JPS6252231B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は冷凍、冷蔵オープンシヨーケースの
温度調節器に関する。

まずオープンシヨーケースの一般構造を第１図
について述べる。第１図において１はオープンシ
ヨーケースのケース本体の外箱、２は内箱、３，
４は外箱１と内箱２との間に仕切つた冷気循環ダ
クト５内に配置した冷凍機の蒸発器である冷却器
および送風フアン、６は内箱２の庫内に架設した
商品陳列棚、７は庫内陳列商品、８はキヤビネツ
トの前面上部より庫外へ向けてせり出して設置さ
れたキヤノピー形照明器具、９は前記照明器具
８、庫内の天井および各棚６の下面に設置した庫
内照明灯である。なお冷却器３は図示されてない
別置の冷凍機コンデンシングユニツトに接続され
ている。かかる構成において、保冷運転時にはダ
クト５内に冷却器３を貫流した冷気が矢印Ａのよ
うに流れ、キヤビネツトの前面開放域に達してそ
の上部の冷気吹出口１０より下部の吸込口１１へ
向けて冷気エアカーテンA′を吹出し形成し、外
気の侵入しやへいと、庫内陳列商品７の保冷を行
う。

かかるオープンシヨーケースはスーパーマーケ
ツトなどの店舗に据付けられ、店舗営業中は各照
明灯を点灯した状態で保冷運転されるのに対し、
夜間、休日など閉店時には照明灯を消灯した状態
で保冷運転される。ところで一例として精肉、鮮
魚用オープンシヨーケースでは、ケース周囲の店
内空気の温度25℃、湿度60％を標準周囲条件と
し、これに庫内照明灯をすべて点灯した状態を定
格運転条件として、この定格運転条件のもとで、
庫内陳列商品の平均品温を所定冷蔵温度である約
０℃に維持するように保冷運転される。またこの
定格性能を維持するために一般のオープンシヨー
ケースでは、庫内を循環して第１図における冷気
吹出口１０から吹出してエアカーテンA′を形成
する空気の温度をほぼ所定温度に保つよう、冷気
吹出口に近いダクト５内の空気温度を感知して作
動し、冷凍機へ運転制御信号を与える温度調節器
１２が装備されている。この温度調節器は電子
式、あるいは機械式サーモスタツトを備えてお
り、その出力制御信号で例えば冷凍機の冷媒回路
に介挿した液電磁弁１３を開閉して冷凍機を運
転、停止制御させる。

一方、店舗内に据付けて運転されるオープンシ
ヨーケースの運転条件は、夏期と冬期、店舗内の
空気調和機の有無、営業中、閉店時における店内
照明、シヨーケースの庫内照明のオン、オフなど
により先記した定格運転条件より外れて様々に変
化し、この変化に伴つて前面が開放されているオ
ープンシヨーケースへの熱侵入量、したがつて熱
負荷が変わることになる。このために先記のよう
な定格運転条件を基準として庫内吹出し冷気温度
を一定に保つよう温度調節器の動作温度の設定値
を一定に定めておくと、シヨーケースの周囲温度
の変化および庫内照明のオン、オフ条件などによ
つて庫内陳列商品の品温は例えば精肉用オープン
シヨーケースの場合に第２図に示すごとく変化
し、所定の品温を維持し得なくなる。図中特性線
イは照明灯点灯時、ロは照明灯の消灯時の平均品
温、ハは温度調節器の動作設定値、点Ｐは定格運
転の動作点を示す。図から明らかなように、夜間
閉点時など周囲温度の低下、ないし照明灯がオフ
の状態ではオープンシヨーケース庫内への熱侵入
量が減少するために陳列商品の品温が０℃以下に
低下し、精肉が凍結し始めて品質劣化の生じる恐
れもあるし、更に品温を０℃以下に下げるまで冷
凍機を運転し続けることは必要以上に余分な電力
量を消費することになつて省エネルギ化の面でも
好ましくない。逆に周囲温度が高くなると、庫内
への熱侵入量が増すために品温は所定の冷蔵温度
以上に上昇する傾向を示し、前記と同様に商品の
品質劣化を招く恐れがある。

ところで従来のオープンシヨーケースでは温度
調節サーモスタツトの動作温度の設定値は工場出
荷時に調整して固定的に設定されており、このた
めに冬期あるいは夜間閉店時には商品が過冷却さ
れ、かつ余分に電力を消費するし、逆に夏期に店
内周囲温度が高くなると品温上昇を招くなど、広
い周囲環境変化に対して品温を安定に維持するこ
とができない不具合があつた。

かかる点から、ケース周囲温度の変動および庫
内照明灯のオン、オフ条件の如何にかかわらず、
冷蔵商品の品温を安定維持してきめ細かな品温管
理が行える温度調節器が要望されている。

