JPH0664028B2 - 超音波探傷方法 - Google Patents

超音波探傷方法

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JPH0664028B2
JPH0664028B2 JP59273596A JP27359684A JPH0664028B2 JP H0664028 B2 JPH0664028 B2 JP H0664028B2 JP 59273596 A JP59273596 A JP 59273596A JP 27359684 A JP27359684 A JP 27359684A JP H0664028 B2 JPH0664028 B2 JP H0664028B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、管状の被検体の非破壊検査を行う為の超音波
探傷方法に係り、特に、曲り部や溶接歪を有する管の検
査に好適なように創作した超音波探傷法に関するもので
ある。
〔発明の背景〕
曲り部分を有する管状の被検体を超音波探傷するための
技術として、特開昭56−39459号、及び特開昭57−17525
5号が公知である。
第15図はこれらの公知技術の基本的な原理を説明するた
めの模式図である。この装置は配管1上に着脱自在に取
り付けられるガイドレール2、ガイドレール2上を配管
1周方向に走行する移動体3、移動体3に取り付けられ
る探傷アーム4、探傷アーム4に沿って移動する探触子
6により構成されている。こうした公知の探傷装置によ
って、第16図に実線で示したように、直管部と曲管部と
が連続している被検物を探傷するには、直管部に設けた
ガイドレール2に沿って移動体3を走行させ、アーム4
を介して支承した探触子6を曲管部の周囲に走査する。
前述の特開昭56−39459号の装置は上記の走査を作業員
が手動で行い、特開昭57−175255号の装置では自動的に
走査が行われるが、上記双方の公知例とも基本的な原理
は類似である。
これらの公知技術によって、実線で示した形状の被検体
(直管部1aと曲管部1bとが連続した管状被検体)1の検
査を行うと、この装置は、被検体が仮想線で示した1cの
ような形であるものと錯覚して検査結果を出す。即ち、
装置の制御上及び検査データ上、探触子6の位置は6′
に、超音波ビーム24は24′に、それぞれ表示及び記録さ
れる。よって、配管に欠陥がある場合、実際の欠陥位置
と、超音波探傷によって検出した欠陥位置とにずれが生
ずるという問題が有った。
また、管状被検体の少なくとも一部に溶接歪などの凹凸
が有る場合も、同様にして欠陥位置に誤差を生じる。
〔発明の目的〕
本発明は上述の事情に鑑みて為されたもので、管状の被
検体に直管部と曲管部とが有るとき、検出した欠陥の位
置を自動的に補正して高精度で欠陥位置を標定できる超
音波探傷方法を提供しようとするものであって、上記曲
管部の曲率半径が管径の1.5倍である場合に適用され
る。
〔発明の概要〕
上記の目的を達成する為に創作した本発明の超音波探傷
装置に関して、その基本的な原理を第5図および第7図
を参照しつつ略述すると、 第5図に示されているように、 直径寸法Dの直管部1aと、直径寸法がDであって曲率半
径1.5Dの曲管部1bとが連続している被検体を超音波探傷
する場合、 上記直管部と曲管部とが接している円を含む基準面を想
定し、 探傷アーム4の長さをLとし、 上記探傷アームが直管部に対して傾いている角をαと
し、 上記探傷アームの回動中心点(14)と前記基準面との間
の距離をlとし、 探触子6が探傷アームに取り付けられている点と、該探
触子が被検物に接触している面との間の距離をhとし、 前記被検体の円周方向についての探触子の角位置をφと
して(第7図参照)、 前記基準面から探触子までの距離 を、 上記の式(7)によって算出する。
ただし、前記の角位置φは、被検体の曲管部の中心線が
位置している仮想の平面を基準としたものである。
〔発明の実施例〕
次に、本発明の一実施例を第1図乃至第8図について説
明する。第1図は本発明の超音波探傷方法を実施するた
めに用いた装置の部分的断面図に所要寸法を表わす記号
を付記した説明図である。第2図は、第1図のAA矢視
図、第3図は、第1図のB矢視図をそれぞれ示す。
第1図において、直管1aとエルボ1bの溶接線13の直管1a
側にはガイドレール2を設置してあり、該ガイドレール
2上には、移動体3が搭載されている。移動体3内には
モータ21が設けてあり、このモータ21がピニオン10を駆
動する。ピニオン10は軌道2に設けたラック11と噛み合
い、移動体3をガイドレール2上で直管1aの周方向に走
行させる。移動体3には、ピン14を介して、探傷アーム
4が移動体3に対して回動自在に取り付けられており、
