JPS625202Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、直交型気液接触塔の充填物の上方に
配設された散水槽へ均等な給水を行なわせる目的
の給水装置に関するものである。

従来、クーリングタワー等の気液接触塔の散水
槽へ給水するには第３図に示す如き装置が使用さ
れている。同図において、１０は充填物、１１は
該充填物の上方に配設された散水槽、１２は該散
水槽１１の上方に垂直に設けた給水管、１３は該
給水管１２の口部を包囲した水入口ボツクス、１
４は該水入口ボツクス１３内に給水管１２の口部
から下方に間隔をおいて設けた止水板、１５は該
止水板１４の外周縁と水入口ボツクス１３の内周
面との間に存する間隙、１６は上記水入口ボツク
ス１３の下辺に設けた開口部であつて、給水管１
２から落下する循環水は止水板１４に衝突して周
方へ拡がり間隙１５から開口部１６を通過して散
水槽１１に分布し底面の散水孔１７から充填物１
０へ雨下する。

しかし、上記の給水管１２から落下する循環水
の水勢は上記止水板１４によつては効果的に弱め
られず、強い水勢を持つたまま間隙１５から開口
部１６へ直通的に流出するので、その強い水勢の
ため水面は波立ち、殊に散水槽の周辺部へ向つて
突進し周辺部では水面が盛り上つて水位が高くな
り、散水槽の諸所に水位の高低差が生じ、散水孔
１７から流下する水量に差が生ずることは避け難
い。また循環水の水勢が強いまま前記の如く散水
槽へ給水されることによりこの水が散水槽底面を
走るためその流れの方向に水量が偏つて水位の差
を生ずることも避け難い。このような原因で循環
水の散布が不均一になることは免れ難い欠点で
る。

本考案は、如上の欠点に鑑み、そのような欠点
のない給水装置を提供すべくなしたもので、散水
槽の上方に設けた給水管の口部を包囲する水入口
ボツクス内に給水管の口部に対向して止水板を設
け、水入口ボツクスの下辺には開口部を設けると
ともに、散水槽底面から上記止水板周辺部までの
高さH₁を散水槽底面から上記開口部の上縁まで
の高さH₀よりも高くして上記止水板の周辺下方
に乱流スポツトを形成したことを特徴とする気液
接触塔の給水装置に関する。

以下、本考案を第１図及び第２図によつて説明
すると、両図の均等部分は同一符号で示され、１
は散水槽、２は給水管、３は水入口ボツクス、４
は止水板、５は該止水板４の周辺部下方に形成さ
れた乱流スポツト、６は上記水入口ボツクス３の
下辺に設けた通水用の開口部、７は散水槽底面の
散水孔である。

第１図では、止水板４の周辺部を水平板としそ
れより中央部に凹入部４′を形成し、この凹入部
４′の裏面を散水槽１の底面から適度に離して該
止水板４を給水管２の口部に対向して支持し、該
止水板４の外周縁と水入口ボツクス３の周壁内面
との間には適度の間隙５′を形成する。しかも、
散水槽１の底面から上記止水板４の周辺部までの
高さH₁は散水槽１の底面から水入口ボツクス３
の上記開口部６の上縁までの高さH₀よりも高く
して前記止水板４の周辺部下方に空間５を形成し
この空間を乱流スポツトとする。

この様に構成すると、給水管２から落下する循
環水は止水板４の凹部４′に溜り、該止水板周辺
の水平部を越えて間隙５′から下方の乱流スポツ
ト空間５に巻込まれて渦巻状の乱流を生じエネル
ギーを消費して水勢は充分に弱められて開口部６
から流出し、散水槽１に全面均等に分布して水面
Ｌに高低差が生じないから、循環水は散水槽底面
の各散水孔７から均等に流下し散布が均一に行な
われる。

第２図では、止水板４を平面板となし、その外
周縁と水入口ボツクス３の周壁内周面との間には
間隙５′を形成し、散水槽底面から上記止水板４
までの高さH₁は散水槽底面から上記水入口ボツ
クス３の下辺に存する開口部６の上縁までの高さ
H₀よりも高くして該止水板４の周辺部下方に乱
流スポツト５を形成し、更に上記開口部６の上縁
には内向縁６′を水平に設ける。なお止水板４の
中央部裏面と散水槽１の底面との間には網等の緩
衝材８を備える。

この様に構成すると、給水管２から落下する循
環水は止水板４の上面に衝突して四方へ流れ、間
隙５′から内向縁６′を介して止水板４の周辺部下
方の乱流スポツト５へ巻込まれる状態で流入し、
該空間において四方からの流入水が衝突し、渦を
生じ、乱流となり、エネルギーを消費して水勢は
充分に弱められ、その結果開口部６から散水槽へ
流出する循環水は全面に均等に分布し、水面の高
低差が生じないから、循環水は散水槽底面の各散
水孔７から均等に流下し散布が均一に行なわれ
る。

なお止水板４の中央部裏面と散水槽１の底面と
の間に緩衝材８を備えると、これに循環水が衝突
することにより、一層効果的に水勢を弱め散水を
均一にする効果多大である。

本考案は、以上の如く止水板の周辺部下方に乱
流スポツトを形成したので該止水板上に落下した
循環水の水勢を上記空間における乱流によつて弱
め、その結果散水槽へ供給される水面の波立ちや
水位の高低差を生ぜず、槽底面の各散水孔から流
下する水量は均等化し循環水の散布が均一に行な
われ、冷却性能を充分に発揮し、実用上の効果多
大である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の二実施例を示す各
切断正面図、第３図は従来の例を示した切断正面
図である。 １は散水槽、２は給水管、３は水入口ボツク
ス、４は止水板、５は乱流スポツト、６は開口部
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 散水槽の上方に設けた給水管の口部を包囲する
   水入口ボツクス内に給水管の口部に対向して止水
   板を設け、水入口ボツクスの下辺には開口部を設
   けるとともに散水槽底面から上記止水板周辺部ま
   での高さH₁を散水槽底面から上記開口部の上縁
   までの高さH₀よりも高くして上記止水板の周辺
   下方に乱流スポツトを形成したことを特徴とする
   気液接触塔の給水装置。