JPS6251422B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は原子力発電設備の配管の屈曲部等を超
音波探傷することができる超音波探傷装置に関す
る。

一般に原子力発電設備の蒸気配管、給水配管等
は設備の嫁動開始後も定期点検時等に超音波探傷
をなし、信頼性を維持するようにしている。とこ
ろで、配管の直線部分については配管に沿つて移
動しながら超音波探傷をなす装置が開発されてい
るが、配管の屈曲部分を自動的に超音波探傷でき
る装置は開発されていない。このため従来は配管
の屈曲部分については作業者が超音波探触子を手
で所定の位置に配置して超音波探傷をなしてい
た。このため作業者の被曝線量が大きく、また作
業能率が低い不具合があつた。また、このような
超音波探傷においては検査毎に超音波探触子の配
置位置を同じにして得られた波形を比較する必要
があるが、配管の屈曲部では前述の如く作業者が
手で超音波探触子を配置、移動していたため、超
音波探触子の配置、移動の再現性が低く、超音波
探傷の結果得られたデータの信頼性が低い等の不
具合があつた。

本発明は以上の事情にもとづいてなされたもの
で、その目的とするところは配管の屈曲部分をも
自動的に超音波探傷することができ、作業者の被
曝線量を大幅に低減できるとともに作業能率が向
上でき、また超音波探傷の信頼性を向上すること
ができる配管の超音波探傷装置を得ることにあ
る。