該探傷アーム4には、探触子6を備えた探触子保持部5
が設けられている。
本例においては探触子6に操作部7を設けてあって、操
作者が手動で探触子6を走査する構造であるが、本発明
を実施する際第9図〜第11図について後述する如く上記
の探触子6を走査する為の自動装置を設けることもでき
る。探触子6および探触子保持部5は、探傷アーム4に
沿って配管1a,1bの軸方向に走査される。移動体3の配
管1a,1bの周方向位置は、駆動モータ21に直結したロー
タリーエンコーダ22によって検出される。一方、第2図
に示したように、探触子6の探傷アーム4上の位置を検
出する手段を設ける。本第2図に示したように、本例に
おいては、探触子保持部5を摺動自在に支承している探
傷アーム4は2本の平行軸4a,4bによって構成してあ
る。探触子保持部5の位置は、探傷アーム4a,4bと平行
に設けたボールネジ・ボールナット手段18が、探触子保
持部5内に設けた歯車19及びロータリーエンコーダ20を
駆動することにより検出される。
また、移動体3は軌道保持部12(第1図)によって軌道
上に保持されている。
探傷アーム4a,4bは、第3図に示す如く、ピン14を介し
て、移動体3に対し、回動自在に取り付けられている。
このピン14には、歯車8が設けてあり、エルボ1b側を探
傷する際に、探傷アーム4が傾くと、歯車8を介してロ
ータリーエンコーダ9によって回動角α(第1図参照)
が検出される。
前記の探触子保持部5は、第2図に示すように上部探触
子保持部5aと下部探触子保持部5bとに分割して、ピン15
によって回動自在に軸着してある。
上部探触子保持部5aにはロータリーエンコーダ17が設け
てあり、探触子6が上部探触子保持部5aに対して回動し
た傾き角β(第1図について既述)は、前記のピン15に
設けた歯車16を介してロータリーエンコーダ17によって
検出される。
この様に、移動体3に対する探傷アーム4の傾き角度α
及び、探触子保持部5に対する探触子6の傾き角度βが
検出される。
次に、傾き角度αを用いて、探触子位置を補正する方法
について説明する。ここで、便宜的に、配管上の円周方
向位置は、第4図に示す如く、角度をつけて定義するも
のとする。
まず、円周方向0゜の位置で探傷する場合を第5図に示
す。
本実施例の被検体を構成している曲管部1bの曲率半径
は、本第5図に示されているように直径寸法Dの1.5倍
である。このような曲管部材はロングエルボもしくはベ
ント管などと呼ばれていて各種型式の規格品が有るが、
遠隔操作による超音波探傷が最も重要視される原子力発
電設備においては、径寸法の1.5倍の曲率半径の曲管部
を設けることが標準であって、この他の寸法の曲率半径
の曲管部が用いられるのは1.5倍の曲管部を用いること
のできない特殊な場合のみである。このため、本発明は
曲率半径1.5Dの場合に適用されるように創作した。
探傷アーム4上でのピン14と探触子6との距離をLと
し、溶接線13を含む面とピン14との距離をlとし、管状
被検体の外径をDとし、曲管部1bの腹側(曲率中心に近
い側)の曲率をDとし、探触子支承部のピン15と被検物
表面との間の距離をhとする。
αは前述の探傷アーム4の回動角を表わす。
比較のために、本発明を適用した補正を行わない場合
(従来技術)による欠陥検出状態について説明すると、
あたかも、仮想線で示した1cを、L−lの位置で探傷し
ているのと同じように検知されて欠陥位置の測定値に誤
差を生じる。
次に、本発明の装置によって前記の回動角αを検出し、
これを用いて補正する場合を第5図について説明する。
ここで、三角形ABC、及び、同BDEを定義する。ここでは
Aはエルボ1bの曲率中心である。ΔABCに於いて、正弦
定理より、 である。ここで (1)式に、(2),(3),(4)式を代入すると となり、中心角γが求められる。よって、溶接線13から
探触子6までの距離 は、 となる。
円周方向180゜の位置で探傷する場合を第6図に示す。
この場合も補正を行なわないとすると、探触子6′が、
溶接線13からL−lの位置で探傷しているのと同一の状
態となる。補正を行なうと前掲の(3)式は、 ▲▼=D−h ……(3)′ となるから、(1)式に(2),(3)′,(4)式を
代入して、 より溶接線13から探触子6までの距離 は、 となる。
次に、0゜〜180゜及び180゜〜360゜(ただし、0゜,18
0゜,360゜は含まない)の範囲で探傷を行う場合につい
て説明する。第7図は、第4図のC矢視図である。探触
子6が配管1上を移動すると、軸方向の曲率中心AはP,
P′間で移動する。この時、曲率半径▲▼は、探触
子の位置(配管1上の円周方向の角度)をφとすると、
第7図から明らかなように、 D≦▲▼=1.5D+0.5Dcosφ≦2D となる。よって、(3)式は一般的に書き直すと、 ▲▼=1.5D+(0.5D+h)cosφ となり、第5,6図に於ける溶接線13からの探触子6の距
