JPS62536Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ヘアピン等を包装陳列するための陳
列用商品包装ケースに関する。

この種ケースの従来例としては、本出願人が既
に実公昭51−878号公報として提案したものが公
知である。この従来例は、プラスチツク製の箱体
と蓋体とから成り、箱体の上部に蓋体を着脱自在
に嵌着し、前記蓋体を上下に貫通して吊下孔を開
設すると共に、該吊下孔の周囲に筒形案内壁を形
成したものである。而して、このケースはヘアピ
ン等の商品を収納して陳列に供するに際し、ケー
スは起立状に多数配置され、前記吊下孔を介して
店頭の吊下杆に挿通吊下されるのであるが、ヘア
ピン等の商品重量が前記吊下孔によつてのみ支承
されて前記筒形案内壁にひび割れを生じる不利が
ある。これは該筒形案内壁が蓋体より片持ち状に
形成されていること、蓋体を成形すべき透明プラ
スチツク材が強度的に充分でないことに起因し、
ケースを吊下杆より抜出す際に、吊下杆に対して
筒形案内壁にこじれを生じれば極めて容易にひび
割れご招来してしまうことが認められる。

本考案は上記に鑑みてなされたものであり、箱
体底壁より蓋体の吊下孔下位に延長された保護壁
を備え、該保護壁に吊下孔と合致する補助孔と、
該補助孔の周囲に形成され且つ前記筒形案内壁の
端面に重合状に接当するボス部を備えることによ
り、吊下杆を吊下孔に挿通して吊下陳列されたケ
ースが、ボス部によつて片持ち状の筒形案内壁を
保護し、該案内壁にひび割れを生じないケースを
提供することが目的である。

以下図面に基いて本考案の１実施例を詳述する
と、第１図に於て、１は箱体で、着色されたプラ
スチツクにより一体成形されている。２は蓋体
で、透明のプラスチツクにより一体成形されてい
る。蓋体２は、平面視略長方形とされた頂壁３の
一端部を円弧状に屈曲垂下して前壁４を備えると
共に、頂壁３の他端部を略直角に屈折垂下して後
壁５を備え、該頂壁３の両側に側壁６，６を一体
に備えており、前記円弧状の前壁４の上下を貫通
して吊下孔７を開設し、該吊下孔７の周囲を形成
する筒形案内壁８を前壁４と一体に成形してい
る。前記両側壁６，６は、前記円弧状の前壁４か
ら頂壁３に亘つてこれら壁面より上方に突隆する
リブ状突部９を延設すると共に、該突部９を延長
し且つ後壁５の壁面より後方に突出するフイン部
１０を一体に備えている。筒形案内壁８は、前壁
４より下方に対しては側壁６の底縁と一致する位
置にまで延長された円筒形を成し、前壁４より上
方に対してはリブ状突部９の頂部と一致する位置
にまで突隆延長されて、該案内壁８自体が補助突
部１１を備えている。一方箱体１は、底壁１２
と、該底壁１２より前記蓋体２の前壁４の下位に
延長された保護壁１３とを一連一体に有した底部
１４を形成し、該底部１４の周囲を前記蓋体２の
前壁４側壁６後壁５の底縁を支承するフランジ状
支承部１５となし、同底部１４の両側縁近傍に側
壁１６，１６を立設すると共に、同底部１４の後
縁近傍に後壁１７を立設し、更に底壁１２と保護
壁１３との境界部に両側壁１６，１６を連結すべ
く仕切壁１８を立設している。この箱体１の両側
壁１６，１６は前縁を蓋体２の前壁４に沿う円弧
縁１９に形成し、該箱体１の上部に蓋体２を被冠
嵌着したとき、箱体１の両側壁１６，１６及び後
壁１７が、蓋体２の両側壁６，６及び後壁５の内
側面に略適合されるように成している。箱体１の
前記保護壁１３には、前記吊下孔７と合致する補
助孔２０が上下貫通して開設され、該補助孔２０
の周囲に成形され且つ前記筒形案内壁８の下端面
に重合状に接当適合するボス部２１を保護壁１３
上に成形されている。尚、２２は表示台紙であ
り、箱体１の後壁１７内面に適合される挿入部２
３と、該挿入部２３の中央部上端縁より折返され
て蓋体２の筒形案内壁８にまで延びる表示部２４
とを備えた展開状態略Ｔ字形のものとされ、表示
部２４の表面に適宜商標及び商品表示等を印刷し
ている。