以下本発明を図面に示す実施例にしたがつて説
明する。第１図ないし第９図は本発明の第１実施
例を示し、図中１は検査すべき配管であつて１ａ
はその屈曲部分、１ｂ，１ｃは直線部分である。
また２はこの第１実施例の装置の固定部材であ
る。そしてこの固定部材２は第３図に示す如く配
管１の外周を締付けるクランプ機構３を有し、配
管１の直線部分１ｃの所定位置に取付固定できる
ように構成されている。また４は駆動側移動部材
である。この駆動側移動部材４は配管１を囲繞す
る円環状をなし、その内面には複数の案内ローラ
５…が設けられており、これら案内ローラ５…は
配管１の外周面に転接し、この駆動側移動部材４
は配管１の直線部分１ｃに沿つて移動自在となつ
ている。なお、この駆動側移動部材４は径方向に
分割可能に構成され、この配管１に着脱自在に構
成されている。そして、この駆動側移動部材４と
上記固定部材２とは直線駆動機構６によつて連結
されている。この直線駆動機構６はリードスクリ
ユー７とこのリードスクリユー７を回動駆動する
動力源たとえばパルスモータ８とから構成されて
おり、上記固定部材２から回転自在に突設され、
また上記駆動側移動部材を貫通してこれに螺合し
ている。そして上記のパルスモータ８によつて上
記リードスクリユー７が回転駆動され、このリー
ドスクリユー７の回転によつて上記駆動側移動部
材４が配管１の直線部分１ｃに沿つて移動するよ
うに構成されている。なお、９は案内杆であつ
て、固定部材２から突設されるとともに駆動側移
動部材４を摺動自在に貫通し、この駆動側移動部
材４の移動を案内するように構成されている。ま
た、１０ａ，１０ｂは一対の回動アームであつ
て、これら回動アーム１０ａ，１０ｂの基端部は
上記駆動側移動部材４の両側に突設された枢着軸
１１ａ，１１ｂによつて上配管１の屈曲部分１ａ
の屈曲方向に沿う面内で回動自在に枢着されてい
る。そして、一方の上記回動アーム１０ａの基端
部分には駆動側回動駆動機構１２が設けられてい
る。この駆動側回動駆動機構１２はウオームホイ
ール１３、このウオームホイール１３に噛合する
ウオーム１４およびこのウオーム１４を回転駆動
するパルスモータ１５とから構成されている。そ
して、上記ウオームホイール１３は上記枢着軸１
１ａすなわち駆動側移動部材４側に取付けられ、
また上記パルスモータ１５およびウオーム１４は
回動アーム１０ａ側に取付けられている。したが
つてパルスモータ１５によつてこのウオーム１４
が回転することによりこの回動アーム１０ａが駆
動側移動部材４に対して回動させるように構成さ
れている。また、上記回動アーム１０ａ，１０ｂ
の先端部には従動側移動部材１６が配管１の屈曲
部分１ａの屈曲方向に沿う面内で回動自在に取付
けられている。この従動側移動部材１６は配管１
を囲繞する円環状をなすとともに外側環部材１６
ａと内側環部材１６ｂとから構成されている。そ
して内側環部材１６ｂは外側環部材１６ａに複数
のローラ１７…を介して回転自在に支承されてお
り、配管１の周方向に沿つて回転自在となつてい
る。また、上記回動アーム１０ａの上端部分には
従動側回動駆動機構１８が設けられている。この
従動側回動駆動機構１８はウオームホイール１
９、このウオームホイール１９に噛合するウオー
ム２０およびこのウオーム２０を回転駆動するパ
ルスモータ２１とから構成され、上記ウオームホ
イール１９は上記従動側移動部材１６の外側環部
材１６ａから突設された枢着軸２２の先端すなわ
ち従動側移動部材１６側に取付けられており、ま
た上記ウオーム２０およびパルスモータ２１は回
動アーム１０ａ側に取付けられている。したがつ
てこのパルスモータ２１によつてウオーム２０が
回転されると従動側移動部材１６はこの回動アー
ム１０ａ，１０ｂに対して回動されるように構成
されている。また、上記内側環部材１６ｂの内面
には複数の超音波探触子２３…が設けられてお
り、これら超音波探触子２３…の探触面は配管１
の表面に摺接している。また、この内側環部材１
６ｂと外側環部材１６ａとの間には回転駆動機構
２４が設けられている。この回転駆動機構２４は
リングギヤ２５、このリングギヤ２５に噛合する
ピニオン２６およびこのピニオン２６を回転駆動
するパルスモータ２７とから構成されており、上
記リングギヤ２５は内側環部材１６ｂに取付けら
れ、またピニオン２６およびパルスモータ２７は
外側環部材１６ａ側に取付けられている。したが
つてこのパルスモータ２７によつてピニオン２６
が回転駆動されることにより内側環部材１６ｂが
回転され、この内側環部材１６ｂに取付けられた
超音波探触子２３…が配管１の周方向に移動する
ように構成されている。なお、この従動側移動部
材１６も径方向に分割可能に構成され、配管１に
着脱自在となつている。そして、上記直線移動機
構６のパルスモータ８、駆動側回動駆動機構１２
のパルスモータ１５、従動側回動駆動機構１８の
パルスモータ２１および回転駆動機構２４のパル
スモータ２７はいずれも制御回路２８によつて駆
動制御されるように構成されている。この制御回
路２８は直線駆動機構６のパルスモータ８の回転
量すなわち駆動側移動部材４の移動量に対応して
駆動側回動駆動機構１２のパルスモータ１５の回
転量すなわち回動アーム１０ａ，１０ｂの回動量
を制御し、この回動アーム１０ａ，１０ｂの先端
部および従動側移動部材１６が配管１の屈曲部分
１ａに沿つて移動するように構成されている。ま
た、この制御回路２８は上記駆動側移動部材４の
移動量と回動アーム１０ａ，１０ｂの回動量に対
応して従動側回動駆動機構１８のパルスモータ２
１の回転量を制御して従動側移動部材１６の回動
量を制御し、この従動側移動部材１６が配管１の
屈曲部分１ａの曲率半径方向に常に沿うようにそ
の姿勢を制御するように構成されている。さらに
この制御回路２８は従動側移動部材１６の移動量
に対応して回転駆動機構２４のパルスモータ２７
の回転量を制御し、内側環部材１６ｂが従動側移
動部材１６の移動量に対応して回転されるように
構成されている。したがつて上記内側環部材１６
ｂに取付けられた超音波探触子２３…は配管１の
周方向に沿つて移動しながら屈曲部分１ａの軸方
向に沿つて移動するように構成されている。ま
た、上記各パルスモータ８，１５，２１，２７の
制御はあらかじめ制御回路２８内にプログラムさ
れており、よつて固定部材２の取付位置が同一位
置であれば超音波探触子２３…は常に同じ軌跡で
移動するように構成されている。そして、これら
超音波探触子２３…探傷装置本体（図示せず）に
接続され、所定の軌跡に沿つて探傷をなすように
構成されており、また上記制御回路２８からは超
音波探触子２３…に対応した信号が上記の探傷装
置本体に送られるように構成されている。

