JPS625467Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は左官工事において、浴室や洗面所等
の壁と壁あるいは壁と床の隅コーナー部に埋込ま
れるモルタル用埋込みコーナー材に関するもので
ある。

従来、浴室等の壁や床面はモルタル下地の上に
タイル張り仕上げされるのが一般的であるが、後
日タイルの目地に浴つて、特に隅コーナー部にお
いてモルタルそのものが収縮して亀裂が発生し、
そこへ水が浸透して漏水の原因となり、加えて建
物の木下地を腐らせたり、シロアリ等が営巣する
原因にもなつていた。

そこで、この考案は前記の弊害を除去するため
に左官工事の際、合成樹脂製のコーナー材を埋込
んで仕上げるものである。以下その実施例を図面
に基いて説明すると、モルタル用埋込みコーナー
材１は二枚の合成樹脂製帯板の長手の端縁どうし
を軟質合成樹脂製連結部２で一体的に連結して屈
曲自在とした二辺の埋込板３，３を同時押出成形
し、該埋込板の全長の両外側端部近傍にモルタル
連結孔４，４…を穿設したものである。

また、二辺の埋込板３，３の表面には数本の突
条５，５…を設けて前記モルタル連結孔と共にモ
ルタルへの喰込み保持力を増強させるようにして
ある。この突条５，５…はモルタル連結孔４，４
…を挾んでその両側に設けると効果的である。

そして、埋込板３，３の中央部、軟質合成樹脂
製連結部２寄りに設けた突条５，５により、該埋
込板を内側に折曲げた場合にその隅部に樋６が形
成される。この樋６はモルタル内に埋込んだ際、
たとい内側部のモルタルに亀裂が発生しても浸水
を樋内で阻止し、外側への漏水を防止する効果が
ある。

つぎに、使用状態について説明すると、木下地
７上にラス下地８を施こした隅コーナー部に、こ
の考案のコーナー材１を連結部２で折曲げて隅コ
ーナーの角度に合わせてモルタルだんごで固定し
たあと、モルタル９を所定の厚みに塗り、その上
にタイル張り１０仕上げする。（第３図） このようにして仕上げた隅コーナー部において
は弱点とされていたコーナー部が強化されるの
で、従来の施工例（第４図）のような漏水の原因
となるモルタルの収縮亀裂１１の発生を防止し、
耐久力に勝れた浴室や洗面所の壁面・床を形成す
ることができる。また、二辺の埋込板３，３は軟
質合成樹脂製連結部２で屈曲自在としてあるた
め、取付けるべき隅コーナー部の角度が直角でな
くてもよく、任意の角度に適合するので実用性に
富み、しかも二方向のモルタル壁の収縮逸れがあ
つても内部で吸収し、モルタルとのなじみが良い
特徴もある。

この考案のコーナー材１は浴室や洗面所の隅コ
ーナー部だけでなく、コンクリート建築物の屋上
の屋根押えコンクリートとパラペツトの隅コーナ
ー部等、建築物全般の防水処理を施こすべき隅コ
ーナー部に使用することができる。

以上説明したように、この考案のモルタル用埋
込みコーナー材はモルタルの中に埋込まれること
により、二辺の埋込板が二方向のモルタル壁の収
縮応力を完全に阻止し、かつ収縮逸れに対しても
相容性が良いので内部で破損することもなく、亀
裂の発生を完全に防止する効果を持続する特徴を
有する。そして、あらゆる角度の隅コーナー部に
も適合するので現場対応性が向上する効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のモルタル用埋込みコーナー
材を示す一部の斜面図、第２図は同Ａ−Ａ線断面
図、第３図は同使用状態の断面図、第４図は従来
の施工例を示す断面図である。 １……モルタル用埋込みコーナー材、２……軟
質合成樹脂製連結部、３，３……埋込板、４，４
……モルタル連結孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 二枚の合成樹脂製帯板の長手の端縁どうしを軟
   質合成樹脂製連結部で一体的に連結して屈曲自在
   とした二辺の埋込板からなるコーナー材におい
   て、前記埋込板の全長の両外側端部近傍にモルタ
   ル連結孔を穿設したことを特徴とするモルタル用
   埋込みコーナー材。