き込み部を一本の共通の
ワイヤに結合させて引き込み深さを深くしたシー
トバツクを提供する。

以下、この考案の構成を図面に示す実施例に従
つて説明する。

第３図に於いて、２０はシートバツクフレー
ム、２１はシートバツクフレーム２０に装着した
所定形状のクツシヨンパツドで、上端２２の下部
前面に凹み２３を形成してある。２４はシートバ
ツクフレーム２０及びクツシヨンパツド２１の全
面を覆い、シートバツクの外形を構成するシート
カバーで、前面布２５と背面布２６とで袋状に縫
製してあり、下端は前面布２５と背面布２６がホ
グリング手段等で結合してある。このシートカバ
ー２４はクツシヨンパツド２１の上端２２の下部
位置において前面布２５の内面に袋２７を一体に
縫着し、この袋２７内にワイヤ２８を挿入してあ
る。また表面布２５の前記袋部２７と対応した位
置の背面布２６に袋２９を一体に縫着し、この袋
２９内にワイヤ３０を挿入してある。そして前記
シートカバー２４の前面布２５の縫着した袋２７
をクツシヨンパツド２１の凹み２３内に引込み、
他方背面布２６に縫着した袋２９をシートバツク
フレーム２０内に引込み、両袋２７，２９内に挿
入されたワイヤ２８，３０をクツシヨンパツド２
１内の適当位置に幅方向に埋設された一本の共通
な引込みワイヤ３１に夫々ホグリング３２，３３
を介して結合し、シートカバー２４を前面側及び
背面側から引込んで上部に引込み部を形成してい
る。

この様な構成のシートバツクは、シートカバー
２４の前面布２５に縫着された袋２７及び背面布
２６に縫着された袋２９をシートバツク内に引込
み、これを一本の共通な引込みワイヤ３１に結合
しているので、結合部が一個所となり双方の袋２
７，２９が互いに引き合うので双方の引込み量が
多くなると共に双方の袋２７，２９の長さを適当
に調整することによりシートカバー２４の引込み
深さを任意に取ることができ、外観の良い引込み
部が形成される。

尚、上記実施例では、クツシヨンパツド２１内
に埋設された引込みワイヤ３１を利用してシート
バツクの前面側及び背面側の引込み部を結合した
が、この共通な引込みワイヤは上記実施例に変え
て、シートバツクフレームの両側部に端部を結合
させて幅方向にワイヤを張設し、このワイヤを共
通な引込みワイヤとして利用してもよく、更にシ
ートバツクフレームに幅方向にジグザグスプリン
グが張設されるものではそのジグザグスプリング
の一部を共通な引込みワイヤとして利してもよ
い。

以上説明したようにこの考案は、シートバツク
フレームに装着されたクツシヨンパツドを袋状の
シートカバーで覆い、該シートカバーの前面側所
定位置と背面側所定位置とをシートバツク構造体
内に引込むようにした自動車のシートバツクにお
いて、上記シートカバーの前面側と背面側の引込
み部をシートバツク構造体内に張設された共通の
引込みワイヤに結合させたから、シートカバーの
前面側と背面側とを別々の引込みワイヤに結合さ
せる従来のものに比べ、シートバツク製造時での
引込みワイヤの張設工数と部品点数を削減するこ
とができ、低コスト化が図れると共に、制約され
たシートバツクの厚さに対するシートカバーの前
面側及び背面側の引込み深さを大きくしてシート
バツクのくびれ部の輪郭を明確かつ立体的に表現
してくびれ部の存在を強調し、豪華な外観と見栄
えの向上を図り得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車シートの一例を示す斜視図、第
２図は上部に引込み部を一体に形成したシートバ
ツクの構造を示す要部縦断面図、第３図は本考案
に係るシートバツクの構造を示す要部縦断面図で
ある。 ２０……シートバツクフレーム、２１……クツ
シヨンパツド、２２……シートバツクの上端、２
４……シートカバー、２５……前面布、２６……
背面布、２７，２９……袋、２８，３０……ワイ
ヤ、３１……共通な引込みワイヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツクフレームに装着されたクツシヨン
   パツドを袋状のシートカバーで覆い、該シートカ
   バーの前面側所定位置と背面側所定位置とをシー
   トバツク構造体内に引込むようにした自動車のシ
   ートバツクにおいて、上記シートカバーの前面側
   と背面側の引込み部をシートバツク構造体内に張
   設された共通の引込みワイヤに結合させたことを
   特徴とする自動車のシートバツク。