以上の如く構成された本発明の第１実施例はま
ず第７図に示す如く固定部材２を配管１の直線部
分１ｃの所定位置に取付固定するとともに駆動側
移動部材４および従動側移動部材１６を配管１に
嵌合し、駆動側移動部材４を直線部分１ｃの上部
に位置させ、また従動側移動部材１６を屈曲部分
１ａの上端部に位置させる。そして制御回路２８
からの信号によつて直線駆動機構６のパルスモー
タ８を回転駆動してリードスクリユー１７を回転
させ、駆動側移動部材４を配管１の直線部分１ｃ
に沿つて下方に移動させるとともに駆動側回動駆
動機構１２のパルスモータ１５を回転駆動し、回
動アーム１０ａ，１０ｂを駆動側移動部材４の移
動量に対応して回動させる。したがつて第８図に
示す如くこの回動アーム１０ａ，１０ｂの先端部
およびこの先端部に取付けられた従動側移動部材
１６は配管１の屈曲部分１ａに沿つて移動する。
また、これとともに従動側回動駆動機構１８のパ
ルスモータ２１も回転駆動され、従動側移動部材
１６はその移動量に対応して回動され、この従動
側移動部材１６は常に屈曲部分１ａの曲率半径方
向に沿う姿勢に維持される。さらにこの従動側移
動部材１６の移動に対応して回転駆動機構２４の
パルスモータ２７が回転駆動され、内側環部材１
６ａが回転される。したがつてこの内側環部材１
６ａに取付けられている超音波探触子２３…は配
管１の表面に沿つて周方向に回転移動しながら屈
曲部分１ａの管軸方向に沿つて移動する。そして
これらの超音波探触子２３…は上記の如く移動し
ながら超音波を発振するとともにその反射波を受
信し、この配管１の屈曲部分１ａの超音波探傷を
なす。そしてこのようにして超音波探傷をしなが
ら従動側移動部材１６は屈曲部分１ａの下端まで
移動し、超音波探傷を終了する。したがつてこの
配管１の屈曲部分は自動的に超音波探傷され、そ
の作業能率が大幅に向上するとともに検査中には
作業者はこの配管近傍に居る必要はなく、作業者
の被曝線量は大幅に低減される。また、上記超音
波探触子２３…の移動はあらかじめ制御回路２８
内に設定されたプログラムに従つて自動的におこ
なわれるので、固定部材２が所定の位置に取付固
定されていれば超音波探触子２３…は検査毎に同
じ軌跡で移動するので検査の再現性が向上し、検
査データの信頼性も向上する。

なお、本発明は上記の第１実施例には限定され
ない。

たとえば第１０図には本発明の第２実施例を示
す。この第２実施例は直線移動機構６駆動側回動
駆動機構１２′、従動側回動駆動機構１８′よび回
転駆動機構２４′の動力源であるパルスモータ
８′，１５′，２１′，２７′を固定部材２、駆動側
移動部材４、回動アーム１０ａ，１０ｂおよび従
動側移動部材１６とは別体の基台２９に取付け、
フレキシブルシヤフト３０，３１，３２，３３等
の可撓性の動力伝達機構で連結したものである。
なお、この第２実施例は上記の点以外は前記第１
実施例と同様の構成で第１０図中第１実施例と対
応する部分には同符号を附してその説明を省略す
る。この第２実施例は重量の大きなパルスモータ
８′，１５′，２１′，２７′を別体の基台２９に取
付けたので配管１に取付ける固定部材２、駆動側
移動部材４、回動アーム１０ａ，１０ｂおよび従
動側移動部材１６が軽量小形となり、取扱が容易
となるものである。