は、 次に探触子の傾き角度βによる補正について説明する。
第8図は、配管1の溶接ビード23の近傍を本発明に係る
検査装置によって探傷する状態の一例を示した説明図で
ある。
本例において管状被検体1′は図の中央付近の溶接ビー
ド23で接続されており、該ビード23の付近に溶接歪を生
じている。
ピン15からビード23付近に下した垂線の足をF′として
示してある。
溶接歪が無い状態を想定して下した垂線の足はF位置と
なる。
探触子6からの超音波ビーム24の入射方向は、前記の溶
接歪が無い場合の超音波ビーム24′に比べ、探触子6の
探触子保持部5に対する傾き角βだけずれる。よって、
第8図に示す状態で探傷を行ない、欠陥が検出された場
合、傾き角度βによる補正を行なわないと正しくはQ点
に存在するはずの欠陥は、Q′点に存在するものとし
て、その位置が測定されてしまう。実際の欠陥位置R′
Qは、配管1の板厚をTとすると ▲▼▲▼−▲▼′ =Ttan(θ−β)hsinβ (8) となり、探触子保持部5に対する探触子6の傾き角度β
により求められる。第(8)式におけるθは、探触子6
の探触角度である(第8図参照)。
前記の実施例は、特開昭56−39459号の様に、探触子の
走査は作業員が手動で行ない、探触子位置データ及び検
査データ等の探傷データを自動的に収録する半自動式の
超音波探傷装置への、本発明の適用例を示したものであ
るが、次に、特開昭57−175255号等の様に探触子の走査
も自動で行なわれる自動式超音波探傷装置への適用例を
第9図〜第11図を用いて説明する。
本例の探傷アーム4′はエアシリンダを利用して伸縮制
御できるように構成してあり、上記の伸縮に伴って探触
子6′は直管部1aの軸心方向に走査される。
第9図は、本実施例の全体図、第10図は第9図のD矢視
図、第11図は第9図の矢視図をそれぞれ示す。移動体3
の配管1aの円周方向の移動及び位置検出は、第1図に示
した実施例と同様に、移動体3内のモータが、ピニオン
10を駆動し、その回転をロータリーエンコーダ検出する
ことにより行なわれる。
また、探触子6の配置軸心方向(図の左右)への駆動
は、エアシリンダーで構成される探傷アーム4′の伸び
を、巻き取りドラム27、モータ21(第11図)により長さ
を調節されるワイヤ26により調整することにより行なわ
れる。探触子6の軸心方向の位置は、モータ21に接続さ
れたロータリエンコーダ22により検出される。又、探傷
アーム4はピン14により移動体3に対し回動自在に取り
付け、探触子6はピン15により探触子保持部5に対し回
動自在に取り付けてある。直、曲倣いアーム25は、被検
面が曲面であっても、探触子6を常に被検面曲率中心方
向に押し付けるためのものである。この様な自動式の超
音波探傷装置の場合も、第10図及び第11図に示す如く、
第2図,第3図に示した実施例と同様に、移動体3に対
する探傷アーム4の傾き角度αの検出機構及び、探触子
保持部5に対する探触子6の傾き角度βの検出機構を容
易に設けることができる。従って、本例においても、角
度α,βを検出することにより、前掲の(7),(8)
式を用いて探触子位置及び、検出された欠陥位置を求め
ることができる。
次に、(7)式及び(8)式により探触子位置及び、欠
陥位置を求める為の回路の例を第12図〜第14図に示す。
第12図,第13図は、(7)式の演算を行なう為の回路例
である。回路に入力される外部信号28は、第5〜7図で
示した配管1a,1bの外径及び曲率を示す図、探触子保持
部5の高さh、及びピン14と溶接線13によって決められ
る面との距離lとによって構成される。また、内部信号
29は、ロータリーエンコーダ9,17,22により検出される
探傷アーム4の回動角度α、探触子位置L、移動体3の
位置φによって構成される。本図に示した実施例の回路
は、信号を定数倍する増幅器30、加減算器31、cos関数
発生器32、剰算器33、除算器34、sin 関数発生器3
5、により構成される。外部入力信号28及び内部入力信
号は、この回路により、(7)式に示す様に演算され、
結果として探触子位置が、表示装置36及び検査データの
記録装置37に入力される。次に第14図について説明す
る。第14図は、(8)式の演算を行なう為の回路の例で
ある。この場合、第8図に示す様に、外部入力信号は、
配管1a,1bの板厚T、探触子保持部5の高さh、超音波
による探傷角度θであり、内部信号41は、探触子6の傾
き角度βである。本実施例の回路は加減算器31、剰算器
32、sin関数発生器42、tan関数発生器43により構成され
る。各信号は、この回路で(8)式に示す様に演算さ
れ、その結果は、表示装置36及び記録装置37に入力され