上記実施例に基く本考案によれば、箱体１の底
壁１２上にヘアピン等の商品を収納し、該箱体１
に蓋体２を被冠嵌着した後、適宜接着テープ等に
より蓋体２と箱体１とを連結固着する。而して、
このケースは保管運搬時には上下に積層されるこ
とは勿論、店頭陳列に際しても積層される場合
ち、吊下孔７に吊下杆を挿入することにより前壁
４を上方に向けて多数吊下げられる場合とがあ
る。積層陳列される場合は、第２〜３図示の如
く、各ケースを同一方向に位置して、下層ケース
の蓋体２上に上層ケースの箱体１を載置する。こ
のとき上層ケースの箱体１は好ましくは下層ケー
ス蓋体２のリブ状突部９，９と補助突部１１とに
支承され、該蓋体２の頂壁３が上層ケースの箱体
１に接触することはない。しかも好ましくは前記
補助突部１１がリブ状突部９，９間に存在してい
るので、上層ケースが下層ケース上で位置ずれを
生じた場合でも、下層ケースの蓋体２の頂壁３に
上層ケースの箱体１が接触することはなく、透明
プラスチツクによる頂壁３に傷を発生することが
ない。一方吊下陳列される場合は、箱体１の補助
孔２０と蓋体２の吊下孔７とに吊下杆が挿通さ
れ、ケースが該吊下杆に吊下げられるのであり、
この際蓋体２の筒形案内壁８と箱体１のボス部２
１とが合致し、ケースが吊下杆に対してこじられ
ても、箱体１のボス部２１が吊下杆を強固に包囲
支持しているので該ボス部２１よりひび割れを生
じることはなく、片持ち状の案内壁８の端面が保
護されている。なおボス部２１を形成する保護壁
１３のプラスチツク材は、可及的強度に優れた硬
質のものが望ましい。

第４図は上記箱体の変形実施例を示しており、
上記と同様に底壁１２と保護壁１３とを一連に備
えた底部１４を有し、該底部１４の周囲にフラン
ジ状支承部１５を備えると共に、同底部１４の両
側縁に側壁１６，１６、後縁に後壁１７を立設し
ている。従つて上記第１図示のものと相違する点
は、仕切壁１８に相当するものを有せず、長尺の
ヘアピンを箱体１に収納し得ることである。この
変形例では、表示台紙２５は断面略コ字形とされ
て頂部２６と側部２７，２７とを有し、該側部２
７，２７を側壁１６，１６の円弧縁１９と略一致
する円弧２８に切欠き、これによりボス部２１を
挾持するものとされている。その他の構成は上記
第１図示の実施例と同様であり、該箱体１には上
記と同一の蓋体２が被冠嵌着される。

本考案は以上のように構成した結果、ケースを
吊下陳列する場合、吊下孔７を形成する筒形案内
壁８が蓋体２に一体成形され、また補助孔２０を
形成するボス部２１が箱体１に一体成形されてお
り、このように夫々蓋体２及び箱体１に強固に設
けられた筒形案内壁８とボス部２１とが、箱体１
に蓋体２を装着したとき連通する吊下孔７及び補
助孔２０を一連に形成する更に強固な筒壁を構成
するので、この吊下孔７及び補助孔２０に挿通さ
れた吊下杆に対してケースがこじられたときで
も、前記筒形案内壁８及びボス部２１の両者によ
つて吊下杆を強固に支承し、殊に片持ち状の筒形
案内壁８にひび割れ等を生じることはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示す分解斜面図、
第２図は同縦断側面図、第３図は第２図の−
線断面図、第４図は箱体の変形例を示す分解斜面
図である。 １……箱体、２……蓋体、３……頂壁、７……
吊下孔、８……筒形案内壁、１２……底壁、１３
……保護壁、２０……補助孔、２１……ボス部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 箱体１の上部に蓋体２を着脱自在に嵌着し、前
   記蓋体２を上下に貫通して吊下孔７を開設すると
   共に、該吊下孔７の周囲に筒形案内壁８を形成し
   たものに於いて、前記箱体１が、蓋体２の吊下孔
   ７の下位に位置された保護壁１３を備え、該保護
   壁１３に前記吊下孔７と合致する補助孔２０と、
   該補助孔２０の周囲に形成され且つ前記筒形案内
   壁８の端面に重合状に接当するボス部２１を備え
   て成るを特徴とする陳列用商品包装ケース。