さらに本発明は上記の実施例にも限定されな
い。

たとえば超音波探触子を配管の周方向に沿つて
多数個配置すれば内側環部材や回転駆動機構は必
らずしも設ける必要はない。

また、駆動側移動部材を配管の直線部分に沿つ
て直線的に移動させる直線駆動機構も必らずしも
上記のものに限定されない。

上述の如く本発明は配管の直線部分に沿つて移
動する駆動側移動部材およびこれを駆動する直線
駆動機構を設け、またこの駆動側移動部材に回動
アームの基端部を枢着するとともにこの回動アー
ムの先端部に従動側移動部材を枢着し、この回動
アームを回動駆動する駆動側回動駆動機構および
従動側移動部材を回動アームに対して回動駆動す
る従動側回動駆動機構を設け、上記従動側移動部
材に超音波探触子を取付け、また上記直線駆動機
構、駆動側回動駆動機構および従動側回動駆動機
構を制御する制御回路を設け、駆動側移動部材の
移動に対応して回動アームを回動させてこの回動
アームの先端部および従動側移動部材を配管の屈
曲部分に沿つて移動させ、またこの従動側移動部
材の移動に対応してこの従動側移動部材を回動し
て屈曲部分の曲率半径方向に対して常に一定の姿
勢を維持させるものである。したがつて超音波探
触子はこの配管の屈曲部分に沿つて自動的に移動
され、自動的に超音波探傷がなされ、作業者の被
曝線量が大幅に低減するとともに作業能率も向上
し、また超音波探触子は制御回路に設定されたプ
ログラムに従つて所定の軌跡で移動するので検査
毎にこの超音波探触子が移動する軌跡が正確に同
じとなり、検査の再現性が向上し検査データの信
頼性も向上する等のその効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第９図は本発明の第１実施例を示
し、第１図は側面図、第２図は正面図、第３図は
第１図の―線に沿う断面図、第４図は第１図
の―線に沿う断面図、第５図は第１図の―
線に沿う断面図、第６図は第５図の―線に
沿う断面図、第７図ないし第９図はそれぞれ異な
る作動状態を示す側面図である。また第１０図は
第２実施例の側面図である。 １…配管、１ａ…屈曲部分、１ｂ，１ｃ…直線
部分、２…固定部材、４…駆動側移動部材、６，
６…直線駆動機構、７…リードスクリユー、８，
８′…パルスモータ（動力源）、１０ａ，１０ｂ…
回動アーム、１２，１２′…駆動側回動駆動機
構、１３…ウオームホイール、１４…ウオーム、
１５，１５′…パルスモータ（動力源）、１６…従
動側移動部材、１６ａ…外側環部材、１６ｂ…内
側環部材、１８，１８′…従動側回動駆動機構、
１９…ウオームホイール、２０…ウオーム、２
１，２１′…パルスモータ（動力源）、２４，２
４′…回転駆動機構、２７…パルスモータ（動力
源）、２８…制御回路、２９…基台、３０，３
１，３２，３３…フレキシブルシヤフト（可撓性
動力伝達機構）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 検査すべき配管の屈曲部分近傍の直線部分に
   沿つて移動自在に設けられた駆動側移動部材と、
   この駆動側移動部材を上記配管の直線部分に沿つ
   て移動させる直線移動機構と、基端部が上記駆動
   側移動部材に上記配管の屈曲部分の屈曲方向に沿
   う面内で回動自在に枢着された回動アームと、こ
   の回動アームを上記駆動側移動部材に対して回動
   駆動する駆動側回動駆動機構と、上記回動アーム
   の先端部に上記配管の屈曲部分の屈曲方向に沿う
   面内で回動自在に枢着され上記配管の屈曲部分に
   沿つて移動自在な従動側移動部材と、この従動側
   移動部材を上記回動アームに対して回動駆動する
   従動側回動駆動機構と、上記従動側移動部材に取
   付けられ上記配管の表面に摺接した超音波探触子
   と、上記直線駆動機構、駆動側回動駆動機構およ
   び従動側回動駆動機構を制御し上記駆動側移動機
   構の直線移動量に対応して上記回動アームの回動
   量を制御しこの回動アームの先端部および上記追
   従側移動部材を上記配管の屈曲部分に沿つて移動
   させるとともに上記従動側移動部材の移動量に対
   応してこの従動側移動部材の上記回動アームに対
   する回動量を制御しこの従動側移動部材が上記配
   管の屈曲部分の曲率半径方向に対して所定の姿勢
   を維持するように制御する制御回路とを具備した
   ことを特徴とする配管の超音波探傷装置。 ２ 前記超音波探触子は前記配管の周方向に沿つ
   て回転可能に設けられていることを特徴とする前
   記特許請求の範囲第１項記載の配管の超音波探傷
   装置。 ３ 前記直線駆動機構、駆動側回動駆動機構およ
   び従動側回動機構の動力源は前記駆動側移動部
   材、回動アームおよび従動側移動部材とは別体に
   設けられ前記直線駆動機構、駆動側回動駆動機構
   および従動側回動駆動機構にそれぞれ可撓性の動
   力伝達機構で連結されていることを特徴とする前
   記特許請求の範囲第１項記載の配管の超音波探傷
   装置。