る。
この様に、本発明による超音波探傷装置の探触子位置検
出機構及び、欠陥位置検出機構は簡易な構造である上
に、信号処理回路も簡単な構成で足りるので、産業上の
利用可能性が大きい。
また、本発明による超音波探傷装置と従来の超音波探傷
装置の探触子位置の測定値の差 及び欠陥検出位置の差Δ▲▼を求めると(7),
(8)式より となる。ここで本発明による超音波探傷方法を原子力発
電所で用いられる12BSCH80配管の直管+エルボ溶接部に
適用したものとして、(9),(10)式に、 を代入すると、 となり、従来の超音波探傷技術ではこの場合、探触子位
置は実際の1.17倍、欠陥位置は実際の1.39倍に測定され
ていたことになる。この様に、上述の実施例によると欠
陥位置の標定精度を著しく向上せしめることができる。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、本発明の超音波探傷方法によれ
ば、管状の被検体に直管部と曲管部とが有る場合におい
ても、検出した欠陥の位置を自動的に補正して高精度で
欠陥を標定することができるという優れた実用的効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の超音波探傷を実施するために構成した
装置の一部を破断して描いた側面図、第2図は第1図の
A−A断面図、第3図は第1図のB矢視図、第4図は配
管上の位置の説明図、第5図乃至第7図は探触子位置補
正方法の説明図、第18図は欠陥位置補正法の説明図、第
9図は本発明の他の実施例の側面図、第10図は第9図の
D矢視図、第11図は第9図のE矢視図、第12図及び第13
図は探触子位置補正の為の演算回路の例、第14図は欠陥
位置補正の為の演算回路の例、第15図及び第16図は公知
の超音波探傷機の説明図である。 1……配管、2……ガイドレール、3……移動体、4…
…探傷アーム、5……探触子保持部、6……探触子、8
……歯車、9……ロータリーエンコーダ、10……ピニオ
ン、11……ラック、13……溶接線、14……ピン、15……
ピン、16……歯車、17……ロータリーエンコーダ、18…
…ボルトネジ・ボルトナット、19……歯車、20……ロー
タリーエンコーダ、21……モータ、22……ロータリーエ
ンコーダ、23……溶接ビード、24……超音波ビーム、26
……ワイヤ、27……巻取りドラム、30……増幅器、31…
…加減算器、32……cos関数発生器、33……剰算器、34
……除算器、35……sin関数発生器、42……sin関数発生
器、43……tan関数発生器。
フロントページの続き (72)発明者 高久 和夫 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 菊地 敏一 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 日立ニ ユークリアエンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−39459(JP,A) 特開 昭59−145958(JP,A) 実開 昭58−165666(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検物に沿って設置されるガイドレール
    と、上記ガイドレールに沿って移動する移動体と、上記
    移動体に枢支されて被検面と垂直な面内で回動可能な探
    傷アームと、上記探傷アームに支承されて被検面上を摺
    動せしめられる探傷子とを備え、前記の移動体に対する
    探傷アームの回動角度を検出する手段、及び上記検出手
    段の出力信号を入力されて前記探触子による探傷位置の
    補正計算を行う手段を設けた超音波探傷装置を用いて、 直径寸法Dの直管部と、直径寸法がDであって曲率半径
    1.5Dの曲管部とが連続している被検体を超音波探傷する
    場合、 上記直管部と曲管部とが接している円を含む基準面を想
    定し、 前記探傷アームの長さをLとし、 上記探傷アームが直管部に対して傾いている角をαと
    し、 上記探傷アームの回動中心点と前記基準面との間の距離
    をlとし、 前記探触子が探傷アームに取り付けられている点と、該
    探触子が被検物に接触している面との間の距離をhと
    し、 前記被検体の円周方向についての探触子の角位置をφと
    して、 前記基準面から探触子までの距離 を次の式によって算出することを特徴とする超音波探傷
    方法。 ただし、前記の角位置φは、被検体の曲管部の中心線が
    位置している仮想の平面を基準とした角位置である。
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