本発明は上記の要望に応えてなされたものであ
り、その目的は広範囲な周囲環境条件の下で商品
の品温を常に安定維持できるようにシヨーケース
の運転制御が行える温度調節器を提供することに
ある。

かかる目的は本発明により、ケース周囲の空気
温度を検出し周囲温度が高い運転領域では動作設
定値を低め、逆に温度が低い運転領域では動作設
定値を高めるように動作設定値を自動的に変える
調整要素と、庫内照明灯の点灯、消灯を検知し、
照明灯の消灯条件で動作設定値を照明灯の点灯時
よりも高く自動的に変える調整要素を備えたこと
により達成される。

以下本発明を図示実施例に基づき詳述する。

まず第３図は機械式サーモスタツトを組合わせ
て構成した実施例を示し、温度調節器本体１４は
感温筒１５を介して検出した冷気吹出口に近い循
環通風冷気の温度応動してその制御接点がオン、
オフ動作する冷却温度調節用のサーモスタツト１
６と、感温筒１７を介して検出したケース周囲外
気の温度に応動してその制御接点が切換動作する
切換サーモスタツトとしてなる第１の調整要素１
８と、庫内照明灯９のオン、オフを電気的に検知
してその制御接点を切換動作させるリレーとして
なる第２の調整要素１９と、および温度調節器の
出力リレー２０を備えて図示のように回路構成さ
れている。このうちサーモスタツト１６は符号
Ｌ，Ｍ，Ｈ，HHで示す４組の制御接点を内蔵
し、各制御接点はシヨーケースの機種、使用温度
に応じて設定ダイヤル２１の調節により、定格運
転条件を基準に例えば第５図に示すような各異な
るレンジの動作設定値に定められている。一方、
第１の調整要素１８は符号H′，L′で示す２組の
制御接点を内蔵しており、第６図に示す動作特性
のようにケース周囲温度の変動に応じて制御接点
H′，L′を切換える。また第２の調整要素１９は
照明灯９と並列に電源へ接続したリレー２２のａ
接点およびｂ接点が図示のように第１の調整要素
１８の制御接点H′，L′とサーモスタツト１６の
各制御接点Ｌ，Ｍ，Ｈ，HHとの間に介挿接続さ
れていて、照明灯スイツチ２３のオン、オフに応
動して接点を切換える。すなわち照明灯９の点灯
時にはリレー２２が動作してａ接点をオンし、第
１の調整要素１８の制御接点を通じて引出した３
本のリード線をそれぞれ右からサーモスタツト１
６の制御接点Ｌ，Ｍ，Ｈに接続する。これに対
し、照明灯９を消灯すれば、今度はリレー２２の
ｂ接点がオンし、３本のリード線をそれぞれサー
モスタツト１６の各制御接点のうち１レンジ高い
制御接点Ｍ，Ｈ，HHへ接続換えする。更にサー
モスタツト１６でオンオフ制御される出力リレー
２０はオンによりそのａ接点を閉じ、液電磁弁１
３を開いて冷凍機を運転する。一方、冷凍機の運
転に伴つて冷気温が低下し、サーモスタツト１６
における選択された制御接点がオフして出力リレ
ー２０がオフとなれば、出力リレーの接点は開い
て液電磁弁１３を断路し、冷凍機の運転を停止さ
せる。また調節器本体１４および各感温筒１５，
１７の設置例は第４図のごとくである。なお本体
１４、感温筒１７の設置位置は図示例に限られる
ものではなく、本体１４を例えばケース外箱１の
上に載せて設置してもよい。またケース周囲温度
を感知する感温筒１７は、例えば省エネルギ化を
目的として夜間閉店時にケース本体の前面開口部
を覆うナイトカバー２４を備えているシヨーケー
スではナイトカバー２４の内側に位置させて、ナ
イトカバー２４を使用した際のケース周囲温を適
確に検出できるように点線１７′で示す位置に取
付けるのがよい。

次に上記構成の温度調節器の動作特性について
述べる。前述の説明からも判るように、サーモス
タツト１６では各制御接点の動作設定値の間にス
テツプ温度差2degが定めてあり、４段階のレン
ジが選択できる。これに対し、第１の調整要素１
８はケース周囲温度を修正検出量として、その時
の周囲温度が25℃の標準周囲温度付近を中心にし
てこれよりも高い運転領域ではサーモスタツト１
６における低レンジの制御接点を選択し、逆に周
囲温度が低い運転領域では高レンジの制御接点を
選択するように温度調節器の動作設定値を修正す
る。また第２の調整要素１９は照明灯９のオン、
オフを電気的に検知し、照明灯９の消灯時には点
灯時よりもサーモスタツト１６における制御接点
の選択を１レンジだけ高めるように動作設定値を
修正する。この結果の総合的な動作特性は第７図
のごとく表わされる。図中特性線ニは照明灯９の
点灯時、線ホは消灯時を示し照明灯のオン、オフ
条件で特性線は矢印の方向にシフトする。また各
線ニ，ホの上方域では出力リレー２０がオン、下
方域ではオフとなつて冷凍機を運転、停止させる
制御信号を出力する。なお各特性線のデイフアレ
ンシヤルは省略してあり、実線には出力リレー２
０のオフ点は各特性線ニ，ホよりも各サーモスタ
ツトのデイフアレンシヤル分だけ低い温度とな
る。また第７図の動作特性から、シヨーケースの
運転特性は第８図のように広域なケース周囲温度
の変化に対し、照明灯９の点、減に関係なく商品
の品温はステツプ式に僅かに変動するだけでほぼ
所定の冷蔵温度を維持できる。なお図中の特性線
ヘ，トはそれぞれ照明灯がオン、オフの状態を示
し、両者の特性は殆ど一致する。

次に電子式温度リレーを採用した実施例を第９
図に示す。図中２４，２５はそれぞれ第３図にお
ける感温筒１５，１７に相当する冷気温検出セン
サ、ケース周囲温検出センサであり、いずれも空
気温度を電気量として電子リレー回路２６へ入力
する。回路２６は詳細な回路を示してないが、先
記の実施例と同様に設定ダイヤル２１で与えられ
た動作設定値をケース周囲温度条件の変動および
庫内照明灯のオン、オフ条件に相応して修正し、
ケース内を循環通風する冷気の温度と対比させて
出力リレー２０をオン、オフ制御するように回路
構成されている。しかも電子リレー回路では先の
実施例における機械式サーモスタツト方式とは異
なり、電子回路による一般的な信号処理手段を駆
使することにより、ケース周囲温度の変動に相応
して動作設定値を無段階式に変更することが容易
に実施可能である。かかる電子温度リレーの実施
例による温度調節器の動作特性を示すと第１０図
のごとくである。図中特性線チは照明灯の点灯
時、リは消灯時の特性を示す。なお特性線チとリ
の間の上下間隔で表わされる動作設定値の修正量
は庫内照明灯の点灯による発熱量がシヨーケース
の庫内温度上昇に与える影響の度合を勘案して定
める。第１０図に示す動作特性は先の実施例の動
作特性（第７図）と較べて、ケース周囲温度の高
い運転領域から低い領域までステツプ式でなしに
連続して無段階式に変化する。したがつてこの動
作特性線の傾きを適正に設定することにより、シ
ヨーケースの運転特性を第１１図のように広範囲
な周囲環境条件の下で品温を所定の冷蔵温度に安
定維持させることができる。なお図中の特性線
ヌ，ルはそれぞれ庫内照明灯の点灯時、消灯時の
品温特性を示す。

なおケースの庫内は循環冷気にて囲まれている
ので、循環送風される冷気の温度のみでなく、ケ
ースの庫内温度を検出するようにしてもよい。

上述のように本発明により、ケース周囲温度の
変動、および庫内照明灯の点灯、消灯など運転条
件の変化にもかかわらず商品を所定の冷蔵温度に
自動的にかつ安定よく維持して、きめ細かな品温
管理が行える優れた機能の温度調節器を得ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はオープンシヨーケースの概略構成図、
第２図は従来の温度調節器によるシヨーケースの
品温特性図、第３図は本発明一実施例の回路図、
第４図は温度調節器の取付図、第５図ないし第８
図は第３図の実施例による各種特性線図、第９図
は他の実施例の回路図、第１０図および第１１図
は第９図の実施例による特性線図である。 １：ケース本体の外箱、２：内箱、３：冷却
器、４：フアン、９：庫内照明灯、１０：冷気吹
出口、１４：温度調節器本体、１６：冷気温調節
用サーモスタツト、１８：ケース周囲温度に応動
する調整要素、１９：照明灯の点灯、消灯に応動
する調整要素、Ａ：循環冷気、A′：エアカーテ
ン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ケース本体の前面開口部へ吹出して冷気エア
   カーテンを形成するよう冷却器と熱交換してケー
   ス内を循環送風される冷気の温度またはケース内
   の庫内温度を検出し、予め与えた動作設定値との
   対比で制御信号を出力してシヨーケースの運転制
   御を行うオープンシヨーケースの温度調節器にお
   いて、ケース周囲空気温度を検出し、周囲温度が
   高い運転領域では動作設定値を低め、逆に周囲温
   度が低い運転領域では動作設定値を高めるように
   動作設定値を自動的に変える調整要素と、庫内照
   明灯の点灯、消灯を検知し、照明灯の消灯条件で
   動作設定値を照明灯の点灯時よりも高く自動的に
   変える調整要素とを備えたことを特徴とするオー
   プンシヨーケースの温度調節器。